レビュー

10年ぶりの買い替えで選んだホームベーカリーはサンドイッチ用のパンが作れるパナソニック製!

30年前に登場して以来、何度となく訪れるホームベーカリーブーム。筆者も2005年頃に起こった第三次ブームの波に乗ってホームベーカリーを購入しましたが、10年近く使い続けた現在、徐々に焼き上がりが悪くなってきました。そこで、買い替えることに! 選んだのは、価格.comのホームベーカリー 人気売れ筋ランキングでつねにトップ3に位置し続けているパナソニック「SD-BMT1001」(2017年4月28日時点)。人気と実力はイコールなのか、調査してみました。

「SD-BMT1001」のサイズは、24.1(幅)×34.7(高さ)×30.4(奥行)p。焼ける食パンのサイズは1斤です。インテリアになじみやすいブラウンカラーも魅力

作り方はとっても簡単! 基本の食パンを焼いてみた

ここ数年で各社のホームベーカリーは進化しており、いずれも多機能化しているため、どれにしようか迷いましたが、その中でもパナソニック「SD-BMT1001」に惹かれたのは、近年人気のサンドイッチに適した食パンが作れるコースが搭載されている点です。さらに約8分でピザなどの生地を練り上げるコースや、ドライイーストの量が通常の半分で作れる「パン・ド・ミ」といった、“使ってみたくなる”バリエーション豊かなコースが多いのが決め手となりました。

搭載されているメニューは全36種。食感の異なる食パン系だけでなく、バターたっぷりのブリオッシュや、成形作業なしでペースト状のココア・抹茶などを生地に練り込める「マーブルパン」など多様なメニューが揃えられています。パン以外にも餅、あんこ、生チョコレートといったメニューもあり

構造的な部分においては、「イースト自動投入」機能も見逃せません。一般的なホームベーカリーは、ほかの材料と一緒にパンケースにドライイーストを入れますが、パナソニックのホームベーカリーは専用容器にドライイーストをセット。強力粉が練られグルテンが十分に生成されてからドライイーストを自動投入することで、ふくらみがよく弾力のあるパンができあがるといいます。さらに、室温・庫内温度を検知するセンサーも搭載。気温の変化に応じた最適な製パンプログラムを実行できることにより、1年中安定したパン作りが実現できます。また、生地を練るための羽根はインバーターモーターで稼働し、練りの速度は細かく変化。メニューにあわせて速度を変えることで、ふんわりからもちもちまで、それぞれのパンに適した食感が生み出せるそう。

フタを開けたところに、ドライイーストを入れる容器(赤い囲み部分)と、生地に練り込む具材を入れる「レーズン・ナッツ容器」を装備(青い囲み部分)。どちらもプログラムに沿い、適切なタイミングでパンケースに自動投入されます

一般的なホームベーカリー同様、底部にあるヒーター棒で加熱

一般的なホームベーカリー同様、底部にあるヒーター棒で加熱

パンの生地を練るための羽根と、麺や餅をこねるための羽根が用意されているので、作るものによって付け替えましょう

ドライイーストや具材の自動投入の機構がある以外は、一般的なホームベーカリーと大きな違いは見受けられないので、どのような食パンが焼けるのかを試してみました。ひとくちに食パンといっても各メーカーごとに製パンプロセスや材料の分量が若干異なるため、味にも差が出てくるのです。

1斤分の食パンを作るのに必要な材料は、強力粉250g、バター10g、砂糖17g、スキムミルク6g、塩5g、水180g、ドライイースト2.8g

細かい分量を計測するのはめんどうそうに感じますが、慣れれば難なくできるように! 計量スプーンや計量カップも付属しています

羽根を装着したパンケースにドライイースト以外の材料を入れ、本体にセット

羽根を装着したパンケースにドライイースト以外の材料を入れ、本体にセット

ドライイーストは専用の容器に投入しましょう。パンケースにほかの材料と一緒にドライイーストを入れる場合、ドライイーストが水に触れないように注意しないといけないのですが、SD-BMT1001ではその心配がないのでラク

