巣ごもり需要などで、売れ行きが好調な電気調理鍋。小型モデルのラインアップが増え、ファミリー世帯だけでなく単身世帯にも普及が広がっています。現に、筆者のまわりにも購入した人たちが何人もおり、「すごく便利」「あると助かる」と絶賛の嵐。ただ、みなさん、もともと料理好きだったり、家族がいたり、毎日きちんとした料理を作っている人ばかりなんですよね……。料理らしい料理をほぼしないひとり暮らしの筆者からすると、調理をおまかせできるのはラクだけれど、普通の鍋より洗い物は増えるし、場所も取るし、そこまで便利なのかな? と疑問に思うことも。そこで今回は、超ものぐさな筆者が電気調理鍋のある生活を2週間体験。鍋の中のかき混ぜもおまかせできる、シャープの水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」の小型モデル「KN-HW10E」を、付属レシピに限定せず“自由に”使ってみました。
2015年に初代モデル(1.6Lタイプ)を発売したヘルシオ ホットクックは、翌2016年に2.4Lタイプを追加して以降、1.6Lタイプ(2〜4人分)と2.4L(2〜6人分)という2つの容量のモデルで展開されていました。筆者も仕事で何度か使ったことがあり、その便利さとできあがった料理のおいしさは体験済み。ただ、いかんせん本体サイズがデカい! 5.5合炊きの炊飯器よりも大きいので、ひとり暮らしをしている人の中には、設置場所の問題で購入を見送っていた人も多いようです。そんな声を受けて、2019年に1Lタイプ(1〜2人分)が登場。容量が小さくなった分、本体サイズも小型化されました。
1.6Lタイプ(写真左)と1Lタイプ(写真右)を並べてみると、かなり小さいことが実感できます。1Lタイプ「KN-HW10E」のサイズは220(幅)×305(奥行)×240(高さ)mm。1.6Lタイプより設置幅が約40%削減されました
1Lタイプ「KN-HW10E」の設置面積は、3合炊き炊飯器(写真左)とほぼ同じ。1Lタイプにも炊飯機能が搭載されているので、炊飯器として使うこともできます
1Lタイプで炊飯できる量は1/2/3合。今時の炊飯器は浸水時間も含めて炊飯プログラムされているので、洗米後、すぐに炊飯器にセットして炊飯を始められますが、ヘルシオ ホットクックの場合、洗米した米を水に30分以上浸しておかねばなりません。この点は少々不便ですが、最大12時間後まで予約できる機能は完備されています
炊き上がりは、マイコン式炊飯器で炊いたごはんに近い印象。甘みやもちもち感の強いごはんが好きな人はIH炊飯器で炊いたほうがいいかもしれませんが、マイコン式炊飯器を使っているならヘルシオ ホットクックを代用しても不満は少ないでしょう。ただし、ヘルシオ ホットクックでの炊飯は炊き上がったあとに自動で保温に切り替わりません(予約時間を設定した炊飯も同様)
サイズや容量は小さくなっても、加熱時間や温度を“おまかせ”できるのはもちろん、調理中に鍋の中をかき混ぜてくれる「まぜ技ユニット」というヘルシオ ホットクックならではの機能も継承されています。この機能があることにより、食材の焦げ付きや加熱ムラなどが抑えられるほか、「煮る」「茹でる」「蒸す」「発酵」「低温調理」だけでなく、「炒める」調理も可能に。このほか、食材から出る蒸気を利用し、水を使わずに調理する「無水調理」にも対応しています。そして、仕上がり時間を設定する「予約調理」、本体に搭載されていないメニューをダウンロードできる無線LAN機能も完備。搭載されていない機能も一部ありますが、既存モデルで行える基本的な調理は1Lタイプでもできると考えて問題ありません。
フタの部分に蒸気センサー、底に温度センサーを搭載。この2つのセンサーで加熱具合を判断し、火加減を自動で調節してくれます。なお、裏ぶたに施された凹凸は無水調理するための「うまみドリップ加工」。食材から出た蒸気を水分に変え、鍋内に戻すことで“水なし調理”を実現
ヘルシオ ホットクックといえば、裏フタに装着されている「まぜ技ユニット」が特徴。アームが開き、鍋内の食材をかき混ぜてくれます。本体サイズに合わせて、まぜ技ユニットも小さくなり、アームの数も1本となりました
