レビュー
パンソムリエが考えたアレンジメニューも紹介

形も食感も違う! 山型食パンと角食パンが焼けるタイガーのホームベーカリー「KBY-A100」


自宅にいる時間が増えている今、ホームベーカリーでパン作りをしてみませんか? 焼きたてのパンが味わえるのはもちろん、ホームベーカリーで生地だけ作り、手動で成型してオーブンレンジで焼き上げるという作り方にすれば、子どもと一緒に手軽にパン作りを楽しめます。また、パン以外にもパスタ生地や餅、甘酒など、いろいろなメニューが搭載されているのは今や当たり前! 今回は、そんなホームベーカリーの中でもめずらしい「角食パン」が焼ける、タイガー「KBY-A100」を使ってみました。パンソムリエの方に、角食パンに合うアレンジもレクチャーしてもらったので、市販の食パンでもマネできるかも!?

四角い食パンも焼ける構造をチェック!

一般的なホームベーカリーで焼ける食パンは山型ですが、KBY-A100は山型食パンと角食パンの両方を作れるのが大きな特徴。山型食パンを作る際はパンケースに材料を入れてスタートボタンを押すだけで、こね〜焼き上げまでが全自動で行われるのに対し、角食パンの場合は、こね→1次発酵と進んだタイミングで成型などの手作業が発生します。さらに、天面をフラットにするため、フタを装着して焼き上げるというように、山型食パンより少々手間がかかる作り方となるものの、慣れればそれほど時間はかかりません。形が違うだけでなく、食感も別物なので、そのまま食べるにせよ、アレンジするにせよ、山型食パンとは異なる楽しみ方が味わえます。

外観は一般的なホームベーカリーと変わりません。サイズは229(幅)×309(奥行)×323(高さ)mmで、重量は6.8kg。消費電力はヒーター使用時が700Wとなっています

山型食パンも角食パンも、同じパンケースを使用。1斤サイズの食パンが作れます

山型食パンも角食パンも、同じパンケースを使用。1斤サイズの食パンが作れます

材料を混ぜたり、こねるための羽根は、パン用(左)と麺・餅用(右)が付属。山型食パンでも角食パンでもパン用の羽根を使います

角食パン作りでのみ使用するのが、「角食パン用ふた」と「パンケースパッキン」。全面フラットで四角いパンを作るために欠かせないパーツです

なお、KBY-A100は生地をこねる際に発生する摩擦熱を抑え、きめ細かい生地をこね上げられるDCモーターと、高火力で焼き上げるIH加熱を採用しているのも特徴。IHは一気に最高温度まで加熱できるので、クラム(パンの白い部分)の水分を逃がさず、クラムクラスト(パンの耳の部分)が薄くてパリッとした焼き上がりとなります。

一般的なホームベーカリーに採用されている棒ヒーターはなく、側面と底面に搭載されたIHヒータ−でパンケースを加熱。さらに、室内、庫内、生地温度を検知する温度センサーと冷却ファンにより、安定感のある焼き上がりを実現したといいます

角食パンを作ってみよう!

おおまかな作り方とパーツを紹介しましたが、これだけではなかなかイメージしづらいと思うので、実際に角食パンを作ってみます! 途中で発生する手作業で、フキンとめん棒、生地を分けるスケッパーが必要になるので用意しておきましょう。

パンケースにパン羽根を取り付けます

パンケースにパン羽根を取り付けます

強力粉、水、砂糖、塩、バター、スキムミルクをパンケースに入れ、ホームベーカリーにセット

強力粉、水、砂糖、塩、バター、スキムミルクをパンケースに入れ、ホームベーカリーにセット

着脱式の容器にドライイーストを入れ、フタ裏に装着

着脱式の容器にドライイーストを入れ、フタ裏に装着

ドライイーストを入れる容器だけでなく、具材を入れる容器も着脱式。このタイプは洗いやすく、使用しない時には取り外しておけば汚れないので便利です

角食パンのメニュー番号「12」を選択し、スタートキーを押せば、パン作りの工程が始まります。焼き色は3段階で設定可能

こね→1次発酵工程まで進んだ約60分後、お知らせ音が! ここから手作業スタートです。この際、取消キーを押さないようにしましょう

フタを開けると生地ができていました

フタを開けると生地ができていました

打ち粉をふった台に生地を取り出し、スケッパーで2等分にします。このタイミングでパン羽根も生地と一緒に出てくるので、取り除いておきましょう

水で濡らしたフキンをかたく絞り、生地の上にかけて約20分やすませます

水で濡らしたフキンをかたく絞り、生地の上にかけて約20分やすませます

この待ち時間に、もうひと作業。焼き上がった食パンに穴が空かないように、パン羽根を差し込むための棒を取り外し、パンケースパッキンで穴を埋めます

パンケースの底に突き出ていたパン羽根を差し込む棒がなくなり、フラットになりました

パンケースの底に突き出ていたパン羽根を差し込む棒がなくなり、フラットになりました

生地を20分休ませたら、2つに分けた生地をそれぞれ成型。めん棒で25×15cmの大きさに生地を伸ばして三つ折りにし、それをめん棒で25×10cmに伸ばします。その後、くるくると巻いて、巻き終わりをつまんで閉じたら手作業完了

