自動車ライターのマリオ高野です。
壮絶に厳しい酷暑が続く毎日ですが、皆さん、自動車のタイヤの空気圧は気にしていますか?
タイヤの空気圧は、走っても走らなくても、何もしなくてもジワジワと自然に減っていくもの。パンクなどの異常がなくても、知らず知らずのうちに規定値よりも減ってしまい、タイヤの本来の性能が発揮されなくなってしまいます。
こういう啓もうポスターを目にしたことがあると思います
クルマは、タイヤだけで地面に接しているので、タイヤの性能が発揮されなくなると危険性が高まり、思わぬ事故の原因になりかねません。
タイヤの内部に充填(じゅうてん)されている空気は温度によって膨張と収縮を繰り返します。特に今の時期や真冬など、気温の変化が激しい時期は空気圧の変動幅が大きくなり、自然に抜けやすい要因にもなりますから、クッソ暑い中で大変ではありますが、タイヤの空気圧チェックは最低でも週1ぐらいのペースで行いましょう。膨張しにくいことで知られる窒素を充填している場合でも、抜ける可能性はあるので、やはりチェックは必要です。
タイヤの空気圧のチェックは、ガソリンスタンドなどで無料で行ってもらえる場合もあるので、給油ごとにチェックする習慣をつけるのがいいでしょう。とはいえ、最近は無料で空気圧のチェックを実施してくれるガソリンスタンドは減りましたし、クッソ暑い中、慣れない作業をするのも厄介なもの。
そこで紹介したいのが、誰でも簡単、かつ正確に空気圧のチェックと調整ができるコンプレッサーです。
以前、クルマのタイヤの空気圧調整ができるコンプレッサーを紹介しましたが、今回はさらに多機能なDigital Air Compressor「SUGURE 車用空気入れ」を試してみました。同じような価格帯の類似品は価格.comにていくつか取り扱いがあるようです。
以前の記事→実験でわかった! タイヤの空気圧“ちょい高め”で燃費がよくなる
アメリカ製で、取扱説明書は英語ですが、操作はカンタンです
液晶デジタルディスプレイ(LCD)の付いたエアコンプレッサーで、いつでも簡単にタイヤの空気圧のチェックと空気の充填ができます。使い方は、シガーライターソケットから電源を取り、エアーノズルをタイヤ側につないでスイッチを入れるだけ。
「オート・ストップ」機能により、任意で設定した空気圧に達すると自動的にポンプが止まるので、初心者でも入れすぎることがありません。女性でも扱えるでしょう。
最近のクルマは国産舶来を問わず、スペアタイヤを搭載せずにパンク修理剤が積まれることが多いので、タイヤに空気を充填できるアイテムは常備するべきですね。ちなみに、今でもセダン系のクルマにはパンク修理剤ではなく、スペアタイヤが搭載されている場合が多い傾向に。セダンは、ユーザー層の平均年齢が高いからでしょう。
本体のサイズは、20×18×7.5cm。車内のトランクなどに携帯しやすいサイズと形状です
電源コードの長さは約3m。一般的な乗用車なら四輪すべてに届きます。これをシガーライターソケットにつなぎ、タイヤのキャップを外してノズルを挿し込みます。現在の空気圧が表示されるので、規定値より低い(ときには高い)場合は規定値を入力し電源オン! 空気が送られて入力した値になると本機は自動的にストップします。
エンジンがかかっているクルマのシガーライターソケットに差し込むと、「0」が表示されます。単位は、BAR、PSI、KPA、kgf/cm2の、4種類から選択可能です
空気圧の規定値は、日本で普通に売られているクルマなら、運転席側のドアを開けるとすぐにわかる位置に表記されており、私の愛車は前輪:2.3kgf/cm2、後輪:2.2kgf/cm2でした。国産車の実用車なら、どれもおおむねこれに近い数字です。
どの車にもこのような表記が必ずあります
後輪に空気を入れます。自動車のタイヤには標準仕様のままエアーノズルをタイヤ側につなぐことができます。抜く際の一瞬は空気も抜けるため、できるだけ素早く抜くようにしましょう
愛車Aで計測すると、2.2kgf/cm2となり、ほぼメーカー規定値です
さらに、高輝度LEDライトが備わっているので、夜間でも作業OK。
また、3種類のノズルが付いているので、クルマのタイヤ以外にも、自転車やバイク、風船、ボール、子供用のプールや浮き輪など、さまざまなものに空気を入れることができます。
LEDライトもスイッチを入れるだけで点灯。夜間に車内で探し物をする際など、空気を充填するとき以外でも役立ちます
本体のデザインやコード類の格納性が秀逸なのも注目ポイントですね。実際に試すと、確かに空気の充填はきわめて簡単、かつ確実に行えました。半年ほど放置してしまい、空気圧が極端に減ってしまったタイヤにも短時間で規定値まで充填できたので、パワー的にも不満はありません。騒音も、屋外で使う分には特に問題ないレベルです。一般的なエアコンプレッサーと違い、数値がデジタル表示されるので、小数点まで見やすいのが気に入りました。
半年ほど放置して、空気圧が下がってしまった愛車Bのタイヤに空気の充填テストを行いました
エアーノズルをつなぐと、かなり低めの数値が表示。もちろん、走行NGな数値です
ものの1分少々で規定値まで充填できました。念のため、一度抜いたら再度エアーノズルをつないで正常な空気圧が保たれているか確認しましょう
ペシャンコに近い状態まで空気が減っていたタイヤも、このとおり
今回は充填テストとして紹介しましたが、「長期間空気が減った状態で放置したタイヤは使えなくなるもの」と認識してください。タイヤが接地していた部分に平らな形がついてしまい、真円度が著しく下がってしまうからです。
本体の裏にはエアーノズルとコードを格納しやすい工夫が施されています。おかげで、トランク内などに常備してもじゃまになりにくいです
ガソリンスタンドやカー用品店などで、借りて使用できる空気入れはアナログなので、小数点単位にぴったり合わせるのはなかなか難しいものですが、これはスイッチを押すだけで自動で調整してくれるので簡単。作業の手間がかからず、携帯性も文句なし! 一家に一台、というより一車に一台備え付けておくことをオススメします!
自動車以外にも使えるアタッチメントが付属します。自転車用米式(左)、ボートや浮き輪用(中央)、バスケットボール用(右)