蒸気で炊く炊飯器に対する疑問を徹底調査

土鍋とも比較! 使い込んでわかったバルミューダの炊飯器「BALMUDA The Gohan」の本当のおいしさ

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“蒸気で炊く”という、これまでの炊飯器とは異なる炊飯方式を採用した「BALMUDA The Gohan」。発表会で試食した“粒感”ある炊き上がりに感動した筆者ですが、自分で扱っても同じような出来になるのか、炊き込みごはんや玄米といったその他の炊飯モードの仕上がりなど、気になることがいっぱいあります。そこで、本機を1週間じっくり使用し、使い込まないとわからない「BALMUDA The Gohan」の“本当のおいしい”を調査しました。

土鍋を超える味は実現できたのか?

一般的な炊飯器は内釜をヒーターで熱してごはんを炊きますが、「BALMUDA The Gohan」は水を溜めた「外釜」を加熱して水蒸気を発生させ、その蒸気の熱エネルギーを用いて炊飯します。米と水を入れた内釜は外釜の中に配置する構造となっており、水蒸気で内釜に熱を伝えるとともに、内釜に流れ込んだ水蒸気が上部からも加熱。IH式のように釜自体が発熱する仕様ではありませんが、蒸気は分厚い金属釜よりも数倍から数十倍の断熱性があるため高温をキープして炊飯できるそうです。その構造を確かめつつ、白米を炊いてみましょう。
※以降の検証は、白米2合を炊いた結果です。米の量が変わると、相違が出る場合があります

米と水を入れる内釜と、水蒸気にするための水を投入する外釜の2つの釜を使って炊飯します

米と水を入れる内釜と、水蒸気にするための水を投入する外釜の2つの釜を使って炊飯します

外釜に水を200mL投入。専用カップも付属しますが、外釜の内側に目盛りも記されているので、普段使っている水差しや蛇口から直接注ぐことも可能です

洗米した米と水を内釜に準備し、外釜をセットした炊飯器に入れます。内釜が237gと軽いので、洗米して水を入れた状態で持ち運びがラクなのは◎

炊飯モードは「白米」「白米早炊」「玄米」「炊込」「おかゆ」の5つ。今回は白米2合を普通のモードで炊きます

炊飯器の中の様子を図解で見てみましょう。底面にあるヒーターと接しているのは外釜のみ。外釜を熱して水を水蒸気にし、宙に浮いている内釜に熱を伝えると同時に、水蒸気は上部からも流れ込み、米と水を加熱します

炊飯を始めて30分ほど経過すると湯気が出てきました。蒸気カットの機構を施した炊飯器に比べると湯気は多いかもしれませんが、特別視するほどではありません

約60分後に炊き上がり。おねばを還元するタイプの炊飯器とは違うので、表面のツヤやかさは控えめです

約60分後に炊き上がり。おねばを還元するタイプの炊飯器とは違うので、表面のツヤやかさは控えめです

試食してみると、発表会で食べた時同様に粒感がすごい! 甘みは強くないもののプリッとした弾力があり、1粒1粒をしっかり感じます。しっとり具合も適度で、含水率は過不足ない印象

電気炊飯器は、マイコン式よりも発熱効率のよいIH式のほうがおいしく炊けるということは周知の事実。そこで、自宅でIH炊飯器を使っている価格.comマガジン編集部スタッフに「BALMUDA The Gohan」で炊いた白米を試食してもらいました。

第一声は、やはり「粒感すごい!」。IH炊飯器で炊いたようなもちもち感や甘みは少ないものの、「BALMUDA The Gohan」は目指している方向性が違うから比較するものではないかもしれない、というのが全員の感想でした。もちもち、粘り、強い甘みや香りを求めるならIH炊飯器のほうが適しますが、それらよりも粒感を優先するなら「BALMUDA The Gohan」の仕上がりに満足するはず

炊飯方式が、今、市場で主流となっているIH式の炊飯器とは異なるため、食感や味わいも別物であることが多くの人の試食により揺るぎない事実であることがわかりました。では、土鍋炊きと比べるとどうなのでしょうか。発表会の際に、バルミューダ代表取締役社長の寺尾さんは“土鍋で炊くよりもおいしい炊飯器”を目指したと公言されていたので、炊き上がりの味を比較してみました。

筆者所有のIH対応の土鍋で白米を炊きます。土鍋で炊飯する場合、加熱する前に米を研いで30分間浸水させておかなければなりません

土鍋のフタを取ると、ツヤやかなごはんが炊けていました。炊飯時間は、浸水時間30分と炊き上がり後の蒸らし時間(20分)を含めると、「BALMUDA The Gohan」より10分ほど長め(BALMUDA The Gohanの炊飯時間は約60分)

