マニアの「こだわり」を捨てずにコーヒーを淹れられる

コーヒーマニア絶賛!“お湯の注ぎ方”に超こだわれるコーヒーマシン「ハリオ Smart7」

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日本ではコーヒーブームが定期的に起きていますが、最近のコーヒーの流行は「こだわり」。このため、コンビニで購入できる100円コーヒーでさえ、豆にこだわっているものがあります。そして、家庭用コーヒーも、最近は「スペシャリティコーヒー」と呼ばれる高品質な豆を使ったコーヒーが好まれます。

そんなわけで、コーヒーが大好きな我が家も数年前から豆を厳選するようになりました。そして、豆の次は「挽き」が気になり、ちょっと性能のいいグラインダーを購入。さらに次は淹れ方にもこだわりたくなり、お湯の温度をチェックしながら淹れたり、蒸らし時間を変更したりしています。ところがこのドリップ作業、時間があるときはいいのですが、忙しい朝などの時間帯だと、ただただ面倒です。でも、おいしいコーヒーの味を知ってしまった今、もうまずいコーヒーは飲みたくありません。

そんなコーヒー好きの救世主となりそうなのが、コーヒー関連機器で有名なハリオ(HARIO)が発売している「V60オートプアオーバー Smart7 EVS-70」(以下、Smart7)。実はこれ、ただ「お湯を注ぐ」だけの製品。なのに、価格.comでの平均価格が5万円弱(2017年4月現在)という、なかなか高価な製品です。

見た目もカッコイイ「V60オートプアオーバー Smart7 EVS-70」。発売から1年を経て、価格.com最安価格が4万円前後まで下がった今、コーヒーマニアの筆者がその実力をチェックします!

自分の「こだわり」を捨てずに使える唯一のコーヒーメーカー

コーヒーのハンドドリップが面倒と感じる最大の理由は、時間がかかること。一般的に、おいしいドリップコーヒーを淹れるには、粉を少量の湯で濡らせて30秒ほど蒸らし、次にケトルからお湯を細く細く少量ずつ出しながら、「の」の字を描くように粉にお湯を注ぎます。ケトルからドバッとお湯を注ぐことはできないため、これが意外に時間がかかるのです。もちろん、お湯を注いでいる間はほかのことは何もできません。

Smart7は、この「注ぐ」作業を自動化してくれる製品。こう書くと「世の中にはもっと安いコーヒーメーカーもあるのでは?」と思うかもしれません。しかし、Smart7のすごいところは、最初に豆を湿らせる湯量や蒸らし時間、湯温、総湯量などを細かく設定できること。そして、個人的に1番気に入ったのが「好きなドリッパーが使える」ことです。

本体はコの字型のスタイリッシュな形状。サイズは245(幅)×290(高さ)×120(奥行き)mm。重量2kgとコンパクト

製品背面にウォータータンクを配置。ここに水を入れて使用。本体前面にも窓があり、前からも水の残量がわかるのが便利

Smart7の付属品。左上から「V60ガラスドリッパー02サイズ」「V60コーヒーサーバー02サイズ」「ドリップトレイ」、「軽量スプーン」「ドリッパー用台座」「サーバー用フタ」

Smart7には付属のサーバーとドリッパーがあり、これを使うことが推奨されています。ですが、構造上ほとんどのドリッパーが代用可能です。コーヒー好きにとって「自分が選んだ道具が使える」のはかなり重要。たとえば、我が家にも3ツ穴タイプの台形型のドリッパーと、円錐型の1ツ穴タイプのドリッパーがあり、この2つをその日の気分で使いわけています。また、コーヒー豆の油分まで楽しめる金属メッシュフィルターが使いたいという人もいるでしょう。今はドリッパーだけで数万円するような製品があるので、将来マニア度がアップして高いドリッパーを購入するようになっても、Smart7なら対応可能です。

こちらが付属するドリッパーとサーバーを組み立てたもの。ハリオの人気製品V60シリーズなので、もちろんSmartを使わずにハンドドリップにも利用できます

我が家にあるドリッパーと比較(下がSmart7付属のドリッパー)。同じドリッパーでも穴の数や全体の形、溝の入りかたなどが違うのが分かります。それぞれ得意な抽出があります

オートモードなら「杯数」を選ぶだけで抽出スタート!

