2018年1月12〜14日まで、千葉県の幕張メッセで開催された「東京オートサロン2018」。このイベントは、既存の車種の走行性能や快適性能を向上させたり、ある目的に特化したデザインや使い勝手が付加されたりした、改造車、チューニングカー、カスタムカーの祭典です。世間で言われる「クルマ離れ」などどこ吹く風、今年も3日間で30万人以上の来場者を集め、大いに盛り上がりました。会場で注目を集めた車を、いいモノ調査隊でおなじみの自動車ライター、マリオ高野さんが動画でレポートします!
自動車ライターのマリオ高野です。
今年も大盛況だった改造車の祭典、東京オートサロン2018で度肝を抜かれたカスタムカーの一部を動画で紹介しましょう!
長年にわたりカスタムのベース車としても絶大な人気を誇る「ハイエース」。昔から万人の目をひく豪華なラグジュアリー仕様が主流で、今年も豪華絢爛(けんらん)ぶりを極めたインテリアに仕立てたカスタムカーが目立っていましたが、それとは真逆の使い勝手や収納機能を突き詰めた実用カスタムや、レースに出んばかりの硬派なスポーツ仕様など、ますます発展する多様性の高さに感銘を受けました。
ニッポンが誇る超低燃費車、エコカーの頂点に君臨する「プリウス」も、カスタムカーとなると燃費など一切気にしないエコカーに変わります。特に現行モデルはノーマルの状態でも個性的なデザインが特徴なので、カスタマイズメーカー各社も改造のしがいがあるとのこと。そんなプリウスも、やはりクロスオーバー的なカスタマイズが抜群によく似合うことを証明する傑作との出会いが!?
「時代はクロスオーバー」をどこよりも実感させるのは軽トラックのカスタムカーでした。軽自動車メーカー大手のスズキ、そしてカスタムカルチャー誌「Daytona」のプロデュースによる軽トラックのキャリーをベースとしたクロスオーバー車(車高を上げてオフロード向けの雰囲気に仕立てたクルマ)の完成度の高さと鋭敏なセンスに引き付けられた人は多かったことでしょう。
漆黒のラグジュアリードレスアップカーがズラリと並ぶ大阪の老舗ブランド、「D.A.D(デーアーデー)」ブースでは、新型N-BOXもさっそくVIP感が炸裂(さくれつ)。そして、例年展示される2台のクリスタルベンツは今年も健在で、さらにバージョンアップ。これぞカスタムカーの祭典にふさわしい雰囲気に安心感すら覚えます。
大人も子供も大好きなトミカ。オートサロン会場内に設けられた特設ブースでは会場限定モデルが注目され、トミカブランドのTシャツなどのオリジナルグッズも大好評でした!
世界最強級の加速性能を発揮するモンスターマシンを自由自在に操るのは、スタントドライバーとして大人気のケン・ブロック氏。YouTubeにアップされている彼の走行動画は数億の再生回数を誇ります。深いドリフトアングルを維持しながら小さな円を描いて回る彼の磨き上げた「魅せるドリフト」には長蛇の列ができるのも納得。尋常ならざる大爆音とタイヤが削れる、いや溶ける煙にまみれて何も見えなくなるのが難点ですが、そういう異様な世界を見られるのも得がたい経験です!
自動運転技術の進歩や電気自動車の普及など、昨今の自動車業界の流れを無視するかのように昔ながらの伝統的なカスタマイズカーが席巻(せっけん)している様子には、ある意味安心感を覚えたというのが率直な印象です。
一部の車種に「クロスオーバー化」がトレンドとなっているなど、一般的なクルマ趣味の流れと共通するところも見られましたが、全体的に「オートサロンは微塵もブレず!」ということで、ニッポンのクルマ文化の成熟を実感! 大変有意義でありました。