レビュー
「銘柄量り炊き KRC-IC50」を徹底チェック

低価格で機能てんこ盛り! アイリスオーヤマ“全部入り”IH炊飯器の真価を問う

低価格ながら必要十分な機能を搭載し人気を博している、アイリスオーヤマの調理家電シリーズ。特に炊飯器分野では、お米の銘柄別に炊き分けができたり、よそったご飯のカロリーを計量できるなど、ユニークな機能を搭載したモデルを手がけたことで話題になっています。

なかでも、2018年5月に発売された「銘柄量り炊きIHジャー炊飯器 KRC-IC50」(以下、KRC-IC50)は、そんな同社のユニーク炊飯機能をてんこ盛りにした5.5合炊きIH炊飯器。しかも、多機能ながら価格.com最安価格は2万円弱(2018年7月27日時点)とリーズナブル! この安くていろいろ楽しめる1台を、実食レビューしてみました。

付属アイテムもユニーク。お米をまき散らさない「洗米棒」がイイ!

さて上述の通り、“全部入りモデル”のKRC-IC50はとにかく炊飯・調理メニューが豊富です。「銘柄量り炊き」「調理メニュー別のこだわり炊き分け」「カロリー計量」「煮込み/蒸し/発酵の調理モード」などが搭載されています。なお、基本機能は共通で3合炊きの「KRC-IC30」もラインアップされているので、少人数世帯の方はそちらもチェックしてみてください。

「銘柄量り炊き KRC-IC50」。ディスプレイ部を見ると、アイリスオーヤマのユニークな炊飯機能が集約されているのがわかります

本体のパーツを外したところ。お手入れ時に洗うのは、真ん中にある内ブタと蒸気口キャップのみです

本体のパーツを外したところ。お手入れ時に洗うのは、真ん中にある内ブタと蒸気口キャップのみです

内釜は、厚さ3.0mmのダイヤモンドコート極厚銅釜。軽くて扱いやすい

内釜は、厚さ3.0mmのダイヤモンドコート極厚銅釜。軽くて扱いやすい

豊富な炊飯機能の説明はのちほど実食を含めながら行うとして、まず同梱物を確認していきましょう。KRC-IC50には、通常の炊飯器にはないユニークなアイテムが3つ付属しているんです。その内容は、「洗米棒」と「0.5合用計量カップ」、そして「蒸しプレート」です。

こちらが付属品の数々。炊飯器の右側にあるのが洗米棒。前に並んでいる計量カップは右から白米用(1合)、無洗米用、白米用(0.5合)

最近のお米は精米技術の進歩により、昔のような“米を研ぐ”という行為は必要なくなりました。水のにごりがなくなるまで、やさしく数回“洗う”だけでOKです。でも寒い冬の日、冷たい水に手を入れるのはやっぱりキツイ。そんなときに活躍するのがこの「洗米棒」なのです。たくさんのスリットが入っていて水切りがよく、これでお米をかき混ぜれば楽に洗米ができます。

洗米棒を使えば、冷たい水に触れることなく洗米と水切りができ、内釜をギリギリまで傾けてもお米をシンクにばらまかずに済みます

何より秀逸なのが、洗米後の水切りにも使えること(上の写真参照)。洗米棒は両サイドのカーブがKRC-IC50の内釜の外周にぴったりはまるので、冷たい水に触れずに水切りができ、米粒をシンクにばらまくこともなくなります。これはイイ!

「0.5合用計量カップ」は、「2合では足りないけれども、3合炊くとちょっと多い」などというときに0.5合を正確に量って足せる便利なアイテム。1合用計量カップで2合を量り、0.5合用で足せば、ちょうどよく計量できます。もちろん、内釜の水位目盛も0.5合刻みなので、水量も調整しやすいです。そのほか、「蒸しプレート」の使い方はのちほどくわしく説明します。

0.5合用計量カップは、プラス1合では多すぎるという時に便利!

0.5合用計量カップは、プラス1合では多すぎるという時に便利!

豊富な炊飯・調理メニューをひとつずつ検証!

それではいよいよ、「銘柄量り炊き」「調理メニュー別のこだわり炊き分け」「カロリー計量」「煮込み/蒸し/発酵の調理モード」などの盛りだくさんな機能を、ひとつずつ試していきましょう。

その前段として、まずは搭載機能を何も使わずに、単なる「標準」モードでご飯を炊いてみました。炊き上がったご飯の食感は硬め。そこで、次に「やわらかめ」で炊いてみましたが、やはり少し硬めに仕上がりました。味は、可もなく不可もなくといった感じで、普通においしく食べられます。

アイリスオーヤマお得意の「銘柄量り炊き」で、ご飯がガラリと変わる

それでは「銘柄量り炊き」を試してみましょう。通常、炊飯時の水の量は内釜に刻まれた水位目盛に合わせて足していきますが、「銘柄量り炊き」はお米の銘柄ごとに炊飯器が自動で最適な水量を算出してくれるというものです。