基本的な機能は既存モデルと同じ1Lタイプですが、まぜ技ユニットの可動の仕様は少し異なり、2.4Lタイプと1.6Lタイプのアームが必要なタイミングで開くのに対し、1Lタイプはフタを閉めると必然的に開きます。また、食材を混ぜている時の負荷を検知し、かき混ぜるパターンを変える機能も搭載されていません。シャープによると、1Lタイプの容量であれば、混ぜ方を変えなくても最適にかき混ぜできるとのこと。
フタを閉じると、1Lタイプはまぜ技ユニットのアームが開きます
ただ、クチコミなどを見ているとこの点を気にしている人がチラホラいる様子。そこで、2.4Lタイプと1Lタイプで肉じゃがを作り、仕上がりに差が出るのかチェックしてみました。
付属のレシピブックどおりに食材を用意し、2.4Lタイプでは4人分、1Lタイプでは2人分の肉じゃがを作ります。内鍋の大きさが異なるため、切り方も「4〜6つ切り」(2.4Lタイプ)と「8つ切り」(1Lタイプ)というように、1Lタイプのほうを小さめにカットするなどの違いもありました
1Lタイプも液晶に文字が表示されるので、操作性は上々
できあがるのを待ちます。セットした分量は異なりますが、調理時間の目安は2.4Lタイプも1Lタイプも約35分
約35分後、調理終了。まぜ技ユニットのおかげで、どちらの機種も上のほうにある食材にも出汁がしっかり染み込んでいます。それでいて、具材の角が削られたりつぶれたりしておらず、形状もキレイなまま! ただ、24Lタイプで作ったじゃがいものほうが若干ホクホクしている印象。定格消費電力が2.4Lタイプは800W、1Lタイプは350Wと違うからでしょうか
もしかすると1Lタイプは味の染み込み具合や加熱され具合が甘いのではないか……と心配になり、じゃがいもをカットして比較してみました。断面を見てみると、染み込み具合はほぼ同じ。実際に食べてみた食感や味わいも、大きな差は感じなかったので、1Lタイプのまぜ技ユニットの性能は心配しなくてよさそうです
ここからは、1Lタイプのヘルシオ ホットクックを2週間ほど使って感じたことをお伝えします。この手のレビュー記事の場合、付属のレシピブックにあるメニューを作ることが多いのですが、それでおいしく作れるのは当たり前。実際に購入した人は、初めのうちは付属レシピのメニューを作っても、ゆくゆくは自由に調理するはず。なので、今回は付属のレシピを参考にしつつ、食材を変更するなどアレンジすることにしました。レシピどおりの食材を毎回揃えるのは現実的ではありませんし、少しでもムダを減らせるように家にあるものを使いたいですからね。
最初は、1Lタイプにのみ搭載された2段調理にトライ。付属の蒸しトレイを使い、下段(内鍋)で煮込み料理やスープなどの料理、上段(蒸しトレイ)で蒸し物とか、下段でごはんを炊き、上段でおかずといったように、2つの調理を同時に行います。上段は内鍋で調理中の食材から出る湯気や庫内の温度で加熱されるため、作れるものは基本的に蒸し物。中華まんの温めや冷凍ごはんの加熱にも対応します。
そんな2段調理で今回作るのは「牛丼」。上段で冷凍ごはんを解凍し、下段でどんぶりの具を煮込みますが、付属のレシピにはない「蒸し野菜」も一緒に作ってみます。
付属のレシピでは上段で冷凍ごはんを解凍するだけですが、冷凍しておいたごはんの量が少なめだったので、その隣にアルミホイルで包んだカットキャベツをセット。なお、今回の調理では鍋内をかき混ぜる必要はないので、まぜ技ユニットは外しておきます
2段調理には2つのメニューが用意されていますが、今回は「どんぶりの具&冷凍ごはん」を選択します。加熱時間は約20分
調理が終わったので中を見てみると、下段の玉ねぎは味が染みてしんなりとした感じに。まぜ技ユニットを使わない調理なので具は混ざっていませんが、箸を使って手でほぐして混ぜればOK。アルミホイルに包んだ上段のキャベツも、しっかり加熱されている印象。冷凍ごはんも熱々です
ごはん(玄米)は少量ですが、キャベツでかさましをしたので食べ応え十分。レトルトの牛丼よりも具がたっぷりで、最初のメニューから大満足です
翌日も、再び2段調理を実施。今度は下段で炊飯し、上段で「肉キムチのホイル蒸し」を作ります。しかも、炊飯するのは玄米。ヘルシオ ホットクックの炊飯メニューは白米に合わせたプログラムなので、玄米を理想的に炊くことはできないのは承知のうえで、あえて炊きます。なぜなら、玄米が好きだから! なお、2段料理で「炊飯&おかず」を作る場合、米の量は1合と決まっています。
