新製品レポート
分割されたIHコイルで対流を起こすIHクッキングヒーター

“焦げ付かない&吹きこぼれない”三菱電機「びっくリングIH」の実力を見よ!

直火で調理するガスコンロと異なり目視で火加減を調整できない IHクッキングヒーターですが、必要な温度に瞬時に設定したり、一定の火力を保持するなど温度の制御は得意。そんなIHクッキングヒーターの中でも制御技術にすぐれる、三菱電機の「びっくリングIH」シリーズの2017年モデルを体験会で見てきました。“対流”を起こすことで焦げ付き、吹きこぼれを低減する「びっくリングIH」シリーズの仕組みと実力をチェックしていきましょう。

2017年モデルの「びっくリングIH」シリーズには、「PT316H」シリーズ、「T316H」シリーズ、「T316V」シリーズがラインアップ。それぞれ75cmワイドと60cmのトッププレート幅が用意されており、計6機種が2月1日に発売予定となっています

部分加熱ができる「びっくリング」

コイルに電流を流した際に発生する磁力線が鍋底を通過した時に「うず電流」となり、その「うず電流」によって起こる電気抵抗で鍋自体が発熱するというのがIHクッキングヒーターの仕組みです。一般的にコイルは一気に通電する1つの渦巻状となっていますが、三菱電機の「びっくリングIH」シリーズに搭載されている「びっくリング」は5つに分割されているのがポイント。たとえば、小さい鍋ならば内側のコイルにだけ、縦に長いフライパンならば上下と内側のコイルというように電流を流すか所を調整できるので省エネ調理ができます。と、ここまでは構造を見て想像できることですが、「びっくリング」の最大の魅力は“対流”を利用した加熱ができることでしょう。電流を流すコイルを「内側」→「上下」→「左右」と切り替えていくことで「外向き対流」→「縦方向の内向き対流」→「横方向の内向き対流」というように鍋の中で生まれる対流を変化させることが可能。内側と外側のコイルを交互に電流を流せば、外向対流と内向対流が順番に繰り替えされる加熱もできます。対流により鍋の中はかき混ぜられ、長時間煮込むような調理で焦げ付きを低減できるほか、具材にまんべんなく味を仕込みませることにも効果的だそう。

今回は、「PT316H」シリーズの「CS-PT316HNWSR」(市場想定価格:425,000円)を使ってデモンストレーションが行われました

3口タイプの「びっくリングIH」シリーズの、左側にあるのが「びっくリング」です。直径26cmある大きなサイズも魅力。火力は下2口が3.0kW、上1口が1.5kWです

IHコイルが5つに分割された「びっくリング」は、必要な部分のコイルにだけ通電させられます

IHコイルが5つに分割された「びっくリング」は、必要な部分のコイルにだけ通電させられます

テキストによる説明だけでは対流のイメージがわかりにくいので、実際に加熱している様子を見てください(下の動画参照)。この動画は、「ゆでもの」メニューでの加熱ですが、内側のコイルと外側のコイルの通電を切り替えることで外向き、内向きの対流が起こります。

上の動画のような異なる対流を起こすことにより、煮込み中に手動でかき混ぜなくても焦げ付きを防ぐことができます。対流の有無により、どれほど仕上がりが替わるのかをカレー作りで検証してみました。

対流が起こる「びっくリングコイル」搭載の左側の口と、一般的な加熱となる右側の口で10分間煮込んでみます。対流でかき混ぜ効果もあるということを立証するために、カレールーも割らずに中央に投入。どちらも、手動でかき混ぜは行いません

10分後の様子を比べてみると、一般的な加熱のほう(右)にはカレールーが塊で残っていました。対流がない加熱の場合、手動でかき混ぜないとカレールーは溶けないようです

さらに、鍋の底の焦げ付きにも差がでました。「びっくリングコイル」(左)のほうが、圧倒的に焦げ付きが少ない!

煮込み中におたまでかき混ぜていないので、完成したカレーの具材もきれいなカタチのまま! 「びっくリングコイル」なら、材料とカレールーを入れ、タイマーをセットして“ほったらかし調理”ができそうですね

対流を利用した煮込み加熱は前モデルでもできましたが、2017年モデルでは火加減が3段階から5段階にアップ。細やかな調整が可能となったことで、食材の量や質によって仕上がりが変わる煮込み料理がより手間なく上手にできるようになったそうです

また、前述の「ゆでもの」加熱でも対流が調理をサポートしてくれます。たとえば蕎麦をゆでる場合、麺を投入したら放置でOK。下の動画のように最初に煮立てて麺をほぐしたあと火力を弱め、吹きこぼれを抑制。その後、内側、外側のコイルを切り替えて対流を起こしつつ、ゆでます。この加熱方法は麺だけでなく、おかゆなどにも応用できるそう。

「びっくリング」の魅力は、焦げ付きや吹きこぼれ防止だけではありません。IHは平面的な加熱のため、鍋底は熱々にできますが、たとえばフライパンのフチは高温になりにくいという課題がありました。その温度差は90℃にもおよぶほどで、鍋振りをしてもただ冷たいフチにぶつけているに過ぎなかったと言います。そこで「びっくリングIH」シリーズでは、フライパン調理の前に「予熱」を行うことでフチまで熱々を実現。「予熱」が始まると外側のコイルに火力の配分が8割移動し、強制的にフライパンのフチを加熱するのです。その結果、鍋底と鍋肌の温度差はガス火同等となったそうです。

従来のIHでは、鍋底が190℃にまで熱されてもフチは100℃程度にしか温まりませんでした。これは一般的なIHクッキングヒーターの場合、構造上仕方のないことなのだそう

ノンフライ調理もできるグリル

IHプレートだけでなく、グリルも特徴的なのでチェックしておきましょう。「びっくリングIH」シリーズのグリルに採用されているのは、熱風を循環させて加熱する「熱風循環加熱方式」。コンベクションオーブンのような加熱ができるので、ノンフライ調理もできます。あわせて、庫内に施されている炭コート加工により、遠赤外線効果も! 焼き魚も皮はパリッと中はふっくらに焼き上がるそう。また、近年は手入れを考慮して網を採用しないメーカーも多いのですが、「びっくリングIH」シリーズは網をセットしても取り外しても調理可能。焼き魚やから揚げなど油を落としたいメニューでは網を装備し、バウンドケーキや肉の塊を焼きたい時には網なしと使い分けできます。

アルミホイルを敷いてもOKなので、手入れのめんどうさも軽減できそう

アルミホイルを敷いてもOKなので、手入れのめんどうさも軽減できそう

庫内灯を点けることもできるので、ドアを開けずに中を確認できます

庫内灯を点けることもできるので、ドアを開けずに中を確認できます

「CS-PT316HNWSR」にはパンやお菓子、ピザを焼いたり、グリル料理ができる「グリルディッシュバリエ」も付属

お詫びと訂正:「CS-PT316HNWSR」の市場想定価格に誤りがあったため、正しい情報に訂正いたしました。お詫び申し上げます。(2017年1月27日)

中村 真由美(編集部)

中村 真由美(編集部)

モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいマス。

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