高性能なフラットカッターミルを搭載した本格派

無印良品「豆から挽けるコーヒーメーカー」は、3万円越えでも高くはない

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2017年2月に発売された無印良品「豆から挽けるコーヒーメーカー MJ-CM1」(以下、豆から挽けるコーヒーメーカー)は、本格的なフラットカッターミルや湯温調整機能、蒸らし機能、斜めシャワードリップなどでプロのハンドドリップを再現するコーヒーマシンだ。32,000円(税込)というコーヒーメーカーとして決して安くはない価格にも関わらず大ヒット中で、公式ネットストアでは2017年4月末現在品切れ状態という人気ぶり。今回は、そんな「豆から挽けるコーヒーメーカー」で淹れたコーヒーの味わいをレポートしたい。

本体サイズは、14.5(幅)×28.5(奥行)×34.5(高さ)cm。重量は約4.4kgとやや重いが、頻繁に移動させるものではないので問題はないだろう。なお、電源プラグを抜いた状態でも液晶の時計を動作させるための単4アルカリ乾電池(別売)が3本必要

コーヒー専門店でも使われる「フラットカッターミル」を搭載した本格派

「豆から挽けるコーヒーメーカー」は、本体に水と豆を入れてスイッチを押せば、好みの細かさに挽いて抽出まで面倒を見てくれる全自動タイプのコーヒーマシンだ。ボディは、ブラック樹脂にシルバーステンレスパネルを配した精悍なフォルム。無印良品ならではのスタイリッシュな外観にもほれぼれするが、実はこのボディにはコーヒーファンをうならせる機能が盛りだくさんだ。まずは、その主な機能を見ていこう。

付属品は、計量カップと掃除用ブラシと説明書。コーヒーフィルター5枚も同梱される

付属品は、計量カップと掃除用ブラシと説明書。コーヒーフィルター5枚も同梱される

ミル付きの全自動コーヒーメーカーが数ある中で、「豆から挽けるコーヒーメーカー」がヒットしている最も大きな理由は、コーヒー専門店でも使用される本格派のフラットカッターミルを搭載していること。フラットカッターミルは豆を均一に挽けることで雑味が出にくいだけでなく、挽く際に熱が発生しにくいため、コーヒーの香りを損なうこともないのが特徴で、電動コーヒーミルだけで2万円を越える製品も多い。

これが憧れのフラットカッターミル! 本格的なフラットカッターミルが搭載されているとなると、「豆から挽けるコーヒーメーカー」の価格は、決して高いとは言えないだろう

筆者が普段使っているプロペラ式の電動ミル。フードプロセッサーのように高速回転刃で粉砕する方式で、手入れは楽だが、雑味の原因となる挽きムラや、風味の劣化を招く摩擦熱が発生しやすいという難点がある

また、「熱過ぎる湯では苦くなる、低すぎれば味が出ない」というコーヒーの特性に合わせた湯温キープ機能もすごい。水を入れる湯沸かし容器の下にヒーターを搭載し、さらに湯の温度をセンサーで検知することで、コーヒーにもっとも適しているとされる87℃前後をキープするのだ。

そして、コーヒーの旨さを決めるのは蒸らし時間だ。コーヒー店のカウンターでハンドドリップの様子を観察していれば、コーヒーの粉に口の細いポットで湯を注ぎ、しばらく「タメ」の時間があり、粉を蒸らしたあとに再び湯を注ぐ様子を見たことがあると思う。この「豆から挽けるコーヒーメーカー」も、しっかり30秒蒸らしてからの抽出となる。また、蒸らしでふくらんだコーヒードームの形をなるべく崩さないように斜めの角度で湯を浴びせてドリップするというこだわりようなのだ。さらに、コーヒーが煮詰まることのないよう、抽出されたコーヒーの保温時間は20分までとなっている。

動作音は大きいが、雑味のない上品なコーヒーが味わえる

さっそく、「豆から挽けるコーヒーメーカー」で淹れたコーヒーを味わってみよう。操作は一般的なミル付コーヒーメーカーと同様で、本体にフィルターと水をセットしておき、ミルに豆を入れたら、あとは豆を挽く細かさとカップ数を選択し、スタートボタンを押すだけだ。ただし、一度に抽出できる量は1〜3カップ(150〜450ml)と、本体サイズのわりに少なめ。

なお、ミル機能を使わずにコーヒーの粉から抽出したり、ミル機能のみでの使用も可能。また、忙しい朝などは、豆と水と紙フィルターをセットしておけば、タイマー機能でコーヒーの香りとともに目覚めることもできる。

豆の挽き方は「粗挽き」「中粗挽き」「中挽き」「中細挽き」「細挽き」の5段階から選択可能。ミルダイヤルの隣にあるボタンは上から「豆からボタン」「粉からボタン」「ミルボタン」「ON/OFFボタン」となる

まずは、無印良品の完熟豆を使用した無印良品の「Café&Meal MUJI オリジナルブレンドコーヒー豆」を使ってみよう。

「Café&Meal MUJI オリジナルブレンドコーヒー豆(200g)」(税込990円)は、グアテマラ、タイ、コロンビア産の豆を組み合わせたブレンド。すっきり酸味系のフルーティーな味わいが特徴だ

まずは紙フィルターをセット

まずは紙フィルターをセット

本体の右サイドにある湯沸かし容器に水を入れておく

本体の右サイドにある湯沸かし容器に水を入れておく

湯沸かし容器のセットはガコッというダイナミックな感じ

湯沸かし容器のセットはガコッというダイナミックな感じ

付属の計量カップの目盛りは、「RICH(濃いめ)」と「MILD(薄め)」で豆の量を測れるようになっている

付属の計量カップの目盛りは、「RICH(濃いめ)」と「MILD(薄め)」で豆の量を測れるようになっている

本体上部のミル部分のふたを外して、豆を投入する

本体上部のミル部分のふたを外して、豆を投入する

操作部中央にあるミルダイヤルを回し、5段階で挽き上がりの細かさをセレクトする。「Café&Meal MUJI オリジナルブレンドコーヒー豆」は3番目の「中挽き」が推奨されているのでそこにセット

