おサイフケータイやワンセグ・フルセグを使用するためにAndroidスマホにしたい、といった理由から、iPhoneからAndroidスマホへの乗り換えを検討している人もいるだろう。そこで今回は、スマホのデータの移行方法を徹底解説する集中企画の第3弾として、iPhoneからAndroidスマホへのデータの移行方法を紹介する。
iPhoneからAndroidスマホへデータを移行するには?
iPhoneからAndroidスマホへのデータ移行は、OSが異なるために一筋縄ではいかない。移行できるデータは下記にまとめたが、それぞれを異なる方法で移行する必要がある。なお今回は、「iPhone 6」(iOS 9.2.1)から「Nexus 5」(Android 6.0.1)へデータを移行する。Androidスマホは、「Google アカウント」の作成など、初期設定は済ませておこう。
(1)連絡先と予定
(2)メール
(3)Safariのブックマーク
(4)写真と動画
(5)音楽
(6)アプリデータ(アプリ自体は不可)
(7)その他の文書ファイルなど
連絡先と予定を「Gmail」と「Googleカレンダー」で管理している場合、移行の必要はない。新しいAndroidスマホにおいて、iPhoneで使っていたのと同じGoogleアカウントでログインするだけでいい。
iPhoneの「連絡先」と「カレンダー」を使っている場合は、バックアップアプリの「JSバックアップ」を利用しよう。
●JSバックアップ(iOS版)の入手先
https://itunes.apple.com/jp/app/jsbakkuappu/id595247313?mt=8
●JSバックアップ(Android版)の入手先
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.johospace.backup&hl=ja
まずは、iPhoneでJSバックアップを起動。初回起動時、各種データへのアクセス許可が求められるので「OK」をタップして許可する。メニュー画面が表示されたら、画面左上の「設定」をタップ。設定画面の「クラウド管理サーバを利用する」をオンにしてメニュー画面に戻る。
JSバックアップのメニュー画面(左)。左上の「設定」をタップし、移行データをクラウドへ保存するために「クラウド管理サーバを利用する」をオンにする(右)
メニュー画面に戻ったら、「かんたんデータ移行」を選択。続けて、「データを取り出す」→「無料プラン」とタップする。
「データを取り出す」→「無料プラン」とタップ
次の画面では、Androidスマホ側でデータを取り出す時に必要なパスワードを設定する。設定したら「データ取り出しをスタート」をタップし、取り出しの完了を待つ。画面に「〜取り出しが完了しました。」とQRコードが表示されたら、iPhone側の作業は終了だ。
パスワードを設定してデータを取り出す
ここからはAndroidスマホの操作に移る。AndroidスマホでJSバックアップを起動。こちらも初回起動時は各種データへのアクセス許可が求められるので、許可をしておく。メニュー画面が表示されたら「かんたんデータ移行」を選び、「データを取り込む」→「QRコード読み取り」とタップする。
「データを取り込む」→「QRコード読み取り」とタップ
カメラが起動するので、画面中央の四角い枠内にiPhoneで表示させたQRコードが収まるようにする。QRコードが読み取れたらパスワードの入力を求められるので、iPhoneで設定したパスワードを入力して、「このパスワードで実行」をタップ。次の画面で「データ取り込みスタート」をタップすると取り込みが始まる。「〜取り込みが完了しました。」と表示されたら移行作業は終了だ。連絡先と予定が取り込まれていることを確認しよう。
パスワードを入力してデータを取り込む
GmailやYahoo!メール、Outlook.comのようなWebメールの場合、メールデータを移行する必要はない。メールデータはクラウドで管理されているので、Androidスマホにメールアカウントを登録するだけで完了だ。
一方、Webメールではないプロバイダーメールなどの場合は、必要なメールデータを移行する作業が必要になる。方法は、iPhoneにGmailのアカウントを登録し、iPhone上でGmailに移動させてしまうのがおすすめだ。この方法なら添付ファイルも一緒に移動できる。