下段に事前に浸水させておいた玄米と水を入れ、上段にはキムチやきのこ、豚肉をアルミホイルで包んだものをセット。おかずの量をたっぷりにしたいので、蒸しトレイからはみ出さないくらいまで詰めてみました
フタを閉じようとした時にトラブル発生! まぜ技ユニットを装着する突起が、上段のアルミホイルに突き刺さってしまいます
まぜ技ユニットの装着部の突起は取り外しできませんし、食材などで汚さないほうがいいと思うので、アルミホイルの中の食材を減らし、突起が刺さらないように中央部を少し凹ませてみました
2段調理の「炊飯(1合)&おかず」の調理時間は約30分
炊き上がった玄米は、想像どおりの仕上がり。白米の炊飯モードで炊いているため、甘みは少なく、パラッとしています。でも、個人的にはけっこう好き
おかずのほうも、うまくできました。ただ、がっつり食べたい人には少々物足りない分量かもしれません。とはいえ、ごはんとおかずが一緒に完成するので、熱々を食べられて幸せです。また、蒸しトレイの底面には穴が空いているので、結果としてアルミホイルを使って調理することが多くなり、洗い物がラクになるのも◎
ここまでは異なる2品を同時に調理してきましたが、内鍋に水を入れ、蒸しトレイに食材をセットすれば、蒸し物ができます。手っ取り早くヘルシーなものを作りたい時に、うってつけ!
蒸し物メニューには「シュウマイ(あたため)」「中華まん(あたため)」「蒸し野菜」「蒸し豆」が用意されています
内鍋に100mlの水を入れます。蒸しトレイに食材を入れて「蒸し野菜」で調理するのですが、野菜だけでは物足りないのでウインナーも一緒に蒸すことにしました
「蒸し野菜」の調理時間は約20分。ウインナーの皮がはじけていることからも、しっかり加熱されていることがわかります。アスパラも芯までやわらかく、それでいて食感は残ったまま。普段は電子レンジで加熱していましたが、蒸したほうがみずみずしく、断然おいしい!
電気調理鍋のいいところは、調理中におまかせできるだけなく、外出中にも調理を進めておいてもらえること。いまや、電気調理鍋に予約調理機能が搭載されているのは一般的となりましたが、鍋内の食材が腐ったりしないように温度をきちんとコントロールできるかはモデルによって異なります。当然ながら、ヘルシオ ホットクックの予約調理は、その点は問題なし。100℃で加熱を始めたあと腐敗しない温度帯をキープし、調理を完成させる時間が近づいたら仕上げ工程に移るようになっています。
そんな予約調理で作るのは「豚肉のトマト煮込み」。豚ロース肉と玉ねぎ、トマトの水煮、ケチャップやコンソメ、ニンニク、オリーブオイル、塩、こしょうを内鍋に入れ、メニューを選んで予約するだけ……なのですが、普段、そんなに料理を作らない筆者の家にはケチャップはありません。今後も使う予定もありませんし、わざわざ買うのはもったいない。なので、ソースは市販のものを代用することにしました。
正直に言うと、筆者宅にはオリーブオイルやコンソメ、塩、こしょうもありませんが、これらはほかのメニューでも必要そうなのですでに購入済み。しかし、今回しか使わなそうなケチャップは買いたくありません(笑)
近年は、ひとつ加えるだけで簡単に作れるソース類がいろいろ販売されているので、それらを使えばレシピどおりに材料を用意しなくても済むのではないかと考えた筆者。ということで、玉ねぎと豚ロース肉以外の材料は、デルモンテ「具Tanto鶏肉のトマト煮用ソース」でまかなうことにしました
内鍋にカットした玉ねぎと豚ロース肉を入れ、その上から「具Tanto鶏肉のトマト煮用ソース」を投入。これで準備完了! 超簡単です。ちなみに、「具Tanto鶏肉のトマト煮用ソース」は3〜4人前と記されていたので、半分くらいしか使っていません。残りは冷蔵庫に入れて、保存しておきます
今回の調理には鍋内をかき混ぜる工程が含まれているので、まぜ技ユニットを装着
出来上がり時間を予約するため、メニューを選択したあと時間をセット。自動調理メニューの場合、最大15時間後まで設定できます
現在の時間は9時11分。予約調理をセットしたまま、仕事に行ってきます−!