1粒1粒に張りがあり、ほどよい甘みやもちもち感もあり。おこげの香りも一緒に楽しめ、土鍋ごはんに不満はありません

正直なところ、甘みやもちもち感は土鍋で炊いたごはんのほうが強く感じました。しかし、粒感は「BALMUDA The Gohan」のほうがある印象。しかし、1回の炊飯で結論を出すのはまだ早い! というのも、「BALMUDA The Gohan」は細やかな温度コントロールができるIH式でないうえに、底とフタに温度を検知するセンサーは搭載されているものの、一般的なIH式の炊飯器に比べて制御系の仕組みは少ないため、細かい条件でも味が変化しやすいのでは? と思ったからです。そこで、何度か「BALMUDA The Gohan」で白米を炊き、“炊き上がり直後”や“蒸らし時間を調整する”といったように食べるタイミングを変えて調査してみたところ、炊き上がったらすぐしゃもじで混ぜ、フタを閉じて3〜5分蒸らした味がベストであることを発見!

少し蒸らすことでごはん表面にある水分が落ち着くのか、試食した価格.comマガジン編集部スタッフも「この味なら土鍋に負けていないのでは?」と好評を得ることができました

ちなみに、土鍋はどうしても底が焦げ付いてしまうので取りやすくするために水に少々浸しておかねばなりません。この手間がないことのが電気炊飯器のメリットです

炊きたても冷えても冷凍でもおいしいという事実

「BALMUDA The Gohan」で炊いたごはんは炊きたてをそのままでも十分おいしいのですが、甘みや香りは控えめなので、おかずを一緒に食べたらもっとおいしくなりそう。そこで、普通に炊いた白米にふりかけをかけたり、さまざまなアレンジをしてみたところ、予想以上に食事が楽しめることがわかりました。以下、複数人に試食してもらった“おいしい食べ方”を紹介します。
※以降の検証は、白米2合を炊いたごはんを使用。米の量が変わると、相違が出る場合があります

粒々としたごま塩もとろりとしたのり佃煮も、1粒1粒を感じる「BALMUDA The Gohan」のごはんと絶妙な相性。口の中に入れ、喉を通る時の食感が心地よくて食が進みます

バルミューダ代表取締役社長の寺尾さんが絶賛されていたカレーライスにも挑戦してみました。ごはんが塊にならず、自然とほぐれるので、1粒ずつにカレーがコーティングされる印象。これはたしかにうまい!

カレーライスに合うということは、液体っぽい卵かけごはんやお茶漬けにもマッチするはず! 想像どおり、ごはんがサラサラと口から喉を通過し、弾力のある粒感を楽しめます。“ごはんは飲み物”と言っちゃいそうなほどの食感

チャーハンはべちゃっとさせたくないので、炊きたてごはんなんてご法度という方も多いでしょう。「BALMUDA The Gohan」は粒感がすごいので炊き上がり直後でもチャーハンに適するのでは? と試してみました。フライパンで炒めている時は若干ダマになりましたが、すぐにほぐれ、炊きたてでこのパラパラ感が出せたのは見事です

炊きたてごはんを食べた時から寿司めしに近い粒感だと思っていたので、酢を加えて太巻きにしてみました。ほんのり温かい状態のごはんで試しましたが、粒のほぐれ感は完璧。ごはんを冷ます、ほぐれるようにしゃもじで混ぜる手間がいらないので、気軽に巻物にトライできます。すのこを使わず、手巻き寿司にするのもあり

ここまでは、炊き上がった温かいごはんを楽しんできましたが、炊飯量によっては食べきれないこともあります。「BALMUDA The Gohan」には保温機能が搭載されていないため、食べ切れない場合は、冷やごはんにするか冷凍保存しなければなりません。今回は、お弁当を想定した冷やごはんとおにぎり、冷凍保存の味を調査します。

弁当箱に入れてフタをし、比較的涼しい部屋に5時間置いて冷やごはんにしてみました

弁当箱に入れてフタをし、比較的涼しい部屋に5時間置いて冷やごはんにしてみました

ごはんは冷えるとくっついてしまい、お箸でスルっと取れないことがありますが、「BALMUDA The Gohan」で炊いたごはんはほぐれる感じが健在! 冷えて甘みが増すので、お弁当に最適だと思いました

お弁当同様に、おにぎりもほぐれる感がばっちり。一般的な炊飯器でも同じようにおにぎりを作ってみたのですが、中央部分の米粒はくっついています。いっぽう「BALMUDA The Gohan」のごはんで作ったおにぎりは、粒の形がすべて見え、その見た目どおりの食感が口の中に広がりました

