自宅にボウリング場があったなら……、自宅にビリヤード台があったなら……、なんていう想像を若い頃はしょっちゅう抱いていたものだが、甘党の筆者がもっとも夢見ていたのは、「自宅でソフトクリームが作れたら」である。そんなわけで、今回試してみたのがドウシシャ「電動ソフトクリームメーカー DSC-18BL」(以下、DSC-18BL)。長年の夢がかなった筆者以上に妻と息子は前のめりなので、最近低下気味な気がする夫&父としての威厳を回復できるかもしれない!
インスタグラムをはじめとするSNSで、「太くて丸いソフトクリーム」が流行しているのをご存じだろうか? 「DSC-18BL」はこれを自宅で簡単に作れるように開発された製品で、太いフォルムのぷっくりとしたソフトクリームができあがる。
作り方の手順は、付属のレシピに従ってソフトクリームミックスを作り、冷蔵庫で約1〜2時間冷やしてから、本体にセットした蓄冷容器に流し込んで約15〜20分かくはんするだけ。想像以上に手軽な印象だが、冷蔵庫で1〜2時間冷やすということは、「今、ソフトクリームが食べたい!」と思ってもすぐには食べられないということになる。あらかじめ蓄冷容器を12時間以上冷凍庫に入れて凍らせておく必要があることからもわかる通り、この製品のスタンスとしては、「今食べたい」ではなく、「明日、ソフトクリームを食べよう」を前提としていることは理解しておきたい。
本体サイズは200×295×408mm(幅×奥行き×高さ)で、レシピとヘラ2本が付属する。1回に約500mlのソフトクリームミックスを使用し、直径約4.5cmの市販のコーンで約4〜5個分作れる
「DSC-18BL」は、市販のソフトクリームミックスや溶かしたアイスクリームからソフトクリームを作ることもできるが、今回は付属のレシピにならいながら、自作のソフトクリームミックスを用意することにした。まずは、王道のバニラソフトクリームを作ってみよう。
バニラビーンズの中の種を砂糖(50g)とよく混ぜ、300mlの牛乳に加える。約40℃のお湯で湯せんしながら砂糖をよく溶かし、そこに150mlの生クリームを加え、湯せんしながらよく混ぜたら、大さじ2のお湯で溶かしておいたゼラチンを加えて混ぜ合わせる。あとはソフトクリームミックスがとろっとするまで、冷蔵庫で1〜2時間冷やせばOKだ
ソフトクリームミックスの準備ができたので、本体のセッティングに取りかかろう。あらかじめ12時間以上冷凍庫で凍らせておいた蓄冷容器と、羽根、モーター部を本体にセットすれば、あっという間に準備完了。慣れればものの1〜2分で済んでしまう手軽さだ。
本体を脚部にセットしたら、凍らせておいた蓄冷容器を本体にセットする
羽根を蓄冷容器の中にセットし、フタを閉めてからモーター部を上部に取り付ける
かくはん部の底にレバーを取り付け、電源スイッチをオンにすると羽根が回り出す
冷蔵庫で1〜2時間冷やしたソフトクリームミックスを蓄冷容器に流し込んだら、あとは天命を待つのみ
できあがり時間の目安は15〜20分。ゆっくりと、しかし確実にソフトクリームミックスが固まっていくのが見て取れるが、息子は待ちきれない様子
約15分が経過し、いよいよ試食タイムである。レバーを下ろすと、ぷっくりとした太めのソフトクリームが顔を出し、家族みんなで「お〜!」。硬さはどうやらちょうどよさそうで、コーンを回すとしっかりと渦状に積み上がっていく。ソフトクリームが落ちるスピードは想像していたよりも遅く、先端の「ちょん」は作れなかったものの、初めてのわりにはうまく盛り付けることができた。
ソフトクリームが落ちてくるスピードはかなりゆっくり。あわてず、安心して盛り付けられる
バニラソフトクリームの完成! さあ、さっそく試食してみよう……
と思ったら、待ちきれなかった息子がパクリ。味の感想を聞いてみたところ、「甘い」とのこと。それは当然甘いはずだ。筆者も試食してみたが、濃厚というよりはサッパリした味わいで、かなり食べやすい印象。ミルクの風味もしっかりと感じられ、本格派の味わいを楽しむことができた
コーンフレークやバナナ、ワッフルなどと一緒に盛り付ければ、手作りソフトクリームパフェのできあがり。盛り付けはもちろんだが、ソフトクリームミックスの材料を自由にアレジジして、オリジナルレシピを作るのもおもしろそうだ
家族みんなが笑顔になる。これが「DSC-18BL」の1番の魅力かもしれない
ソフトクリームミックスにイチゴジャムを加えたストロベリーソフトクリームも作ってみたが、見た目はバニラとあまり変わらない
ほのかにイチゴの風味が感じられ、こちらも家族に好評だった
市販のソフトクリームミックスを利用するのもいいが、筆者はみずからソフトクリームミックスを作るところに魅力を感じた。そのほうが「作った感」があるし、材料を把握できるので、子どもにも安心して食べさせられるからだ。蓄冷機やソフトクリームミックスをあらかじめ冷やしておく必要があったり、材料費がそれなりにかかったりと、思うところはいろいろとある。しかし家族の笑顔が見られるならば、それに勝るものはないのが父親心というものだろう(おそらく)。今度の週末はパパの焼きそばではなく、パパのソフトクリームを家族に振る舞ってみてはどうだろう?