iPhoneにGmailアカウントを登録するには、「設定」で「メール/連絡先/カレンダー」を開く。開く画面で「アカウントを追加」をタップし、「Google」を選択。ログイン画面が表示されるので、Androidスマホで使うGoogleアカウントのメールアドレスを入力して「次へ」をタップ。次の画面でパスワードを入力して「次へ」をタップし、同期するデータを選択する画面では「メール」をオンにして「保存」をタップする。なお、この画面で「連絡先」や「カレンダー」をオンにしても、iPhoneの「連絡先」や「カレンダー」に登録済みのデータが同期されることはない。
Googleアカウントを追加して「メール」を同期する
iPhoneの「メール」を起動し、Gmailアカウントが追加されていることを確認しよう。追加されていたら、ここにメールを移動する。
移動したいメールのアカウントを選択し、メールの一覧表示画面で右上の「編集」をタップ。左側に「○」が表示されるので、タップして移動したいメールを選択する。このとき、画面下部の「すべて移動」ではほかのメールアカウントへ移動できないので注意が必要だ。選択したら、画面下部の「移動」をタップする。
移動したいメールを選択して「移動」をタップ
次に、移動先のメールアカウントを選択するために、画面左上の「戻る」をタップ。iPhoneに登録しているメールアカウントが一覧表示されるので、追加したGmailアカウントを選択。「メッセージをメールボックスに移動します。」の画面でメールアカウントが間違っていないか確認し、「受信」をタップ。これで、メールが移動する。Androidスマホの「Gmail」を起動し、移動したメールが表示されることを確認しよう。複数のメールアカウントから移動するときは、同様の操作を繰り返す。
移動先メールアカウントの「受信」をタップして移動する
iPhoneの「Safari」のブックマークは、Googleのブラウザーアプリ「Chrome」へ移行できる。ただし直接は移行できないので、パソコン用のChromeを利用することになる。パソコン用のChromeに移行できたら、同期機能によりスマホのChromeでも利用できるようになる。
●Chromeの入手先
https://www.google.co.jp/chrome/
パソコンにChromeをインストールしたら、起動して画面右上の「設定」(横3本線)をクリック。「Chromeにログイン」をクリックし、Androidスマホに登録のGoogleアカウントでログインしておく。この操作は、WindowsもMacも同様だ。ブックマークの同期方法は、WindowsとMacで異なる。
<Windows 10の場合>
ブックマークの移行には、iPhoneとWindows間で各種データを同期するための「Windows用iCloud」を利用する。
●Windows用iCloudの入手先
https://support.apple.com/ja-jp/HT204283
インストールしたら、iPhoneで使っている「Apple ID」でサインインし、「ブックマーク」にチェックを入れて選択。ほかの項目はチェックを外していてもいい。ブックマークの項の「オプション」をクリックし、「Chrome」を選んで「OK」をクリック。「適用」をクリックすると「ブックマークをiCloudに統合しますか?」と尋ねられるので「統合」をクリック。さらに「〜拡張機能が必要です。」と表示されたら「ダウンロード」をクリック。Chromeが起動するので「CHROMEに追加」→「拡張機能を追加」とクリックしてインストールする。
Windows用iCloudでブックマークをChromeに読み込む
これで、SafariのブックマークがChromeに読み込まれる。AndroidスマホのChromeでも、読み込んだブックマークが表示されることを確認しよう。
SafariのブックマークがChromeに移行できた
<Mac(OS X El Capitan)の場合>
Macの場合は、iPhoneとMacのSafariを同期する設定にしておき、Mac上のChromeからSafariのブックマークをインポート(読み込み)する。
iPhoneとMacの同期設定は、iPhoneの「設定」から「iCloud」を開き、「Safari」をオンにすれば完了だ。
Safariをオンにすると、iPhoneとMacのブックマークが同期する
Chromeからのインポートは、Chromeを起動して画面右上の「設定」(横3本線)をクリックしてメニューの「ブックマーク」→「ブックマークと設定をインポート...」とクリック。「ブックマークと設定のインポート」画面が表示されるので「取得先」に「Safari」を指定し、「インポート」をクリックする。「完了しました」と表示されたら、インポートは完了だ。AndroidスマホのChromeで、ブックマークを確認しよう。
Safariからブックマークをインポートする