レビュー
劇的にアップした燃費や走行性能、価格まで徹底レビュー

セレナe-POWER“速”試乗評価/Mクラスミニバン燃費No.1の人気モデルを評価!

セレナ e-POWERの走行性能(動力性能/走行安定性)

日産セレナe-POWERの試乗イメージ

日産セレナe-POWERの試乗イメージ

セレナe-POWERで注目されるのが、動力性能だ。1.2L直列3気筒エンジンと駆動用モーターは、ノートe-POWERと同じものが採用されている。だが、エンジン出力は7%アップ、モーター出力は25%アップと、ノートe-POWERよりも大幅に性能が高められている。

そのため、セレナe-POWERの車重はノートe-POWERを約500kgも上回る1,760kgに達しながら、動力性能に不満は感じない。セレナe-POWERの動力性能は、ガソリンエンジン車では2.5〜3Lクラスに匹敵するだろう。

通常、エンジンは回転数の上昇に伴って駆動力を高めていくが、モーターは瞬発力が高く、反応がすばやい。そのため、セレナe-POWERでアクセルペダルを踏み増すような操作をした時の加速は、いっそう力強く、かつ滑らかだ。

さらに、アクセルペダルを深く踏み込むと、発電を積極的に行うためにエンジン回転数が高まるが、この時の感覚も自然だ。アクセルペダルを踏み込んだ時のノイズの高まり方などに不自然さがないので、運転していても違和感が生じない。

日産セレナe-POWERの試乗イメージ

日産セレナe-POWERの試乗イメージ

走行安定性にも注目したい。セレナe-POWERは全高が1,865mmに達し、車重はセレナよりも70kg重い1,760kgに達する。これらは、走行安定性を確保するうえで不利なはずなのだが、実際に試乗するとセレナよりも挙動が安定している。ハンドルを切り込んだ際の、ボディの唐突な傾きが抑えられており、挙動の変化はおだやかだ。

カーブを曲がり始めた後も、旋回軌跡が拡大しにくい。操舵に対する車両の動きも、セレナに比べて正確だ。フロントシートの下に駆動用リチウムイオン電池を搭載したことで、ボディを補強したような効果が得られている。さらに、足まわりのセッティングを入念に行ったことも効いている。

日産セレナe-POWERの試乗イメージ

日産セレナe-POWERの試乗イメージ

「S」モードや「ECO(エコ)」モードを選ぶと、ノートe-POWERと同様にアクセルペダルを戻した瞬間から回生充電が開始される。駆動用モーターが減速エネルギーを使って積極的に発電するため、効率にすぐれ、しかもアクセルペダルを戻す操作に応じて強めの減速が生じる。従来のクルマで言えば、強いエンジンブレーキが働いている感覚だ。

そのために、アクセルペダルの操作で速度調節がしやすい。アクセル、ブレーキペダルの操作が大幅に減り、アクセルペダルを戻す操作だけで停車状態までカバーできるのは、ノートe-POWERと同様に、このシステムの面白いところだ。

そのほか、ガラスに遮音膜を入れたり、4層カーペットを敷くなどの効果で、エンジンが作動している時のノイズが小さい。特に発進時は、高級ミニバンである「エルグランド」よりも静かだ。

評価:★★★★☆(4点)
コメント:これまでのセレナに比べると、動力性能、加速の滑らかさ、静粛性、操舵に対する正確性、走行安定性など、さまざまな走りの機能がバランスよく高められた。

セレナe-POWERの乗り心地

日産セレナe-POWERの試乗イメージ

日産セレナe-POWERの試乗イメージ

セレナe-POWERでは、乗り心地に「重厚感」がある。硬めではあるが、粗さは抑えられており、ミドルクラスミニバンでありながらLクラスミニバンに近い印象を受ける。タイヤサイズは15インチ(195/65R15)で、転がり抵抗を抑えるために指定空気圧は280kPaと高い。こうなると、通常は粗い乗り心地になりがちなのだが、セレナe-POWERの乗り心地はいたってマイルドだ。

評価:★★★★☆(4点)
コメント:高重心のボディ、細いタイヤサイズ、高い指定空気圧など、いずれも乗り心地に不利な要素のはずだが、そのあたりがうまく抑えられている。

セレナe-POWERの安全&快適装備

日産セレナe-POWERのテールライト

日産セレナe-POWERのテールライト

セレナと同様に、歩行者も検知して緊急自動ブレーキを作動できる「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」は、セレナe-POWERの全グレードに標準装備されている。

そのうえで、運転支援技術の「プロパイロット」や「サイド&カーテンエアバッグ」などを「e-POWER XV」と「e-POWER ハイウェイスター V」グレードにオプション設定した。

そしてセレナe-POWERでは、ハイビームとロービームを自動的に切り替える「ハイビームアシスト」、道路標識を検知してディスプレイに表示する機能の拡大(セレナは進入禁止のみだが、セレナe-POWERは一時停止と速度標識も表示)などの改善も図られている。

評価:★★★★☆(4点)
コメント:オプション装着の必要はあるが、安全装備と運転支援の機能は充実している。

セレナe-POWERの価格の割安感

日産セレナe-POWERの試乗イメージ

日産セレナe-POWERの試乗イメージ

セレナe-POWERの価格は、セレナに比べて40〜50万円ほど高い。それでも、エコカー減税の差額まで差し引くと、11万km前後を走れば、燃料代の差額で実質的な価格差を取り戻せるだろう。

セレナ「ハイウェイスターVセレクション」の価格は、293万4,360円。たとえば、前述のグレードを「e-POWERハイウェイスターV」へアップすると、340万4,160円に達するが、セレナe-POWER XVであれば312万8,760円と、およそ19万円の価格差に収まる。

セレナe-POWERを選ぶ代わりに、エアロパーツを装着しないという買い方もありだろう。

評価:★★★★☆(4点)
コメント:セレナとセレナe-POWERの価格差は40万円を超えるが、燃料代の差額で取り戻しやすい。

セレナ e-POWERの総合評価

日産セレナe-POWERロゴ

日産セレナe-POWERロゴ

セレナe-POWERでは、燃費の高さのみならず、動力性能や走行安定性が大きく引き上げられている。さらに乗り心地や静粛性といったミニバンとして必要な性能においても向上が図られた。前述のとおり、長く所有することを考えれば、セレナとの価格差は燃料代で取り戻せる。これらのメリットを考えれば、セレナe-POWERは買い得と考えてよいだろう。

これまで、セレナは本格的なハイブリッドモデルなしに、他社の強力なライバルたちと互角の勝負を繰り広げてきた。そこへセレナe-POWERが追加されることで、ライバルたちを一気に引き離す可能性も出てきた。今後のMクラスミニバンの動向に注目したい。

総合評価:★★★★☆(4点)

日産セレナe-POWERの採点結果

運転のしやすさ(取りまわし性/視界):★★★☆☆(3点)
内装(質感/スイッチの操作性とメーターの視認性):★★★★☆(4点)
居住性&荷室(前後席の居住性/荷室の使い勝手):★★★★★(5点)
走行性能(動力性能/走行安定性):★★★★☆(4点)
乗り心地:★★★★☆(4点)
安全&快適装備:★★★★☆(4点)
価格:★★★★☆(4点)
総合評価:★★★★☆(4点)

[Photo:松永和浩/日産自動車株式会社]

>>セレナe-POWERのリセールは!?」「馬力は足りる!?」価格.comで日産セレナe-POWERのクチコミを見る

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
価格.comマガジン タイムセール
「価格.comマガジン」プレゼントマンデー
ページトップへ戻る