野菜の長期保存による悩みを解消し、食品ロス削減に貢献する「できちゃうV冷凍」機能を搭載した冷蔵庫を三菱電機が発表。この機能で冷凍した野菜は解凍の必要がなく、凍った状態で手で砕いてそのまま調理に使えるので時短にも役立ちます。そんな注目の新機能「できちゃうV冷凍」を紹介しましょう。
消費者庁の「食品ロスによる経済損失及び 温室効果ガス排出量に関する調査業務 調査報告書」によると、4人家族が1年間で使用する水道料金よりも、食べ残しや廃棄するなどでロスしてしまった食品の金額のほうが大きいそう。なかでも、傷みやすく、冷凍保存しにくい野菜のロスが多いそうです。つまり、野菜の廃棄を抑えられれば、むだな出費も減らせるということに!
冷蔵庫には異なる温度帯の部屋があり、基本的に低温のほうが長い期間保存できます。食品により異なりますが、約3〜6度の冷蔵室では約3日、約0〜2度のチルド室では約4日、約-18度の「冷凍室」では最大1か月保存可能。つまり、食品ロスを減らす手段として冷凍保存は有効と言えるでしょう。ただ、一般的な冷凍保存の場合、使用時には解凍する必要があります。また、野菜を冷凍保存している人の多くが、事前に使うときのメニューを想定して使用するサイズにカットしたり、茹でたり、下処理してから冷凍室に入れているそう。
事前に茹でる・炒めるなど調理せずに冷凍する場合でも、たまねぎをみじん切りにしたり、ネギを刻んだりと、使いやすいサイズにカットして冷凍している人が多い傾向
何かと手間がかかる野菜の冷凍保存のわずらわしさを解消してくれるのが「できちゃうV冷凍」機能。その“手間いらず”の様子を下の動画でご覧ください!
上の動画のように、冷凍しておいた野菜を冷凍庫から出し、袋ごと手で揉み揉みするだけでキャベツが細かく砕けました! 「できちゃうV冷凍」で冷凍した野菜は解凍する必要がないだけでなく、包丁も不要。手で簡単に砕けるのです。砕く具合を調整すれば、大きめに砕いたり、細かく砕いたりと使いたいサイズに調整可能。
指で軽く押さえたり、両手で握るように揉んだりするなどして砕き具合を調整できます(保存袋に入れて冷凍することが必須)
そして、この機能を使えば、調理にかかる時間を短縮できます。
「できちゃうV冷凍」で凍らせた野菜を冷凍室から取り出します。なお、マッシュルームなど砕く必要がない野菜類も「できちゃうV冷凍」で凍らせても問題ありません。パラパラの状態で凍るので、袋からすぐ取り出せます
カリフラワーとキャベツを手で揉んで砕き、鍋に投入。ほかにも入れたい食材を同じように入れます
後は、コンソメなどの調味料と牛乳を入れ、煮込んだらスープが完成。準備の手間が省けるうえ、洗い物も少なくて済みます
煮込み料理だけでなく、焼き物料理にも使用可能。凍った野菜が溶けても必要以上に水が出ないので、味が薄まる心配はありません。野菜を刻むなどの準備が異なるだけで、後は、鍋で煮込んだり、フライパンで焼いたり、オーブンで焼き上げたりと普段の調理方法で料理できます
「できちゃうV冷凍」は製氷室より下にある引き出し式の冷凍室に搭載されていますが、ただ入れるだけでは普通に冷凍室で凍らせたのと同じ。“砕ける”状態にしたい野菜を冷凍室の上段のケースに置き、冷蔵庫のドアにある操作パネルまたはスマホアプリで「できちゃうV冷凍」を設定する必要があります。
冷凍室全体ではなく、冷凍室にあるスライドケースが「できちゃうV冷凍」で冷却できるスペース。製品によって異なりますが、真ん中野菜室の「MZシリーズ」はスライドケース1段、真ん中冷凍室の「WZシリーズ」は写真のように2段が対象です
「できちゃうV冷凍」を設定すると、冷凍室の温度(約-18度)より低い約-25度の冷気が約20〜30分吹き出ます。この冷気でスライドケースにセットした野菜を冷却することで砕ける状態になる仕組み。最初からスライドケースに入れておく必要はなく、普段は冷凍室のどこに入れておいてもOK。8時間以上冷凍室で保存し、使いたいときにスライドケースに移動させて「できちゃうV冷凍」を設定して約20〜30分経過してから使います。
事前に8時間以上しっかり冷凍させておく必要があります。スライドケースでも、その下でも冷凍保存する場所は自由です
ただ、砕ける状態が永遠に続くわけではありません。キープできるのは約1.5時間。調理する約20〜30分前に「できちゃうV冷凍」を設定し、完了後、1.5時間以内に調理を始めましょう。1.5時間以上経過すると普通の冷凍の状態に戻りますが、再度、「できちゃうV冷凍」を設定すれば砕ける状態になるので気軽に使えます。
「できちゃうV冷凍」使用時の流れ。上述のとおり、冷凍室のスライドケースに置いておくことを忘れずに!
