レビュー
「蒸らし」機能でコクも甘味もしっかり引き出す

パナソニック「NC-R500」は、「濃い味」「すっきり」どちらもいけちゃうコーヒーメーカー

「お湯の注ぎ方にこだわりました」とか「メンテナンスが簡単です」とか、ひと口にコーヒーメーカーと言ってもセールスポイントはさまざまだが、パナソニックのミル付きコーヒーメーカー「NC-R500」の場合はズバリ、「1台でいろいろな味が楽しめます」だろう。豆の挽き方やフィルターの種類、ドリップ方式などの切り替えが可能で、豆の特性に合わせて淹れ分けたり、自分好みの味を追求したりできるのだ。早速、そのカラクリをチェックしてみよう。


味のカスタマイズ性がとにかく高い!

コーヒーメーカーは手軽な半面、味の調節がきかない場合が多く、それゆえに仕上がりを自分のあんばいで調整したいコーヒー通はハンドドリップを好むところがある。でも「NC-R500」はひと味違って、味の調節がかなりきく。それも非常に簡単に。ちなみに「NC-R500」はいわゆる“全自動”タイプではなく、挽き終わったコーヒー粉は自分でバスケットに移し替える。もちろん、市販のコーヒー粉から淹れることも可能だ。

本体サイズは245(幅)×170(奥行)×300(高さ)mm、重さは2.3kgと、ミル付きのコーヒーメーカーとしては比較的コンパクト。ブラックとブラウンでまとめたシックなデザインも相まって、こだわりのインテリアにも違和感なく溶けこんでくれる。価格は13,778円(2017年6月5日時点の価格.com最安価格)

「NC-R500」のいいところとして、まず第一に、豆の挽き分けができる。濃いめに仕上がる「中細挽き」と、すっきりとした味わいになる「粗挽き」の2通りだ。さらに、フィルターもペーパーフィルターとステンレスフィルターのいずれかを選択でき、豆の油脂分まで抽出できるステンレスフィルターを選べば、コーヒー本来のワイルドな風味が楽しめる。そして特徴的なのが、ドリップ方式を選べること。ドリッパーの役割を果たすバスケットに「ドリップ切替レバー」があり、「シングルドリップ/ダブルドリップ」の選択が可能なのだ。

シングルドリップは、本体上部のドーム部分にためた熱湯で一気に抽出する「蒸らして一気ドリップ」を採用。「お湯をためる」「お湯を注ぐ」という工程を繰り返しながらドリップしていき、お湯をためる際のインターバルを利用して「蒸らし」を行う。いっぽうダブルドリップは、バスケット内でさらにお湯をためて蒸らし時間を延ばすという方式。コーヒー粉がより長くお湯に触れる分、成分の抽出が進み、カフェオレなどのミルクアレンジによく合うコク深い味わいに仕上がるという。またこれらに加えて、運転コースにも「マイルド/リッチ/アイス」の3コースを用意するなど、もう何というか、「そこまでしてくれるんですか!?」と頭を下げたくなるくらい味の自由度が高い。

ミル刃はプロペラ式。中細挽き/粗挽きの挽き分けができるので、粒度にこだわりたい場合でも別途電動ミルを用意しなくていいのがうれしい

ペーパーフィルターはすっきりとしたクリアな味わいが特徴で、ステンレスフィルターならコーヒーオイルの風味まで楽しめる。これを豆の特徴や好みに合わせて選べるのが「NC-R500」のいいところ

バスケット内の「ドリップ切替レバー」でドリップ方式を変更できる。ベーシックなブラックコーヒーを淹れる時はシングルドリップ、ミルクに合う濃厚なコーヒーを淹れる時はダブルドリップをチョイスするといいだろう

運転コースは、ブラックコーヒーに適した「マイルド」、深くコクのある味わいでミルクとの相性がいい「リッチ」、アイスコーヒーをおいしく淹れられる「アイス」の3コースを用意。それぞれ抽出時間を変えて異なる味わいに仕上げる仕組みだ

お湯の注ぎ口に活性炭フィルターを備えており、コーヒーの味を損なうカルキをカットしてくれる

お湯の注ぎ口に活性炭フィルターを備えており、コーヒーの味を損なうカルキをカットしてくれる

サーバーはでき上がりの量が確認しやすいガラス製。ホットコーヒー・アイスコーヒーなら5杯まで、マグカップなら3杯分まで一度にドリップできる。家族や恋人、友達と一緒にコーヒーを楽しむ場合でも十分足りる容量だろう

「蒸らして一気ドリップ」でコクも甘味もしっかり引き出す

前述の通り、「NC-R500」は全自動タイプではない。こう説明すると、「それならボタン操作ひとつで豆挽きからドリップまでこなす全自動タイプを選んだほうがいいのでは?」と思うかもしれないが、必ずしもそうではない。

確かに全自動タイプのほうが手軽なのは間違いないが、ミル機能が独立しているからこそ、本機を単体の電動ミルとして使うこともできる。たとえば、コーヒーへのこだわりが次第に強くなっていき、「時間のある時にはハンドドリップを楽しみたいな」とか、「たまにはフレンチプレスや水出しで淹れてみたいな」とか、そういう思いが芽生えてきたとしよう。そんな時に「NC-R500」があれば、わざわざ電動ミルを買わなくても、淹れ方に合わせた粒度で豆挽きができるのだ。汎用性が高いと言うか、懐が深いと言うか、実はそんなメリットがあるということはぜひ覚えておいてほしい。

