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バリウマ豚骨カップ麺はこれ!

伝説のラーメン店「なんでんかんでん」川原店主が、豚骨カップ麺をぶった切る!

インスタント麺の元祖・日清食品。その創業者夫妻をモデルにした朝ドラ「まんぷく」で盛り上がる昨今の即席麺市場。その一方、ラーメン界隈で昨年大きな話題を振りまいたのが、伝説の博多豚骨ラーメン店「なんでんかんでん」の復活です。

2018年9月3日、高円寺に復活した「なんでんかんでん」と、名物店主の川原ひろしさん。これまた伝説のTV番組「マネーの虎」にも出演していた有名人です

最盛期には、当時の店舗があった環七(東京都道318号環状七号線)沿いに数百メートルの大行列。1日に1,200杯を売り上げる一方、行列がスゴすぎて50回以上も110番通報されるなどした、まさにレジェンド店です。今回はその味を作り上げた川原さんに、豚骨カップ麺の食べ比べを依頼しました。集めたのは、比較的に全国で購入しやすい有名メーカーの博多豚骨ラーメン。

大定番の「ラ王」や「マルちゃん製麵」をはじめ、九州人に愛される「マルタイ」なども用意

大定番の「ラ王」や「マルちゃん正麵」をはじめ、九州人に愛される「マルタイ」なども用意

お願いしたのは、この6種類を1杯ずつ試食したうえでのコメント。加えて、「スープの好み」や「本場感」など、項目別に川原さんの感想を数字で評価(1〜5)してもらいました。博多生まれの川原さんだけに、マルタイが高評価なのか、それともグローバルな日清やマルちゃんに軍配が上がるのか。ぜひ最後までご覧ください!


食べ比べスタート! 同じ博多豚骨でも味は千差万別だった

「どれからでもいいよ。このへんからいく?」と川原さんが手に取ったのは、チャルメラ。ということで、まずはこの商品から食べることに。ちなみに今回の中では、マルタイ以外食べたことがないそうです。

(1)明星 ノンフライチャルメラどんぶり 豚骨

特徴は、博多ラーメン独特の、粉っぽさのあるバリカタ麺。熱湯60秒で完成するノンフライ麺を開発し、本場の食べごたえを表現しています

かやくは、青ネギとチャーシューとゴマ。粉末スープと「チャルメラ 秘伝の小袋」という調味油が味の決め手です

気になる分量などは、75g(麺は60g)に対して296kcal

気になる分量などは、75g(麺は60g)に対して296kcal

完成形はこのとおり。白濁したスープと細い麺は、確かに博多のラーメンを彷彿(ほうふつ)とさせるビジュアルです

カップ麺でこの細さはスゴいし、よくできてると思うよ。スープは素朴な感じの味わいで、懐かしい香りがする。すごく好きとまではいかないけど、カップ麺がここまで進化してるってことに驚きだね」(川原さん)

麺はバリカタらしい、パツンとした食感。麺に対する加水率(水分量)も低めで、博多ラーメンらしさを演出しています



「カップ麺としては安い価格帯だと思うんだけど、ノンフライでこの麺のクオリティは特筆すべきところかな。でも1つ残念なことは、柔らかくなるのが早いところ。1〜2分のうちに食べないと、バリカタ感は完全になくなっちゃうね。本場の博多ラーメンはそのへんも工夫されているから、ここまでのびやすい麺はそうないと思うよ。その、コシみたいなのがもっとあればよかった。惜しいな〜」(川原さん)


(2)マルタイ 博多長浜ラーメンカップ

お次は、九州人おなじみのマルタイ。王道の「即席マルタイラーメン(棒ラーメン)」をはじめさまざまな袋麺とカップ麺がある中、今回は「博多長浜ラーメンカップ」をピックアップしました。

