日本に住んでいてよかったなーと思うこと。それは、おもちゃにも惜しみなく最新技術を投入すること。今回もそんな最新技術に感嘆しながら愛すべきヒーローをめでていきたいと思います。お待たせしました、お父さん。皆さんの好きだったヒーロー、仮面ライダーの最新フィギュアをご紹介いたします。もちろん仮面ライダーといえば初代です。そして今回はなんと、変身前のあの人も登場いたしますよ!
バンダイの最新仮面ライダーフィギュア2体の紹介です
今回ご紹介するのは、バンダイ、S.H.フィギュアーツシリーズから「本郷猛」と「(真骨彫製法)仮面ライダー新1号」です。そうです、昭和のヒーロー、初代仮面ライダーです。まさかこの時代にこのヒーローの最新フィギュアを手にすることができるとは! さすが日本ですな。しかも今回の目玉はライダー新1号に使われている「真骨彫製法」という最新技術です。後ほどじっくり紹介しますが、まずはこの人、本郷猛から見ていきましょう。
仮面ライダー1号といえばこの男。藤岡弘(現「藤岡弘、」)さん演じる本郷猛です。今回デジタル彩色を採用したフィギュアとして、平成も終わろうかという時代に発売されました。全長は約14.5cm。当時のまんまの渋いいでたちを再現しています。内容物は本体と交換手首左3種右4種、そしてエフェクトシートのみというシンプルさ。最近のS.H.シリーズにならってパッケージも非常にコンパクトになっています。
本郷猛フィギュアです。このいかつい表情! そしてこの衣装! 昭和です
最初に手に取ったときは、「あれ本郷猛ってこんな感じだっけ?」と思うのですが、これが徐々になじんでいくというか思い出していくのですよ。平成ライダーにはない、何というか男らしさというか男臭さというか…。昭和感あふれるテイストで、当時の雰囲気がよみがえってきます。そしてこの黒い衣装。これも今のライダーにはない、刑事ドラマというか、ちょっとダサい感のある感じとか。でも当時はなかなかカッコよく渋かった印象がありますね。そんな雰囲気を完全再現しています。
表情は1種類。髪の毛の感じや、目、唇の彩色がていねいに作られています
S.H.Figuartsシリーズが得意とするデジタル彩色により、本物と見まごうリアリティ。当時のさまざまな資料をもとに立体造形を作り、そこに肌の陰影や皮膚感までを表現した彩色データを作成し、ミクロレベルで彩色しています。まるで当時のテレビから飛び出してきたような迫力が魅力。
そしてショッカーを前にして見得(みえ)を切るこのポーズ。ここから!
ライダー変身!
この変身ポーズもバシっと決まります
そして変身ベルト発光のエフェクトシート付き!
変身完了! どうでしょう? このスタイル、ライダー新1号の決定版ともいえるスタイルだと思いますよ
続いて、ライダー新1号です。これ、実にカッコいいんですよ。今までもライダーのフィギュアは数多くありまして、以前いいモノ調査隊でも「新ライダー2号」を紹介させていただいているのですが、はっきりいってクオリティは雲泥の差があるといっても過言ではないと思います。筆者も久しぶりにフィギュアを手に取って、これはすごいなと感じました。そんなライダー新1号をご紹介します。
今回の仮面ライダーは新1号の造形を忠実に再現しています。はて“新”とは一体なんでしょうか? もちろん仮面ライダー1号であることには変わりないのですが、この新1号が登場するのはTV版の第53話からです。藤岡弘の負傷により、放映時に1号から2号にライダーが変わった時期があり、そしてまた1号が「新1号」として復帰したという経緯があるんです。それまでの1号を旧とするならこの新1号では、マスクの色がより鮮やかな緑になり、手袋、靴がシルバーに変更されたり、ベルトが赤になり、体に2本の白い線が入るなどのマイナーチェンジがされています。