該当するメニュー番号を選んで、スタートボタンを押せば準備完了。焼き色を3段階に変えることができますが、今回は「標準」のままにしておきます

あとは、焼き上がるのを待つばかり! 運転が始まると、さっそく羽根が動きだしました。練り→ねかし→練り→発酵→焼きという工程で進み、生地をねかす途中でドライイーストが投入されます。生地を練る時にガタガタと振動する運転音はしますが、短時間ですし、音もそれほど響かないので問題視するほどではありません。焼き工程に移ると部屋中にパンの香りが漂い、「そろそろだな!」と期待が高まります。

4時間後、ついに焼き上がりました。ふっくら丸い頭が本格的! 焼き色は「標準」でしたが、食欲をそそる色をしています

焼き上がったパンは、粗熱を取るため素早くパンケースから取り出します。パンケースの内側にフッ素加工が施されているので、すんなりとパンが出てきました

均等に焼き色がつき、大きく窯伸びしています。お店で売っていてもおかしくないレベルではないでしょうか

均等に焼き色がつき、大きく窯伸びしています。お店で売っていてもおかしくないレベルではないでしょうか

少し冷ましてからカットしましたが、ふわふわ! 潰れないように、よく切れるパン切り包丁を用意したほうがいいかも(笑)

食べてみると、外はカリッと香ばしく、クラム(食パンの白い部分)はやわらくて……おいしい! 舌触りもなめらかで、これまで筆者が使っていたホームベーカリーで作った食パンよりも好みです

これぞパナソニックの真骨頂!「パン・ド・ミ」を味わう

続いて、パナソニックのホームベーカリーのウリである「パン・ド・ミ」に挑戦します。パン・ド・ミとは、フランス語で「中身のパン」という意味で、中身となるクラム(白い部分)に味わいを求める食パンだそう。このことから、「普通の食パンより、さらにクラムがおいしい」と筆者は推測しました!(笑) 基本的な材料は普通の食パンで用いたものとほぼ同じですが、バターが5gと水分量が10g多く、ドライイーストの量が半分に減ります。ドライイーストはパンの生地をふくらませるための酵母。その酵母の量を少なくするため、発酵時間が長くなり、焼き上がりまでのトータル時間は普通の食パン作りよりも50分長い4時間50分かかります。

5時間近くかかるため、果てしなく遠い気がしますが、本体にセットしたあとはおまかせ! 準備の手間は同じなので、焼き上がりを今か今かと待つのでなければ、それほど所要時間は大きな問題にはならなそう

焼き上がりは、山形パンというより少し丸っこい印象

焼き上がりは、山形パンというより少し丸っこい印象

両側から押さえてみると、いかにやわらかいかがわかりますね

普通の食パンと比べてみると、パン・ド・ミのほうがきめは細やか! その差は、食べてみると劇的なものとなりました。普通の食パンでも十分だと感じた舌触りが、パン・ド・ミはさらになめらかでしっとり。口の中で溶けてなくなってしまうかのよう。クラスト(パンの耳の部分)が薄めなので、「中身のパン」と言われるようにクラムの味や風味を強く感じました

パン・ド・ミのおいしさは、トーストすると格別なものに! カリッと軽い表面と相反するように、クラムはしっとりして甘く、そのバランスが絶妙です。まさに理想のトーストでした

普段食べている朝食も、パンのおいしさが向上するだけで極上感が味わえます

普段食べている朝食も、パンのおいしさが向上するだけで極上感が味わえます

なお、SD-BMT1001ではクラムの食感が異なるパン・ド・ミを作ることも可能。今回試した標準的なパン・ド・ミのほか、もっちり度が増す「もちもちパン・ド・ミ」と、より軽さを感じる「ふんわりパン・ド・ミ」の計3メニューが搭載されています。

「サンドイッチ用食パン」って、どんなもの?

