自動車ライターのマリオ高野です。今年から、自分の愛車でサーキット走行を楽しむためにヘルメットを新調。これが想像を絶する「かぶり心地のよさ」で大いに感動し、ヘルメットの重要性を再認識したので、それをお伝えします。
強さと軽さは手に取っただけでも実感できるでしょう
職業柄、新車の試乗会などでサーキットを走る機会はたまにあるものの、試乗会の現場ではヘルメットが用意されている場合が多いため、恥ずかしながら、自分用のものとしては廉価な原付バイク用でごまかしておりました。職業柄あるまじき意識の低さで情けないかぎりですが、本格的な四輪用のヘルメットは高額だし、「たまにサーキットを走るといってもヘタレな自分の運転ごときでは速度域も高くないし、廉価な物で十分」だと、サーキット走行をナメていたのです。
それゆえ本格的なヘルメットの購入は長年先送りにしてきたのですが、これからは仕事ではなく趣味でサーキットを走るので、多少は格好をつけたい思いもあり、ようやく重い腰が上がったのでありました。
「オレはバイクも乗るし、クルマで走るときだってバイク用のメットで十分でしょ!」という方もいるかもしれませんが、そもそも二輪用のヘルメットを四輪用として使うべきではありません。二輪用はライダーが前傾姿勢をとることが前提の設計となっており、視野が四輪用と異なります。また二輪では起こりえない火災への対策がなされていません。四輪用のヘルメットは衝撃だけでなく、車両火災時の炎や熱にも耐えられる性能が与えられているのです。
今回購入したのは「Arai(アライ)」というブランドの「GP-J3」という製品です。アライは、四輪・二輪を問わず国際レースのトップカテゴリー(四輪でいえばF1)でも愛用者が多く、モータースポーツ業界では絶大な信頼と実績のあるブランドで、自分の好きなレーサーやラリードライバーも愛用していることが選択の決め手になりました。
開け閉めできるダクトが設けられており、中がムレにくい構造になっています
内部構造も緻密な作りにて、いかにも頭蓋骨にフィットしそうな雰囲気
ガイドブックとカバーが付属します
フルフェイス型(編集部注:顔をすっぽり覆うタイプのヘルメット)のほうがレーシングドライバー的な雰囲気が高まりますが、自分の場合はサーキット走行だけでなく、ラリーという競技(編集部注:未舗装路も含むコースを走る競技)にも出たいとの願望があるため、ラリー競技でも対応しやすいオープンジェット型をチョイス。あと、仕事で運転中の動画を撮ることが多いので、オープンジェット型は運転中にしゃべりやすそうなところもポイントでした。
まずは、かぶった瞬間からそのフィット感の高さと軽さに衝撃を覚えます!
自分の頭蓋骨を完璧にガードしてくれている感がすさまじく、本能的に「これなら俺は死なない」という安心感に包まれる心地よさに浸りました。オープンジェット型とはいえ、顎のあたりまで回り込むようにガードされているので、顔面が守られている感もしっかりあります。
今までの自分の運転がダメだったのはヘルメットのせいもある、と本気で思えました。依然として下手くそですが、このヘルメットなら技術向上のモチベーションが湧いてきます!
そして、とにかく軽い! これなら草野球の打席でかぶってそのまま盗塁できそうと思えるほどの軽さにて、装着時の違和感や疲労感が大激減しました!
今まで使っていた廉価な原チャリ用ヘルメットで感じられた、重くて首が疲れる、圧迫感があって視界が狭い、息苦しい、ムレる、なんかグラグラする、できれば1秒でもかぶっていたくない… などといったネガ要素はことごとく解消したのです!
日常的にずっとかぶっていたくなるほど気に入りました!
サーキット走行時のみならず、普通の街乗りでもかぶりたくなるほどの「かぶり心地のよさ」にて、思い切って奮発したかいがあったと腹の底から思いました。なるほどお値段が張るだけのことはありますね。ヘタレ運転も少しはマトモになりそうな予感さえしました。
サーキット走行でそれなりの格好をつけるのは何かとお金がかかりますが、ほかは先送りにしてでも、ヘルメットだけはちょっと奮発してみてはいかがでしょうか。
国内レースのトップカテゴリー、「スーパーGT」で活躍する山内英輝(写真)、井口卓人選手も愛用! 自分が応援するドライバーと同じブランドを選ぶのも楽しい!
そして、せっかくいいヘルメットを買うのだから、愛車でサーキットを走るヨロコビも堪能しましょう!
初心者でも安心安全に楽しめる走行会イベントとしておすすめなのが、大手の自動車メーカーのスポーツ部門が主催する初心者〜中級者向けのサーキット走行会「ワークスチューニングサーキットデイ」です。
サーキット走行は、高性能なスポーツカーやそれなりの改造を施していないと楽しめないのでは?と思っている人は多いですが、全然大丈夫です。
私の愛車スバル・インプレッサG4 1.6iは廉価な実用車なので、本来はサーキット走行に不向きなタイプのクルマながら、このイベントなら心配ナシ。
細かくクラス分けされるため、だいたい自分と同じようなレベルの人と一緒に走れることから、上級者への気遣いは最小限で済むのもありがたいポイント。
プロのレーサーからサーキット走行の基本を教えてもらいつつ、ガッツリ走って数千円ですから、かなりリーズナブル!
「ワークスチューニングサーキットデイ」には、元SKE48の梅本まどかチャンが参加することも! 女の子でも参加しやすいサーキット走行会なのです!
私のような「永遠の初心者」さんや、「サーキットは走ってみたいけどハードルが高い」などとちゅうちょしている人を積極的に歓迎するスタンスなので、ごくフツーの実用車だったり、多少年式が古かったりするクルマでもサーキット走行は十分楽しめますよ!