2025年に発売され、筆者のキャンプ仲間が「夏の暑さ対策ならこれ一択でしょ!」といち押しするアイテムがあります。それが、今回紹介するエコフローのポータブルエアコン「EcoFlow WAVE 3」です。夏キャンプでどれだけ活躍してくれるのか、実際に確かめてみました。
エコフローのポータブルエアコン「EcoFlow WAVE 3」。夏キャンプを予定している人は要チェックです
本機の実力を検証するべく、かねてから予定していたキャンプに「EcoFlow WAVE 3」を持ち込んでみることに。舞台は、都心からクルマで約1時間とアクセスのよい、千葉県君津市にあるキャンプ場です。テントサイトに加え、きのこ型ロッジやコテージが用意されており、子どもたちの強い希望もあって、今回はきのこ型ロッジをチョイスしました。
“秘密基地”感が漂う、きのこ型ロッジ。子どもたちは大喜びですが、ルームエアコンがないので、ロッジ内はかなり室温が高いはず……
キャンプ場に到着。大量のキャンプギアをクルマの荷室から下ろし、「EcoFlow WAVE 3」をロッジまで運び終えたころには、汗がポタポタと落ちていました。この日の最高気温は31度。検証を行った7月上旬の関東は今よりも涼しくはありましたが、さすがに真夏日だけあって、座っているだけでも汗がしたたります。「EcoFlow WAVE 3」の実力を試す環境としては申し分ありません。
「EcoFlow WAVE 3」の第一印象は、「重い……」でした。本体の重量は約15.6kgで、組み合わせて使用する専用バッテリーパック(別売)の重量は約9.6kg。合わせると約25.2kgにもなります。クルマの荷室からキャンプ場内に持ち運ぶだけでも、なかなかのハードワークです。
本体サイズは約519(幅)×297(奥行)×336(高さ)mm、重さは約15.6kg。軽々と持ち運べるとは言えない重さですが、本機によって暑い夏キャンプを快適に楽しめるなら、とみずからを鼓舞して運びます
専用バッテリーパックと組み合わせた際のバッテリー駆動時間は、最長約8時間。就寝時にのみ使用するなら、1泊2日のキャンプに十分です。2泊、3泊のロングステイの場合は、ACコンセントや別売のソーラーパネル、クルマのシガーソケットなどで本体を充電して使用するのがよさそうです。
「EcoFlow WAVE 3」を使用するには、AC電源か、別売りの「WAVE 3 専用バッテリーパック」を接続する必要があります。今回は、「WAVE 3 専用バッテリーパック」を用意しました。「EcoFlow WAVE 3」をバッテリーパックの上に置き、本体側面下部のエクストラバッテリーポートに接続アクセサリーを挿して、2つをドッキングします
まずは、ロッジの下で冷房運転を試します。冷房性能は1.8kWで、カタログスペックには「6畳以下の空間温度を15分程度で約8度下げる」とあります。すでに本機を導入しており、今回のキャンプに同行している仲間も「ちゃんと冷えるよ」と太鼓判を押します。
実際に冷房運転を開始してみると、確かにすぐに冷風が出てきて、ひんやりとした冷気が肌に心地よく感じます。屋外の開放された環境のため、もちろん空間は冷えませんが、足元などに置いてスポット冷房として使用するのに十分な風量があります。重い本機の運搬で火照った身体をひとまずクールダウンできました。
冷房運転を開始すると、すぐにひんやりとした風が出始めます。フラップの角度を変えて、風向を調整。屋外などの開放された環境では、スポット冷却ツールとして活躍します。足元に置いて直接冷気を浴びていると、汗がスーッと引いていくのがわかります
運転モードは、自動/冷房/暖房/除湿/送風の5種類。天面に搭載された液晶ディスプレイ付きの操作パネルから、モード切り替えや各種設定が可能です
スマートフォン用アプリ「EcoFlowアプリ」にも対応。使用状況のモニタリングやモード切り替え、タイマー予約が行えるだけでなく、排水タンクが満タン近くになると通知してくれる「水漏れ防止アラート」などの機能を備えています
