小寺信良のGadget 2 Go!

自作オーディオにちょっとプラス。単体売りサブウーハー ソニー「SA-CS9」

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夏休みを利用して、スピーカーを自作した。10cmフルレンジを使ったトールボーイ型のバックロードホーンで、改めてフルレンジ1発の素直な特性としっかりした定位感に感激した。

ただちょっと残念なのは、いくらエンクロージャでがんばっても低域の量感不足は否めない。僕は普段からロック系ばかり聴いているのだが、やはりドラムのキックが「トントン」と軽い音では、もの足りないのだ。

キックのアタック部分、例えば「ドウーン」の先端の「ト」ぐらいまでは再生できるのだが、それに続く「 ゛ウーン」のところが無くなっちゃってるわけである。音の話を文字で説明すると、オマエ何言ってんの的なことになってしまうが、テクニカルに言うと、バスドラムの革面にビーターが当たる瞬間のアタック音は聴けるものの、その後の革の振動と胴鳴りの部分が聞こえないわけである。

やっぱり低域をもうちょっと足したいということで、10数年前のサラウンドブームの時に買ってちょこっと使ったもののそのまま押し入れに入っていたYAMAHAのサブウーファ「YST-SW45」を引っ張り出してつないでみた。

うーん、低域は確かに足されたんだけど、何か違う。これ購入当時から気になっていたんだが、どうもスピード感がなくて「ボワッ」とした鳴りだったことを思い出した。映画の効果音などには向いているだろうが、ロック系の音楽にはマイルド過ぎてあまり合わない。
そこで久しぶりにサブウーハーを新調してみることにした。近年のサブウーハーは結構技術革新があり、音楽用としても相当使えるようになっていると言う話も聞く。

早速価格.comで探してみたところ、今サブウーハー単体での販売というのは、ほとんどなくなっているのを知って愕然とした。カーオーディオではまずまずあるのだが、室内用としては2.1chや5.1chのセット商品、あるいはテレビオプションとしての商品がある程度だった。単体で売られている現行商品としては、FOSTEXのPM-SUBminiかPM-SUBn、あとはソニーのSA-CS9ぐらいしか見当たらなかった。

FOSTEXのものは、もちろん何にでも使えるのだろうが、どちらかと言えば同社のモニタースピーカーと合わせるために設計されたものらしい。そうなると完全に汎用と言えるのはSA-CS9のみと言うことになる。もちろんリアル店舗へ行って念入りに探せば他にも見つかるかもしれないが、とりあえず試しに導入してみるには手ごろな価格だったので、購入してみた。

価格の割には超デカい

ウーハーユニットが25cmという寸法は事前に把握していたのだが、実際届いてみるとエンクロージャ全体が想像よりだいぶ大きかった。奥行きも写真で見るより長い。実売15,500円程度で買えるスピーカーとは思えぬデカさだ。仕事机の足元に置きたかったのだが、棚につっかえてしまってそのまま入らない。仕方なく現在は横置きにして使っている。

買ってみたら想定以上にデカかったSA-CS9

買ってみたら想定以上にデカかったSA-CS9

コーンには2層の発泡マイカが使われている。マイカとは、「雲母」のことだ。発泡状態にしたマイカをパルプ、合成繊維と混ぜて形成したもので、軽量・高剛性・高内部損失という特性を備えている。実際表面の輝きを見ても、雲母のような見た目である。

表面のキラキラした感じが雲母っぽい

表面のキラキラした感じが雲母っぽい

背面にバスレフポートがあり、カットオフ周波数は50〜200Hz。再生周波数自体は28〜200Hzである。接続方法としては、モノラルのLINE入力のほか、スピーカーケーブルをスルーしても使えるようになっている。AVアンプならともかく、オーディオ用のアンプではサブウーハー出力端子がないものが大半だと思うが、スピーカーケーブルの間に挟む格好で設置できるのは、音楽用にも利用しやすい。

背面に背面もつまみも集中

背面に背面もつまみも集中

カットオフをスピーカーの特性的に下がっている80Hz程度に設定し、システムの中に入れてみた。バランス的にはほんの少しだけ、隠し味的にに加えた程度である。

サウンド全体を聴いてみると、ちょうど欠けていた低域の量感が盛られ、サウンド全体のスピード感も失われない。バックロードだとどうしても音道が長いので、その間でスピード感が失われがちなのだが、その弱点をうまく救ってくれている。まあこれがあったらバックロードいらなかったんじゃないかという説も急浮上してくるわけだが、そこは考えないことにする。

残念なのは、カットオフやボリュームなどのつまみがすべて背面にあることだ。音を聴きながらカットオフやボリュームバランスを決めていきたいという時に、いちいち手を突っ込んで後ろのつまみを手探りで回さないと行けないのは、マイナスポイントである。床にそのまま転がして置いとくというのが前提なのかも知れないが、これだけでっかい筐体をそのまま床に置いとけというのは無理がある。

いや仮に床に置いたとしても、コントロール系は前面のほうが便利だろう。その点ヤマハのYST-SW45は電源ボタンまですべて前面にあったので、使いやすかった。前面をすっきり見せたいということもあるだろうが、目立たない位置や角度で付けることもできただろう。

音楽なしで生きていけないというタイプの人でも、今大型スピーカーでオーディオを聴いている人は、よほどのマニアだけになってしまった。ブックシェルフや卓上小型スピーカーで聴いている方も多いと思う。低域不足を感じたら、全体の買い直しを考える前に、こうしたものを今のシステムにちょこっと加えてみてはどうだろうか。

小寺信良

小寺信良

AV機器評論家/コラムニスト。デジタル機器、放送、ITなどのメディアを独自の視点で分析するコラムで人気。メルマガ「小寺・西田の金曜ランチビュッフェ」も配信中。

製品 価格.com最安価格 備考
SA-CS9 [単品] 15,186 ホームシアターシステムに適したサブウーハー
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2017.4.27 更新
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