2015年7月10日にアイリバーから発売された、ハイレゾ音源対応ポータブルオーディオプレーヤー「Astell&Kern AK380」が好評だ。最安価格が45万円を超える高額商品だが、音質にこだわるユーザーから支持を集めており、価格.comの「MP3プレーヤー」カテゴリーにおける注目ランキングでは3位、売れ筋ランキングでも6位をマークしている。ここのところ、本製品のようなハイレゾ音源に対応したポータブルオーディオプレーヤーが各社から続々と発売されており、市場も徐々に広がってきているようだ。
アイリバー「Astell&Kern AK380-256GB-MT」は、ハイレゾ音源の再生に対応したポータブルオーディオプレーヤーの最上位モデル。32bit/384kHz、DSD128(5.6MHz/1bit)のネイティブ再生に対応しており、スタジオマスター品質のサウンドを忠実に再現。デジタル信号をアナログ信号に変換するDACには、旭化成エレクトロニクスの「AKM AK4490」をデュアル構成で搭載。内蔵ストレージは256GBで、外部メモリーとして最大128GBまでのmicroSDXCメモリーカードをサポートする。本体には、タッチパネル操作対応の4型液晶モニターを備えた。高度な音質調整を可能にするParametric EQ(20Band EQ/0.1dB)も採用しており、より好みにあったサウンド設定ができる。また、DLNAネットワーク機能を強化したのも特徴。NASやパソコンに保存した曲のストリーミング再生ができるため、据え置き型のプレーヤーとしても活用できるという。本体サイズは79.8(幅)×112.4(高さ)×17.5(奥行)mmで、重量は約218g。
「Astell&Kern AK380-256GB-MT」の注目・売れ筋ランキング推移
「Astell&Kern AK380-256GB-MT」のアクセス推移
「価格.comトレンドサーチ」で見ると、「MP3プレーヤー」カテゴリーにおける注目ランキングでは、本製品「Astell&Kern AK380」は、製品発売日の7月10日に早くも4位をマーク。7月14日には3位にランクインした。これに伴い、売れ筋ランキングでも、7月13日には6位まで上昇。アクセス数は、7月11日に2,024PV/日に達した。7月14日時点での最安価格は454,418円とハイレゾプレーヤーの中でも高額な製品だが、マニア層を中心に強い支持を受けていることがわかる。
「Astell&Kern AK380-256GB-MT」のユーザーレビュー評価
本製品に対するユーザーレビューは、7月15日時点で2件が投稿されており、現在のところ、満足度は満点評価の5.00。「音質」「操作性」「拡張性」の項目でカテゴリー平均を上回っている。レビュワーのコメントを見ると、音質については、「(従来機種の)Astell&Kern AK120をかなり上質にして低音に厚みを持たせた感じでしょうか。ボーカルはかなりいいですね」「突出して音場が広くなりました。横方向の広がりはずば抜けてよく、ボーカルも回り込んで聴こえてきます。クラシックなどは感動ものですね。ボーカルの生々しさも過去最高のできばえです」と、高く評価するコメントが見られた。また、操作性についても、「ボリューム調整は以前までと違いだいぶ細かくなった印象です」「(専用アプリの)AK Connectは便利です。音量調整、曲選択も出来ます。ネットワークプレーヤー用のアプリと比較しても使い勝手は良いでしょうね」と好評だ。
また、こちらも本製品の特徴である据え置き型オーディオとしての音質や使い勝手については、「今まで利用したDACと比べるとバランス出力はよい感じです。10万円前後の物と比べると上質ですね」「アナログ出力は10万円クラスよりは上質」「そこそこのパワーアンプを利用しているなら、コンパクトな据え置きシステムは作れます。ネットワークプレーヤーの代替もできる感じです」との声がある。なお、価格設定に対しては、「据え置き型のプレーヤーとしてそこそこの価値はありますので、そこを考慮すれば悪くないものになるかとは思います」「40万円なら据え置き型を買った方がよいとか、中古車が買えるなどなどのコメントを見かけますが、本製品にはハイエンドなりのよさはあります」という意見が見られた。
「Astell&Kern AK380-256GB-MT」のライバルランキング
上の図は、本製品とよく購入比較をされるライバル製品を表した「ライバルランキング」で、図中の「勝率」は、比較された結果、本製品がどれだけの確率で選ばれたかを示している。ポータブルオーディオプレーヤーとしてはかなり高額な価格設定だけに、競合状況が特に気になるところだ。本製品のライバルとなるのは、1位はソニーのハイレゾプレーヤー「NW-ZX2 [128GB]」で、こちらには36%と大きく負け越しているものの、価格帯がまったく異なるため、致し方ない部分はあるだろう。むしろ、ライバル2位と3位は、同ブランドの旧モデルである「Astell&Kern AK240-256GB-GM」と「Astell&Kern AKJR-64GB-SLV」となっており、こちらにはわずかに勝ち越している。ハイエンド製品を求めるマニア層のユーザーをターゲットにしている製品だけに、高価格でもより品質の高い製品のほうに人気が集まる傾向があることがわかる。