自動車ライターのマリオ高野です。
最近、扇風機が見直される傾向があるようですね。私も先日、かなり万能な卓上扇風機を発見して感動しました。筆者が購入したのは「Qosea 小型ファン」という製品です。本来は部屋で使うものですが、クルマの中でもかなり使えたので、車内での使用リポートをお伝えします。
いかにも涼しげなパッケージ
本体、USBコード、台座の3点セットです
まず、卓上で使う前提だけあってデザインがいいです。筆者は43歳の中年なので、『帰ってきたウルトラマン』の MATが使用したマットジャイロを思い出させてくれるところが泣けました。
あるいはオスプレイとも(笑)
風量とノイズのバランスは優秀。車内で使うには十分な性能です
電源はUSBポートのほか、リチウム電池も搭載するので、充電ができていればコードレスでも使用できます。風量は3段階で、一番弱いモードでは「そよ風」程度、一番強いモードではしっかり扇風機らしい風量が得られました。全体的には弱めの風量ですが、おかげでノイズは最小限でバランスが取れているように思います。
車内にUSBポートがない場合でも、携帯電話の充電器具などがあれば対応できます
車内で使う際は、固定する方法が最大の問題になりますが、クルマが走っていなければ、たいがいどこにでも置けます。「エンジンを切っての停車中に涼を求めたい」ときに最適といえるでしょう。
1200mAhの内蔵リチウムバッテリーにより、テスト時には満充電状態なら弱風で2時間程度は通電なしでも稼働したのを確認。クルマ側からの電源供給ナシでもある程度は使えるのがいいです。
停止中にアイドリングをし続けるのがはばかられる状況、またはガソリンがもったいなくてエンジンを切りたいというような状況で、車内で涼を求めたいときに重宝しそうですね。
個人的には、バッティングセンターなどで運動をした後、汗だくの状態のまま車内で休憩したいときに重宝しています
エアコンがあまり効かない旧車、もしくはエアコンレスの硬派なモータースポーツ用車両でも助かるアイテムといえるでしょう。経験上、真夏の炎天下でエアコンなしのクルマに乗るのは地獄絵図ですが、車内に一定の風があるのとないのとでは大違いです。
普通のクルマでもエアコンと併用することで冷気を攪拌(かくはん)し、冷却効果の向上が見込めます。室内でも、エアコンと扇風機を併用することがあるかと思いますが、それと同じです。
このように、さまざまな形態に変化させることができます。気になるのは、リチウム電池の寿命がどのぐらい持つかですね。価格からすると、2〜3年普通に持てば十分なのですが…
また、意外なところでは、これから普及する(と思われている)電気自動車でも重宝するはずです。電気自動車に乗っていて残りの電気が少なくなってくると、可能なかぎりの電装品をOFFにしたくなるもの。航続可能距離がヤバくなってくると、かなりの電気を消費するエアコンは真っ先にOFFにしますが、そういうときにわずかでも涼が得られる扇風機がきっと役に立ちます。
車内に固定するための器具は用意されていませんが、目立たないテープで貼るなどいくらでも方法はあるでしょう。充電式の扇風機は来る電気自動車時代に脚光をあびる可能性があります。田舎へ行っても電気自動車の充電施設が豊富に用意される時代の到来、あるいは電気自動車が走行中にでも充電できるようにならないかぎり、携帯型扇風機はカーライフの必需品となるかもしれません。
もちろん、普通にクルマがボロくてエアコンが効かないという惨状においても、十分便利に使えます。
1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。3台の愛車はいずれもスバルのMT車。