日本エー・アイ・シーの「アラジン グラファイトトースター」シリーズの2機種がモデルチェンジ。調理メニューを4つ追加し、1台12役で使えるようになった「アラジン グラファイト グリル&トースター(フラッグシップモデル)」と、新しい「グラファイトヒーター」を採用した「アラジン グラファイト グリル&トースター(4枚焼き)」をメディア向け体験会で見てきました。
アラジンのオーブントースターと言えば、熱源に0.2秒で発熱する「遠赤グラファイト」を採用しているのが特徴。高温で一気に加熱することで、中に水分を残しつつ、外はカリッとしたトーストを焼き上げます。このコアな部分は全モデル共通。現在、スタンダードモデルに4枚焼きの「AGT-G13B」と2枚焼きの「AET-GS13C」、フラッグシップモデルに「AET-GP14B」の3機種がラインアップされており、どの機種でもカリッ&モチモチのトーストが味わえます。
レトロなデザインも共通。現行3機種のうち、フラッグシップモデル「AET-GP14B」とスタンダードモデル「AGT-G13B」(4枚焼き)が2023年9月に登場した新モデルです
上ヒーターに0.2秒で発熱し、同社のカーボンヒーターよりも遠赤外線量が1.2倍多い「グラファイトヒーター」、下ヒーターに「石英管ヒーター」を全モデルに搭載
スタンダードモデル「AGT-G13B」(4枚焼き)の基本的なデザインは従来モデルと同じですが、現行の「グラファイトヒーター」を進化させた「グラファイトeヒーター」を搭載したのがポイント。「グラファイトeヒーター」は同社の電気ストーブにも採用されており、現行の「グラファイトヒーター」と比べ、熱がムラなく広がるため、オーブントースターの庫内の温度が均一になるそう。それと同時に庫内の形状を改良することで、中央部から端までムラのない焼き上げを実現しました。
新しくなった「アラジン グラファイト グリル&トースター(4枚焼き)」。サイズは360(幅)×355(奧行)×250(高さ)mmで、消費電力は1,390W。温度調節は100〜280度で設定できます
上ヒーターに「グラファイトeヒーター」を採用。現行の「グラファイトヒーター」よりも広い範囲に均一に熱が届きます
「グラファイトヒーター」だった従来モデルと、「グラファイトeヒーター」を搭載した新モデルで焼いたクッキーの焼き上がりを比較したもの。従来モデルはサイドや中央部のクッキーの焼き色が薄めですが、新モデルは均等に焼けています
付属のグリルパン(浅/深)とグリルプレートを使って調理もできます。「グラファイトeヒーター」のムラのない加熱で、調理もおいしく見た目もよく仕上げてくれそう
また、焼き網を可動式にし、付属のグリルパンをセラミック塗装に変更。従来モデルよりも細かい部分まで楽にお手入れできます。
焼き網を上に動かせるので、パンくずが溜まりやすい部分のお手入れがしやすくなりました
スタンダードモデルとフラッグシップモデルの大きな違いは、マイコン制御の有無。アナログ式のスタンダードモデルは温度と時間(タイマー)を手動で設定しますが、マイコン式のフラッグシップモデルは調理メニューを選ぶだけで、メニューに応じた温度と時間で加熱されます。加熱温度や時間を設定しなくていい楽さだけでなく、アナログ式オーブントースターの場合、パンを焼いた直後に続けて焼く際は、1回目よりも加熱時間を短めに設定しないと焦げることがありますが、フラッグシップモデルなら、温度センサーで庫内の温度を検知してマイコン制御で最適な温度と熱量で加熱するため、連続で何回焼いてもちょうどいい焼き上がりになるのもメリット。さらに、冷凍トーストの自動メニューもあるので、表面にほどよい焼き色を付けながら中心部までしっかり加熱でき、パンの焼き色も選択できます。
ダイヤルを回して調理メニューを選んで加熱を始めるのが基本的な使い方
温度センサーで検知し、温度や時間を制御するので、凍ったままの食パンを焼いたときに起こりがちな「外側が炭化」や「中が冷たいまま」という状態にならず、常温の食パンと同じように仕上がります
このほか、「煮る」「蒸す」「低温調理」「炊飯」などの調理メニューが用意されているのもフラッグシップモデルならでは。4枚焼きのスタンダードモデルでも付属のグリルパン(浅/深)やグリルプレートを使って調理できますが、設定した時間、設定した温度で加熱し続けるのに対し、フラッグシップモデルはメニューごとに適したプログラムで加熱します。また、フラッグシップモデルでは専用の炊飯釜を使用した炊飯ができるのも特徴。