屋台のイラストが描かれたパッケージで、お湯の待ち時間は2分。白湯エキスをベースにした、博多長浜ラーメン風の豚骨スープが特徴です

麺は油で揚げているタイプで、ストレートではなく縮れています。かやくは青ネギ、ゴマ、キクラゲと、有明産の焼海苔が2枚。粉末と調味油がスープになっているところは、チャルメラ同様です

85g(麺は65g)に対して、410kcal

85g(麺は65g)に対して、410kcal

チャーシューは、なし。キクラゲと海苔がアクセントになっています

チャーシューは、なし。キクラゲと海苔がアクセントになっています

「さすがはわれらのマルタイ! と言いたいところなんだけど、麺が残念。ここまで縮んでいる理由はよくわかんないけど、カップラーメンでストレート麺は難しいというのは事実。俺も昔、カップ麺を作ったことがあってさ。メーカーさんに掛け合ったんだけど、実はカップで麺をまっすぐにするのはハードル高いんだって。でも、もうちょっとパツっとできると思うんだけどね」(川原さん)

細麺とはいえ、極細まではいかない程度。また、こちらも柔らかくなるのが早く、川原さんはそこも残念だと言います



「ただ、スープはウマいよ! 特に香りがすばらしい。1970年代の博多ラーメンの味がする。屋台とかラーメン専門店じゃなくて、街中華的なね。俺が子供の頃、近所に『中華園』って街中華があってさ。そのラーメンを思い起こさせる、懐かしい味が好きだよ」(川原さん)


(3)凄麺 熟炊き博多とんこつ

「ニュータッチ」などで知られる老舗・ヤマダイの人気シリーズ「凄麺」。同社は茨城県のメーカーながら博多をはじめ全国の本格ご当地麺シリーズも手掛けており、和風カップ麺「手緒里庵」もハイレベルな味わいで人気。そしてこの熟炊き博多とんこつは、本場の食感を再現したノンフライ細麺と、福岡のメーカー「一番食品」と共同開発したスープが自慢です

熱湯2分の麺はかなりの極細。内袋は4つもあり、それぞれ粉末スープ、液体スープ、かやく、後入れかやくと分けているこだわりよう。この探求心がどこまで味に結びついているのか、期待が高まります

104g(麺は60g)に対して、354kcal

104g(麺は60g)に対して、354kcal

具としては青ネギが多めな印象。また、少量ですが刻んだキクラゲも入っていて、コリっとしたアクセントを演出しています

「こってりとまではいかないけど、とろみがあって濃厚な味わいだね。香りもエッジのある風味でよく再現できていると思う。完成度はすごく高いんじゃない? ただ、これまでの2商品に比べるとどうしても値段は高くなっちゃうよね」(川原さん)

麺の硬さに対する持続性は強く、川原さんも舌を巻くほど。ただ「細麺なのはいいんだけど、本場ってここまで細かったかな〜?」という意見も


「これは好みの問題なんだけど、俺にとってこの麺は細すぎる。個人的にはもうちょっと太いほうが好きなのよ。でも、全体的なクオリティの高さはホントにスゴいと思う。カップ麺ってここまで進化してるんだね〜」(川原さん)


(4)日清ラ王 濃熟とろ豚骨

豚骨に丸鶏を合わせ、ガーリックを効かせたコク深くまろやかな味わい。麺は熱湯2分の極細タイプ。八角形のパッケージも、ラ王の特徴です

具材で特筆すべきは、ひと際リッチな厚切チャーシュー。そのほかには青ネギとゴマ、そして生の紅生姜も。スープは粉末と液体の両方があります

113g(麺は65g)に対して、456kcal

113g(麺は65g)に対して、456kcal

ビジュアル的には、大ぶりのチャーシューと鮮やかな紅生姜が好アクセントに

ビジュアル的には、大ぶりのチャーシューと鮮やかな紅生姜が好アクセントに

「なんか甘みが強いと思ったら、鶏のエキスも入ってるんだね。う〜ん、マズくはないんだけど博多の基本は豚骨100%だからさ。甘みを伴うマイルドなポッテリ感があって、どことなく鶏白湯ラーメンのような今風のニュアンスがあるね。世間的にはこれがおいしい味なのかもしれないけど、博多出身の俺からすると、ちょっと違うかな〜」(川原さん)