冷凍させるとさすがにおいしさは得られないだろうと思っていたのですが、3日間冷凍させたごはんを電子レンジで温めてビックリ! この状況でも炊きたて同様に粒感があります。さらに、米粒同士がくっついているとこもなく、ほぐれ感も完璧です

炊飯器で保温ができないなら食べきれる量だけ炊けばいいと思われる方も多いでしょう。筆者も同じく、茶碗1杯分の0.5合を炊けばいいと考えて実践してみたところ……残念ながら「BALMUDA The Gohan」の魅力である粒感が弱くなってしまいました。これは、米の量が変わっても外釜に入れる水の量(200ml)は同じであることが関係しているのかもしれません。メーカーによると、外釜の水の量はごはんの食感には影響しないそうなのですが、少量炊飯では米に対する水蒸気の量は絶対的に多くなります。ごはんの表面に水分がたくさん含まれるため、やわらかめの食感になるのかも。個人的には少量炊飯するよりも、2合炊いて冷凍したり冷やごはんにして食べるほうが粒感や弾力を味わえるのでいいと思います。

0.5合でも炊飯時間は約60分と表示されました。米の量のわりには、少し長めです

0.5合でも炊飯時間は約60分と表示されました。米の量のわりには、少し長めです

炊き上がりを見るからに、やわらかそうな印象。粒感はありますが、2合炊いた時と比べると印象はかなり違います。同じ炊飯時間をかけるならば、理想的に炊ける量を炊いたほうが得策!

初めて“あり!”だと感じた白米早炊き

白米は普通に炊くだけでなく、「早炊」と「予約炊飯」することも可能。浸水時間を短くして炊飯する「早炊」は硬めに仕上がるというのが電気炊飯器の一般的な認識ですが、「BALMUDA The Gohan」の「早炊」は少し違う印象でした。

53〜68分かかる普通の炊き方に対し、「早炊」は32〜39分で炊き上がります。水量などは、普通の炊き方と同じ

53〜68分かかる普通の炊き方に対し、「早炊」は32〜39分で炊き上がります。水量などは、普通の炊き方と同じ

早炊きの場合、一般的な炊飯器では米の浸透時間が短くなるため“こわい”食感になりますが、「BALMUDA The Gohan」では、普通の炊き方同様に粒感があるものの少しやわらかい感じになりました。これまでさまざまな炊飯器で食してきた早炊きの印象が打ち砕かれるほどの衝撃を受けました……が、初めて体験する炊飯方法(蒸気炊飯)なのでこれが正解なのかわかりません

何度試しても同じ結果になるのでメーカーに問い合わせてみたところ、「早炊」は浸水時間を短縮しているため、米の中心部への水の浸透度よりも表面に近いところで水が多く浸透してしまうことから、それを“ごはんがやわらかい”“粘りがある”と感じるのではないか、ということでした。しかし、「BALMUDA The Gohan」は、表面の粘りよりも表面の張りと中のやわらかさから成る弾力がある仕上がりを正としているので、やはり早炊きは“味よりもスピード優先”の位置付けとなるそう。とはいえ、40分弱でこの炊き上がりなら、かなり満足度は高いです! 試食してくれたメンバーからは「早炊きのほうが好み」という、一般的な炊飯器では得られないような評価も続出しました。ちなみに、この“やわらかく感じる”ことへのメーカーの回答は、上で行った0.5合の炊飯にも適合するような気がします。条件は違いますが、表面の水分が多くなることから、やわらかいと思ってしまうという仮説はあながちハズレではなさそう。

やわらかいと言っても、一般的な炊飯器で感じるやわらかさとは別物。あくまでも「BALMUDA The Gohan」の普通炊きと比較すると……という程度なので、「早炊」でもべたつくことはなく、粒はしっかりです。時間がない時は早炊きして、レトルトをかけて丼にしてもおいしいですよ。丼のごはんはべたっとしていたり、ダマになっているのはイヤですが、「BALMUDA The Gohan」なら早炊きでもその心配はありません

予約炊飯は白米以外の炊飯モードでも行えますが、「早炊」とは反対に浸水時間が長くなるため、やわらかい仕上がりとなります。それでも一般的な炊飯器に比べると粒感はあるものの、「BALMUDA The Gohan」の普通炊きの食感が好みなら少し物足りなく感じるかもしれません。

予約は時計のように時間を指定する仕様。炊き込みごはんと早炊きは予約炊飯できません

予約は時計のように時間を指定する仕様。炊き込みごはんと早炊きは予約炊飯できません

ひと工夫したら絶品の炊き込みごはんと玄米が完成!