フラッグシップモデルには調理に使用するグリルパン(浅/深)とすのこ、そして炊飯鍋が付属
炊飯は、炊飯メニューで実行。1合は28分、2合は30分でごはんが炊き上がります
※事前に浸水する必要あり
こうした機能は、2021年に発売された「AET-GP14A」にも搭載されています。新モデル「AET-GP14B」は「トースト」「冷凍トースト」「オーブン」「グリル」「煮る」「蒸す」「低温調理・発酵」「炊飯」に加え、「調理トースト」「リベイク」「冷凍生地焼成」「2ステップ調理」という4つの調理メニューを追加。さらに、幅広い調理に対応しました。
調理メニューが12種類に増えた「グラファイト グリル&トースター(フラッグシップモデル) AET-GP14B」。本製品も4枚焼きです。サイズは391(幅)×391(奧行)×276(高さ)mmで、消費電力は1,430W。温度調節は40〜320度で設定できます
「調理トースト」メニューでは、具材がのったトーストを、具材もパンもほどよい加熱具材で焼き上げます
焦げない温度帯(150〜160度)で表面をカリッと、中を熱々で加熱する「リベイク」メニューは、バターロールやクロワッサン、惣菜パンに最適。冷凍の具入りパン(焼成したもの)も、このメニューを使えばパン屋さんの焼きたてパンのような風味で楽しめます
通常、冷凍生地は室温で30〜60分解凍し、その後、予熱をしたオーブンで15〜25分焼成しますが、「AET-GP14B」の「冷凍生地焼成」メニューなら凍ったまま入れてOK。短時間で解凍し、予熱不要だからそのまま焼成工程に移行し、通常の半分以下の時間でおいしく焼き上げます
「2ステップ調理」メニューは、2段階で温度と時間を設定。たとえば、焼きいもの場合、最初に低温で加熱してから高温で焼き上げることで糖度がアップするそう。温度は60〜280度の範囲で10度刻み、時間は1分〜60分の範囲で1分刻みで設定できます。自分なりに時間と温度の組み合わせを研究できるのも面白いところ!
「2ステップ調理」メニューで焼いた焼きいもを試食。加熱時間は1時間30分かかりましたが、ほくほくとした食感で、甘くておいしい!
「AET-GP14B」が多彩な調理メニューに対応できるのは、立ち上がりが早く、熱量が大きい「グラファイトヒーター」を使っているからだと言います。一般的なオーブントースターはヒーターをつけたり消したりしながら庫内の温度を制御するため、温度差が出てしまいますが、グラファイトヒーターは火力を半分にして連続して通電できるため、庫内の温度変化が少なく、緻密な火力コントロールでおいしく焼き上げられるそう。また、庫内の温度変化が少ないことで、加熱時間が短く済むのもポイントです。
上下ヒーターを別々のタイミングでオン/オフするほか、火力を切り替えることで最適な温度と熱量で調理。火力調節ができるオーブントースターは業界唯一とのこと
「AET-GP14B」で焼いたトーストも試食しましたが、相変わらず、おいしい。表面が薄くサクサクに焼けていながら中はしっとり。クラスト(耳の部分)が硬くなり過ぎていないので、食べやすいのもいい!
そして、「AET-GP14B」は操作性も向上。たとえば、「トースト」「冷凍トースト」「炊飯」メニューの場合、従来モデルでは「1枚」と「2枚以上」でメニューが分かれていましたが、新モデルは枚数を判断し、自動で最適な加熱ができるようになりました。従来モデルと温度センサーの性能は同じですが、データーを収集し、食材の分量を自動判別できるプログラムを用意できたことで、枚数や量に合わせてメニューを切り替える手順が省けたそうです。
従来モデルは食パンのアイコン(トーストメニュー、冷凍トーストメニュー)の中に「1」「2〜」という数字があり、枚数に合わせて選ぶ必要がありました。それに対し、新モデルは枚数を自動で判断できるので、食パンが1枚でも3枚でも「トースト」または「冷凍トースト」メニューを選ぶだけでOK
操作部の右端にあった電源ボタンもなくなりました。従来モデルでは電源ボタンを押してから調理メニューを選びましたが、新モデルは最初に電源を入れる作業が不要。調理ダイヤルや、温度やタイマーのつまみを回す手順から始められます