成型した生地をパンケースにセット

成型した生地をパンケースにセット

パンケースにフタをし、本体に戻します

パンケースにフタをし、本体に戻します

再び、スタートキーを押すと自動で2次発酵→焼きと工程が進みます。なお、初期設定での2次発酵時間は約50分ですが、30〜90分の間で変更することも可能

2次発酵50分、焼き40分が終わり、トータル約3時間で焼き上がり。本来、大きくふくらむ生地をフタで押さえ込むことで、山型ではなく、天面がフラットなパンになるようです

パンケースから取り出した食パンは、どの面もフラット。約12cm角の四角い食パンが焼き上がりました。1斤まるごと使ったハニートーストも、これならできますね!

山型食パンと角食パンを比べてみよう!

角食パンは形だけでなく、食感も山型食パンと異なると言います。どれほど違うのかを、KBY-A100で焼いた山型食パンと比べてみました。

KBY-A100を2台借り、同時タイミングで山型食パンも焼き上げ、食べ比べになるべく影響がないようにしました。山型食パンが焼き上がるまでの時間は約3時間30分

大きく窯伸びする分、山型食パンのほうが高さがあります。逆に、角食パンのほうが焼き色が濃く、その分、香ばしい香りも強め

さらに、山型食パンの底面にはパン羽根でできた穴が空いているのも角食パンと違うところ。パン羽根を取り出すタイミングがないため、こうなるのは一般的なホームベーカリーでは当たり前のことです

パン羽根の穴くらいいいのでは? と思われるかもしれませんが、カットすると、写真のような状態になるため、残念な気持ちになることも

角食パンはどこを切っても穴はなく、お店で売っている食パンと変わらない見た目!

角食パンはどこを切っても穴はなく、お店で売っている食パンと変わらない見た目!

カットした山型食パンと角食パンを並べてみると、クラムに違いがあることがわかります。山型食パンは大きく窯伸びしたからか、気泡が大きいのに対し、角食パンの気泡は小さく、きめ細やか。クラストは角食パンのほうが少し厚みがある印象です

このままの状態で食べ比べてみると、空気を含んでいる山型食パンのクラムは軽やかでやわらかく、引きもあります。いっぽう、角食パンのクラムは山型食パン同様にやわらかいのですが、いい意味で詰まっているので、しっとりとした感じもあり、食感は別物。また、少し厚めのクラストは歯ごたえがありつつ、歯切れはバツグン。バターの香りは、山型食パンはクラムで、角食パンはクラストでより強く感じました。

続いて、トースターで焼いても違いがあるのかを確かめてみました。

山型食パンはクラムのこんがり焼けた表面と中のふんわりとの対比が際立ち、クラストはサクサク。バターや小麦の甘さも引き出されています。角食パンはというと、クラムを噛むとカリッとしますが、口当たりがやわらか。クラストはクリスピー感が最大限に引き出され、クッキーのような食感と味わいがあります

パンソムリエ考案! 角食パンのおいしいアレンジ

形も味も山型食パンと違うなら、きっと角食パンに合うアレンジがあるはず。しかし、残念ながら料理が得意ではない筆者には想像がつきません。そこで、パンコーディネーターアドバンスを取得し、パン教室などで講師もしているパンソムリエの真野則子さんに角食パンの特徴を生かしたアレンジを考えてもらいました。

ももハムとチェダーチーズのサンドウィッチ。クラムがやわらかいので、加工肉の中でもきめが細かいもも肉のハムをチョイス。青物は食感が強いレタスではなく、やわらかいサラダ菜を。全体の味がやさしいので、チーズはコクのあるチェダーを選ぶといいでしょう

やわらかいクラムを生かしたメニューとして、まず思い浮かんだのが卵サンド。やさしい味わい、食感には合わないと思ったのでクラストはカット。卵に少し塩気のアクセントをつけるため、グリーンオリーブを刻んで、マヨネーズとあえています

トーストするとクラストがとてもクリスピーになり、バターの香りも感じられたのでバターは塗らずに、あんこと生クリームを載せて、オープンサンドに。組み合わせとしては鉄板だと思います。ちなみに、撮影用には上品に盛りましたが、実際に食べる時には生クリームをもっと盛りました(笑)

ちょっとした前菜にもなるようなものをと考え、カットした角食パンにクリームチーズの爽やかさと生ハムの塩気を合わせてみました。風味付けのバリエーションとして、黒こしょうを挽いたものと、ドライフェンネルの2種類を用意

角食パンをカットした両サイドのクラストの多い部分を使用し、コロッケを挟んでコロッケサンドを作ってみました。強い風味や引きのあるクラストには、ガツンとした具材も相性バッチリ。もう一段パンチのあるメンチカツも合うと思います

