充電式の電動コーヒーミル(コーヒーグラインダー)はいつでもどこでも手軽に使えますが、コイズミ「ポータブルコーヒーグラインダー KKM-0110/K」ならもっと手間が少なめ! 挽いたコーヒー粉をドリッパーに移し替える必要がないユニークな仕組みを備えています。
<コイズミ「KKM-0110/K」のいいところ>
・500mLペットボトルより小さい&軽い
・コードレスで使いやすい
・ドリッパーに直接挽ける
充電式の電動コーヒーミルは片手で持てるコンパクトなサイズのものが多く、収納の場所を取りたくない人やキャンプなどに持って行って使いたい人に人気です。
サイズは約73(幅)×66(奥行)×176(高さ)mm。500mLペットボトルよりもひとまわり小さいサイズ感です
フックが付いているので、吊して収納できます
付属のUSBケーブル(Type-A to Type-C)を使って充電しておきます。バッテリー残量ゼロの状態から満充電までかかる時間は約90分。USB-ACアダプターを別途用意すれば、コンセントに挿して充電できます。1回のフル充電で約8回使用可能
本体内にコーヒー豆を入れるホッパーや刃が搭載されており、豆を入れてボタンを押すと挽かれた粉が本体下部にある受け皿に溜まります。
本体上部を取り外したところにホッパーが搭載されています
ホッパーに入れられるコーヒー豆の量は21gまで。計量スプーンは付属しないので、スケールを使って計量しましょう
電源ボタンを2回押すと稼働し、コーヒー豆が挽かれます(下の動画参照)。1回押すだけでは稼働しないので、持ち運びの際に誤って稼働する心配は少なそう
硬いコーヒー豆を粉砕するため、ある程度音は響きますが、据え置きタイプの電動コーヒーミルと比べればモーター音などの運転音も圧倒的に静か。挽き終わると自動的に電源が切れるので、止めるタイミングを待つ必要はありません。止まる直前に少しだけ反対に回転させ、豆が詰まらないように配慮されているのもいいところです。
挽かれた粉は本体下部の受け皿に溜まるので、周りに飛び散りません。なお、今回は最も細かい粒度で20gの豆を挽きました。挽き終わるまでにかかった時間は約2分
受け皿を取り外します。受け皿は静電気が発生しやすいプラスチック製のため、粉が飛び散らないか心配でしたが、まったく問題ありませんでした。ただし、本体のほうにも粉が付着しているので、机に粉を落としたくないなら敷物やお皿などを用意しておいたほうがいいかも
挽いたコーヒー粉を抽出する器具に入れます。今回は、ハンドドリップで抽出するのでペーパーフィルターをセットしたドリッパーに投入
静電気が発生しにくい素材を使っているため、移し替えた後、受け皿に残ったコーヒー粉はほんの少し
操作部の仕様など細かい部分は異なりますが、ここまで紹介した使い方は、他メーカーの充電式コーヒーミルと同じ。そんなスタンダードな使い方に加え、「KKM-0110/K」には、ドリッパーに直接、挽いたコーヒー粉を落とせるユニークな仕掛けが用意されています。
受け皿を使わず、ドリッパーに直接挽いた粉を落とすときには付属の「ドリッパーアタッチメント」を使用。両サイドのワイヤーが伸縮するので、直径7.9〜13.3cmのドリッパーに対応します
受け皿を取り外した本体を「ドリッパーアタッチメント」に載せれば、準備完了
本体は固定されていないので、使用中は必ず手を添えておきましょう。挽いた粉は、ドリッパーに溜まります
飛び散りが少ないので、粉を平らにならしたら、すぐにドリップできます
「ドリッパーアタッチメント」にもコーヒー粉は付着するので、お手入れ点数は受け皿を使ったときと同じです
コーヒー粉の粒度は好みに合わせて変更可能。充電式コーヒーミルの中には本体外側にあるリングを回すだけで粒度を変えられるタイプもありますが、「KKM-0110/K」は刃が取り付けられている本体底部のダイヤルを回して調整します。粒度の目安となる目盛りがなく、実際に挽いて粒度を確認しながら調整しなければならないので少々手間に感じますが、円すい形の刃が臼のようにコーヒー豆をすり潰す「コニカル式(コーン式)」では一般的な方法。
外側の刃と内側の円すい形の刃でコーヒー豆をすり潰すように挽きます
受け皿を外した本体底に粒度調節ダイヤルが付いています。外刃と内刃のすき間が狭くなるほど細かい粒度になる仕組み。「FINE」側に回すと粒度が細かくなり、「COARSE」側に回すと粗くなります
ダイヤルを回すと、「カチッ、カチッ」というクリックの感触があります。粒度調節は無段階とのことですが、試した感じでは「FINE」側に締め切った状態から「COARSE」側に15クリック回した「0〜15クリック」が実用的な粒度だと思いました。目盛りがないので、好みの粒度はクリックの回数で覚えておく必要があります。
「FINE」側に締め切った状態を「0クリック」、「COARSE」側に回したクリック感覚の数に合わせて「5クリック」「10クリック」「15クリック」としています
・0クリック→ペーパードリップやコーヒーメーカーで淹れるのに適した「中細挽き」
・5クリック→サイフォンやネルドリップ、フレンチプレスなどに適した「中挽き」
・10クリック→パーコレーターに適した「粗挽き」
・15クリック→パーコレーターや煮出しコーヒーなどに適した「極粗挽き」
ちなみに、「KKM-0110/K」のような「コニカル式(コーン式)」は「プロペラ式(カッター式)」と比べて刃がゆっくり回転するため、摩擦が少ないのが特徴。さらに刃の素材もセラミック刃なので、より摩擦熱が発生しにくく、コーヒー粉の風味の低下が抑えられます。
本体内部にコーヒー粉が残るため、パーツを取り外して定期的に掃除する必要があります。手入れを怠ると内部に残ったコーヒーが酸化して新しく挽く豆の味に影響するので、使用したら毎回掃除しましょう。
粒度を調節するダイヤルをゆるめて、刃などを取り外します。パーツの取り外しは簡単なので、さほど面倒ではありません。付属のブラシで付着した粉を払ったり、乾いたやわらかい布で拭き取ったります
本体内部に溜まった粉もブラシで落としましょう
受け皿は洗浄可能。台所用中性洗剤を使って洗えます
「KKM-0110/K」は、高価格な据え置きタイプに採用されていることの多い「ディスク式(フラットカッター式)」(円盤状の刃を使用し、石臼のように挽く)と比べると、挽いたコーヒー粉の均一性は少し劣りますが、「コニカル式(コーン式)」であることと、公式オンラインストア価格が5,478円(税込)という安さを考慮すれば、十分満足できるレベルです。
それでいて、コードレスなので使い勝手がよく、手軽さは抜群。収納や設置場所にも困りません。こうしたメリットは充電式コーヒーミル共通ですが、「KKM-0110/K」はドリッパーに直接挽けるというほかにはないアドバンテージがあります。些細な差ですが、受け皿を捻って取り外し、中の粉をドリッパーに移し替えるより手間がない印象。特に、風の影響を受けやすいアウトドアでは「ドリッパーアタッチメント」が役立ちそう。
本体上部のフックにカラビナを付ければ、バッグなどに吊して持ち運べます。重量は約340gなので、負担には感じないでしょう