コーヒー粉をお湯に浸し、蒸気圧で旨みを引き出す業界初の蒸気プレス方式を採用

15通りの味が楽しめるタイガー「ACQ-X020」は、新ジャンルのコーヒーメーカー

このエントリーをはてなブックマークに追加

豆の産地や個性、淹れ方にこだわるサードウェーブコーヒーの普及により、自宅でも1杯ずつていねいにコーヒーを淹れる人が増えている。そんなトレンドはコーヒーメーカー市場にも押し寄せており、利便性だけでなく、「おいしさ」が最優先される時代だ。この秋、タイガー魔法瓶のフラッグシップブランド「GRAND X(グランエックス)」シリーズから発売されたコーヒーメーカー「ACQ-X020」は、そうしたニーズに応えたコーヒー通必見の1台だ。最大の見どころは、ドリップでもエスプレッソでもなく、コーヒーメーカーとして業界初(メーカー談、2017年8月時点)となる「エアロプレス方式」を採用したことにある。

コーヒーメーカー業界初の新方式「Tiger Press」とは!?

空気の圧力を利用してコーヒーを抽出する「エアロプレス方式」を業界で初めて機械化、すなわちコーヒーメーカーに実装したのが「ACQ-X020」であり、タイガーはこれに蒸気プレス方式「Tiger Press(タイガープレス)」という名を冠している。タイガープレス。う〜む、なんだかプロレスの必殺技のような名前だが、画期的な新提案であることは間違いない。

コーヒー粉に一定時間お湯を浸した後、蒸気圧をかけてコーヒー成分を押し出すというのが「Tiger Press」の基本的な仕組み。コーヒー粉をお湯に浸して豆本来の味を引き出し、最後に蒸気圧をかけて旨み成分を十分に抽出することで、プロが淹れたかのような本格的な味わいに仕上がるのだ。なお、フィルターにはチタンコートメッシュフィルターを採用。ペーパードリップでは抽出されにくいコーヒー豆の油分まで抽出されるので、より深い香りとコクを楽しむことができる。

本体サイズは226(幅)×199(奥行)×299(高さ)mm。ミル機能は搭載していないが、コーヒーメーカーとしてはコンパクトな部類に入るサイズだ。インテリアと調和しやすい、ブラック×ホワイト×シルバーをまとったミニマルなデザインも好印象

蒸気プレス方式「Tiger Press」の仕組み。シャワー状のお湯がやさしく注がれ、コーヒー粉にお湯が浸透。ヒーターで熱せられた蒸気によってコーヒー成分が抽出され、フィルターを通ってカップに注がれる※図はタイガー魔法瓶の公式ページから引用

フィルターはチタンコートメッシュフィルター。コーヒー豆の油分まで抽出できるうえ、洗って繰り返し使えるので経済的なのが利点となるが、メンテンスはペーパフィルターに比べてやや手間がかかる。ここは一長一短だ

抽出温度&浸し時間の組み合わせで全15通りのテイストに

「ACQ-X020」がコーヒー通の心をつかむもうひとつのポイントは、抽出の温度と時間をコントロールして“淹れ分け”ができることだ。抽出温度は85/90/95℃の3段階、コーヒー粉の浸し時間は30/45/60/75/90秒の5段階で設定可能となっており、組み合わせによって全15通りのテイストを楽しむことができる。基本的にはお湯の温度が低いと酸味が、高いと苦みが強くなり、浸し時間が短ければスッキリ、長ければコクが際立つ味わいになると考えればいい。

豆にこだわりはあっても、抽出温度や時間までいちいち管理しているという人はそれほど多くないはず。しかしその温度や時間によって味わいが劇的なまでに変化するのがコーヒーの難しさであり、おもしろさでもある。だからこそ、豆の種類や特性、好みの味わいに合わせた淹れ方をボタンひとつで実践できるのは本当にありがたい。実際にコーヒーを淹れてみよう。

フィルターを内蔵したシリンダーにコーヒー粉を投入。1度に淹れられる量は60mL(アイス用)、120mL(1人用)、180mL(マグカップ用)、240mL(2人用)の4段階から選択でき、計量スプーンすり切り1杯(10g)でコーヒーカップ1杯分となる

シリンダーを本体上部にセットして、本体フタをカチッと音がするまで閉める。なお、蒸気プレス方式は最後まで抽出してはじめて味が整うため、2人分を淹れる際には、大きめのカップに取ってから分ける必要がある。が、トレイに設置できるカップの高さは9cmまでなので、手持ちのサーバーやジャグは使えない可能性が高い。専用のガラスサーバーが付属していたら何の問題もなかったのだが……