麺はさすが、日清だね。博多っぽい細さがありながら、のびづらいしコシもある。すごく研究しているんだろうな〜という印象。あと、チャーシューがすごくおいしい! ただ、紅生姜をこうやってせっかく付けるならもっと多いほうがいいし、ここまで細かく刻む必要はないんじゃない?」(川原さん)

「なんでんかんでん」の無料トッピング。手前から生ニンニク(と、ニンニククラッシャー)、辛子高菜、紅生姜があり、博多ラーメン店の多くが採用しているスタイルです。「コストが増えても紅生姜を付ける、ラ王の心意気は好印象だけどね」と川原さん


(5)マルちゃん正麺 カップ 濃厚とろ豚骨

メキシコなど一部の国や地域では日清をしのぐ人気といわれている、マルちゃん。発売元の東洋水産が2011年に日本でデビューさせ、業界に革命を起こしたブランドが「マルちゃん正麺」(袋麺タイプ)で、2015年に登場したのがカップ麺タイプ。なめらかでコシのある麺が、最大の特徴です

かやくは、チャーシューと青ネギ、刻みキクラゲが1袋に。スープは粉末と液体の2種類入り。また、ほかにない特徴が熱湯5分と長めの待ち時間です

107g(麺は65g)に対して、381kcal

107g(麺は65g)に対して、381kcal

完成図としてはシンプルな印象ですが、太めの麺は独特

完成図としてはシンプルな印象ですが、太めの麺は独特

「5分は長いなと思ったら、平打ちタイプの中太麺なんだね。加水率が高く、もっちりとした弾力がありながらコシも十分。博多ラーメンの麺とは違うけど、この個性は嫌いじゃないよ。スープも絶妙なとろみがあって、この麺にマッチしてる。ラ王っぽい味なのかなと思ったけどこっちは鶏っぽさを感じないし、豚のうまみが豊かでそれもイイ!」(川原さん)

もっちり食感が「マルちゃん正麺」最大のウリ。「生麺ゆでてうまいまま製法」という特許を取っているそうです



「『この麺は博多ラーメンじゃないたい』という九州男児はいると思う。まぁ、確かにその部分はあるけど、好きか嫌いかというなら、俺は好きな味。まぁ、博多はうどん文化も根強いからね。この麺が好きな博多人は結構少なくないと思うよ」(川原さん)


(6)サッポロ一番 旅麺 博多 明太味とんこつラーメン

袋麺の「みそラーメン」や「塩らーめん」で有名なサッポロ一番の旅麺シリーズ。明太子のフレークを入れているところが大きな特徴です

細めの揚げ麺に、粉末スープと調味油。かやくには明太子の味付けそぼろとゴマ、ネギが入っています

細めの揚げ麺に、粉末スープと調味油。かやくには明太子の味付けそぼろとゴマ、ネギが入っています

75g(麺は60g)に対して、351kcal

75g(麺は60g)に対して、351kcal

赤い粒が、明太子のそぼろ。スープには明太子パウダーも入っていて、魚卵特有のコク深い風味が漂います

赤い粒が、明太子のそぼろ。スープには明太子パウダーも入っていて、魚卵特有のコク深い風味が漂います

「うちは、大叔父が明太子の元祖『ふくや』の創業者だからね。明太子に関してはラーメンと同じぐらい熱い想いがあるのよ。そこでいうと、このラーメンは中途半端な感じがするかな。そもそも、ラーメンに明太子を入れるのって難しいのよ。スープの底に粒がしずんじゃうから。俺も昔お店で出してたんだけど、お客さんの食後の丼にたまった明太子を見て、これじゃあ本当のおいしさが伝わらないかもと思ってやめたんだ」(川原さん)


