いつもガンプラをご紹介している筆者ですが、今回はちょっと違ったプラモデルをご覧に入れましょう。「エレキット」という電子工作キットブランドから、「スペースロボ7」です。小学生向けの知育プラモデルながら、7段階に変形し、さらにソーラーパワーで可動もするという、お父さんも楽しめること間違いナシなキットなんです。
「スペースロボ7」は、(株)イーケイジャパンから発売されている「エレキット」という電子工作キットのブランドから販売されています。エレキットには、ロボット工作、プログラミング学習、真空管アンプ、ロボカップジュニア競技対応ロボットなど、さまざまな電子工作ができるキットがラインアップされているのですが、その中の「ソーラー工作」シリーズに含まれるのが「スペースロボ7」です。
シリーズにはほかにも動物や昆虫の姿を模したキットなど多々ありますが、7つの形態に変形できる唯一のロボットタイプ「スペースロボ7」を選択しました。小学生だけでなくギミック好きな大人もこのスタイルには引かれますよね。
内容物はこれだけ! 手軽に組み立てられるので子供でも大丈夫
ガンプラのHGサイズよりも小ぶりなパッケージを開封すると、プラモデルのランナーは2枚。そこにソーラーバッテリーやミニ充電池、ギアパーツやタイヤ部分のスポンジパーツなど、ちょっとわくわくするようなパーツが含まれています。さらにていねいな日本語マニュアルとシールが付いています。このマニュアルがとても見やすくわかりやすい構成になっていて、小学生くらいの子供でも十分理解して読み解ける内容になっていました。これ重要ですよね。
ガンプラよりもていねいに解説されていると感じた日本語マニュアルです
さてこのスペースロボ7は「ソーラー工作」シリーズの1つですので、動力はもちろん太陽光を使うのがポイント。とはいえ、ちゃんと夜も遊べるようになっています。
ソーラーバッテリーと単4形乾電池を使ったバッテリー充電ができるパーツが付属
可動パーツはギアと車軸を組み込んでいくだけ。ミニ四駆みたいですね
電気の供給方法には2種類あります。
・太陽電池
太陽光で発電させる専用のパーツに光が当たっているときだけ動きます。
・充電池
付属のミニ充電池に電気をためて電気を供給し動きます。
さらにミニ充電池の充電方法にも2通りあり、太陽光のみで充電する方法と、別売りの乾電池を付属の電池ボックスに収納し、そこから充電する方法があります。乾電池充電なら、曇りの日や屋内でも充電させ動かすことができるのでいつでも楽しめます。
エレキットの他製品では、太陽光で動かす以外にも圧縮空気で動かすキットや、塩水やセンサーで動くキットなど多数のキットが販売されており、子供が1人で組み立てながら、初めてモノの仕組みと可動の原理を学べるという知育系のキットとして人気を集めています。価格が手頃なところもいいですね。
さて実際に組み立てていきます。本製品の対象年齢は10歳以上で、想定組み立て時間は1時間30分。これをいいおっさんが組み立てたところ、約40分で完成。マニュアルだと7つの形態を1回ずつ完成させていく組み方になっておりますが、今回は撮影を考えて変形パーツをすべてバラした状態にしました。このパーツがかなり優秀で、「ロボット形態のときは腕になるけど、乗り物形態のときには側面になる」みたいなものがほとんどで、実際に組み替えてみるとすごく考えられて作られていることに驚かされます。一度組み立て終わった後でも、パーツ組み替えの際にまた新しい発見があるため、次々と子供の好奇心をくすぐる仕組みになっているのです。
ということで、すべてのパーツが完成。シールは最後に貼るように説明されています
ではパーツを組み合わせて7つの形態に変形させていきましょう。パーツ構成は、可動させるためのギアボックスが2つ。単4形乾電池2本の電池ボックスを組み込んだパーツが1つ。そして各部分パーツです。ミニ充電池はソーラーバッテリーで充電するか、単4形乾電池2本の電池ボックスで充電させて、可動させるときに本体に組み込むようになっています。
最初はとてもシンプルなスペース探査機です。ギアボックス1つを使ってそこに前輪パーツを組み込むだけ。大きさも手のひらにのる小さなタイプです。
月面探査機っぽい乗り物になりました
大きさはこのくらい。チョロQみたいなサイズ感です
青いミニ充電池をギアボックスの挿し込み口に挿入します
実際に可動させてみましょう。この「スペース探査機」モードの可動には付属のミニ充電池を使用します。これを充電させて、ギアボックスの挿し込み口に挿入します。挿入すると即可動で、スイッチのオン・オフはありません。
ソーラーバッテリーにつないで充電します。約3分で充電完了
電池ボックスで充電すると、約5秒で1回の走行分が充電できます
このようにミニ充電池を組み込んで走らせます。1回の走行は20秒ほど
