自動車ライターのマリオ高野です。
私の愛車、スバル・インプレッサG4 1.6i(先代モデル)は、ご覧のように地味なクルマです。
純正仕様の足元はアルミホイールではなくスチールホイールで、樹脂製のキャップが付くなど見た目は地味。個人的には、この地味なところが大変気に入っております。
しかし、新車で購入してからすでに4年がたち、走行距離は10万キロを超えたこともあり、そろそろちょっとしたイメチェンを図りたいと思うようになりました。地味なホイールキャップの雰囲気をカラフルにしてみてはどうかと考えたのです。
「質実剛健」なところに引かれて購入。地味なところが好きで買ったので外観に不満はないものの、たまには冒険してみたくなりました
といいながらも本質的には保守的な性質なので、ダメだったらすぐ元に戻したいのですが、そんなワガママな要望に応えてくれるのがスプレーフィルム。今回は「塗ってもはがせる不思議な塗料」として売られているFOLIATEC社の「スプレーフィルム」を試してみました。
アメリカか中国製かと思いきや、意外にもドイツ製。舶来品ではドイツ製品に一定の信頼感を抱いている私としては、これだけでマトモなものであるとの予感が高まります
「特別な下地処理を必要とせず手軽にスプレーするだけでイメージチェンジ!」ができるとあって、今の私の要望にこれ以上なくピッタリです。カラーバリエーションは20色と豊富で選ぶのに悩みましたが、無難そうなつや消しブラックと、愛車の雰囲気とは真逆なイメージの明るいイエローの2色をセレクト。
量は1缶でギリギリホイール4本分という感じでやや少なめですが、値段からすれば特に不満ではありません
一般的な塗装作業では常識となる下地処理は一切せず、本当にただそのままスプレーするだけの作業で塗装しました。確かに超カンタンです。最初は塗りムラが多く出てしまい、至近距離で見ると残念な質感になってしまいましたが、遠目には気にならないし、つや消しのブラックは塗りムラがあまり気にならないなど、色によっても見た目の質感は変わるようです。何度か塗るウチにまんべんなくスプレーするコツを覚えるものなので、回数を重ねるごとに見た目の質感を向上させられるでしょう。
ホイールキャップの場合は簡単に脱着できるので便利です。アルミホイールの場合は、一度外して横に寝かせて塗ったほうがよいでしょう
正直、着色スプレーを吹きかけることには一抹の不安がありましたが、すぐに後戻りできるので大丈夫と自分にいい聞かせました
地面や床にも塗料がかかるので、段ボールやビニール袋などを敷いて塗装しましょう
ひと通り塗装した状態です。最初の作業ということもあって、色ムラのひどさや気泡の多さなど、結構キツイ雰囲気ですが、乾燥するとそれほど気にならなくなります
続いてイエローも噴射。やはり、晴れた風の少ない日に塗るのがよいでしょう
風が吹くと若干塗料が飛びますが、衣服にかかって困るようなことはありませんでした
厚塗りをするより、薄く広く塗るようにするほうがキレイに塗れそうな感じです
ブラックに塗って乾燥中のホイールの近くで、別のホイールにイエローのスプレーを吹きかけると、飛び散ったイエローの塗料の粒子がブラックの上にかかり、偶然にも微妙なラメ状態になったりしましたが、工夫次第で創造的なカラーリングに仕立てられるのもおもしろいですね。芸術的なセンスがあれば、いくつかのカラーを駆使してさまざまな作品を創り出せます。
偶然にかかったイエローの粒子により、微妙なラメが実現!?(笑)
今回はブラック×2、イエロー×2で塗ってみましたが、個人的な満足度は思いのほか高かった!(笑)
塗装後30分ほどで乾燥し、普通に触れるようになりました
前にイエロー、うしろにブラックをはめた様子です。組み合わせ的にイマイチなので前後ではなく左右で色を変えることにしました
色ムラや気泡があるものの、個人的には許せるレベルです
ブラックは試しにはがしてしまったので、再度塗り直しました。2度目はちょっとうまく塗れたという手応えです
樹脂製のキャップが金属調になったような雰囲気も!?(笑)
左側をイエロー、右側をブラックとしてみました
イエローのほうは走行中もなかり目立っています
ブラックのほうはあくまでフツーという雰囲気
ブラックは予想どおり無難な感じで、スポーティーなクルマではよく見られる類いのもの。
一方のイエローはかなり大胆ながら、濃紺色のボディカラーとのマッチングはなかなか良さげだと思います。イエローは塗りムラがハッキリと出やすいため、至近距離で見ると安っぽさが否めませんが、ちょっと離れてみると、今までの愛車にはなかったポップでカジュアルな雰囲気がイイ感じじゃないですか!(笑)
スバルユーザー仲間でも意外と好評でした
行きつけのスバル店でも「おもしろいねこれ!」と注目され、ちょっと鼻高な気分(笑)
リムのふちの部分もキッチリ塗ればよかったですね。塗装時にタイヤにかかってもすぐはがせるので、マスキングは不要でしょう
撮影後にブラックのほうをはがしてみると、跡形もなく見事簡単にはがすことができました。色ムラがひどかったり、クルマとの色彩の相性が悪くてダメだこりゃ、と思ったりしてもすぐリセットできるので後悔しないで済みます。
はがすときは、適当に引っ張るだけ
ビニールでコーティングされたような感じ。新品の電化製品によくあるようなフィルム感です
はがしたクズは、まさにビニールそのもの。かさ張らないのでゴミとして困るものではないのもいいですね
簡単にはがれる分、長く楽しむには耐久性に難がありますが、物理的な接触がないかぎり、そう簡単にはがれることもないでしょう。塗装後、埼玉と大阪の間を往復したりしましたが、長距離運転や高速走行でも問題ありません。雨に打たれたり、洗車したりもしましたが、やはり物理的にこすったりして表面を損傷させないかぎりは大丈夫です。仮に傷ついてはがれてもまたすぐに塗れば修復できるので、はがれることを恐れる必要もありません。
もちろんクルマのホイールのみならず、どこにでも塗装できるので、アイデア次第でセンスのよいアクセントをつけられることでしょう。ライトなどの灯火類やウィンドウに塗ると安全上よろしくないので避けてください。
塗装後、1,000km以上走っても目に見える変化はありません
ブラックの引き締まった雰囲気も悪くなりません。もっと高価なホイールを装着する前の、色合いのチェックとして使うのもアリかと思いました
4本とも黄色にしようかな…(笑)