焼き色をもっとも薄い「弱」にして焼いた角食パンは、クラストをカットしなくても食感や味わいにまとまりがあります。マーマレードとスライスチームをサンドした、甘さと塩っぱさが組み合わさったサンドイッチなので、食欲が落ちた時にも食べやすいはず

依頼したのは、焼き上がった角食パンのアレンジだけだったのですが、想像以上においしくて楽しかったようで、具材を入れたり、投入する材料の一部を変えた「アレンジ角食パン」を焼いてくれたので紹介しておきましょう。

角食パンには普通のメニューのほか、2時間15分で焼き上げる「早焼き角食パン」と牛乳や生クリームを加えた「リッチ角食パン」という3メニューを用意。このほか、取扱説明書にアレンジ角食パンのレシピが掲載されています

具材を入れたアレンジ角食パンを作る時は、手作業で生地を成型するタイミングで具材を生地に入れます

具材を入れたアレンジ角食パンを作る時は、手作業で生地を成型するタイミングで具材を生地に入れます

ヨーグルトと生クリームを加え、具材にクリームチーズとピスタチオを入れたアレンジ角食パン。焼き色を薄く仕上げたかったので「弱」を選択。生地にヨーグルトとクリームチーズを入れているので、砂糖の量が多いわりにさっぱりとした風味。しっとりとしたクラムに、ピスタチオの塩気のアクセントが効いています

水の代わりに野菜ジュースを使い、パプリカを生地に練り込むとともに、サラミを具材として入れた「ベジピザ角食パン」。料理ができ上がったような香りで、食欲がそそられます

ベジピザ角食パンにオムレツやチーズ、野菜を挟めば、食べ応え満点のサンドイッチに!

ベジピザ角食パンにオムレツやチーズ、野菜を挟めば、食べ応え満点のサンドイッチに!

クラストが一面にあるサイド部分は、ピザトーストにするのもあり! スライスしたベジピザ角食パンに、ししとうやチーズをトッピングして軽くトーストし、カリッと感も楽しんでみて

そして、取扱説明書に載っていないアレンジ角食パン作りにも挑戦してくれました。真野さんは普段、手ごねでパンを作っているため、ホームベーカリーを使い慣れているワケではありませんし、KBY-A100を使うのは今回が初めて。パンに関する知識が深いのは間違いありませんが、普通の人でも、ホームベーカリーを使い続ければオリジナルのアレンジでいろいろなパン作りを楽しめるようになると思います。

ノーマルの角食パンの成型時に70gずつ粒あんを入れて巻いたところ、このような渦巻き状のあん角食パンができました

生地にココア15gを練り込み、チョコチップ45gを成型時に入れたら、チョコレート感たっぷりのケーキのようなパンが完成

まとめ

角食パンが焼けるホームベーカリーは、今回紹介したKBY-A100より以前、2013年にタイガーから発売されています(KBH-V100というモデル)。ただし、KBH-V100はパンケースの中に角食パン用のケースをセットして焼き上げる構造となっていたため、ひとまわり小さいサイズの角食パンしか作れませんでした。しかも、天面がフラットにならなかったり、焼き上がったパンがフタからはみ出すなどで、キレイな四角形にならないことも多々。個人の技量差もあるとは思いますが、成功するまで何度もやり直した筆者にとって、角食パン作りにはいい印象がありませんでした。なので、KBY-A100をレビューするのは、正直、気乗りしなかったのですが(笑)、少々適当に作業しても(手作業の部分)、KBY-A100はすべて成功! 失敗せずに角食パンが作れる安定感に感動しました。パン作りは時間がかかるので、安定して焼き上がるのはとても重要なポイントです。

2013年に発売されたKBH-V100はパンケースが2種類あり、さらに角食パン用のケースにはシリコンを装着しなければなりませんでした。新モデルはこうした作業やパーツの数が減ったのも、うれしいポイント

一般的なホームベーカリーでは作れない角食パンが作れるKBY-A100は、かなりレア。しかも、熱源がIHなので、クラストが薄皮でパリッと仕上がるのも推せるポイント。クラストの香ばしさはIH加熱のホームベーカリーが1番だと、以前、棒ヒーターを採用したホームベーカリーで焼いた食パンと食べ比べてくれたパンソムリエの真野さんもおっしゃっていたほどです。山型食パンも文句なくおいしいので、普段は全自動で山型食パンを焼き、時々、角食パンという使い方でもきっと満足できるはず。もちろん、パン以外にも甘酒、わらびもち、餅、ジャム、ケーキ、うどんやパスタの生地作りも可能。ホームベーカリーがあると、手作りの幅がけっこう広がりますよ!

羽根の連結部が取り外せる機構が、お手入れのしやすさに貢献。一般的なホームベーカリーではこうしたパーツが取り外せないため、どうしても棒の下のほうに付着したパンが落としきれず、つまようじでかき出すなど苦労しましたが、KBY-A100のように取り外せると細かいところまで洗いやすい!

中村 真由美(編集部)

中村 真由美(編集部)

モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいマス。

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