食パンの味に大満足した筆者が次にトライしたのは、購入前から気になっていた「サンドイッチ用食パン」です。そもそもホームベーカリーで焼いたパンは、しっとりやわらかいもの。しかし、やわらかいがゆえ、具材を挟んだり、切ったりするサンドイッチは作りづらいという一面もあります。そこでSD-BMT1001には、小さめに仕上がる「サンドイッチ用食パンコース」が搭載されました。水分量は普通の食パンより10g少なく、所要時間は1時間短い約3時間となっており、パン・ド・ミと逆の発想で作られるようです。

水以外の材料は普通の食パンとまったく同じですが、実際に焼いてみると小さめサイズに仕上がりました。サンドイッチ用食パンは、発酵時間を短くすることで膨らみを抑えているようです

サンドイッチ用食パンはサイズが小さいだけでなく、クラムもきめ細やか。そのおかげか、薄めにカットしやすかったです

材料の水分量は普通の食パンよりも少なめですが、パサパサして食べにくいということはありません。むしろ、しっとりとしていながら、ふわふわです。具をたっぷりはさんでも崩れにくく、食べやすいサンドイッチができました

8分で生地ができるなら手作りピザにも挑みたい!

麺やピザの生地が作れるホームベーカリーはめずらしくありませんが、SD-BMT1001は短時間でできるコースが搭載されているのがポイント。生地作りのプログラムに発酵やねかし工程がなく、練りだけを行うことで8分という時間で生地を作るそう。そのため、すべての生地が8分で作れるわけではありません。取扱説明書に掲載されていたのは「クリスピーピザ生地」「ナン生地」「トルティーヤ生地」「あんまん生地」「ギョーザ生地」。そのほかのパン生地やピザ生地は45分〜1時間、うどんやパスタの生地は約15分かかります。

さっそく、8分で生地が練れる「8分スピード生地コース」でクリスピーピザを作ってみましょう。

インバーターモーターを高速回転させて一気に練るため、これまでとは異なり、ドライイーストも含め、材料はパンケースにすべて投入。8分でムラなく、きれいに練られた生地ができました

生地が完成したかと思いきや、ふきんをかけて10〜20分休ませなければなりませんでした……。なお、トルティーヤとギョーザの生地は練ったあとすぐに成形できます

20分休ませた生地は、めん棒で伸ばしてピザの形状に!

20分休ませた生地は、めん棒で伸ばしてピザの形状に!

自分で言うのもなんですが、まるでイタリアンレストランで出てくるようなピザが焼き上がりました。サクサクとした食感がおいしく、家族からも大好評。短時間で本格的なピザが作れて満足です。来客時のおもてなしにも役立ちそう

まとめ

普通の食パンをはじめ、パン・ド・ミ、サンドイッチ用食パンなどいろいろ作りましたが、一貫して感じたのが、失敗が絶対ない!ということ。今まで使っていたホームベーカリーは、10年以上前のものというのもありますが、日によって焼き上がりが悪いこともありました。SD-BMT1001ではそのようなムラがなく、センサーとプログラムの精度の高さを実感。特に作るのが難しいと言われるパン・ド・ミも毎回おいしく焼け、自宅でこのレベルのパンが作れるならお店で買うのはもったいない!と思ってしまったほどです。時間はかかりますが、前日夜にタイマー予約しておけば、朝には焼きたてが食べられますからね。

ちなみに、個人的に気になっていたのは全粒粉パン。今話題の糖質制限に役立つのではないかと作ってみたところ、仕上がりはバツグンでした。ただ、全粒粉は手に入りにくく風味が独特なため、家族からの「パン・ド・ミが食べたい!」という熱いコールに押されて2回ほどしか作れていません(涙)。

味わいのある全粒粉パン。焼き上がりは完璧でしたが、味は賛否がわかれるところ

味わいのある全粒粉パン。焼き上がりは完璧でしたが、味は賛否がわかれるところ

今回は作っていませんが、ケーキや生チョコ、うどん、パスタなど試してみたいメニューが盛りだくさん! 毎日の食卓を楽しくしてくれるSD-BMT1001がある暮らし、今からワクワクしています。

田中真紀子

田中真紀子

毎日をより楽しく、より便利にしてくれるモノ・コトを中心に執筆するフリーライター。特にアラフォー&ママならではの視点に定評あり。得意ジャンルは育児用品と家電製品。

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