操作部に表示されている「できちゃうV冷凍」が点滅したら、砕ける状態になった合図。スマホアプリにも通知が届きます
「できちゃうV冷凍」で冷却した野菜を冷凍室から取り出したら、その日中に使うことが推奨されています。なので、野菜を小分けして冷凍していくほうがいいでしょう。
キャベツやほうれんそうなどは1枚ずつ剥がした状態で凍らせてもOKですが、ざっくりカットしておくほうが砕くのも楽。砕かずにそのまま使うこともできるので、野菜炒めに使うサイズくらいにしておくとよさそう。下茹でせず、生の状態で冷凍して大丈夫です
すべての野菜が「できちゃうV冷凍」に対応しているわけではありません。写真の10種類の野菜に加え、大根と小松菜の計12種類が対応しています
「できちゃうV冷凍」で冷却した野菜を筆者も砕いてみました。葉物は手で軽く砕けましたが、パプリカとたまねぎはちょっと力が必要。溶け始めると砕けにくくなるので、素早く砕いたほうがいいでしょう。棒やスプーンなどで叩いたり、押さえたりして砕いてもOKです
なお、約-25度の冷気が吹き出すと聞くと電気代が懸念されますが、冷気が出る時間は約20〜30分なので、「できちゃうV冷凍」を1回使用するのにかかる電気代は約1円。電気代は心配せずに使えます。
また、「できちゃうV冷凍」のほか、三菱電機の冷蔵庫には凍っているのに包丁などでサクッと切れる「切れちゃう瞬冷凍A.I」という冷凍機能が搭載されています。「できちゃうV冷凍」に対応していないじゃがいもやたけのこは「切れちゃう瞬冷凍」で保存可能。
製氷室の隣に「瞬冷凍室」を配置。生鮮食品を凍ったままカットできるだけでなく、ホワイトソースなどは凍っているのに簡単にスプーンですくえ、パックのまま入れておいた切り身は簡単に剥がせます
「切れちゃう瞬冷凍」で冷凍した野菜も解凍せずにパラパラの状態で取り出せますが、温度帯が約-7度なので「できちゃうV冷凍」のように砕くことはできません。普通の冷凍、「できちゃうV冷凍」、「切れちゃう瞬冷凍」の3種類の冷凍機能を使い分けて便利においしく保存しましょう
2024年12月中旬発売の真ん中野菜室タイプの「MZシリーズ」「MDシリーズ」、2025年1月下旬発売の真ん中冷凍室タイプの「WZシリーズ」「JWシリーズ」「BDシリーズ」、2025年2月上旬発売の真ん中冷凍室タイプの「WXDシリーズ」に「できちゃうV冷凍」が搭載されています。
容量602L、本体幅685mmの「MR-MZ60M」(市場想定価格は506,000円/税込)、容量540L、本体幅650mmの「MR-MZ54M」(市場想定価格は451,000円/税込)、容量485L、本体幅650mmの「MR-MZ49M」(市場想定価格は429,000円/税込)の3機種をラインアップ。
3機種すべてグランドリネンホワイト、グランドアンバーグレーの2色展開
容量451L、本体幅600mmの「MR-MD45M」(市場想定価格は341,000円/税込)の1機種をラインアップ。
フラットリネンホワイト、フラットアンバーグレーの2色展開
容量608L、本体幅685mmの「MR-WZ61M」(市場想定価格は462,000円/税込)、容量547L、本体幅650mmの「MR-WZ55M」(市場想定価格は429,000円/税込)、容量495L、本体幅650mmの「MR-WZ50M」(市場想定価格は407,000円/税込)の3機種をラインアップ。
3機種すべてグランドリネンホワイト、グランドアンバーグレーの2色展開
容量547L、本体幅650mmの「MR-JW55M」(市場想定価格は407,000円/税込)、容量495L、本体幅650mmの「MR-JW50M」(市場想定価格は385,000円/税込)の2機種をラインアップ。
2機種ともシルクホワイト、ロイヤルウッドの2色展開。木目基調のデザインを採用した新ラインです
容量455L、本体幅600mmの「MR-BD46M」(市場想定価格は319,000円/税込)の1機種をラインアップ。
フラットリネンホワイト、フラットアンバーグレーの2色展開
容量700L、本体幅800mmの「MR-WXD70M」(市場想定価格は506,000円/税込)、容量470L、本体幅650mmの「MR-WXD47LM」(市場想定価格は385,000円/税込)の2機種をラインアップ。
2機種ともグランドリネンホワイト、グランドアンバーグレーの2色展開