帰宅したのは20時10分。玄関のドアを開けた瞬間に、食欲を刺激するいいニオイが漂ってきました。予約しておいた19時より1時間遅くなりましたが、自動で保温に切り替わるのででき上がった料理が冷める心配はありません
フタを開けると、熱々の豚肉のトマト煮込みが完成していました。「具Tanto鶏肉のトマト煮用ソース」の量を入れすぎたのか少しゆるめの仕上がりですが、おいしそうなのでいいでしょう!
玉ねぎがとろとろになるくらい加熱されていますが、豚肉は火がとおりすぎて硬くもなっておらず、ベストな食感。味もたっぷり染み込んでいます
主食がないじゃないか! と思われるかもしれませんが、実は、ヘルシオ ホットクックで炊飯したごはんを冷凍しておいたので、それを温め直して豚肉のトマト煮込みに投入。ソースが多めだったので、ごはんを入れたらちょうどいい感じになりました
結構味がしっかりしているため、豚肉のトマト煮込みは1度で食べきれず。残りは、容器に入れて冷蔵庫で保存しておきます。明日か明後日かに食べようっと♪
中身を全部取り出したあとの、内鍋の様子。9時過ぎに予約調理をセットし、帰宅するまでの約11時間加熱されていましたが、温度調整が行われているため、焦げ付きはありません
裏ぶたやまぜ技ユニットなどもあるため、普通の鍋よりも洗い物は多いですが、調理をおまかせできる手間を考えると洗うことは苦になりませんでした。また、内鍋はフッ素加工されているおかげなのか、油の落ちもいい印象
深さのある鍋も持っていないのでパスタは普段作りませんが、これもおまかせで作れるのでトライしてみます。ヘルシオ ホットクックでのパスタ作りは、内鍋に水とスパゲティ、具材、調味料を入れ、メニューを選んでスタートボタンを押すだけと超簡単。湯切りいらずで作れます。
2.4Lタイプで作った「ナポリタン風パスタ」。まぜ技ユニットが鍋内をかき混ぜてくれるので、ソースや具がパスタとからんだ状態で完成します
筆者は1.6Lタイプと2.4Lタイプでパスタを作ったことがあるので、1Lタイプでも余裕だろうと思いつつ付属レシピをめくっていたら、1Lタイプにプリインストールされているパスタメニューは「スープパスタ」のみ! 1.6Lタイプや2.4Lタイプにセットされていた「ナポリタン風パスタ」や「シーフードのクリームパスタ」がありません。
「めん類」に登録されている自動調理メニューは、「スープパスタ」「焼きそば」「カレーうどん」「きのこうどん」の4種類。ヘルシオ ホットクックには複数のラインアップがあり、機種によって自動調理メニューの登録数は異なります。1.6Lタイプは131〜145メニュー、2.4Lタイプは143〜155メニュー、そして1Lタイプは80メニュー。なので、1Lタイプの付属レシピ(写真右)のページ数は少なめです
選択肢は「スープパスタ」しかないので「スープパスタ」を作ります。
半分に折ったスパゲティを内鍋に入れ、オリーブオイルをからめ、そこに水と具材、調味料を投入。付属のレシピにはキャベツやにんじん、ツナ(缶詰)、スイートコーンといった具材を入れると記されていましたが、筆者宅にはなかたので、家にあった小松菜、ベーコン、きのこ類を使います
まぜ技ユニットを装着し、「スープパスタ」メニューで調理スタート
約20分ででき上がり!
