日夜、優れた調理器具を求める筆者。これまでにも周囲で評判のいい鍋やフライパンなどをいろいろと試してきましたが、未踏の商品があることを思い出しました。
セラミックメーカーの京セラが2011年に発売し、2016年2月現在で累計出荷数150万枚を突破したというヒット商品「セラブリッド」シリーズ。現在はフライパンのほかに調理鍋や、ガス火専用、IH専用、計量タイプなど複数のラインアップが展開されています。
名前に「IH」と入っていますが、IHを含むあらゆる熱源に対応しています。一番の特徴は、アルミ基材に硬質のセラミックス加工が施されていること。これにより、傷がつきにくく、高い熱伝導率と遠赤外線の効果で省エネ性も実現しています。クチコミなどでも評価が高く、筆者もずっと気になってはいたものの、使いこなしに少々コツが必要という声も聞き、なんとなく今まで試していませんでした。しかし、別の商品でセラミックプレートを使用してみた際に、とにかくお肉や野菜がとてもおいしく焼けるということに気付き、再びこちらの商品への注目度が高まり、このたび試してみることにしました。
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本体はアルミニウム合金。調理面にセラミック塗膜加工が施されており、表面はツルっとしています |
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耐熱塗装が施された裏面 |
そこで試しに購入してみたのが、26cmの軽量タイプのフライパン。重量は855g、持ち手の長さは約20cm。最初は重そうに見えましたが、女性の手にも片手で十分扱える大きさと重さだと思います。人体や環境に影響を及ぼす化学物質はいっさい使用していないとのことで安心ですね。
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持ち手はしっかりしています。長さは20cmほどあるので、コンロの上に乗せると手前に結構出っ張ってしまいますが、重心バランスを考えるとこれぐらいが最適 |
注意点としては、必ず中火以下で使用すること。熱のまわりがよいため、火が強すぎると焦げ付く原因となり、火加減には十分注意が必要なようです。中火の目安としては、炎の先がフライパンの底に触れるか触れない程度の火力とのこと。IHの場合は100w以下と記載されています。また、調理の際は必ず少量の油を使用し、キッチンペーパーなどで満遍なく広げるようにも書いてあります。これがセラミックフライパンをうまく使うためのコツのようですね。
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必ず油を引いてから使用するのが絶対条件。テフロン加工のフライパンに慣れた人には要注意です |
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強火は厳禁。これくらいの火の強さでも熱伝導率のよさと遠赤外線効果で食材をしっかり加熱できるとのこと |
セラブリッドのフライパンは特にお肉のグリルが得意。そこでさっそく、ステーキと付け合わせの野菜を焼いてみました。
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強火が厳禁なので、フライパンが温まるまでは辛抱強く待つ必要があります。しかし、いったん温まると弱い火加減でも安定した火力を維持し、遠赤の効果とあいまってジワジワと肉や野菜に火が通っていくのがわかります。ジンワリと焼いていくので、少々放置しておいてもすぐに焦げないのも利点。お肉の表面はカリッと、内側はジューシーに、野菜はシャキシャキとした食感を保ったままおいしく焼くことができました。
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使用後は油や汚れを軽くキッチンペーパーで拭き取った後、水洗いするだけとお手入れもカンタン。汚れはスルッと落とすことができ、表面が白いのですぐに変色してしまうかと懸念していましたが、白さは保ったままです。
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卵焼き用のフライパンも試してみました。13×18cm、485グラムなので少量のお料理用にも |
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フライパンの表面に熱が均一に伝わっているため、ムラなく溶き卵を固めることができ、表面はカリッとしていながらも中はふっくらと仕上がりました |
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以前、セラミックのホットプレートで試してみたお好み焼きがとてもおいしかったのでセラブリッドでも焼いてみました |
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生地の表面や豚肉はカリっと、キャベツはシャキシャキとしていて中はふっくらとした絶品のお好み焼きができました! |
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焼き餃子は遠赤で焼くのでフタをして蒸し焼きにしなくても、皮はパリッと中はジューシーに焼くことができます |
長期間使用していくと焦げ付いてしまう場合もあるようですが、メラミンスポンジなどで汚れをしっかり落としておくのが長持ちさせる秘訣のよう。また、焦げ付き始めた場合にも油をたっぷり注いで弱火で熱することである程度復活させることができるとのことなので、お手入れを怠らなければ長く使えそうですね。とにかく食材がおいしく焼けるのにびっくりしたので、大切に使っていこうと思います。