レビュー

1万円で買える「シロカ コンベクションオーブン」の実力は?

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最近は、スマートフォン連動やベーカリー機能付きの高機能なオーブンが登場し、話題となっている。でも、実際は「そこまで凝った料理、毎日作らないんだけど……」という方も多いのではないだろうか。そんな人にとって、高機能オーブンは、使わない機能だらけにも関わらず、少々値段も高い。

とはいえ、一般的な普及価格帯のオーブントースターでは、庫内が狭いうえ温度調節機能がない。そのため、オーブンを使った料理のレシピにあるような、“180度で20分”といった温度指定のあるようなメニューをうまく作れないのが悩み。そこで、温度調整ができて、かつシンプルでコンパクトなお手ごろオーブンはないものかと探したところ……、あった! オークセールの「siroca crossline SCO-213」(以下、シロカ)というコンベクションオーブンが! なんとこの製品、実売で1万円以内(2013年11月現在)と、コンベクションオーブンとは思えない価格。しかも、赤と黒の配色やアナログダイヤルの組み合わせがレトロで可愛いではないか。はたして1万円以下のオーブンの実力はいかほどのものか? 実際に使ってみて、その実力を検証してみた。

「シロカ」は「コンベクションオーブン」。この「コンベクション」とは日本語で「対流」のこと。つまり、庫内に熱風をおこして食材を均一温めるオーブンのことをさす

予想よりもコンパクト。ビジュアルもイイ!

届いた商品の箱を開けてみて驚いたのが、軽さ。なんと、このオーブン、重量が3.9kgとかなりの軽さなのだ。最近の高機能オーブンは10kg以上、スチームオーブンだと20kg近いものが多い。軽いのは、移動がラクでとにかくありがたい限り。大きさも、幅39.8×奥行34.6×高さ23.5cmと、かなりコンパクト。庫内サイズは、幅28.7×奥行27.3×高さ10.5cmと、大きめのピザも軽々と焼けるサイズ。いっぽう、高さは10.5cmと少々低めなので、残念ながら“鶏の丸焼き”などは無理そう。

赤と黒のスタイリッシュなデザインが目を惹くコンベクションオーブン「シロカ」。コンパクトなうえに重量が4kg以下と軽いので、移動もラクだ

操作は3つのダイヤルのみ。上から「温度設定ダイヤル」「機能設定ダイヤル(使用ヒーターの選択と、コンベクション機能のON/OFF)」「タイマーダイヤル」

ちなみに、食材を温めるヒーターは上下に2本ずつむき出しで配置されている。本体右側の中央にあるダイヤルを操作することで、「上だけ」、「下だけ」、「両方のヒーター」と使い分けができ、さらにコンベクション機能を有効にすると庫内右の循環用送風口から風が送られる設計となっている。最初の感想は、むき出しのヒーターやダイヤル式のタイマーなどから、「温度調整のできるコンベクション機能つきのオーブントースター」といったところ。ちなみに、操作ダイヤルは3つあり、上部ダイヤルは100度から250度までの温度調整、下部ダイヤルはタイマー設定で、最大60分までタイマーを設定可能だ。

オーブンのヒーターは上下に2本ずつむき出し。天板を入れるスリットが2本あり、天板の位置で焼き色などの調節も可能だ

下部ヒーターの下には、引き出し可能なトレイがある。食材のクズが落ちたり液だれした場合も、これを引き出して簡単に洗えるのがうれしい

付属品として、「天板」「焼き網」「もち焼き網」のほか、熱くなった網などを取り出す「取っ手」、さらに食材の余分な水分や油分を吸収できる直径25cmの「ピザプレート」が同梱されている。「ピザプレート」は単体で購入しても数千円するので、この価格のオーブンに付属しているのは、単純に驚きだ。

「天板」のサイズは、約25×28cm。基本的に「天板」に網をのせて使用するので、食材の油やクズなどはここでキャッチできる。通常の「焼き網」のほか、網目が細かな「もち焼き網」も付属しており、料理の幅も広がりそうだ

