価格.comマガジンをご覧のみなさま、はじめまして。
ライターのニシキドアヤト(@art_0214)と申します。
今回、縁あってこちらのメディアに寄稿させていただくことになりました。よろしくお願いします。
いきなりで恐縮の極みなんですが、さっそく質問させてください。
みなさんは「ツイスター」というゲームをご存じですか?
僕が今、愛猫のようにやさしく抱えているのがそうです。
ツイスターは、1965年にアメリカで生まれたパーティーゲーム。ルーレットで指定された位置に手足を置いていき、誰が最後まで倒れずにいられるかを競います
僕自身、ツイスターの存在はバラエティー番組や、紳士向けビデオによって知ってはいたのですが、プレイしたことはありませんでした。
ツイスターって、「何か知ってるけどプレイしたことないゲームランキング」があれば堂々の1位を取れそうですよね。
そんなある日、Amazonでネットサーフィン中にツイスターが表示されていたので、衝動的に購入。
せっかくなので、僕が東京での拠点にしているシェアハウスの住人と対戦することにしました。
今回対決する、シェアハウス管理人のぼりさん。(@borilog)
ぼりさんを誘った理由としては、平日の真昼間から僕と同じく暇そうだったのと、何か余裕で勝てそうだったからです。
僕も男です。勝負するからには、絶対に勝ちたいですからね。
アヤト「自信はありますか?」
ぼり「ないなぁ…。体を腕とか足一本で支えるような体勢になったらキツそう」
僕もぼりさんも、ツイスターを実際にプレイするのは初めてだったので、ルールを確認します。
こちらがマット。
よく見るやつだ!
これはゲームで使用するルーレット(スピナー)。
審判が毎回ルーレットを回して「左手を黄色に置いてください」というように指示し、プレイヤーは同時に指示どおり手足を動かす、という感じ。
図にするまでもないほどに簡単〜!
ただ、最近になってエキサイティングな新ルールが追加されたとのこと。
スピナーズチョイスの王様ゲームみたいな地獄感すごい。
さて、ルールも理解したところでいよいよゲームスタートです。
ちなみに、審判はたまたまシェアハウスに遊びに来ていた、ミニマリストしぶ(@SIBU__)にお願いしています。
何かめちゃくちゃ目つきが悪いですが、公平なジャッジを期待しましょう。
しぶ「じゃあ、スタンバってください」
スッ…
今ここに…
いい年した暇人たちの、熱い戦いの火蓋が切られました。
※ここからしばらく、細かいルールを説明しながらのバトルが始まります。「大まかなルールはわかったし、醜い野郎どものツイスターなんて百害あって一利なし」という方は、飛ばし読みしてください。
しぶ「ではいきます!」
そう言ってルーレットを回すしぶ。
ピタッ
「出ました。右足を黄色に置いてください」
アヤト「何か怪しい占い師みたいだな」
スッ…
指示どおり右足を黄色へ。
このとき、相手とかぶらなければ指定された色のどこのマスへ置いてもOKです。
置く場所を考えないと、ドンドン難しい体勢になって自分を苦しめるだけでなく、相手をじゃまするいろんな戦法も採れなくなります。
「次、左足を赤へ」
スッ…
「次、右足を黄色へ」
ここで僕が仕掛けます。
グンッ
ぼり「ちけぇ〜…」
相手に密着してプレッシャー&精神的ダメージを与える作戦を実行。
しかし実際には、密着するときにぼりさんの肘鉄が思いっきり僕の脇腹に突き刺さったので、肉体的ダメージは圧倒的に僕のほうが大きかったです。
しぶ「次、左手を緑色です」
グンッ!
アヤト「あ! 急にキツくなった…! これはヤバイ…! ぼりさんは楽そうですね」
ぼり「いや…、この体勢、腹がパンクしそう…」
アヤト「やせろ」
しぶ「次いきますよ! お、左足をエアー(浮かせる)です」
「ヤバい! この体勢はヤバいって!!」
僕は全体重を左手と右足だけで支えている状態。
ぼりさんは体勢こそ楽そうですが、巨大なおなかがじゃましてかなりキツそうです。
「死ぬ」
「フ、フシューッ! フシューッ!!」
しぶ「2人ともめちゃくちゃおもしろい顔してる」
アヤト「ごめん、ライターとしてこんなこと言うのもアレなんだけど、写真とかどうでもいいから早く次いってくれる?」
しぶ「よし、じゃあ回すね」
しぶ「あ! スピナーズチョイス(王様ゲームみたいなやつ)だ!!」
最悪なタイミングのスピナーズチョイス…!
この目が出たら、審判のしぶの命令を聞かなければなりません。
緩いのにしてくれ〜! 頼む〜!!!
「じゃあ、ジャンプして」
???
「ジャンプですよ。早く」
頭おかしいのかこいつ。
しかし、指示は指示、従わねばなりません。
知ってた〜〜〜!!! こうなるって、僕知ってた〜〜〜〜〜!!!!
というわけで、戦いを制したのはぼりさんでした。
絶対に負けたくなくて、この人を選んだのに…。
くやしい〜〜〜!!!
