“低速回転式”ジューサーの人気を解明!

プロに聞く!今話題の“低速回転式”ジューサーの魅力って?

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野菜や果物を搾って、水分と搾りカスに分離してくれるジューサーは、その名のごとくジュースを作るのに特化した調理器具。特に、美容と健康に気を使う女性たちから今、注目を集めているのが“低速回転式”のジューサーだ。「“低速”ということは、“高速”もあるの?」というほどジューサーに無頓着であった筆者は、その人気の秘密を探るべく、現在「調理家電のスゴレシピ」を連載中の料理研究家・濱田美里先生に、「今、なぜ“低速回転式”ジューサーが人気なのか」というテーマでお話を伺ってきた。“自宅にミキサーがあるからジューサーはいらないだろう”とさえ思っていた筆者だが、はたして低速ジューサーの魅力とは? 濱田先生、教えて!

“低速回転式”ジューサーって、どんなもの?

価格.com:本日は、実際に2つの“低速回転式”ジューサーを使いながら、低速ならではのメリットやデメリットなどについて教えていただきたいと思います。使用するジューサーは、アルファックス・コイズミの「生搾り低速ジューサー AMX-100/W」(電動タイプ)と、ヨコヤマコーポレーションの「COKO VITA(ココ ヴィータ)」(手動タイプ)です。お手頃な価格で購入できる両製品は、今までジューサーを使ったことがないけど試してみたいという人にピッタリですが、そもそも“低速回転式”ってどんなものでしょうか?

アルファックス・コイズミ「生搾り低速ジューサー AMX-100/W」。毎分約42回転の低速で食材をじっくり絞り出す電動タイプ。パーツはすべて分解して隅々まで洗浄可能。使用しない時に邪魔になる電源コードは、本体底部に収納できる。ホワイト基調にライトグリーンを使った、かわいらしいデザインも人気

ヨコヤマコーポレーション「COKO VITA(ココ ヴィータ)」。非常にシンプルなつくりながら、ハンドルをくるくる回すだけで繊維質と水分に分離してくれるお手軽な手動タイプ。ベース部分の吸盤を密着させることで本体ががっちりと固定されるので、安定性も抜群。電源不要なので使用場所を選ばないのが魅力

濱田先生:ジューサーは大きく分けると、“高速回転式”と“低速回転式”の2つのタイプがあります。高速回転式は、1分間に約1〜2万回転という高速でカッター刃を回転させて食材を削り出し、削った後に繊維質と水分に分離させていくというタイプ。一方、低速の場合は、その名のとおり1分間に数十回転という低速で回転しながら食材を削らずに搾っていくので、いわば“手で搾る機械版”といった感じですね。現在、私が愛用しているのは高速式ですが、今年で6年目とかなり年季が入ってきました。そこで、そろそろ低速式に買い替えようかなと、ちょうど思っているところです。

価格.com:なぜ、次は“低速回転式”にしようと?

濱田先生:低速回転式ジューサーの魅力は何と言っても“野菜や果物の栄養素をできるだけ壊さず摂取できること”です。金属製の刃を高速で回転させ、遠心力で搾りカスを分離させていく高速式だと、回転時に発生する摩擦熱によって熱に弱い栄養素や酵素がどうしても壊されてしまうんです。その点、じっくりじっくりと搾り出される低速回転式は、熱の発生量が少ないぶん栄養素の破壊が少なく、生きたままの酵素が摂取できるというわけ。この違いは大きいですね!

電動式の場合は、たいてい食材を入れる時に手が入らないよう、安全のため投入口を狭めにしているものが多い。使い方はいたって簡単で、投入口に合わせてカットした食材を投入し、付属の棒で押して搾汁していくだけ

手動タイプも原理は一緒。注意したいのは、機種によっては粘り気の強いものや、氷や冷凍食品といった非常に固いものは使用できないので、使用前によく確認しておきたい

価格.com:そのほか、低速回転式ならではのメリットはありますか?