陶器製の「ピザプレート」は、生地の余分な水分などを吸収してくれるので美味しいピザがを焼けるという。使用時は、天板と焼き網の上に乗せて焼く

焼け具合は? とりあえず使ってみる

まずはトーストを焼いてみた。付属の網は25×28cmほどなので、トーストが4枚一気に焼ける。非常に快適! しかも、普通のオーブントースターを使用するとヒーター直下だけ線状に焼き色が濃いこともあるのだが、「シロカ」ではそのような焼きむらができなかった。しかも、熱風で一気に焼くためか、表面はパリっとして、中はしっとりと仕上がっていた。

4枚のトーストが一度に焼けるのは、家族が多い家庭では非常に便利!

4枚のトーストが一度に焼けるのは、家族が多い家庭では非常に便利!

コンベクション機能のためか、4枚一度に焼いても焼きむらが少ない。予熱時間も短いので忙しい朝に重宝しそう

コンベクション機能を使用(写真左)したものと、使用していない(写真右)トースト(焼き時間は同じ)を比較。コンベクション機能を使用したトーストは焼きむらが少なく、表面のクリスピー感も高かった

実際に使用してみて便利だと感じたのが、予熱が早いこと。普通の電気オーブンは庫内が温まるまで10分近くかかることが多いので、我が家では朝のトーストをオーブンで焼くのは諦めていた。しかし、シロカならば4〜5分で庫内が十分に温まり、朝の忙しい時間でも活用できた。その半面、使って気になったのが、予熱が終わっても知らせる機能がないことと、庫内電灯がない点。とはいえ、どちらも料理の出来上がりには関係しないので、「シロカ」の値段を考えれば、そこまで大きなマイナスポイントではないはずだ。

また、トーストのあとは、お菓子のマドレーヌも焼いてみたが、こちらも失敗することなく中までふっくらと完成。お菓子類がちゃんと焼けるのは、温度管理ができるオーブンならではといえるだろう。

温度調整ができないトースターでは、うまく膨らまずに失敗してしまうことも多いお菓子作りも、「シロカ」ならばこの通り。綺麗に焼くことができた

焼き物の実力を試してみた

ちなみに、説明書には17種類のレシピも掲載されている。「ローストビーフ」や「基本のラザニア」といった通常のオーブン料理のほか、なんと焼き魚まで。予熱時間が短い分調理時間も短縮できる。このレシピどおり、夜のおかずも調理できるならば非常に便利なはず! そこで、今度は秋の王様「さんま」を焼いてみた。実は、我が家の魚焼きグリルでは大型のサンマが入りきらず、頭を落として焼くこともあった。しかし、シロカの天板ならば網が大きいのでそのまま焼くことが可能。付属のレシピでは、焼き魚は250度で8分焼くだけ。途中でひっくり返す手間がかからないのも便利だ。

完成した焼き魚の焼き色は、全体的に黄金色。中までふっくらとした焼き上がりで、非常にジューシー! ただ、今回の焼き時間では皮はパリパリにはならなかったので、クリスピーな皮が好きな場合は焼き時間を増やすなどの工夫が必要かもしれない。また、サンマは脂が多いため、調理中に煙が発生するのも気になった。煙が嫌な場合は、脂身の少ない魚を選んだほうがよいだろう。

一般的な魚焼きグリルでははみ出してしまうような大きなサンマが、「シロカ」にはギリギリ入った

一般的な魚焼きグリルでははみ出してしまうような大きなサンマが、「シロカ」にはギリギリ入った

レシピ通りに焼いたところ、囲炉裏で焼いたような黄金色に! 強い焦げ目はない上品な仕上がり。ちなみに、表面(写真上)よりも裏面(写真下)のほうが強く焼けている

完成した焼きサンマは、グリルで焼いたよりもふっくらとジューシーな仕上がり。焼き時間は8分と短いが、中までしっかり火が通っている

サンマに限らず、脂の多い食材を調理するとかなり煙が発生するのは少々気になった

サンマに限らず、脂の多い食材を調理するとかなり煙が発生するのは少々気になった

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