ではこのフィギュアの「真骨彫製法」について説明いたします。その名のとおり、人体を骨から設計しています。少し夢のない話で恐縮ですが、実際のライダー1号のスーツの下には人間のアクターが入っており、そのアクターがスーツを着て画面上で演技、戦っているわけです。それを踏まえてこのフィギュアでは、当時の昭和のライダー(アクター)の全身骨格をベースに、肉付けをし、そのうえでスーツを造形し、重ねていくという製作スタイルになっています。これにより自然な人体の造形感が生まれているというわけです。
公式サイトより。まさに骨から作られています
以前ご紹介させていただいた、「S.Hフィギュアーツ ウルトラマン」もそうだったのですが、造形としてのヒーローではなく、アクターがスーツを着ている=よりTVで見たイメージに近い。というスタイルのフィギュアがとても好きです。人体のスタイルを無視すれば、カッコいいフィギュアを作るのは造作もないことだと思いますが、こういった自分の目で見てきたスタイルのフィギュアを見ることで、当時の思い出や印象もよみがえり、ただフィギュアで遊ぶ、飾るだけではないノスタルジックな楽しみ方も増えるという印象を持ちました。シリーズは続々と続き、平成ライダーや昭和ライダーもリリースされるということで楽しみです。
ライダー新1号の同梱(どうこん)物は、交換手首が左右各4種、交換用のマフラーが1つと、予備のアンテナが付いています。全長は約14.5cm。先述したとおり骨格ベースのフィギュアということで、スタイルもがっしりとしており、特に上半身のたくましさや、太ももからすねにかけてのしっかりとした造形が従来のライダーフィギュアにはなかった印象を受けます。
マスクの彩色も鮮やか。ややメタリック感のある色合いがとてもきれいです
そしてスーツならではといっては変ですが、おなかのジッパーもしっかり再現されています
最新のフィギュアなので、可動は申し分なし。手脚ともによく動きます。ただ腕を胸の前に持ってくると、胸の装甲部分にちょっと当たってしまい、胸の前で完全に腕をクロスさせることは難しかったです。この装甲部分は外すことができました。あとはいじっているとマフラーがよく取れます。腕部分のシルバーの部分などの彩色もきれいです。
以前紹介した新ライダー2号(右)と。一目瞭然のスタイル差ですよね。今回のライダー新1号のたくましさと、脚のむっちり感が人体って感じがします
可動範囲も広く、今風のポージングも可能。そしてここから!
ライダーキック! ももちろん再現可能
同シリーズで発売されていた、サイクロン号にも乗れました
写真のサイクロン号は旧2号ライダー仕様のサイクロン号です。新1号のサイクロンはTV版第68話より新1号仕様の新サイクロン号に乗り換えています。
本郷猛さんも乗れました
さらに頭をすげ替えると、本郷猛ライダーにもなりますよ
マニアックなこだわりの部分として、ライダーと本郷猛の変身ベルトの違いにも注目です。当時はライダー側の変身ベルトに複数のベルトが存在していました。その中の1つを採用しているのですが、実は本郷猛のしているベルトとは微妙に異なっているのです。これTV版あるあるですよね。さっきとベルトが違う! みたいな。当時からそんなツッコミをしていたコアなファンにもおすすめなポイントです。
男の子のお子さんがいる家庭なら、日曜の朝は今でも仮面ライダーを一緒に見ているお父さんも多いのではないでしょうか? 今でもヒーローとして活躍しているライダーがいるって何かうれしいですよね。今回のフィギュアは最新の平成ライダーにはない、昭和のライダーのカッコよさを再現できるフィギュアであり、当時の思い出をよみがえらせてくれるスタイルがすばらしかったです。ぜひここは本郷猛と2体そろえて飾っておきたいですね。ただ2体そろえるとちょっとお財布には厳しい値段になってしまうのは悲しいところです…。
2体そろえてこそのカッコよさもありますよね
爆発のエフェクトパーツ が似合う!
初代ライダー1号のよさを再認識できるフィギュアです