濱田先生:低速の場合は搾汁時の空気混入が少ないので、酸化や分離がしにくいというメリットも見逃せません。そのため、素材が本来持っている旨みや甘みをより感じることができるのが魅力です。野菜のエグ味も気にならず、澄んだ味というか……とても飲みやすいですよ。搾る時に素材にストレスがかからないからでしょうね。実際に搾ったジュースを飲んでみればスグにわかりますから、さっそく作ってみましょう!

電動式の「AMX-100/W」は、投入口に食材を落とし電源を入れたら、押し込み棒で押し込むだけでOK。毎分約42回転の低速でスクリューが回転しながら食材が搾られていく

食材を細かく切り刻んでいくミキサーと異なり、搾りカスと水分に分離させるジューサーは繊維質がしっかりと取り除かれるためサラッとしていて飲みやすいのが特長

「手動タイプは初めて! これぞ、まさに“低速”ですね(笑)」と濱田先生。食材を入れ、付属の棒で食材を押し込みながらハンドルを回していく

搾りカスと水分に分離される仕組みは同じ。レモンスクイーザーを使ってレモンを搾っていくのと同じ感覚だが、ハンドルを回すだけなので疲れ具合が大幅に軽減される

搾られたジュースは非常に口当たりがなめらかで抜群の飲みやすさ!

搾られたジュースは非常に口当たりがなめらかで抜群の飲みやすさ!

シンプルな構造ながら搾りカスと水分が見事に分離された

シンプルな構造ながら搾りカスと水分が見事に分離された

なぜ、みんな“低速回転式”にしないの?

価格.com:自家製ジュースを飲もうという人は、美容と健康意識が高い人だと思います。それなら、より栄養素が豊富に摂取できるという低速回転式のほうがいいに決まっているのでは……。

濱田先生:“栄養素の摂取”という点では、間違いなく高速回転式より低速回転式のほうに軍配が上がります。ただし、何せ“低速”というだけに遅いですから(笑)。もちろん、製品によって回転数も異なりますし、どの程度を遅いと感じるかは人それぞれだと思いますけどね。ここにある2製品のほか、先日はカレン ヒューロム ジャパンの「ヒューロムUS」を使って「栄養満点!低速回転式ジューサーで作る人参のヘルシーケーキ」を作りましたが、同製品は毎分約80回転という低速ながら比較的スピーディーに感じましたね。とは言っても、私自身は日ごろから高速式に慣れてしまっているので、やはり多少なりとも遅さを感じずにはいられないというのが本音です。

価格.com:なるほど。栄養を取るか、時間を取るか、忙しい現代人にとっては難しい選択ですね(笑)。

濱田先生:また、どちらも搾りカスと水分に分離させるといっても、金属刃を使わず石臼ですりつぶすように搾りながら分離させていく低速式と、おろし金のようなもので食材を削りながら遠心力でカスを分離させていく高速式とでは、分離方法も違います。高速式の場合は撹拌時に空気が多く取り込まれるので、酸化の進みも早いと言われています。試しに、高速式と低速式で比べてみましょうか?

価格.com:はい、お願いします!

まずは、先生が普段使用しているという高速回転式ジューサーで、小松菜、りんご、キウイを一緒に搾ってもらった

搾汁後、内部をみてみると、高速回転で食材が切り刻まれ分離した繊維質が、円盤状のおろし金にびっしりと張り付いていた

電動タイプの「AMX-100/W」の場合は、先端のノズルから搾りカスが、ドラム下の注ぎ口から搾られた水分が排出される

繊維質や皮が混ざった搾りカスがこちら

繊維質や皮が混ざった搾りカスがこちら

手動タイプは、葉ものや固い食材などを使用する場合、先に水分を多く含んだものややわらかいものから入れるなど、投入する順番に若干コツがあるように感じた

また、当然ながら電動タイプよりも時間がかかる+力を要するといったマイナスポイントがあるものの、もっとも“低速”で搾られることから、より分離が少なく、飲み心地のよさはハイレベル!

オレンジのふたのほうが手動タイプ、右側が高速回転式で搾ったもの

オレンジのふたのほうが手動タイプ、右側が高速回転式で搾ったもの

搾った分量が異なるものの、搾汁直後の分離の度合いがどれほど違うか一目瞭然

搾った分量が異なるものの、搾汁直後の分離の度合いがどれほど違うか一目瞭然

価格.com:正直なところ、忙しい朝に使うとなると手動タイプは厳しいかもしれませんが、その飲みやすさには驚きました(笑)!