ソーラーバッテリーでの充電では、晴れた日の太陽光が必要です。曇った日ではうまく充電できませんでした。
第2形態はスペースミニカーです。これもスペース探査機と同じギアボックスを使い、前輪部分を組み替え、そしてソーラーバッテリーを設置して完成です。今回はミニ充電池ではなくソーラーバッテリーメインで可動させるので晴れた日限定になりますね。
ソーラーバッテリーを常備した乗り物にします
ソーラーバッテリーは角度を付けられるので太陽の向きに合わせて設置します
これくらいの太陽光がないと充電できません。突然走り出すのもおもしろいです
続いてスペース探査機+装甲パーツを組み込み、スペースシャトルにしていきます。こちらはミニ充電池のみのパターンとソーラーバッテリー常備の2パターンに組み替え可能。
使うパーツが増えていきます
完成です。カッコよくなりました
こちらはミニ充電池を電池ボックスで充電させて使うパターン
ソーラーバッテリー常備パターンにすることもできます
今まではギアボックスで車輪を回転させる乗り物だったのですが、ここから動きが変わっていきます。これは2つのギアボックスを使い、車軸の小さな回転から、大きなギアを動かす可動。2つのギアボックスを合体させるのですが、きちんとはめ込まないと上手に可動しないので、組み立てる前に実際に可動するかのチェックが必要です。そしてその小さな回転を利用して、脚になる部分を動かす仕組みになっていて、これがなかなか楽しいですよ。
今回は2つのギアボックスを使います
合体させました。上の小さな車輪の回転を下の大きなギアに連動させます
可動させてみました。このように小さな回転から大きな回転へシフトさせます
そして完成したスペースドッグ。4つ脚の形態になりました
うまく脚が動いて前進します。これはなかなか楽しい動きになりました
頭をソーラーバッテリーに変更すると太陽エネルギーで動かせます
次は人型。前脚だった部分が腕になるように上体を起こして、脚パーツを縦型にすることで人型に変形させます。よく考えられており、パーツは簡単に組み替え可能。
スペースドッグのうしろ脚部分のパーツを組み替えて人型の脚パーツにします
まさに宇宙飛行士! 人型に変形しました。これも脚を可動させて前進します
ソーラーバッテリータイプにも変形可能
なかなかいい動きですよね。これは動くと男子大興奮です
さてここからは、すべてのパーツを使って大型の乗り物に変形させていきます。まずは宇宙ステーションです。これもまたよく考えられております。スペースシャトルの装甲パーツだったものがステーションの外周のパーツになっていきますが、これも組み込み方は簡単、そして外れにくくしっかり止まります。この精度は最近のガンプラ並みでなかなか感動しました。
今までは充電専用だった電池ボックスも今回はパーツに組み込まれます
ギアボックスを合体させ、配線もうまく巻き込まずに組み込めるようになっています
外周パーツもしっかりはまり、可動中も外れることはありませんでした
宇宙ステーション完成です。なかなかの迫力になってきました
そして注目の可動ですが、今回はかなり大きな回転を楽しむことができます。今までは車輪可動だったものを、固定させて本体が回転するという新しい動きになります。
そしてこの回転の速さ! 思わず声が出ました
ラストはすべてのパーツを組み込んだ超合体ロボになります。またこれが、「このパーツをここに使うのか!」と思わず感嘆する作り。人型タイプで脚を可動させるのですが、宇宙飛行士とは違った脚の運びでまた新鮮に感じます。今まで変形させて可動を楽しんできた集大成とも呼べる内容ですね。
スペースロボ完成です。かなりゴツゴツした見た目になりました
前から見てもこの迫力。腕、脚部分のボリューム感がいいです
そしてこの動き!どっしりとした重みの可動を楽しめます
作っている間は普通のプラモデルという印象でしたが、実際に組み替えて可動させてみると、いろんな動きが楽しめて、それぞれどんな回転で何を動かしているのかを学びながら楽しむことができました。子供が夢中になるのはもちろん、お父さんもかなりハマりそうです。特に宇宙ステーションの回転の大きさと速さは一番興奮しましたよ。
作ることの楽しみ、ソーラーバッテリーへの興味、回転可動の仕組みと、子供たちの好奇心をくすぐる要素が満載で満足感の高いキットだと思います。ゴールデンウイークに一緒に作ったり、自由研究にしたりと、活用方法はいろいろ。今回のスペースロボ7以外にもエレキットにはたくさんの種類がありますので、ご興味に合わせて選んでみてください。
「月刊PCエンジン」誌で編集ライターデビュー。「64DREAM」誌デスクを経て前職はXbox 広報のゲーム漬け人生。猫とガンプラとaqoursが存在理由のホビー担当。