スパゲティの茹で上がりは上々。芯がないのは当然ながら、アルデンテで理想的です。スパゲティを半分に折っていますが、食べている時にその点を不満に感じることはありませんでした。なお、1.6Lタイプと2.4Lタイプでも作り方は同じです
スープパスタはおいしかったのですが、どうしてもスープじゃない普通のパスタが食べたい! なので、手動調理メニューでスパケティだけを茹でて作ることにしました。
お湯を沸騰させる工程からスタートしますが、手動調理メニューの「めんをゆでる」にはスパゲティを茹でるところまでプログラムされています。写真にある「7分」の設定は麺を茹でる時間なので、最初のお湯が沸騰するまでの時間は含まれません
「食材を加えてください」と表示され、報知音がしたら沸騰した合図。手動調理メニューの「めんをゆでる」で調理をスタートし、沸騰するまで約20分かかりました
フタを開けて、スパゲティを投入。手動調理メニューではスパゲティを半分に折らずにそのまま茹でることができます
やわらかくなったとこから曲げていけば、スパゲティは長いままでもお湯に浸かります
フタを閉じ、再度スタートボタンを押せば、茹で工程が始まります
設定した7分で茹では完了。文句なしの茹であがりです
スパゲティにかけるソースもお手製。2日前に作って冷蔵庫で保存しておいた豚肉のトマト煮込みをソースとして使いました。豚肉のトマト煮込みとスパゲティの相性バツグン!
パスタ作りの手軽さが気に入ったので、別のパスタも作りたい。でも、プリインストールされているメニューはもうない……。そんな時は、無線LAN機能を使い、クラウドサービス「COCORO KITCHEN」にあるメニューを本体に追加すればいい! 追加したメニューはプリインストールされているメニューと同じように、メニューを選択してスタートボタンを押すだけで自動調理できます。
スマートフォンで「COCORO KITCHEN」の中から作りたいメニューを選択し、ヘルシオ ホットクックに送信すれば、本体の「ダウンロードメニュー」に追加されます。ダウンロードメニューに保存できるのは最大30メニューですが、アプリ上に残っているので、作りたくなったらまた送信すればOK
本体にプリインストールされていないメニューが追加できるのが無線LAN機能の魅力なのですが、ここで再び気付いたことが……。「COCORO KITCHEN」には、1Lタイプに適するメニューの数が少ない!
「COCORO KITCHEN」で「パスタ」と入力し、検索した結果。1Lタイプ(写真左)と1.6Lタイプ「KN-HW16E」(写真右)で比べてみたところ、倍以上メニュー数に差がありました。季節限定メニューが追加されることもありますが、1Lタイプにプリインストールされていないパスタメニューは、現時点では「ミネストローネ」だけのようです
でも、ミネストローネはスープ。マカロニは入っているものの、筆者が食べたいパスタとは違うということで、その後も「COCORO KITCHEN」で検索を続けたところ「ペンネアラビアータ」を発見! 細長い麺ではありませんが、これもパスタ。ペンネアラビアータを本体に登録し、作ってみました。
ペンネアラビアータはプリインストールされているメニューではないため、付属レシピには載っていません。「COCORO KITCHEN」内に記されている材料や作り方を見て準備します
レシピにはトマトの水煮や調味料を入れると記されていましたが、数日前に「豚肉のトマト煮込み」を作った際に余っている「具Tanto鶏肉のトマト煮用ソース」を使います。あとは、「ダウンロードメニュー」から「ペンネアラビアータ」を選んで、調理スタート
「ペンネアラビアータ」も途中でお湯を捨てる必要はなく、完成します。余った食材を有効利用することができたし、ペンネはプルンプルンでおいしいし、大満足!
かなりヘルシオ ホットクックに慣れてきた筆者。そろそろ、付属レシピにも「COCORO KITCHEN」にも載っていないメニューが作ってみたい。それも、手動で加熱時間を設定して作る方法ではなく、自動調理メニューを応用する方法で。使っている食材や調理方法が近しければ、少々メニューが違っても自動調理メニューでそれなりに作れるはず。もちろん、自動調理メニューにはそれぞれのメニューに適した工程がプログラムされているので、異なる食材を使うと理想的な仕上がりにならないことは百も承知です。でも、普通の鍋であれば、レシピを参考にしつつ、似たような火加減だから食材を変えてもイケそう……というように自由にアレンジするもの。そういう自由度を求めてのチャレンジです。
筆者が作りたいのは、白菜とサバ缶の煮物
自動調理メニューにない料理を作る時は、手動調理メニューの「煮物を作る」で加熱時間やまぜ技ユニットの有無を設定するのが正しい方法ですが、ものぐさな筆者は自動メニューを使います
白菜を使った煮物で「白菜と豚バラの重ね煮」を発見。しかし、このメニューはまぜ技ユニットを使わないようなので、今回の調理にはマッチしません
「白菜と豚バラの重ね煮」の調理時間が30分であるのを目安に、別の自動調理メニューを探したところ、「豚バラ大根」にたどり着きました。食材はまったく違いますが、煮物だからイケるんじゃないでしょうか!?