液晶の下のプラスマイナスボタンでカップ数をセレクトして、右上の「豆からボタン」を押すだけ

液晶の下のプラスマイナスボタンでカップ数をセレクトして、右上の「豆からボタン」を押すだけ

液晶は左上にカップ数のアイコンを表示。その下がタイマー用時計で、大きな数字は現在時刻。下部の▼の位置で、「豆から」「粉から」「ミル機能のみ」のいずれを選択しているか確認できる

動作が開始されると、パネルの液晶が点滅する。ガガガッといきなりミルが音を立ててびっくりする。キーンという耳障りなタイプの音ではないが、深夜の集合住宅では周囲に配慮して使用したい。

約8分後(1カップ4分半、2カップ6分半が目安)、パネルの点滅が停止したら抽出完了。ドリップ時にいい香りが広がるが、抽出完了をアラームなどで知らせてくれる機能はないので、注意が必要だ。飲んでみると、なるほど実に上品だ。使う豆によって味は左右されるわけだが、この雑味のないフルーティーさは酸味系のコーヒーが好きな人ならうなるはず。

サーバーの目盛りだとちょっと多めの量に仕上がった

サーバーの目盛りだとちょっと多めの量に仕上がった

仕上がったコーヒーはすっきりとした雑味のない味

仕上がったコーヒーはすっきりとした雑味のない味

ガツンと苦いコーヒーを好む筆者が愛飲する「いつもの豆」の味わいはどう変わる?

無印良品の商品で、無印良品のコーヒー豆を味わうというのは、なかなかにインサイダー(?)な感もあるので、筆者が普段から飲んでいる、苦味系主体のブレンドでも試してみる。普段は苦みばしりつつボディ感を高めるために豆量を多めにして、プロペラ式の電動ミルで細かめに挽いて、コーヒーメーカーを使用して淹れている。

筆者がいつも近所のスーパーで購入している豆。焙煎が強めで、表面がコーヒーオイルでてらてら輝いている

筆者がいつも近所のスーパーで購入している豆。焙煎が強めで、表面がコーヒーオイルでてらてら輝いている

さてさて、「豆から挽けるコーヒーメーカー」だとどのような味わいに仕上がるのだろうか。すごく気になる。豆量も普段のように多めにして、挽き方は「細挽き」に設定。果たしてガツンと来る味になってくれるのか。

「コーヒーは濃ければ濃いほどいい」という人にもうれしい「細挽き」にセット

「コーヒーは濃ければ濃いほどいい」という人にもうれしい「細挽き」にセット

筆者好みの濃い目の仕上がりに期待が募る

筆者好みの濃い目の仕上がりに期待が募る

なるほど、しっかりした味わい。ガツンと苦く、ボディ感もある。しかも、それでいて高性能なミルで挽きたての豆特有のクリアなフルーティーさも同時に感じるという結果に。豆の持つ潜在能力が開花したような、いつもは見せない表情を垣間見せられたようで不思議な気持ちに……。

筆者の好みとしては圧倒的にこちら。なので、無印良品が推奨する豆が好みでない人でも、あきらめるのは早い。コーヒーに、しっかりとした苦みとコクを求める人でも、苦味系の豆を選んで量を増やし、挽き方を細かめ設定にするなどすれば、きちんと楽しめることを伝えておきたい。

手入れはしっかり手間がかかる

褒めてばかりも何なので、難点も少々。フラットカッターの宿命ともいえるが、とにかくミル部分のお手入れが面倒だ。ミル部分を分解すると中から鉛筆削り状のフラットミルが出てくるのだが、そこに豆の破片が詰まり、取り除くのに難儀する。フラットカッターミルを採用したことが、唯一のウィークポイントかもしれない。

付属のブラシが小さいのでなかなか取れず、歯石とりを使いたくなるほど。また、豆を入れすぎるとミルが止まってしまうので、入れすぎには注意しよう

また、ミル部品をポンポン叩くと永遠に粉が出て来る(……ような気になる)。神経質な人だとキリがない作業になりがち。エアダスターなども使ってみたが、それでも強敵。まあ、せっかく雑味のないコーヒーを味わうためにもなるべくきれいにしたいとは思うが

3万円超でも高いとは感じない

コーヒーにひときわこだわりを持つ人なら、きっとその価値がわかるのが「豆から挽けるコーヒーメーカー」だ。特にすっきり雑味なしを好みとする人にとってはたまらない完成度と言えるだろう。今まで飲んできた豆の潜在能力を開花させるだけでなく、そもそもの豆選びさえ変わってしまいそうな能力を秘めたスペシャルマシンだ。手入れの面では少々難点もあるものの、本格的なフラットカッターミルが搭載されていることを加味すると、3万円超の価格もむやみに高いとは感じなかった。

なお、2017年4月末現在、「豆から挽けるコーヒーメーカー」の予約再開は5月中旬の予定。予約をしたとしてもすぐに手に入るわけではないが、特にすっきりとした味わいのコーヒーを好む人であれば、販売再開を待っても損はないかもしれない。

清水りょういち

清水りょういち

元「月刊歌謡曲(ゲッカヨ)」編集長。今はめおと編集ユニット「ゲッカヨ編集室」として活動。家電や雑貨など使って楽しい商品のレビューに命がけ!

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2017.9.22 更新
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