そして、その後も何度かツイスターをやってみたんですが、全然勝てませんでした。なんで?
で、やってるうちにツイスターで必要な能力がいくつかわかってきたので、まとめてみました。
こんな感じでしょうか。
特に、体の柔らかさに関して僕は…
冗談抜きでここまでしか前屈できません。
麺でいうと「粉落とし」レベルの体の硬さです。
ちなみに、ぼりさんの体が想像以上に柔らかくて笑いました。
その体でその柔らかさは、もうバグじゃん。バグ
ただ、ぼりさんは可動域やバランス感覚があまりなく、やはりツイスター向きではなさそうです。
これ、実際にツイスターで遊んだことのある方にはわかると思うんですが、体が硬く、バランス感覚がないと結構あっという間にゲームが終わってしまうんですよね。
個人的には、もっと白熱したバトルが見てみたい!
それこそ、さっきの条件すべてが当てはまる人同士で対決してもらいたい…!
そう、つまり…
こういうことです。
前置きが死ぬほど長くなってしまって本当にすみません。
ただ、ツイスターのだいたいの感じはこれでわかってもらえたと思います。
そして本題、「ツイスターに必要な能力をすべて兼ね備えた人同士で勝負したらどうなっちゃうの?」という超個人的な疑問を解決すべく、この企画にピッタリなお二人に集まっていただきました。
お一人目がこの方、骨先生(R)(@info_honesensei)として全国で「骨を意識するだけで痩せるセミナー」を開催している柴田郁恵(しばた いくえ)さん。
過去に都内の大手フィットネスクラブや、カルチャースクールを中心にバレエ・ピラティス・ヨガなどを10年間で約8万人以上に指導し実績多数。
要するに、めちゃくちゃすごい人です。
そしてお二人目がこの方、プロダンサーも受講する「誰でもカンタンに身体が柔らかくなる 魔法のストレッチ講座」の主宰、黒田美帆(くろだ みほ)さん。(@96miho)
著書に「カリスマ早大生が教える やばい! 速読現代文」(ゴマブックス)や、「仕事ができる人の伝える力伝わる力」(英和出版)など。最近では雑誌で人気アイドルに指導し話題になるなど、多岐にわたって活躍中。
そうです。要するにめちゃくちゃすごい人です。
今回このお二人にツイスターで対決してもらいます。
自分で呼んどいてなんなんですが、こんなすごいお二人がこんなわけのわからん企画に来ちゃダメでしょ。
お二人とも「その柔軟な体を使って、ツイスターをプレイしてほしい」という旨のお願いに対して、すごい快く「大丈夫です!!」と返事をくれました。
ホントに? ホントに大丈夫なの?
ちなみに、ツイスターの撮影場所を探していた際に、阿佐ヶ谷にある「ひみつきち&Bar - PATERS」さんにダメもとでお願いしたところ、「いいですよ〜」と快く貸し切りにしてくれました。いいのかよ。
アヤト「お二人とも、今日はお忙しいところ本当にありがとうございます」
柴田さん「いえいえ! こちらこそよろしくお願いします!」
黒田さん「お役に立てるかはわかりませんが、頑張ります!」
というわけで、まずは名刺交換からスタート。
そして各自、試合前に体を温めてもらいます。
あー! そのポーズ知ってる! よくヨガの広告とかで見かけるやつだ!!
そのポーズは知らないし怖い。
すごい笑顔ですごいポーズとる黒田さん。すごい。
いや、準備運動だけでわかりましたが、お二人とも本当にすごい。
この勝負、白熱しそうです。
準備運動も済ませたところで、ツイスターのルールも説明します。
そして今回は特別ルールとして、毎ターン2回ルーレットを回し1回目に出た指示を柴田さん、2回目に出た指示を黒田さんに実行してもらいます。
理由として、こっちのルールのほうが難易度が上がり、お二人の能力をいかんなく発揮できると思ったからです。
このようにローカルルール的にアレンジできるのもこういったゲームの醍醐味ですよね。
審判は僕が務めます。
アヤト「お二人とも、自信のほどはいかがですか?」
柴田さん「ツイスターは初めてなので何ともですね…! 緊張します!」
黒田さん「私も初めてなので…、この柔らかい体を有効活用できればいいですね」
ついに運命の一戦が…
始まります…!!!
ついに始まった決闘ですが、序盤はダイジェストでお送りします。
序盤は順調な滑り出し。
黒田さんは右足を青と指示され、遠いマスに足を置き、可動域を確保します。
初めてながらも戦略的に攻めていますね。
一方、柴田さんは必要最小限の動きで済むよう、どれも近い位置に配置しています。
人によって戦略が違って、見ていておもしろいです。
そして、ゲームは進み…
だいぶツイスターっぽくなってきました。
すごい状況…。
しかし、ここでルーレットは無慈悲な位置を指します。
アヤト「黒田さん…、あ! 左手を緑です…!」
黒田さん「えーーー!!」
そう黒田さんはこの現在赤に置いている左手を、緑のどこかに置かないといけないのです。
これはさすがに無理だろうし、勝負ありましたね。
スッ…
いや、普通にいけんのかい。
体どうなってるの???