「豚バラ大根」で調理スタート。うまくでき上がるのかドキドキです
30分後、完成。けっこういい出来映えです。白菜にたっぷり味が染み込んで、おいしい! 理想的とは言えない仕上がりなのかもしれませんが、筆者の舌では、十分すぎるほどおいしかったです
仕事では時間の都合もあり、調理家電のレビューは基本的に付属レシピに沿って行っていましたが、今回は思い切って“自由に使う”ことをテーマとしてみました。当然ながら、手動で設定すれば自由に作れますが、ヘルシオ ホットクックを使い慣れてないと何分加熱していいのかわかりませんし、筆者のように料理が得意でない者からすると、けっこうハードルが高いことなのです。そんな時に目にしたのが、シャープの公式サイトに掲載されていた「メニュー集に載っていないものでも、食材や加熱時間、混ぜ方が似ているものがあれば、そのメニューキーを使うことでうまく調理することができる」というような一文。これにならい、自動調理メニューをベースに自分ができる範囲内でアレンジして使ってみました。食材や調味料を少し変えるくらいの些細なアレンジでしたが、これが、すごく料理した気分になれて楽しいんです。あれほどめんどうだったのに、ヘルシオ ホットクックを使い始めて数日経った頃には、次は何を作ろうかな? と思っている自分におどろきました。
ヘルシオ ホットクックに慣れてきたので、ネットでよく見る「ヘルシオ ホットクックで作るホットケーキ」にも挑戦。市販のホットケーキミックスを使う「野菜ジュースのケーキ」メニューを「COCORO KITCHEN」から本体に送信して作るのが一般的ですが、手動調理メニューの「ケーキを焼く」でも上手にできました。調理時間は「野菜ジュースのケーキ」を参考にしましたが、こうやって徐々に手動調理メニューも使いこなせるようになっていけば、もっとヘルシオ ホットクックでの調理が楽しくなりそう
フライパンでは作れないような超分厚いホットケーキが完成。ホットケーキミックスに、ココアやサツマイモなどを入れて、アレンジしたホットケーキを作っている人が多いようです
カットすれば、けっこうサマになります
ただ、1Lタイプはプリインストールされているメニューの数が少なく、「COCORO KITCHEN」や料理キット宅配サービス「ヘルシオデリ」に用意されているメニューの数も1.6Lタイプや2.4Lタイプより少ないので、そこを重視するなら1Lタイプは物足りなく感じるかもしれません。いろいろなメニューにチャレンジしたいなら1.6Lタイプか2.4Lタイプを選んだほうがよさそうですが、設置場所の問題で1Lタイプしか選べない人もいるでしょう。でも、「弘法筆を選ばず」とも言いますし、料理好きなら1Lタイプでもヘルシオ ホットクックならではの調理を存分に楽しみ、便利に使えるはず。
そして、もちろん料理初心者にも推せる調理家電です。洗い物は普通の鍋よりも増えるものの、調理中に手がかからず、予約調理もできるのは本当にラク。自動調理メニューも用意されているので、まったく料理したことがない人でも自炊を始めやすいと思います。ものぐさな筆者でも使い続けるうちに食事に対する意識が変化し、豊かな気持ちになれたほどなので、これから自炊を始めたい人にはうってつけでしょう。
1Lタイプには、好きな白身魚と調味料を入れるだけで作れる「カンタン煮物」や、市販のカット野菜と調味料で作る「カット野菜で1品(野菜炒め)」といった、準備もラクな自動調理メニューが用意されています。筆者は「カット野菜で1品(野菜炒め)」メニューで、市販のカット野菜の代わりに好きな野菜とベーコンなどを使いましたが上手にできました。油も使っていませんし、ヘルシー
なお、すでに2.4Lタイプのヘルシオ ホットクックを使っている筆者の知り合いの家電ライターさんは、味噌汁など、メインではないもう1品をヘルシオ ホットクックで作っておきたいので、1Lタイプの追加購入を検討中なのだとか。経済評論家の勝間和代さんも、コンロは使わず、複数台のヘルシオ ホットクックとオーブンレンジでおかずを作っているそうなので、サブ機として1Lタイプを選ぶのもいいかもしれません。
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいます。