選び方・特集

iPhoneとの相性は? 予算3000円のイヤホン5機種 聴き比べ特集

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アニソン・ゲーソン向けの音質チューンを施した TDK「neo:n 03」

TDKのneo:n 03(TH-NEC300WH)

TDKのneo:n 03(TH-NEC300WH)

特徴

neo:n 03は、イメーションが手がけるTDK Life on Recordブランドの新作カナル型イヤホン。neo:nとは、新しいという意味である「neo」と、音をアルファベット化した「on」を組み合わせた造語で、“新しいカタチと音”を提案するというモデルだ。そのテーマはずばり、“未来”、“ヒーロー”、“ロボット”。

デザイン面では、ロボットの関節を思わせるメカニカルな見た目が特徴的だ。ハウジングを支える箇所に稼働式のギミックを採用し、少しばかり動かすことができる。カラーリングも交響詩篇エウレカセブンの「ニルヴァーシュ type ZERO spec3」を彷彿とさせるものとなっており、茶目っ気のあるデザインだ。カラーバリエーションは、ブラック、ホワイト、レッド。

次に音質。本製品の最大の特徴とも言えるもので、アニメやゲームのテーマソングやBGMに特化した独自の音質チューン「neo:nチューン」を採用。ボーカルのアニソングやゲームソングにとなっているのが特徴だ。

音質インプレッション

イロモノを想像させる見た目に反して、アニソンやポップス、スピード感のある楽曲を聴いてみると「えっ!(想像した以上に)イイ音」と思わせる。今回選んだ5製品のなかで、ドライバーユニットが5.5mm口径と小さく、また感度も91dBと低いため、線の細いおとなしめのキャラクターだが、ボリュームを少し上げてみると、これがそんなに悪くない。キックやベースのキレがよく、疾走感のある曲のリズムを損なうことなく音を出してくれる。アニメのオープニングテーマは勢いのある曲が多いが、そんな曲を気持ちよく聴かせてくれるのだ。neo:nチューニングを実感できることだろう。また、アニソンやゲームサウンドへの最適化をうたっているが、もちろん、それ以外のサウンドもいける。ちょっと気になったのは、ハイハットシンバルの音がやや耳に突き刺さるように聴こえた点だ。周波数特性が独特な感じで、低域のディープな部分や、高域の伸びや響きの部分をあえて抑えることで、スピード感や心地よさを演出しているのではないだろうか。

iPhone 6との相性は?

上記のインプレッションでも書いたように、iPhone 6でも、スピード感のある楽曲を気持ちよく聴くことができる。今回ピックアップした5製品の中では、疾走感のある楽曲が多いアニソンとの相性はもっともよいのではないだろうか。

ロボットの関節をほうふつとさせるメカニカルなデザイン

ロボットの関節をほうふつとさせるメカニカルなデザイン

イヤーピースを外したノズル部には、繊維状のものが埋め込まれている

イヤーピースを外したノズル部には、繊維状のものが埋め込まれている

プラグはL字型で断線防止加工が施されている

プラグはL字型で断線防止加工が施されている

イヤーピースはXS/S/M/Lの4種類で、Mサイズが標準で装着されている。4種類のイヤーピースが付属されているのは比較的珍しい

パッケージ

パッケージ

装着例

装着例

天然木のハウジングを採用し、響きに特徴 MUSE「M1+」

MUSEのM1+

MUSEのM1+

特徴

イヤホンやDACなどを手掛ける香港のオーディオブランド「MUSE」からリリースされた、10mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載したカナル型イヤホン。低価格ながらヘッドホンのハウジングやスピーカーのエンクロージャーでも用いられるウッド素材のハウジングを採用したモデルだ。

木材が振動を吸収することにより、にじみの少ないクリアでかつ木特有のあたたかみのあるサウンドが楽しめる。また、ハウジング表面は木の質感をそのまま出したような仕上がりで、赤褐色と木目がビジュアルのポイントだ。

また、マイク内蔵ケーブルを採用し、イヤホンマイクとして使用可能。また、ケーブルには、再生/一時停止、曲送り/戻しができるコントロール機能も装備している。なお、付属の拡張ケーブル「スマートコネクタ」を使えば、iOSだけでなく、Nokia、Samsung、Sony-Ericssonなどの端末でも使用可能という。

