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あえて“中身を見せる”! 自立型ペンケースの最前線を文具のプロが解説

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自立型ペンケースの最前線を文房具のプロが解説

ペンケースのジャンルのひとつに「立つペンケース」というものがあります。これはその名のとおり、ペンケースが縦に自立してペンスタンドのように使える機構で、ここ10年ほどで広く普及した、割と新しい製品群です。

主なメリットは、中に入っているペンの出し入れがしやすいことと、狭い机でも省スペースで置きやすいこと。特に、いつも使っているペンが素早く見つけられる一覧性は特筆もので、一度これに慣れてしまうともう以前のペンケースには戻れないほどです。今回はそんな自立型の中でも、一覧性の高さにすぐれた最新ペンケースを紹介したいと思います。

落ち着いた雰囲気が魅力の、大人の「立つペンケース」

自立型ペンケースは前述のとおり非常に便利なのですが、ひとつ難点と言うか……。主なユーザー層を中高生など大量にペンを持ち歩く学生世代に設定した製品が多く、大人が使うには見た目に少し落ち着きがないんです。そもそも我々社会人は、学生さんほどペンの本数も必要じゃないし。とはいえ自立型の便利さは享受したいので、落ち着いた見た目で適度な本数を運用できる製品は欲しいわけです。

リヒトラブから発売されたばかりの「XCOA スタンドブックペンケース」は、その点でまさにジャストフィット。シックな雰囲気と使いやすい自立機構を備えた、大人の自立型ペンケースと言えるでしょう。合皮(PUレザー)を外張りしたブック型で、外観としてはペンケースというよりシステム手帳のような風合いです。

落ち着いた雰囲気で使いやすい自立型ペンケース「XCOA スタンドブックペンケース」(リヒトラブ)

落ち着いた雰囲気で使いやすい自立型ペンケース「XCOA スタンドブックペンケース」(リヒトラブ)

リヒトラブ「XCOA スタンドブックペンケース」

ファスナーを開くと、左右両面にそれぞれプレート状の収納が展開。向かって左側がメッシュポケットを備えた小物や定規などの長物が収まるポケット収納プレートで、右側がペン収納プレート+ペンをカバーするクッションフラップという構成になっています。

全体のサイズからすると容量はちょっと少ない気もしますが、実際問題それ以上の容量があっても持て余す人は多そうで、まず必要十分といったところ。

フルオープン状態はこんな感じ。収納はかなり少なめです

フルオープン状態はこんな感じ。収納はかなり少なめです

クッションフラップを開くと、ペン収納プレートにペン6本のペンループが並んでいるのが見て取れます。収納できるペンはこの6本だけと、非常にシンプル。

下部にはペン同士がぶつからないようにクッションループがあり、ここに前軸を挟むことでしっかりと固定が可能。さらに収納時にはクッションフラップを被せることで、左側プレートに入っているツールとの衝突を防いで擦り傷などができにくい仕様です。これなら、金属軸や木軸の高価なペンを入れて持ち歩いても安心というわけ。

ペンとペンの間にはループがクッションとして挟まることで、しっかり固定しつつペン同士の擦れを防ぎます

ペンとペンの間にはループがクッションとして挟まることで、しっかり固定しつつペン同士の擦れを防ぎます

収納時にはペン収納の上からフラップを被せて、ペンをさらにしっかりガードします

収納時にはペン収納の上からフラップを被せて、ペンをさらにしっかりガードします

左側のポケット収納は、下段の2分割メッシュポケットに消しゴムや小さめのテープのり、シャープ芯ケース、交換用リフィルがちょうど収まる感じ。口はゴムベルトなので、多少厚みがあるものでもポケット内で暴れずしっかりと固定できます。

