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月額料金が変わる「段階制プラン」のメリットとデメリット


MVNO(仮想移動体通信事業者)が提供する「格安SIM」にはいくつかのメリットがありますが、料金プランの種類が多く、自分の使い方に合ったプランを選びやすいこともそのひとつに挙げられます

データ利用量が毎月1GB未満で月額料金を徹底的に安くできる「小容量」プランから、毎月50GBまで通信できる「大容量」プラン、通信速度は遅めだけれどもデータ利用量が「使い放題」のプラン、「通話料割引オプション」が組み込まれているプランなど、格安SIMでは多彩な料金プランが提供されています。

そんな格安SIMの料金プランのなかでも変わり種と言えるのが、その月の通信量に応じて月額料金が変動する「段階制」プラン。大手キャリアでは2019年6月から3社すべてで段階制プランを選べるようになりましたが、MVNOで段階制の料金プランを提供する事業者は意外と限られています。

そこで今回は、格安SIMの段階制プランを紹介しつつ、そのメリットとデメリットを改めてチェックしてみたいと思います。

格安SIMで段階制プランを選べるのは?

まずは、段階制プランが選べる代表的な格安SIMをピックアップしてみましょう。

●1GBステップで標準的な月額料金、エキサイトモバイルの「最適料金プラン」

エキサイトの「エキサイトモバイル」では、データ利用量が最大10GBの「最適料金プラン 1枚コース」を提供しています。音声通話SIMの月額料金は500MBまで使うと1,330円(税別、以下同)、1GBまでなら1,360円。以降は1GBステップで料金が増えていき、上限の10GBでは3,080円となります。

最適料金プランにおける各ステップの月額料金は、価格が変化しない一般的な料金プランで同じデータ利用量が使えるものと同程度。データ利用量の区切りも1GBステップと細かいので、後述するメリットを得やすいのが特徴です。

エキサイトモバイル「最適料金プラン 1枚コース」

エキサイトモバイル「最適料金プラン 1枚コース」

なお、エキサイトモバイルでは3枚のSIMカードで通信容量を分け合える「最適料金プラン 3枚コース」も提供しています。こちらはデータ利用量の上限が毎月15GBまでで、音声通話SIMを1枚だけ使う場合の月額料金は最大で4,680円となります。

エキサイトモバイル「最適料金プラン 3枚コース」

エキサイトモバイル「最適料金プラン 3枚コース」

●区切りは粗めだが料金は安め、b-mobileの「990ジャストフィットSIM」と「190PadSIM」

日本通信の「b-mobile」では、ドコモ回線とソフトバンク回線からネットワークを選べる「990ジャストフィットSIM」を提供しています(ただし、ソフトバンク回線が利用できるのはiPhoneのみ)。

990ジャストフィットSIMのデータ利用量は、1GBから15GBまでの5ステップ。音声通話SIMのみで、データ通信SIMは選べません。月額料金は毎月1GBまでなら990円で、上限の15GBまで使うとドコモ回線は3,590円、ソフトバンク回線は4,390円かかります。

990ジャストフィットSIMは、同じデータ利用量を持つ一般的な料金プランよりも月額料金が安いことも特徴です。たとえば、3GBまで使った場合の月額料金はドコモ回線が1,290円、ソフトバンク回線が1,690円。大手キャリア3社の回線がすべて選べる「mineo」でデータ利用量が3GBの料金プランを見てみると、ドコモ回線のDプランは1,600円、ソフトバンク回線のSプランは1,950円かかるため、990ジャストフィットSIMのほうが300円ほどお得です。

b-mobile「990ジャストフィットSIM」

b-mobile「990ジャストフィットSIM」

また、b-mobileではデータ通信SIM専用の「190PadSIM」も提供しています。月額料金は毎月100MB以内なら190円、上限の15GBまで使うと3,280円(いずれもSMS機能なしの場合)。ドコモ回線とソフトバンク回線に対応していますが、SMS機能を追加できるのはドコモ回線のみとなります。

b-mobile「190PadSIM」

b-mobile「190PadSIM」

●あまり通信しない回線向け、nuroモバイルの「0SIM」

ソニーネットワークコミュニケーションズの「nuroモバイル」では、段階制プラン専用の「0SIM」を提供しています。

データ利用量は、500MB未満から2GB未満までの間が100MBステップで細かく区切られていて、100MB増えるごとに100円ずつ加算されていきます。月額料金は500MB未満なら音声通話SIMは700円、データ通信SIMは0円という破格の安さです。