本体表面のディスプレイ部に、「銘柄量り炊き」のメニューを備えています

本体表面のディスプレイ部に、「銘柄量り炊き」のメニューを備えています

最近のお米は銘柄によって個性が大きく異なる傾向にあり、水分多めでもちもちしているお米から、水分少なめでさっぱりしているお米まで、含水量もまちまち。それらを同じ水量で炊くとお米の個性を殺してしまい、銘柄が持つおいしさを味わえなくなります。

そこで炊飯器メーカー各社は、お米の銘柄ごとに炊飯時の浸水時間や火加減、加熱時間などをコントロールしてそれぞれのおいしさを引き出す工夫をしています。なかでもアイリスオーヤマの「銘柄量り炊き」は、炊飯時の制御に加えて、銘柄ごとの適正水量を自動計量することで、銘柄米の個性をより引き出せるようにした機能なのです。

なお、わが家のお米は栃木県産の「なすひかり」。近くのスーパーにて最安値で売っていたお米なので、さすがに銘柄選択メニューにはないだろうと思ったら、取扱説明書に「ヒノヒカリ」を選択するよう書いてありました。ということで、「ヒノヒカリ」モードでさっそく炊飯! ひとまず硬さは「標準」を選びました。

「なすひかり」は「ヒノヒカリ」を選択します。取扱説明書に銘柄米の対応表が掲載されているので、コピーしてキッチンに貼っておけば便利

内釜をセットしてから「計量ボタン」を押して重量を「0」にセット。洗米前のお米を入れてもう1度「計量ボタン」を押すと、必要水量が液晶画面に表示されます

いったん内釜を取り出し、洗米して水を切ってから再度炊飯器セット。浄水ポットから水をゆっくり注げば表示された数字が減り、最適な水量になったら「ピーッ」という音とともに「OK」が表示されます。とてもわかりやすい!

結果、この「銘柄量り炊き」で炊いたご飯は、何も設定しないで炊いた「標準」ご飯とは明らかに違っていました。調節しても硬かったご飯がやわらかくなり、それでいて噛みごたえもほどよく残っていて、ちょうどよい食感です。お米はふっくらしていながらも1粒ひと粒が立っており、ツヤツヤ。味はさっぱり系で薄味。軽くて飲み込みやすいご飯です。

真っ白に炊きあがった銘柄量り炊き米! さっぱり系の味と食感で暑い夏にぴったりの味です

真っ白に炊きあがった銘柄量り炊き米! さっぱり系の味と食感で暑い夏にぴったりの味です

「銘柄量り炊き」で選択できる銘柄は6種類ですが、「なすひかり=ヒノヒカリ」ように、近い性質の銘柄を選ぶことでプラス41銘柄に対応しています。こうした炊き分け機能を搭載している炊飯器は、他社からも発売されていますが、その多くは5万円以上の高級モデル。2万円台の普及価格帯モデルでこの機能に対応しているのは、アイリスオーヤマの炊飯器だけです。

お米の計量は適当でOK! 入ったお米の分量にあわせて最適水量を教えてくれる

もうひとつ、この「銘柄量り炊き」の面白いところは、お米の計量がいい加減でよいこと。よく、「計量はカップ擦り切り1杯できっちりすべし」と言われますが、そんなに神経質になる必要がないんです。2.5合どころか、2.7合や1.8合など、大体の目分量でお米を入れても、それにあわせて最適な水量を炊飯器が自動で計量してくれ、いつも同じ食感と味のご飯が食べられるのです。

ちなみに、最適な水量はご飯の保温にも影響するようです。KRC-IC50には特別な保温機能はありませんが、12時間保温・24時間保温したご飯を食べみたところ、若干の変色・乾きが見られるものの、ねばり、もちもち感は維持されており、違和感なく食べられるレベルでした。

24時間保温後のご飯。黄色く変色しているものの、臭いや硬化はそれほどなく、もちもち感を保っていました

24時間保温後のご飯。黄色く変色しているものの、臭いや硬化はそれほどなく、もちもち感を保っていました

高級な炊飯器には、炊飯時の水分を内蓋の裏に貯めておき、それを保温時に内釜に戻して保温中のご飯をしっとり保つ機能があります。しかし、2万円台クラスの普及価格帯モデルには、このような機能は搭載されておらず、炊いたご飯を24時間保温するとパリパリ、カリカリになってしまいます。その点、KRC-IC50は低価格ながら、最適水量が量れるおかげで保温性能にもすぐれていると言えるでしょう。

便利な炊飯機能続々!「こだわり炊き分け」や「カロリー計算」も

▼「こだわり炊き分け」をチェック!

