小寺信良のGadget 2 Go!
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ハイレゾ+ワイヤレス、V-MODA Crossfade II WIRELESS

V-MODAというヘッドホンメーカーをご存じだろうか。DJシーンを中心に2012年頃から頭角を現わしたアメリカのメーカーで、独特のデザインセンスと低音がズカズカ出る作りで、日本では「Crossfade M100」というモデルが永らく人気となっている。

これまでヘッドホンラインアップとしては、前出のM100以降、2014年に女性を意識したオンイヤーモデル「Crossfade XS」、2016年には同社初のワイヤレスヘッドホン「Crossfade WIRELESS」をリリースした。そして今年6月から、「Crossfade WIRELESS」の後継となる「Crossfade II WIRELESS」が発売される。すでに米国では販売されていたモデルだが、日本国内では販売代理店が楽器メーカーのローランドに代わり、初めての新製品ということになる。今回はCrossfade II WIRELESSをお借りして、じっくり聴く機会を得た。

いよいよ日本での発売が開始されるCrossfade II WIRELESS

いよいよ日本での発売が開始されるCrossfade II WIRELESS

キャリングケースも独特のデザイン

キャリングケースも独特のデザイン

もともとV-MODAのCrossfadeシリーズは、エンクロージャもイヤーパッドも六角形という、独特の作りだ。メーカーの社長自身もDJプレイヤーということで、頻繁に付け外ししても壊れない頑丈な作りと、見た目のかっこよさ(暗がりでも派手)を追求したシリーズとなっている。

イヤーパッドも六角形

イヤーパッドも六角形

音響設計はLAだが、デザインはミラノで行なわれており、本機も同様だ。ブラックモデルは全体的にツヤ消しで、エンクロージャ表面には金属板がネジ留めされている。アーム部のメタルカッパーは、ヘッドホンとしては珍しい色使いだ。

メタルカッパーのアームが斬新

メタルカッパーのアームが斬新

エンクロージャは耳がギリギリ入るぐらいの小型だが、ここに50mmのドライバが内蔵されている。通常このサイズのヘッドホンなら40mm程度だが、容積ギリギリまでドライバで埋めているのだろう。

またドライバの設計も独特で、高域と中低音域を同軸上にまとめたデュアルダイアフラムとなっている。ドライバの設計については特許出願中のため、実物の構造は見ることができないが、今回はこのドライバも新設計となっている。

昨年発売のCrossfade WIRELESSは、人気M100のワイヤレス化ということで期待を集めたが、BluetoothコーデックがSBCのみと、イマドキのワイヤレスヘッドホンとしてはいささか物足りないスペックであった。一方今回の「II」は、SBCのほかapt-Xにも対応する。

さらにワイヤード接続では、Crossfadeシリーズとしては初となるハイレゾ対応となった。今回ドライバの設計が違うのは、ハイレゾ対応のためだ。

底部のイヤホンジャックによりワイヤード接続も可能

底部のイヤホンジャックによりワイヤード接続も可能

ドンシャリ感を押さえた新しい「音」

装着感としてはDJ用ということで、かなりタイトだ。筆者の場合は、耳たぶがエンクロージャ内に少し当たるので、長時間のリスニングは辛いだろう。

左右の締め付けも強めだが、そのぶん音漏れは少ない。かなりの音量を出しても、きちんと装着できていれば音漏れで迷惑をかけることはなさそうだ。

まずはワイヤードで、PCからハイレゾ音源を再生してみた。EDM系の音楽に向くと言われているので、FILTER KYODAI の 「BULL & BEAR 」の24bit/96kHzの音源で試聴した。

さすがハイレゾ対応ということで、音の分離感が素晴らしい。EDMはエコーを多用するが、分離感が悪いと元音とエコー音が一体化してグシャッとしたかたまりのように聞こえてしまうものだ。

だが本機ではどこまでが元音でどこからがエコー音なのかきちんと分離して聴けるので、パフォーマーがどういう音作りをしているのかが手に取るようにわかる。これは自分で音を作るDJプレイヤーにとっても、自分がかけたエフェクト効果を見失わないという点で、重要になるはずだ。

確かにM100のようなドッコンドッコンした低音の傾向は感じられるが、ハイレゾ対応ドライバになったことで、全体としてはやや控えめにバランスを取りに行った印象だ。だが低域の押し出しにクリップされることなく、サウンド全体が歪みなく鳴るというCrossfadeのポイントは外していない。このあたりがデュアルダイアフラムのなせる技なのだろう。

しかし一般ユーザーとしては、やはりワイヤレスで気軽に聴きたいところである。今回はapt-X採用ということで、スマホ相手に聴くのなら、Snapdragon搭載のAndroid機が無難なところだ。ただしSnapdragon搭載ならすべてapt-X対応とは言えず、あくまでもオプションなので、対応しているかどうかはスペックを確認して欲しい。

今回は接続コーデックを確認するために、パソコン経由でapt-X接続してみた。ワイヤードに比べると解像感は当然落ちるが、サウンドの傾向は大きく変わらない。ガッシリした低域に支えられ、分離感のよい高音の抜けが楽しめる。

大音量でクラブ音楽を聴くヘッドホンという視点なら、V-MODA Crossfade II WIRELESSはおすすめできる1台だ。

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小寺信良

小寺信良

AV機器評論家/コラムニスト。デジタル機器、放送、ITなどのメディアを独自の視点で分析するコラムで人気。メルマガ「小寺・西田の金曜ランチビュッフェ」も配信中。

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