ただし、後述するように通信量が増えてくると一般的な料金プランを契約する場合よりも割高になってしまうため、毎月の通信量がおおむね1GB以下の人に向いています。

なお、通信量が2GBを超えた場合でも、5GBまでであれば上限の月額料金で利用することが可能です。

nuroモバイル「0SIM」

nuroモバイル「0SIM」

段階制プランのメリットは?

小容量から中容量までをカバーする段階制プラン最大のメリットは、意識することなく月額料金を節約できるところにあります。特に、毎月の通信量が一定していない人ほど、大きな恩恵を受けられます。

例として、毎月の通信量が3GBと10GBを交互に繰り返す人が、エキサイトモバイルの音声通話SIMを契約するケースを考えてみましょう。

エキサイトモバイルでは、データ利用量が毎月一定となる一般的な料金プラン「定額プラン」も提供しています。定額プランのデータ利用量に10GBという選択肢は用意されていませんが、毎月9GBまでのプランを選んでおけば、3GBまでしか使わなかった月は6GBが余って翌月に繰り越されるので、10GB使う月でも問題ありません。この場合、月額料金は2,950円。1年間では合計35,400円になります。

いっぽう、段階制の最適料金プラン(1枚コース)を契約した場合の月額料金は、3GBまで使った月が1,580円、10GBまで使った月は3,080円。1年間では合計27,960円となるため、定額プランを契約するよりも1年間で7,440円お得なのです。

一般的な料金プランでもデータ利用量を見直すことはできますが、プランの変更は早くても翌月から適用されるため、通信量を事前に予測しなければなりません。上記の例では比較を単純化するために「3GBと10GBを交互に繰り返す」と仮定しましたが、実際のところ、毎月どれくらい使うのかを予測することは難しいものです。

その点、段階制プランなら通信量が確定してから月額料金が決まるので、通信量を事前に予測する必要はありません。普段どおりスマートフォンを使っているだけで、自然と通信コストを節約できるのです。

段階制プランのデメリットは?

「月額料金が毎月変わる」という段階制プランの特徴は、デメリットにもなりえます。使った通信量に応じて月額料金が決まるため、うっかり使いすぎてしまうと想定以上の月額料金を請求されることがあるのです。

たとえば、エキサイトモバイルの最適料金プラン(1枚コース)を契約していて、毎月おおむね3GBまで使っている人が、オンライン動画を再生しすぎたなどの理由で上限の10GBまで通信してしまった場合、その月の月額料金は普段の2倍となる3,080円が請求されてしまいます。

こうした使いすぎを防ぐため、b-mobileの990ジャストフィットSIMでは、上限のデータ利用量をユーザー自身で選択できるようになっています。選べるのは6GB、10GB、15GBの3パターンで、ユーザー専用ページのMy b-mobileからいつでも設定することが可能です(標準では10GBに設定されています)。

また、段階制プランの月額料金は、一般的な料金プランよりも割高なことがあります。そのため、毎月の通信量があまり変わらない人の場合、一般的なプランを選んだほうがお得になるケースもあります。

例として、nuroモバイルの0SIMでは毎月2GBまで通信すると月額料金は2,300円かかりますが、nuroモバイルの一般的な料金プランでデータ利用量が毎月2GBの「Sプラン(D)」を選べば、月額料金は1,400円で済みます(いずれも音声通話SIM)。

出張や旅行といった不定期な外出に通信量が左右されやすいなどの理由で、毎月の通信量が一定していない人は、段階制プランを選ぶことで節約の効果を得られるでしょう。

逆に、毎月の通信量が一定でほとんど変わらず、どれくらい通信するのかが予測できるという人の場合は、最適なデータ利用量を備えた一般的な料金プランを選ぶのがいいでしょう。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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