スマートスピーカーのウリのひとつである音楽ストリーミングサービスとの連携。Clova WAVEはLINEが手がけるだけあり、自社の定額音楽配信サービス「LINE MUSIC」との連携に対応。「LINE MUSIC」が提供する4000万曲以上もある楽曲をストリーミング再生で楽しむことができる。「○○(曲名や歌手名)の曲をかけて」や「おすすめの音楽を再生して」と話しかけるだけで曲をかけてくれるほか、曲の再生中に「この曲の曲名を教えて」と言えば、曲名を読み上げてくれたりもする。
LINE MUSICは有償のサービスのため、楽曲をフルコーラスで視聴する際には、別途利用チケット(有料)が必要になる。「LINE MUSIC」をすでに利用しているLINEアカウントでClova WAVEの初期設定を行っている場合は、自動で連携がなされているので、特別な操作をしなくても、そのままフルコーラス再生で楽曲を楽しむことができる。「LINE MUSIC」を使っていない人でも、チケットが無くても各曲を30秒までは試聴可能だ。
なお、先述下通り、2018年1月31日までの期間限定で、Clova WAVEに「LINE MUSIC」の12か月利用権がついた「Clova WAVE+LINE MUSICセット」が12,800円(税込)で販売中だ。「LINE MUSIC」の利用チケット(プレミアムプラン)は月額960円なので、12か月分だと11,520円(税込)になる。今回の特別価格で買えば、実質1,280円でスマートスピーカーが手に入る計算だ。「LINE MUSIC」のすでに利用している人や、「LINE MUSIC」の利用を検討している人は、ぜひ「Clova WAVE+LINE MUSICセット」を選びたいところだ。
「LINE MUSIC」による音楽ストリーミング再生は、音声での操作のほか、専用アプリ「LINE Clova」の画面から選曲などの操作が行える
他社スマートスピーカーにはないClova WAVEならではの強みといえるのが、LINEのメッセージ機能との連携だ。セキュリティの観点からか、専用アプリ「LINE Clova」で紐付けた個人のLINEアカウントをそのまま使えるわけではなく、Clova WAVE専用のLINEアカウントを新たに作成する必要があるが、そこで作成したアカウントを家族や友人のLINEアカウントに連絡し、友だちとして登録してやることで、LINEのメッセージ機能を使うことができる。
たとえば、Clova WAVE本体に「新しいLINEを読んで」と話しかけると、音声でそのメッセージを読み上げてくれる。また、「Clova(クローバー)、パパにLINEを送って」と言えば、相手にメッセージを送ることも可能だ。
この機能を使えば、家にいる家族とのメッセージのやり取りが可能になる。しかもスマートフォンやLINEアカウントを持っていない祖父母や子供たちともメッセージの送受信ができるので、これまでにない活用が生まれそうだ。
Clova WAVEでLINEのメッセージ機能を使うには、専用アプリ「LINE Clova」で家族アカウントを新たに作成し、作成したアカウントをあらかじめ友だちとして登録しておく必要がある。ちなみに、家族アカウントという名称になっているが、家族以外のメンバーももちろん友だち登録可能だ
友だち登録さえしておけば、LINEアプリから普通にメッセージを書き込むだけで、Clova WAVEにメッセージを送れる。スマートフォンを使っていない家族ともLINEのやり取りができるようになるのは画期的だ
Clova WAVEならではの強みは、LINEのメッセージ機能との連携だけではない。本体底部に仕込んである赤外線LEDを使った音声リモコン機能もほかのスマートスピーカーにはない大きな特徴だろう。
専用アプリ「LINE Clova」経由で登録したデバイスを音声操作できるという同機能。現時点で登録できるデバイスとしては、テレビと照明機器の2種類がサポートされている。テレビの場合は、登録したテレビのチャンネルや音量調整を「テレビを8チャンネルにして」や「テレビの音量を3段上げて」と話しかけるだけで操作可能。照明機器も、「電気をつけて」や「電気を消して」と話しかけるだけでON/OFF操作ができるようになる。特に照明機器のON/OFF操作は、夜中、暗い部屋の中でリモコンを探す必要がなく、かなり便利に使えそうだ。
音声リモコン機能に対応デバイスを登録するには、専用アプリ「LINE Clova」を使用する。登録作業はテレビや照明機器のメーカーを選択し、動作確認をしていくだけと非常にシンプルだ。テレビは大手からマイナーまで、たくさんののメーカーが用意されているが、照明機器のメーカーはまだまだ少ないようだ
このように非常に便利に使えそうな音声リモコン機能だか、一点だけ気をつけたいことがあった。それは、Clova WAVEの設置場所だ。Clova WAVEでは、音声リモコン機能に使われているIRコントロール用の赤外線LEDが本体底面にある半透明のパーツ部分に搭載されている。音声リモコン機能を使うには、操作するデバイスに向かって赤外線を飛ばせる位置にClova WAVEを設置してやる必要があるわけだが、Clova WAVE自体が大きいため、置き場所にかなり困ってしまった。音声リモコン機能の積極的な活用を検討している人は、設置場所についてしっかりと考えておいたほうがよさそうだ。
先行販売期間を経て10月5日から正式発売されてからも、さまざまな機能が追加され、できることが日々増えているClova WAVE。10月5日に行われた発表会でも、経路検索機能や運行情報機能、タクシーやデリバリーを呼ぶ機能、通訳機能など、今後のアップデートで提供を予定している機能についてもいくつか明かされた。
また、音声コマンドも使いやすいように日々改良が加えられているという。たとえばLINEメッセージの送信では、「(送信したい人)に(内容)とLINEして」と言った具合に、やり取りを少なく簡単に送れるような工夫を盛り込んでいるという。
こういった新機能の追加や機能改善は急ピッチに開発が進められているようで、Twitterの公式アカウント(@LINE_Clova)でも、随時新情報がアナウンスされている。
10月5日の正式発売のタイミングで行われた発表会では、今後のアップデートで追加される機能についていくつか発表された。これらの機能が追加されれば、さらに便利に使えるようになりそうで楽しみだ
今回Clova WAVEを体験してみて、まだまだできることは少ないものの、その将来性については大いに期待が持てた。現時点では、指示したコマンドに対応するだけの機能ばかりだが、今後機能がさらに拡張され、生活パターンや天候などの気象状況など、ユーザーの状況に応じて最適な情報をレコメンドしてくれるようになれば、さらに面白くなりそうだ。スマートスピーカー市場はまだ始まったばかりだが、これからの成長が非常に楽しみだ。