これがいけるならもう全部いけるんじゃない?
決着つかないんじゃない?
想像を超える2人の超人的な身体能力により、さまざまな不安を抱えながらも、ゲームは続きます。
そして最終的に…。
???
どうなってるの???
黒田さんの左足が天高くそびえ立つ黒い巨塔のようになっているのは、新ルールのエアー(指示されたパーツを空中にする)によるものです。
いや、もう本当にすごい以外の言葉が出てきません。
すごい人同士のツイスターは、見る者の語彙力さえ奪い去ってしまうのです。
アヤト「柴田さんは左手を黄色に、黒田さんは右足を黄色です」
僕自身、(これ、一生続くんじゃないの?)とさえ思いながら、ルーレットを回します。
しかし、ついに…!
あーー!! ついに倒れたーーー!!!
倒れました! しかも同時に!!
黒田さんは軸足にしていた右足を滑らし、柴田さんもバランスを崩し、地面に盛大に頭突きしていました。
と、いうことは…!
今回の対決は引き分けです!!
まさか同時にアウトになるとは…!!
しかし、見ているこっちがハラハラするような、手に汗握るすばらしい勝負でした…!
長い戦いを終えた柴田さんと黒田さん。その笑顔が、今回の対決の楽しさを教えてくれる
アヤト「戦いを終えて、お二人ともいかがでしたか」
柴田さん「すっごく楽しかったです!」
黒田さん「最初、メールで企画の話をいただいたときは、全然ピンとこなかったんですけど、こうやって実際にゲームをするのは本当に久しぶりで楽しめました!」
柴田さん「私も、何かよくわからなかったんですけど、知り合いから紹介してもらったのでとりあえず受けてみようかなって感じでした」
アヤト「何か、すみません」
「今回、お二人にはツイスターで遊んでもらったわけなんですが、実際にプレイしてみて、何か攻略法とか必勝法とか浮かんだりしましたか?」
「初めてのプレイだったので、何ともいえないんですけど、やっぱり相手の動きを予測して、妨害できるような行動を取ることができれば有利だな、とは思いましたね」
「あとは、体の柔らかさというのはもちろんなんですが、キツい体勢になってもそれを維持できる筋力も相当必要だな......と思いました」
アヤト「なるほど…!確かに、ツイスターで一番つらいのって、審判が次の指令を下すまで、キッツいポーズのまま待機してるときですもんね」
柴田さん「あとは咄嗟(とっさ)の判断力! 指示されたらすぐにパーツを動かさないといけないから、あらかじめある程度の予測を立てておいて、変な場所を指定されても動揺しないようにしておくことが大切ですね」
今日始めたばかりなのに、ツイスターマスターかな? と錯覚してしまうほど、スラスラ攻略法を教えてくれるお二人。
アヤト「なるほど…、お二人とも、今の体の柔らかさやバランス感覚の主軸となるものって、バレエだとお聞きしたんですが、ツイスターでもその恩恵はありましたか? どのように鍛えたらツイスターで有利そうですか?」
黒田さん「ありますね! ツイスターだと、プリエを習得するといいと思います」
アヤト「プリエ?」
「プリエっていうのはこんな感じで下半身を広げたまま腰を落とす、バレエで絶対最初にやるポーズなんですけど、これが下半身の筋肉を使って、さらに股関節も柔らかくなるんですよ。ツイスターに必要なバランス感覚や下半身を効率よく鍛えられるのでおすすめです」
柴田さん「確かに…!」
黒田さん「私がやっている教室でも、このプリエを一般向けに応用したものを教えたりしています」
アヤト「僕も黒田さんや柴田さんの教室に通って、ツイスターマスターを目指したいと思います。今日は本当にありがとうございました!」
さて、いかがだったでしょうか?
同じツイスターでも、プレイする人によってはこんなに見応えのあるゲームに変化するんですね。
知名度はかなりありそうなツイスターですが、実際にプレイしたことのある方はかなり少ないんじゃないでしょうか。
お値段も1,600円前後とかなりお安いので、ぜひこの機会に一度プレイされてみてはいかがでしょうか。今回お二人が教えてくれたコツを意識しながらプレイすれば、よりハイレベルな展開になって盛り上がること間違いなしですよ。
ちなみに、普段運動をまったくしていない体で何度もツイスターで遊んでいると、翌日に殺される勢いでバキバキのバキな筋肉痛になるので気をつけてください。
僕は1日動けませんでした。ありがとうございました。
それでは今回はこのへんで。
ニシキドアヤト(@art_0214)でした。
撮影:ミニマリストしぶ
取材協力:ひみつきち&Bar PATERS
:柴田郁恵さん HP「骨先生公式ホームページ」
:黒田美帆さん HP「〜138cmの世界〜」
フリーWebライター。お風呂に入ると手がシワシワになる不思議な現象に対して、「不思議だなぁ」と思っている。 Twitter:@art_0214