と、前置きはこの辺にして、早速コーヒーを淹れてみることにしよう。

まずは本体上部のミルふたを開け、付属の計量スプーンで豆を投入。豆の量は説明書に目安が書いてあるので、参考にする

2カップ分のコーヒーを淹れる場合だと計量スプーン2杯半が目安

2カップ分のコーヒーを淹れる場合だと計量スプーン2杯半が目安

ミルふたを押さえながら手前のミルスイッチを押し、豆挽き開始

ミルふたを押さえながら手前のミルスイッチを押し、豆挽き開始

本体下部のミルサインが赤く点滅するので、「いち、に、さん……」と点滅回数を数えて豆の挽き加減を調整する。粗挽きなら5回(約10秒)、中細挽きなら7〜8回(約14秒)でちょうどいい粒度になる

挽き終わったらミルふたをトントンと軽くたたき、ミルふたに付着したコーヒー粉を下に落とす。ここでは中細挽きにしてみたが、挽き上がりの均一性は想像以上に高く、粒がキレイに揃っていた

シングルドリップとダブルドリップからドリップ方式を選び、バスケットの上にフィルターをセット。この状態でコーヒー粉をフィルターに移し替える

サーバーと水を入れた着脱式の水タンクを本体にセットすれば準備完了。コースボタンを押すとドリップがスタートする

お湯が沸騰し、本体上部のドームに熱湯がたまるとシャワー状にお湯を注いで一気に抽出。これが「蒸らして一気ドリップ」で、シャワー状にお湯を注ぐことでコーヒー粉全体にまんべんなくお湯がまわるようになっている。ザーッとお湯が出ては止まり、またお湯が出ては止まり、という工程を繰り返しながら、ゆっくり、じっくりとドリップが進んでいく。

お湯の注ぎ口を見てみると、穴がこんなにたくさん! なるほど、この多孔構造によってシャワー状にお湯が注がれるわけだ

ドームにためた熱湯をドリッパーに注ぎ入れ、再びお湯をためる間にコーヒー粉をしっかりと蒸らす

ドームにためた熱湯をドリッパーに注ぎ入れ、再びお湯をためる間にコーヒー粉をしっかりと蒸らす

できあがり時間は、「マイルド」コースを基準に、「リッチ」コースだと約1分長く、「アイス」コースだと約2分短くなる。ドリップ終了後は最大約2時間まで自動で保温される(「アイス」コース以外の場合)が、やはり風味が飛んでしまう前にいち早く味わいたい。

コーヒーの心地よい香りがフワッと広がり、「やっぱりコーヒーは挽きたて、淹れたてでしょ」と早くも満足してしまう

違いは想像以上! 設定ひとつで味がガラリと変わる

それではテイスティングに移ろう。今回は、ニューヨーク・ブルックリン発のハイエンドコーヒーショップ、GORILLA COFFEE エソラ池袋店のシグネチャーブレンド「Blendimentosis」を使って、淹れ分け、飲み比べを行ってみた。

驚いたのは、ドリップ方式によって味が想像以上に変わること。シングルドリップでは苦みとコクがバランスよく感じられ、焼きチョコのような甘い後味もやわらかに広がる。対してダブルドリップはコクがぐんと増し、コーヒー本来のうま味を保ちながらガツンとした苦みが前面に出てくる印象。そこにミルクを落とすともう最高で、簡単、手軽に本格派のカフェオレが楽しめてしまう。もちろん、フィルターや運転コースの組み合わせを変えればこれまた味はガラリと変わるので、この豆にもっとも合う淹れ方はどれなのか、今の気分にぴったりな味わいはどの組み合わせなのか、といったことを探っていくだけでも自然と気分がウキウキした。

シングルドリップや「マイルド」コースはすっきりとした味わい。ダブルドリップや「リッチ」コースはコクが深く、ミルクの甘さに負けないしっかりとしたボディ感が感じられた

「アイス」コースも納得の仕上がり。蒸らしがきちんと行われているためだろう、苦みの中にコーヒー本来のうま味が感じられ、爽やかかつ奥深い味わいに

メンテンス性に難があるようではコーヒーメーカーとして合格点はやれないが、「NC-R500」はその点も心配ない。お手入れが必要なパーツはすべて本体から取り外すことができ、ミルは付属のブラシで、それ以外のパーツは水洗いで簡単にキレイにできる

まとめ

正直ここまでよくできているとは思っていなかった、というのが「NC-R500」を使ってみての率直な感想である。「パナソニックのコーヒーメーカーは高機能」という声はよく耳にするが、果たしてその通り、いや、それ以上の満足度があったのだ。豆の挽き方やドリップ方式、運転コースなどを変えるだけでさまざまな味を楽しむことができ、操作もいたって簡単。サイズもデザインも、それからメンテナンス性にも特に不満を感じる部分はなく、肝心の味についても、ハンドドリップでていねいに淹れたかのような本格派の味わいだった。挽きたて、淹れたてのコーヒーを手軽に楽しめて、しかもこれだけ味をカスタマイズできるのだから、初心者はもちろん、コーヒーにこだわりのある人にとっても十分「買い」の1台だと思う。

なお、その他の仕様は同様で、ステンレスフィルターが付属しない「NC-4500」もラインアップされている。あっさりとしたコーヒーが好みで、風味が濃く出たコーヒーを飲むことはほとんどない、という方はこちらを選んでもよいかもしれない。

【関連リンク】
《2018年》全自動もミル付きも!タイプ別のおすすめコーヒーメーカー12選

毛利真大

毛利真大

編プロでの広告制作、雑誌編集を経てフリーライター/エディターに。家電をはじめ、自動車、ファッション、ビジネス関連など幅広い分野で活動。86年、秋田県出身。「大曲の花火」とグミをこよなく愛する。

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