細かな設定ができるというと、面倒なイメージがあるかもしれません。しかしSmart7には、抽出杯数を選択するだけでおいしいコーヒーがドリップできる「オートモード」もあります。そこで、まずはオートモードでコーヒーを抽出してみました。作り方は、ほとんど普段のハンドドリップコーヒーと同じ。ドリッパーに紙フィルターをセットし、コーヒー粉を入れます。

紙フィルターをドリッパーにセットして、粉を入れるところ。ここまではハンドドリップと同じ

紙フィルターをドリッパーにセットして、粉を入れるところ。ここまではハンドドリップと同じ

Smart7側の準備は、ウォータータンクに水をいれるだけ。あとは、液晶画面で「Auto Mode」を選択。さらに2〜5杯までの抽出数を選択すれば、自動的にコーヒーの抽出が始まります。あとは放置するだけなので、とにかく簡単です。

すべての操作は本体正面の液晶タッチパネルで行います。操作が直感的で非常にわかりやすいです

すべての操作は本体正面の液晶タッチパネルで行います。操作が直感的で非常にわかりやすいです

オートモードでは基本的に抽出したい「杯数」さえ選べばコーヒーが淹れられます

オートモードでは基本的に抽出したい「杯数」さえ選べばコーヒーが淹れられます

ちなみに、オートモードではドリップの湯温は93℃。最初に50mlほどの湯量で粉を湿らせたあと、25秒蒸らし、その後100mlずつお湯を注入しては7秒休止する設定になっています。ちなみに、スタート後は画面に「できあがりまで 01分48秒」と表示されますが、これはドリップ時間のこと。水をボイラーで湧かす時間は入っていません。3杯分のコーヒーを淹れた場合、お湯が沸くのに約3分かかったため、だいたい4分30秒ほどかかりました。

抽出中の画面。画面中央が現在の湯温、画面右下には残り時間が表示されます。ただし、残り時間は「お湯が温まってからの残り時間」であることに注意

唯一注意が必要なのが、サーバーを「中心」に置くこと。中心に置かないとお湯がこぼれたり、粉の真ん中に湯を淹れられず、せっかく蒸らしてふくらんだ粉を崩してしまいます

使ってみて便利だと感じたのは「必要な湯量だけ注入」できること。実は、現在発売されているコーヒーメーカーの多くは「タンクに入れた水を使い切る」仕様が主流。このため、タンクに水を入れるときに、カップ3杯分を抽出したいなら3杯分をきっちり計って淹れる必要があります。ですが、Smart7はタンクに必要量より多くの水を入れていればOK。前準備が手軽です。

九つの穴から、ハンドドリップを再現するように円形にやさしくお湯を注ぎます

九つの穴から、ハンドドリップを再現するように円形にやさしくお湯を注ぎます

Smart7で抽出したコーヒー。少々苦みが強いものの、雑味の少ないコーヒーに仕上がりました

Smart7で抽出したコーヒー。少々苦みが強いものの、雑味の少ないコーヒーに仕上がりました

「My Recipes」モードで自分だけの抽出設定を作れる!

ところで、我が家は深煎りの豆を使うことが多いため、普段は87℃などの低めの湯温でコーヒーを抽出しています。このため、93℃のオートモードで抽出したコーヒーは、我が家の豆では少々苦みが強く出ました。そこで「My Recipes(マイレシピモード)」で自分なりの設定を作ってみます。

このマイレシピモードでは、最初にお湯の温度と総量を選択します。湯温は80℃から96℃まで設定可能です。ただし、ちょっと残念なのが本製品は基本的に2杯から5杯程度の抽出であること。このため、お湯の量は270mlから700mlの範囲で設定する必要があります。個人的には、1杯だけ抽出したい場合はカップに直接ドリッパーを乗せてコーヒーを抽出したいのですが、最低湯量が多いので、大きめのコーヒーカップか、マグカップを使う必要があります。180mlくらいの最低湯量設定ができれば便利なのに、と感じました。

次に、蒸らし時間を設定。ここでは、湯量と蒸らす時間(インターバル)を設定します。最後に、コーヒーを抽出するお湯の量や時間を入力。このとき、最大10回に分けてお湯を「注いでは止める」ことが可能です。

マイレシピモードでは「湯の温度と総湯量」「蒸らし設定」「抽出方法」の3段階で設定ができます

マイレシピモードでは「湯の温度と総湯量」「蒸らし設定」「抽出方法」の3段階で設定ができます

こちらが自分で作ったレシピ。湯温は87℃で、最初に30mlで粉を30秒蒸らした後、240mlのお湯でコーヒーを抽出

最小容量の湯量を選択すると、ちょっと大きめのコーヒーカップやマグカップにちょうど1杯分が抽出できます。サーバーを洗わなくていいので、ズボラな筆者お気に入りの設定

87℃で抽出したコーヒー。オートモードと同じ豆を使用しましたが、よりスッキリとした味わいでキレがいい。同じ豆とは思えないくらいの味の変化が楽しめます

個人的に驚いたのが「お湯の勢い」も設定できること。湯量に対して「湯を注ぐ時間」を短くすれば勢いよくお湯を出し、長くすればチョロチョロと少しずつお湯を出します。9つの穴から、お湯をやさしく注ぐ設定にすれば、雑味の少ないコーヒーになりますし、勢いよくお湯を出して粉をかき混ぜれば、カフェラテなどに最適なパンチのある味になります。

お湯の量に対して「湯を注ぐ時間」を調整することで、お湯が流れる勢いもコントロールできます

お湯の量に対して「湯を注ぐ時間」を調整することで、お湯が流れる勢いもコントロールできます

メンテナンスも非常に手軽!

味のよさはもちろん、メンテナンスの手軽さも見逃せません。何と言っても本製品は「お湯を出すだけ」。もともと汚れにくいという特性があります。さらに、Smart7は水タンク内で水を加熱させるという珍しい仕組みです。一般的なコーヒーメーカーは、タンク内の水をポンプでくみ上げて本体内のボイラーで加熱します。しかし、Smart7は毎回水が入っている部分が加熱されるため、カビなどの繁殖の心配はなさそうです。半面、タンクが外せない仕様なので、水でジャブジャブ洗うことができないデメリットもあります。

ウォータータンクの底に直径7cmの円形ヒートパネルを配置。タンクごと加熱します

ウォータータンクの底に直径7cmの円形ヒートパネルを配置。タンクごと加熱します

タンクに温度計を淹れたところ、タンク内が高温になっていることが確認できます

タンクに温度計を淹れたところ、タンク内が高温になっていることが確認できます

定期的なメンテナンスは、3か月〜半年に1度行うクエン酸によるクリーニング。クエン酸を混ぜた水をタンクに入れ、数回すすぐだけと簡単です

まとめ。コーヒーマニアにこそ高い価値のあるコーヒーメーカー

最初に「お湯を出すだけの製品」と書きましたが、本製品を使った感想は「コーヒー好きには値段だけの価値はある!」というものです。前述したように、コーヒーをていねいに淹れるのは面倒です。とはいえ、一般的なコーヒーメーカーは、抽出工程がブラックボックス化されていて「パンチのある豆」も「繊細な豆」も同じような抽出方法でしか淹れられません。本製品を使えば「今日はストレートで飲むから低い温度でさわやかな味に」「ミルクコーヒーにしたいから高温でパンチのある味に」と、飲み方に合わせていろいろな抽出方法が選べます。自分で作るマイレシピは4セットまで保存もできるので、飲み方に合わせたセットを保存しておけば、毎回湯量などを設定する必要もありません。

自分のレシピを4つまで保存可能です。ただし、A、B、C、Dの名前で保存されるので、どれがどのレシピがわからなくなることも……

また、コーヒーにハマるとさまざまな試行錯誤をしたくなります。この試行錯誤を数値化できるのも魅力的でした。たとえば「85℃と95℃で抽出したコーヒーの違いを飲み比べたい」と思っても、ハンドドリップだとお湯を注ぐ時間や湯量、勢いなどは毎回変わります。ですがSmart7なら「湯温」以外は同じ状況下でコーヒーを抽出可能。なので「前回よりおいしく淹れられた理由」がはっきりとわかるのです。

また、最後に外せないのが見た目のかっこよさです。「コ」の字型のシンプルな本体形状と、鮮明な液晶タッチパネル画面の組み合わせは、非常にスタイリッシュ。しかも、Smart7は、ほかにはない特殊な製品なので、ちょっと友人などに自慢したくなる「ドヤ家電」としても使えますね。

気になる味ですが「普通のコーヒーメーカーの味よりおいしい。ただしハンドドリップのほうが自分好みの味に近い」というのが、今のところの筆者の感想です(とはいえ、このあたりは、筆者がまだ最適の設定をつかんでいないから、という可能性があります)。このため、平日はSmart7を使って手軽にコーヒーを楽しみ、時間のある休日はハンドドリップで優雅にコーヒーを楽しむ……というのが、我が家での使い方です。ちなみに、Smart7に付属するドリッパーやサーバーは、もちろんハンドドリップにも利用できますよ。

倉本 春

倉本 春

パソコン雑誌編集者からドッグカフェオーナーという、異色の経歴を経た家電ライター。家電を活用することで、いかに家事の手を抜くかに日々頭を悩ませている。

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2017.11.22 更新
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