続いて水をセット。水タンクが着脱式なので給水しやすく、またお手入れの際も洗いやすい。最大容量は540ml

続いて水をセット。水タンクが着脱式なので給水しやすく、またお手入れの際も洗いやすい。最大容量は540ml

水タンクを本体にセットしたら、コーヒーカップをトレイに置く。コーヒーが飛び散らないよう、トレイの高さを低/中/高の3段階で調節できるのがありがたい。地味ながら実に気のきいた設計だ

電源を入れ、タッチパネルで抽出量、抽出温度、浸し時間を選択すれば準備完了。スタートボタンを押せば抽出が始まる

豆の個性を引き出す「最適な淹れ方」を探求するのが楽しい!

抽出が始まると、コポコポとお湯が沸騰する音が聞こえ、間もなくコーヒー液が落ち始める。初めのうちは滴下のスピードがゆるやかだが、後半「プシューッ」という音が鳴り、それと同時に一気に滴下量が多くなる。この「プシューッ」がまさに蒸気圧をかけている音であり、シリンダー内部の圧力が高まることで抽出と滴下が進むというわけだ。ここでは1人分の120mlを抽出温度90℃、浸し時間60秒の条件で淹れてみたが、スタートボタンを押してから、ピーピーピーという抽出完了を知らせる音が鳴るまでにかかった時間は3分34秒。非常に早いとは言えないものの、同じ浸浸(しんし)法となるフレンチプレスやサイフォンと比べれば十分優位なスピードと言えるだろう。

コーヒー粉と水をセットし、抽出条件を設定してスタートするだけであっという間に抽出完了。これだけ手軽なうえに、豆の個性をしっかり引き出せるのだから頭が上がらない

ではさっそく、テイスティングといこう。今回のテイスティングに使用した豆は、グアテマラの浅煎り(中粗挽き)。酸味はやや強めでボディ感は中程度、やわらかな口当たりとオレンジを思わせるやさしい香りが特徴の豆となる。抽出温度と浸し時間を変えながら飲み比べてみたが、違いは想像以上。豆本来の旨みや、メッシュフィルター特有の野性味ある味わいを楽しめる点はどの抽出条件でも共通しているのだが、やはり酸味や苦み、コクは明らかに異なる。

いずれにせよ、豆の特性に最も適した淹れ方を見つけ出すのはそれだけで楽しいし、朝はボディ感の強いビターなコーヒー、夕食後には酸味のあるスッキリしたコーヒーと、シーンに応じた淹れ方ができるのもおもしろい。そういう意味では、飲むだけでなく、淹れる楽しさに改めて気付かせてくれるコーヒーメーカーと言えるのではないだろうか。

抽出条件によって、酸味や苦み、コクやボディ感に大きな違いが出た。くわしい抽出条件とテイスティングの感想を以下に記すので、参考にしてみてほしい

※図はタイガー魔法瓶の公式ページから引用

※図はタイガー魔法瓶の公式ページから引用

まとめ

「ACQ-X020」は、業界初の蒸気プレス方式を採用した点がまず大きな特徴と言える。しかしコーヒー通がそれ以上に喜ぶのは、豆の個性や特性に合わせて抽出温度と浸し時間を調節できる点にあるだろう。豆にこだわりはあっても、抽出温度や抽出時間までその都度チェックして淹れている人、またそれだけ時間に余裕のある人はそう多くないからだ。メッシュフィルターのお手入れがやや手間だったり、2人分を淹れる際にはいったん大きなカップに取る必要があったり、抽出にそれなりに時間がかかったりと、使い勝手に関して改善を望みたいところがないわけではない。でもそれを補って余りあるほどに、15通りのテイストを淹れ分けられるという新提案は魅力的なのだ。ぜひ1度「ACQ-X020」を手に取って、コーヒーを淹れる楽しさ、そしてコーヒーメーカーの新ジャンルを打ち出したタイガー魔法瓶の熱意を感じてみてほしい。

毛利真大

毛利真大

編プロでの広告制作、雑誌編集を経てフリーライター/エディターに。家電をはじめ、自動車、ファッション、ビジネス関連など幅広い分野で活動。86年、秋田県出身。「大曲の花火」とグミをこよなく愛する。

紹介した製品の最新価格・クチコミをチェックする
このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事
レビュー最新記事
レビュー記事一覧
2017.12.8 更新
ページトップへ戻る