次に「こだわり炊き分け」を使ってみましょう。「おむすび」「冷凍」「丼」「カレー」「すし飯」「食物繊維米」の6種類の炊き分けメニューが搭載されていますが、今回はこの中から「カレー」と「冷凍」を試してみました。

カレーモードの場合、水加減もカレー用に合わせます(内釜の水位目盛)。標準より若干少なめの水加減です。炊き時間も若干短かくなることでしゃっきりした食感のご飯が炊き上がります。粒立ちはよく味もさっぱりしており、カレーと合わせたときにご飯の甘みがじゃませず、カレーを引き立ててくれます。

カレーモードで炊いたご飯はちょっと硬めで、標準よりさっぱり感があり、カレーの味を引き立てます

カレーモードで炊いたご飯はちょっと硬めで、標準よりさっぱり感があり、カレーの味を引き立てます

続いて、冷凍保存するのに適したご飯が炊ける「冷凍モード」でご飯を炊いてみましょう。水加減は標準のご飯と同じですが、炊飯時間が数分伸びます。これにより、解凍したときにもご飯が硬くならず、やわらかい食感が楽しめる、ということのようです。

実際に試したところ、冷凍から1日後、1週間後ともに、みずみずしさを維持していました。粒立ちもよく、適度な粘り気も保持しています。むしろほんのり甘みが増えている感じすらあり、保温ごはんより確実においしい!

冷凍モードで炊いたご飯2膳分を冷凍してみました

冷凍モードで炊いたご飯2膳分を冷凍してみました

どちらも大きな劣化はなく、適度にみずみずしさと粘り気を保持していました。おいしいです!

どちらも大きな劣化はなく、適度にみずみずしさと粘り気を保持していました。おいしいです!

▼「カロリー計量機能」も画期的

よそったご飯のカロリー量がわかる「カロリー計量機能」も試してみました。炊飯器のカロリーボタンを押すと、表示が「0kcal」になり、そこからしゃもじでご飯をよそうと、減少した重量からカロリー計算をする仕組みです。糖質やカロリー制限している人にはぴったり。

私も、脱メタボを目指して糖質制限ダイエットをしていますが、このように摂取カロリーがひと目でわかるのは、食事管理にとても役立ちます。

カロリーボタンを押すだけですぐに使えるのがイイところ

カロリーボタンを押すだけですぐに使えるのがイイところ

調理メニューも便利!「蒸し機能」でゆで卵と蒸しパンを作ってみた

最後に、充実の調理メニューをチェックします。「蒸し機能」を使ってみましょう。

まずはゆで卵から。内釜の蒸し水位まで水を入れ、蒸しプレートをセットした上に生卵を4つ置き、フタをして煮込み/蒸しを選んでスタートします。設定時間がわからなかったので30分にセットしました。

結果、固ゆで卵がきれいにできました。まあ、ゆで卵はコンロでも簡単にできるのですが、火加減を見たり、時間がきたら火を止めたりする手間がなく、スイッチポンでほったらかしにできるのが便利です。

蒸し機能でゆで卵が4個できました。蒸しプレートに余裕があるので、あと2〜3個は同時に作れそう

蒸し機能でゆで卵が4個できました。蒸しプレートに余裕があるので、あと2〜3個は同時に作れそう

次に、取扱説明書に載っていた蒸しパンを作ってみました。ホットケーキミックス80g、牛乳20ml、卵1個をよくかき混ぜてアルミカップに等分に入れるだけ。20分後には蒸しパンのでき上がりです。

ちょっと締まった食感がする蒸しパンですが、とても簡単にできるので、小腹がすいたときのおやつにちょうどよいでしょう。クルミを入れたり、干しぶどうを入れたりと工夫するもの楽しそうです。

ホットケーキミックス、牛乳、卵を混ぜてアルミカップに入れて蒸すだけです

ホットケーキミックス、牛乳、卵を混ぜてアルミカップに入れて蒸すだけです

簡単に蒸しパンが作れるので、小さな子どもが初めて作る料理としてもよさそう

簡単に蒸しパンが作れるので、小さな子どもが初めて作る料理としてもよさそう

炊飯やご飯を保温しているときには蒸し機能は使えないので、シュウマイや茶碗蒸しのようなおかずの調理には向きませんが、冷凍肉まんを温めたり、カボチャやニンジン、ブロッコリーなどのカット野菜を蒸して副菜の作り置きをしてもよさそうです。

まとめ:家族のさまざまな要求に応えてくれる炊飯器

KRC-IC50は、基本的にさっぱりめなご飯が炊き上がるシンプルなIH炊飯器です。それでいて、低価格ながらも機能てんこ盛り! さらに付属品が充実しているのも便利で、食事が楽しくなる1台。「銘柄米をいろいろ楽しみたい」「カロリー制限している」「カレーや丼ぶりが好き」など、家族それぞれの好みや要求がバラバラな家庭にもピッタリな炊飯器だと思います。

【関連リンク】
《2018年》実食から導きだした、おいしいごはんが食べられるIH炊飯器

近藤克己(プラスワン・クリエイティブ)

近藤克己(プラスワン・クリエイティブ)

1966年生まれ、福島県出身。大学では考古学を専攻。家電製品のフリーペーパーを発行しつつ、ライターとしても活動中。得意分野は家電流通、生活家電。趣味は、ゴルフ、ギター、山登り、アニメ、漫画。

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