ドレン水は、排水ボタンを3秒間長押しすることで自動排水できます。排水ホースも同梱されているので、キャンプ場のルールを守り、適切に排水しましょう
ロッジ内に持ち運んでみると、そこは約5畳の広さで、風通しがあまりよくないのか、入室した瞬間、ムッとした熱気が漂っています。ロッジ内の温度と湿度を計測してみると、室温は約33度、湿度は約83%。高温多湿な環境で、快適に過ごせるような状態ではありません。通常なら寝苦しい夜を覚悟する場面ですが、今日は「EcoFlow WAVE 3」があるので、何とかなるかもしれません。
付属の排気ダクトを取り付けて、熱を屋外へと逃がし、冷房運転を開始。蛇腹状の排気ダクトを本体にセットして窓まで伸ばす作業は、思いのほか簡単でした。ロッジには窓があったので隙間を埋めるひと手間が必要でしたが、テントなら、入口のジッパーを下げるだけでいいので排気ダクト設置の手間はもっと少なくて済むはずです。暑い中での設営になるので、排気ダクトのセットが簡単なのは助かります。
運転を開始してから10分ほど経つと、ロッジ内全体がひんやり涼しくなり、室温は約25度、湿度は56%に。密閉度が高いロッジだったこともあってか、室温はすぐに下がりました。テントで使用する場合は遮熱性がそこまで高くないので、もう少し時間がかかるかもしれません。
「EcoFlow WAVE 3」をすすめてくれたキャンプ仲間は、「ね、ちゃんと冷えるでしょ」と得意げな様子です。「6畳以下の空間温度を15分程度で約8度下げる」といううたい文句に偽りはなく、ある程度密閉された環境で使えば、空間温度をしっかりと下げられることがわかりました。
驚いたのは、冷房能力が想像以上に高いこと。自宅にある壁掛けのルームエアコンと比べても遜色のないスピード感で、約5畳のきのこ型ロッジ内をしっかりと冷房できました
心配していた運転音も想像していたよりも小さく、会話を妨げるようなレベルではありません。これなら、テントで使用しても隣のサイトに迷惑をかけることはなさそうです。就寝前は約44dBの静音運転に切り替わる「おやすみモード」に変更しましたが、途端に室温が上がってしまうこともなく、運転音をしっかりと抑えつつ冷やしてくれます。「EcoFlow WAVE 3」を運転させながら、筆者は朝までぐっすりと眠れました。
前述のとおり、本機のバッテリー駆動時間はカタログスペックで約8時間。実際に使用する環境や設定温度などによっても変わってくると思いますが、今回のキャンプではほぼカタログスペック通りの8時間ほど使用することができました。
就寝時に便利だったのが、アプリから設定できる「おやすみモード」。約44dBの静音運転に切り替わり、コテージやテント、車内などでも、快適な睡眠を妨げません
ポータブルエアコンの実用性をチェックするうえで、一丁目一番地となるのは、何と言っても「ちゃんと冷えるのか」でしょう。今回のキャンプを通して「EcoFlow WAVE 3」の確かな冷房性能をしっかりと体感でき、風通しが悪く、熱気のこもるロッジ内でも涼しく快適に眠ることができました。排熱処理用のアクセサリーも充実しているので、テント泊や車中泊でも便利に使えて、真夏のキャンプが一段と楽しい時間になりそうです。本機は、「暑い」が当たり前のキャンプやアウトドアレジャーを快適なものに変えてくれることは間違いありません。
ひとつ問題があるとすれば、それはほかでもなく、約15.6kgという本体の重さでしょう。ズッシリとした本体を持ち運ぶのはひと苦労で、「EcoFlow WAVE 3」の運搬で汗をかき、その暑さを「EcoFlow WAVE 3」でクールダウンした場面では、キャンプ仲間一同、思わず苦笑いでした。
とはいえ、熱中症のリスクなども考えると、「EcoFlow WAVE 3」で得られる涼しさは何にも代えがたく、近ごろ、本機をアウトドアレジャーで見かける機会が多いことにも得心がいきます。ロッジ内で気持ちよさそうに眠る、子どもたち。その寝顔を見ていると、「重さ」なんてたいした問題ではない、そう思うようになっていました。