濱田先生:そうですね、予想以上においしかったです(笑)。手動タイプはより低速で搾られるだけに、栄養素の壊れにくさという点では上位クラスといっていいかもしれません。手始めに、栄養豊富なジュースが作れるという低速式に興味があるけど、1万円以上出すのはちょっと……という人にはいいのではないでしょうか。

高速式か低速式か、ズバリ選ぶポイントは?

価格.com:高速回転式と低速回転式には、それぞれメリットとデメリットがあることがわかりました。では、現在どちらを購入しようか迷っている人に、アドバイスをいただけますか?

濱田先生:私の場合、低速式に買い替えようと思っている最大の理由は、何といっても栄養成分をしっかり摂取できるからですが、ジューサーに限らず、後悔しない買い物をするためには“自分が1番重視するポイントは何か”をハッキリさせることではないでしょうか。高速回転式だって、素材の栄養素をすべて破壊してしまうわけではないですし、市販の野菜ジュースを飲むよりは断然いいと思います。特に忙しい朝は早く作れるほうがいいという人は、高速式のほうが合っていると思います。また、低速式に比べると価格も手ごろなものが多いので、価格重視な人にも高速式は魅力だと思いますよ。

価格.com:では、低速式を選んだほうが後悔しないという人は?

濱田先生:やはり、“生きた酵素や栄養素が豊富に摂れる”という低速式ならではのメリットを重視する人ではないでしょうか。日本ではあまり知られていませんが、欧米では“ゲルソン療法”という、1日に何リットルもの野菜や果物のジュースを飲んで、生きた酵素やビタミン、ミネラルなどを体内に取り込むことで薬を使用せずにガンを治すという療法があるんです。こういった治療食として活用したい場合などは、低速式でないと意味がないと思います。後は、“酸化を抑え、素材本来の旨みや甘みが十分に引き出されたおいしさ”を重視する人や、早朝や夜間に作りたいので“静音性”が大事という人にも低速式が最適だと思います。

「使用後のお手入れという面では、現在使用している高速式のほうがラクかもしれません」と濱田先生。連続搾汁時も搾りカスが簡単に捨てられるので、それほどストレスを感じないという

一方、低速の場合は、分解して洗浄する必要があるパーツが比較的多い。「AMX-100/W」を見てみると、分解して洗浄するパーツはこれだけある(写真右)。大変なようだが、むしろすべてのパーツが洗えるので、繊維質が目詰まりしてしまった場合の解消も簡単なうえ、いつまでも清潔に使えるという点は高ポイント

価格.com:それぞれのメリット、デメリットを理解したうえで、自分にとって一番譲れないポイントが何かを決めれば、おのずと高速式にするか低速式にするか決まりそうですね。ちなみに、先生は低速式への買い替えを検討されているとのことですが、気になっている製品はありますか?

濱田先生:最近は低速式の新モデルがどんどん登場していますよね。昨年、シャープから登場した「ジュースプレッソ EJ-CP10A」の新モデルも来月登場するそうですし、気になる製品が多数あって、絞るのが本当に難しいです。これまで、いくつか低速ジューサーを使ってきましたが、味に関してはどれも大差なくおいしかったので、後は使い勝手やデザイン、価格などを考慮して総合的に判断したいと思っています。ただし、使い勝手という点は実際に使ってみないことにはわからないと思いますが……。

価格.com:そうですね。レビューコーナーでも、「ジュースプレッソ EJ-CP10A」や「ヒューロムUS」など、いくつか使用レポートを掲載していますので、使い勝手に関してはこちらもぜひ参考にしてください(笑)。本日は、低速回転式ジューサーのメリット・デメリットがよ〜くわかりました。どうもありがとうございます!

濱田美里

濱田美里

広島県生まれ。大学在学中から世界を旅し、世界中の台所をのぞく。オリジナルの切り口で独創性あふれるレシピを数多く作り出している。近著に「いっしょにつくろう! 季節をたべる秋の保存食・行事食」(アリス館)など。

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2017.12.11 更新
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