上段ポケットは15センチ定規やハサミなど長いもの(最長で18センチぐらいまで)が入りますが、マチがないため、あれこれと詰め込むのは難しいです。

ポケット収納は、必要最低限のツールを収納しておけるぐらいの容量。無理に詰め込むと厚みが出てファスナーが閉まらなくなるので、ほどほどに

ポケット収納は、必要最低限のツールを収納しておけるぐらいの容量。無理に詰め込むと厚みが出てファスナーが閉まらなくなるので、ほどほどに

メッシュポケットは消しゴムや付箋、USBメモリーなどがちょうど収まります

メッシュポケットは消しゴムや付箋、USBメモリーなどがちょうど収まります

表面にはB6サイズの手帳/ノートが入るポケット付き

表面にはB6サイズの手帳/ノートが入るポケット付き

リヒトラブ「XCOA スタンドブックペンケース」

面出しスタンドは一覧性抜群

このブック型ペンケースを自立させるためには、まず本体をフルオープンにしてから、左右の収納プレート下端を引き出しましょう(このとき、ペン収納側はクッションフラップをめくってプレート裏側に回します)。するとちょうど三角柱のように変形して、しっかり安定して立たせられるという仕組みです。

立たせる際は、収納プレートを前に引き出して、クッションフラップを折り返します

立たせる際は、収納プレートを前に引き出して、クッションフラップを折り返します

この自立機構のポイントは、内部に収納されていた文房具がすべて“面”で展開するというところ。

つまり必要なものがすべて目の前に並べられているわけで、ペンスタンドタイプの「立つペンケース」と比べても見やすさは圧倒的に上。この一覧性のよさは、ほかに類を見ないレベルと言えるでしょう。

たとえばノートを広げて勉強するなどの場合、ノートの奥側に立たせておけば、使いたいものにすぐ手が届きます。一般的な「立つペンケース」よりも接地面積は大きい=場所を取り気味ですが、机の奥行きは左右と比べてデッドスペースになりがち。実際のサイズよりは気にならず置けるんじゃないでしょうか。

中身がすべて面出しされているため、一覧性は最強!

中身がすべて面出しされているため、一覧性は最強!

個人的に少しもったいないなと思ったのが、ペン収納に関して。ペンループに挿す収納方式のため、立たせた状態でせっかくこれだけ見やすく並んでいるのに、スムーズに出し入れがしにくい!

収納時の安定感を重視してか、ループ自体もちょっと狭めに設定してあるのも、出し入れをしにくくしている要素となっています。特にペンを取り出す場合は、本体を手で押さえながらでないとループから抜けないぐらい。これはちょっと残念でした。

携帯時の固定を優先しているのか、ペンを挿すループがちょっとキツめで、やや引き抜きにくい感じ

携帯時の固定を優先しているのか、ペンを挿すループがちょっとキツめで、やや引き抜きにくい感じ

【まとめ】ビジネスでもいける「立つペンケース」、試してみる価値あり

とはいえ、自分の持っているペンが目の前に揃って並んでいる様子は、文房具好きとしてはなかなかにテンションの上がる光景です。収納されたペンを傷つけないように持ち運ぶ工夫もあって、何なら「自慢のペンを見せびらかす用」として活用したい! という人もいるかも。何より、ビジネスシーンでも使いやすい「立つペンケース」というのがかなりレアなので、それだけでも価値はありそうです。

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きだてたく
Writer
きだてたく
最新の機能派文房具から雑貨・ファンシー系のオモシロ文房具まで、何でも徹底的に使い込んでレビューする文房具ライター。雑誌・WEBで文房具の最新情報や使いこなし記事を執筆するほか、文房具の楽しさを伝えるトークライブやワークショップなども全国各地で精力的に行う。最近は掃除機業界にも進出中!
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金原望弥(編集部)
Editor
金原望弥(編集部)
大学卒業後、出版社にて月刊誌の編集に従事。その後、カカクコムに入社し、ファッションメディア「TASCLAP」を経て、「価格.comマガジン」へ。腕時計やアウトドアを担当するZ世代エディターです。
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