白米では圧倒的な粒感を味わえましたが、炊き込みごはんや玄米でも粒感は健在なのでしょうか。最初に炊き込みごはんを作ってみたところ、「BALMUDA The Gohan」に求める食感とは異なる一般的な仕上がりになってしまいました。その後、手法を変えてトライし、3回目で成功! その様子をご覧ください。

炊き込みごはんの素を入れ、「炊込」を選んで炊飯スタート

炊き込みごはんの素を入れ、「炊込」を選んで炊飯スタート

約60分後に炊き上がった炊き込みごはんは、粒感は控えめで少しやわらかい印象です。おいしいのですが、「BALMUDA The Gohan」で炊くならもっと粒感が欲しいところ!

やわらかいならば、水を減らせばいい! と、水量を40cc少なくしてみました。さらに、対流が起こらない炊飯方式なので、水の部分に油が混ざらないほうが均等に熱が伝わるのでいいのではないか……という案を採用し、炊き込みごはんの素をかき混ぜないで2度目の炊飯にチャレンジ

理想どおりの食感が得られましたが、炊き上がってから混ぜても味は均等になりませんでした

理想どおりの食感が得られましたが、炊き上がってから混ぜても味は均等になりませんでした

ここまで試して、再度メーカーに問い合わせしてみました。すると、「炊込」は白米モードよりも特徴が強く現れないようにチューニングしているのだそう。その理由は、炊き込みごはんは具材や調味料が多岐に渡ることと、普段食べなれた食感と大きく相違しないほうがいいからだと言います。粒感が欲しい場合は、水を目盛りよりも20〜30cc少なめにすると理想的な炊き上がりになるということだったので、水を減らしたのは正解でした。

水を減らし、炊き込みごはんの素をきちんと混ぜてから炊飯した炊き込みごはんは、釜めしのような食感になりました

上記の炊き込みごはんと同様の現象が起こったのが、玄米です。普通に炊いても問題はないのですが、「BALMUDA The Gohan」で炊くのだからもっと粒々として欲しい! ということで、炊き込みごはんの成功例にのっとり、水量を40cc少なくして炊いてみました。

玄米は炊き上がるまで約90分かかります

玄米は炊き上がるまで約90分かかります

水を少なめにして炊いたら、プチプチ感とやわらかさがベストな玄米ごはんになりました。飲食店で出てくる玄米ごはんはべちゃっとしていることが多いのですが、その食感が好みでない人は「BALMUDA The Gohan」で炊いたほうが合うかも。現に、玄米派の価格.comマガジン編集部スタッフに大好評で、ラップに包んでお持ち帰りする人続出!(笑)

まとめ

今回の調査では10人以上に試食をしてもらいましたが、IH式炊飯器のごはんのような強い香りともちもち感、そしてやわらかさを求める人には「BALMUDA The Gohan」はそれほど響かなかったよう。しかし、粒感、弾力を優先したい人からは大絶賛! 好みがバシッと分かれる印象です。筆者は硬めのごはんが好きなので、「BALMUDA The Gohan」の炊き上がりは理想的。いろいろなトッピングをしたり、巻物にしたり、丼にしたりと「今日はごはんをどのようにして食べようかな」といった楽しさも得られます。格段に、ごはんを食べる量や頻度が増しました。

上で紹介していませんが、蒸気を使った炊飯方式のおかげか、赤飯の仕上がりは最高でした! もち米との相性はよさそうです

ただ、「BALMUDA The Gohan」は少々アナログ的な手間がかかります。外釜に水を入れるという工程や洗い物がひとつ多くなるというだけでなく、食感の炊き分け機能がないのでみずから水加減を調整しなければなりません。白米の普通モードは指定通りで問題ありませんが、上で行った検証のようにその他モードは少々水量の調整が必要かも。目盛りに合わせて炊飯してもおいしいのですが、「BALMUDA The Gohan」の炊き上がりを理想とする人なら少なめの水量にしたほうがよさそうです。とはいえ、ベストな水量を見つけたら、あとは繰り返せばいいだけなので個人的にはわずらわしさは感じていません。とにかく、ごはんの表面のベチャとした感じやくっついてしまうことに不満があるなら、「BALMUDA The Gohan」はかなり満足できるはず。ごはんが“ほどける”食感は格別ですし、水量を減らして炊いた玄米の炊き上がりは特に気に入っています。あとは、最大炊飯容量3合で保温機能非搭載でありながら4万円強の本体価格(2017年3月17日時点の価格.com最安価格)を「買い!」と言えるかどうかというところでしょうか。でも、この粒感とほぐれる感じは「BALMUDA The Gohan」でしか味わえないような気がします。

中村 真由美(編集部)

中村 真由美(編集部)

モノ雑誌の白物家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいマス。

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2017.7.21 更新
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