ちなみに、M1+のほかに、「M1+ VC」というモデルがラインアップされているが、違いはマイク付きリモコンのボタン数で、無印が1ボタン、VCが3ボタンとなっている。

音質インプレッション

描写のていねいさや音のまとまり、S/Nや解像度感は価格相応だが、ウッド素材のハウジングによって、メタルや樹脂とは異なる独特の響きを演出する。特に聴いて欲しいのがストリングス。アコースティックアレンジのボーカル曲などは独特の響きと空気感を出す。また、3000円程度という価格のわりには貧弱さがない。ただ、キレのよいサウンドを聴くとプロポーションがふくよかになりすぎてしまう傾向があるため、スピード感のある楽曲では間延びして聴こえる。なお、音が落ち着くまである程度のエージングが必要。イヤーチップをSpinFitシリーズに変えるとちょっぴりグレードアップできる。

iPhone 6との相性は?

響きが多少強めに出て、中低音も少し重めな雰囲気にまとまるのが好印象。楽器の数が多い音源やライブ音源など、空間の広さがある楽曲では、独特な空気感が出て面白い。相性は良好だ。

赤褐色の木目が特徴的なウッドハウジングを採用したボディ

赤褐色の木目が特徴的なウッドハウジングを採用したボディ

イイヤーピースを外したノズル部。目の細かいメッシュパネルが貼り付けられている

イイヤーピースを外したノズル部。目の細かいメッシュパネルが貼り付けられている

マイク内蔵ケーブル

マイク内蔵ケーブル

プラグは4極のストーレート

プラグは4極のストーレート

イヤーピースはS/M/Lの3種類で、Mサイズが標準で装着されている

イヤーピースはS/M/Lの3種類で、Mサイズが標準で装着されている

パッケージ

パッケージ

装着例

装着例

まとめ

以上、3,000円前後で購入できる音質重視のイヤホンを見てきた。「3,000円前後のイヤホンなんてどれも変わらないでしょ……」と思っていた方もいるかもしれないが、ここで紹介した製品を見れば、外観だけでなく音質でもバラエティに富んでいるのがわかっていただけたのではないだろうか。

この価格帯のイヤホンを音質重視で選ぶうえでポイントとなるのは、“自分好みの音”を絞ることだ。3,000円前後の価格帯のイヤホンは、音質的には1つの特徴を掘り下げているものがほとんど。かつ、解像度感やS/Nなどは価格なりで、1万円を超えるような価格の高級タイプと比べると大きな差がある。「ボーカルの聴こえやすさ」「しっかりしたボトムの量感」「帯域バランスのよさ」「余韻や残響感のよさ」といったように、何を重視するのかをはっきりとして選んでほしい。

そうしたことを踏まえたうえで、今回選んだ製品は次のような特徴を持っている。

・Muix「IX1000」
モニターライクで万能型
・ZERO AUDIO「CARBO BASSO」
ボーカルと低音がグイグイ前にくるノリのよさ
・PHILIPS「SHE9710」
ボーカルが聴きやすくメリハリのある低音
・TDK「neo:n 03(TH-NEC300)」
疾走感のある曲が多いアニソンなどをキレよく聴けるスピード感
・MUSE「M1+」
アコースティック楽器との相性がよい特徴的な残響感

この中で、音質面でもっともオーソドックなのはIX1000だ。ポップスからクラシックまで楽曲を選ばないので、「好みの音がわからない」というのであれば、この製品の音をベースにしてみてほしい、CARBO BASSOは、低域に特徴があるので、迫力のある音を求めるならベターな選択だ。SHE9710は、どちらかというとオーソドックスなタイプだが、ボーカルが聴きやすいのがポイント。楽曲は選ばないタイプだが、ボーカル曲をメインで聴くのならうってつけだ。neo:n 03(TH-NEC300)は、「アニソン」で多い、疾走感やスピード感のある曲にハマるイヤホンで、気持ちよく聴くことができる。M1+は、響きがよいイヤホンなので、アコースティック楽器が中心の楽曲との相性が抜群によい。

銭袋秀明(編集部)
Writer
銭袋秀明(編集部)
編集部の平均体重を底上げしている下っ端部員。アキバをフィールドワークにする30代。2015年4月、某編集部から異動して価格.comマガジン編集部へ。今年こそ、結果にコミット!
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