「このカップ麺の明太子はフレーク状になっていて、噛むと辛さや味を感じられるのはイイと思う。でも、基本のスープはもっと頑張れると思うな〜。ちょっとこれはサラサラすぎる。発想はおもしろいと思うんだけど、ラーメンのおいしさとしてはもう一歩というところかな」(川原さん)

「『なんでんかんでん』では、「ふくやの一口明太子」(250円)と「ふくやの明太子ごはん」(300円)も提供してるから、食べに来てね!」と川原さん


「あと、麺の存在感も弱いかな〜。油揚げ麺だと博多の食感を出すのは難しいのかもしれないけど。まぁこのカップ麺自体はリーズナブルな方向性だから、それを考えるとよくできているとは思う。このカップ麺をおいしく食べるコツとしては、湯量を減らして濃い味にするといいかもしれないね」(川原さん)


まとめ:博多らしさはマルタイ。ウマいのはマルちゃん

川原さんに総評を聞くと、博多ラーメンらしさや、価格の安さなどは「マルタイ 博多長浜ラーメンカップ」が一番とのこと。そして、シンプルにカップ麺のおいしさで評価するなら「マルちゃん正麺 カップ 濃厚とろ豚骨」がイチオシとか。

「マルタイ 博多長浜ラーメンカップ」を持って解説。今回の6つを問わず、すべてのカップラーメンで一番好きな商品も聞いてみました

「なんだかんだ、俺は博多出身だから。マルタイは『地元民の好みをわかってるなー』って感じがするんだよね。まぁ、流通自体が全国ではなく九州がメインだからそうなるのは当たり前だと思うけど。でも凄麺とかマルちゃん正麺とかの技術力にも驚かされたね。ちなみに、一番好きなカップラーメンは、サンポーの『焼豚ラーメン』だよ。九州以外だとあんまり店では売ってないと思うけど」(川原さん)

■川原さんが一番好きなカップラーメン

「焼豚ラーメン」のレビュー記事はこちら

「焼豚ラーメン」のレビュー記事はこちら


「サンポーは佐賀のメーカーなんだけど、この『焼豚ラーメン』は博多はもちろん、九州人のソウルフード的な味だと思うよ。マルタイは袋の棒ラーメンで、カップ麺ならサンポーね。今回の『マルタイ 博多長浜ラーメンカップ』的な方向性で、豚骨の香りがたまらない。ネットで買うほか、九州に行った際のおみやげにもおすすめだよ!」(川原さん)


「普段カップ麺はあんまり食べないけど、すごく勉強になったよ。おもしろい体験をありがとう! あとは、ぜひ高円寺までラーメンも食べに来てね。俺も店に結構いるからさ」(川原さん)

定番の「ラーメン」770円。白濁したクリーミーな豚骨100%のスープに、加水率低めのしなやかな細麺がベストマッチ。同店はお酒やつまみが豊富かつ、テーブル席も用意されているので飲みの席にも最適です。未食の人はマストでGO!

同じ博多豚骨のカップラーメンでも、各社の個性が出ていてそれぞれの特徴を知れる取材となりました。最後に川原さんは、「いつか袋麺や明太子の食べ比べをしてみたいね〜」とも。機会があったら、ぜひまたお願いしたいと思います。


【取材協力店舗】
なんでんかんでん
https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131904/13225754/
住所:東京都杉並区高円寺南4-25-9
電話番号:03-5913-9485
営業時間:11:00〜翌1:00
定休日:なし
アクセス:JR中央線快速・中央線総武線各駅停車「高円寺駅」南口より、徒歩1分

中山秀明

中山秀明

食の分野に詳しいライター兼フードアナリスト。雑誌とウェブメディアを中心に編集と撮影を伴う取材執筆を行うほか、TVや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活動中。

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