シャープのウォーターオーブン「ヘルシオ」が欲しいけれど、設置場所の問題や機能の使いこなしに不安があって購入を迷っている人も多いでしょう。そんな方に朗報! トースターサイズの「ヘルシオ グリエ AX-H1」(以下、ヘルシオ グリエ)が誕生しました。小さくなっても、“水で焼く”というヘルシオならではの加熱方法は健在。事前に行われた内覧会で試食した料理の味とヘルシオ グリエの仕組みを解説します。
「ヘルシオ グリエ AX-H1」の市場想定価格は40,000円前後で、2016年10月11日発売予定
“小さなヘルシオ”とお伝えしましたが、ヘルシオ グリエは従来のウォーターオーブン「ヘルシオ」とは別のコンセプトで開発されました。多様な機能を有するヘルシオは家で作って食べる“内食”のサポートを目指しているのに対し、ヘルシオ グリエは買ってきたものを家で食べる“中食”に特化。できあいの惣菜や作り置き(ホームフリージング)で家事労働を軽減している人たちに、もっと“手軽でおいしい”を提供したいという思いが込められています。そのため、調理は過熱水蒸気による加熱のみ。オートメニューもないので、トースター感覚で気軽に使えます。
サイズは412(幅)×218(高さ)×315(奥行)mm。操作部には、加熱時間のダイヤル(最大15分)と3段階のパワー切り替えボタンしかありません
庫内のサイズは259(幅)×76(高さ)×230(奥行)mmなので、食パン2枚は一度にセットできそうですね
過熱水蒸気での調理となるため、水は必須。水タンクを本体にセットすると電源がONになる仕様もユニークです
焼き網とトレイが付属しているので、加熱したいものにあわせて使い分けてください
過熱水蒸気で焼くトースターというと、バルミューダ「BALUMUDA The Toaster K01A」を思い浮かべる人がいるかもしれませんが、ヘルシオ グリエとはまったく加熱方法が違います。BALUMUDA The Toaster K01Aは給水した水をスチームにしてヒーターで焼くもの。いっぽうヘルシオ グリエは過熱水蒸気で焼く、ヘルシオの原理そのままの加熱となります。過熱水蒸気のよさは、通常の熱風よりも熱量が約8倍もあるという点。熱量が多く、食材の中心までしっかりと熱が届くので冷凍食品との相性もバツグン。さらに、温度が低いほうに多くの熱を与える性質があるため、温度帯や種類の違う食材を一度に調理することもできます。もちろん、ヘルシオのウリである脱油もバッリチ!
水を高温の過熱水蒸気にするエンジンは、庫内容量26L、18Lのヘルシオ(AX-AP300/AX-MP300/AX-CA300)と同じものが搭載されています
ヘルシオ グリエにもヒーターは搭載されていますが、庫内の温度をキープするために使用するそう。あくまでも加熱は、過熱水蒸気です
では、一番気になる仕上がり具合を見ていきましょう。実際にヘルシオ グリエで調理した料理も試食してきたので、あわせてレポートします。
まずは、冷凍唐揚げを普通のトーストオーブンとヘルシオ グリルで加熱する実演。ヒーター加熱と過熱水蒸気では、出来栄えに差が出るのでしょうか。
カチカチに凍った唐揚げを普通のトースターオーブン(左)とヘルシオ グリエ(右)で加熱
“水で焼く”ため、加熱中に蒸気がけっこう出ます
普通のトースターオーブンで加熱した唐揚げ(左)は一部が炭化してしまいました。ヘルシオ グリエのほうは、揚げたてによみがえったような仕上がり。また、余分な油がトレイの右端にたまっています。脱油ができたということですね
唐揚げの中心部の温度を測ってみると、20℃強の差が! 表面はあったかいのに、中が冷たいといった事態もヘルシオ グリエなら起こらなそう
続いて、試食の感想をお伝えします。振舞われたのは、エビの天ぷらとクロワッサン、そしてうなぎの白焼き。
加熱してから少し時間が経ってしまいましたが、衣がサクサク! 油によるベタっとした感じは一切ありません。身はふっくらとしており、脱油してこの味わいなら大満足です
ちなみに、エビの天ぷら4尾を週1回ヘルシオ グリエで加熱して食べると、1年間で写真のグラス1杯分(約300ml)の脱油が見込めるそう
利用頻度がもっとも高そうなパンの仕上がりも見てみましょう。盛り上がった部分が焦げ、中身は加熱不足……となりやすいクロワッサンもパーフェクトな焼き上がり。表面はカリカリで中はしっとりとしており、食べるのが止められないぐらいおいしい
うなぎの白焼きも、身のジューシーさを損なうことなく加熱できます。ふわふわで感動の食感でした
今回、試食はしていませんが、このお皿にある料理はヘルシオ グリエで一度に調理されたもの。パンと簡単な焼もので朝食をサッと作るのもよさそうですね。過熱水蒸気なので、アルミカップも使用可能