最近は街中で公衆電話をめっきり見かけなくなったように感じます。皆スマホを持っているので当然かもしれませんが、公衆電話が全盛期だった時代を生きてきた筆者にとっては少しさみしい気も…。今の公衆電話といえば緑色のイメージが強いですが、筆者の記憶に残っているのはこの「赤電話」。
見たことありますか?
この赤電話、正式には「委託公衆電話」といいます。NTTの前身である日本電信電話公社などの電気通信事業者が、公共施設や商店などに設置していました。最初、公衆電話は黒だったのですが、デザインが目立ち、退色の少ない色相3.5YR、明度2、彩度3という赤色を採用して、東京駅に設置されたそうです。色が赤いことから赤電話と呼ばれていました。
こんな感じでたばこ屋の店先に置かれていました
1953年に設置されてから、公式には1982年まで使用されていました。10円で市内に通話できた時代です。その後、公衆電話はテレホンカード式の緑の電話に変わっていくのですが、この赤電話こそが昭和の公衆電話の一般的なイメージでした。受話器の重みとダイヤルを回すのが楽しかった記憶があります。
前置きが長くなりましたが、そんな懐かしの赤電話をこのたび手に入れました!
この武骨なデザイン…懐かしい!
うわー、これこれ…あれ?
なんだか小さいような…。
すみません。実はこれ、本物ではなく貯金箱なんです。でも観賞用としてもすごくよくできているので、ご紹介させてください。
改めて、こちらのアイテムは「電話銀行」。昭和の赤電話を忠実に再現した貯金箱となっています。10円を入れる口にお金を投じて貯金するというスタイルですね。サイズはH170×W100×D110mmと手のひらに載せるにはちょっと大きいサイズ。ABS素材なので本体は軽いですよ。
この厚みも昔の電話さながら。横の金のラインも忠実です
そしてギミックですが、本物さながら、先ほどの写真のように受話器を外して手に持つことができます。ダイヤルも回すことができますが、大人の指だとちょっと穴が小さくて回しづらいかもしれません。
ダイヤル回しはおまけ程度ですね。でもこの感覚も懐かしいです
お金をためるには、本物同様、硬貨投入口に硬貨を入れます。本物は10円硬貨だけでしたが、もちろんこの商品は50円、100円、500円硬貨も入れることができますよ。ある程度ためると、硬貨返却口からあふれてきます。本体底面のフタを開ければ中の硬貨をごっそりと取り出すことができる仕組み。
返却口からは、中が満タンになると硬貨が出てきちゃいます
試してみたところ、10円硬貨の大きさなら100枚は余裕で入りそうです。500円硬貨もいけるので、満タンになったらかなりの金額がたまりそうですね。
底面の丸いフタが硬貨取り出し口です。そして隣には単3形乾電池2本!?
なぜ乾電池が? と思ったみなさん。この「電話銀行」最大の特徴は、硬貨を投入するたびにメロディーが流れることなんです! なんと昭和の名曲10曲がランダムで流れるんですよ。本体底面に単3形乾電池2本を入れて、スイッチをオンにすることによって、硬貨を投入するたびにダイヤル発信音に続き、曲がランダムに再生されます。これがなんというかまた昭和のチープな感じがしてたまりません。では実際に聞いていただきましょう。2曲を動画で用意しました。
何の曲がおわかりになりました? この音源もまた昭和っぽいですね
では収録曲のご紹介です。曲名、歌手、発売年でまとめました。
昭和の名曲といっておきながら平成の曲が2曲入っているのもご愛きょうですが、「ALWAYS 三丁目の夕日」は映画本編でこの赤電話も登場しておりますし、ノスタルジックという点では相性がいいですよね。
そして動画を見ていただいた方にはおわかりかと思いますが、この音質! これまた昭和時代のポータブルキーボードっぽいFM音源的なところが、なんともいえません。FM音源を使ったカラオケの曲みたいで、チープ感と妙な安心感がありますよね。選曲もアラフィフ世代より、もうちょっと上の世代の方に受けそうです。
ちなみに再生曲は本当にランダムで、11回再生したのですが、1回も流れない曲もありましたよ。ここらへんのおもしろさも、退屈しないでいいかもしれません。
この音楽再生のギミックが楽しくてついつい硬貨を投入したくなる感がありますし、またサイズも手頃なので、オブジェとしても飾って楽しめます。懐かしの赤電話にもう一度会いたい方、レトロな雰囲気がお好きな方にはおすすめです。
サイズの手頃感もいいですよ
やはり赤電話といえば、たばこ屋の店先と猫ということで、こんな飾り方もありかと