「メーヤウのカレー」と聞いてピンと来る人は、早稲田大学の卒業生でほぼ間違いありません。1997〜2017年まで東京メトロ東西線の早稲田駅からすぐの場所にあり、現在20代後半〜40代半ばの卒業生なら1度は食べたことがあるはずのカレーのお店です。
こちらが現在の「メーヤウ」
そんなメーヤウのカレーが「楽天」でも買えるようになったということで、お店の味と同じなのか? さっそく試してみました。
お店で提供されているカレーはこんな感じです
早稲田大学出身者に「メーヤウ……?」と耳元でつぶやけば、ほぼ間違いなく「メーヤウ!!」と大興奮するはず。というくらい、ほとんどの卒業生が訪れたことがあるカレー店です。なかには「入学の洗礼として、先輩が新入生に『メーヤウ』のカレーをおごる」という風習のあるサークルもあったほど。
お店で注文した「お好きなカリー2種盛り」
食べたことがない人は、「でもカレーなんて味に大きな違いはないのでは……」と思われるかもしれません。「メーヤウ」のカレーは“唯一無二”と言ってもいいほどの魅力があり、ほかには絶対にない独特のものです。
特徴的なのは、その辛さ! 特に人気の「チキンカリー」は10種類以上のスパイスを使用していますが、食べ進めるうちにこめかみあたりからじゅわっと汗があふれ、途中から「辛いというより痛い」感覚をずっと覚えます。
信じてもらえないかもしれませんが、「痛い、だけどウマい」という感じで、前述の新入生も初めて食べたときにはその辛さに衝撃を受けるものの、1週間もしないうちにまた食べたくなり、そして在学中はひんぱんに通ってしまうというわけです(そして自分に後輩ができると今度は自分がおごる側に……以後、ループ)。
そんな「メーヤウ」ですが、紆余曲折ののち、2017年に惜しまれつつ閉店。その後2020年7月、西早稲田駅近くに場所を変えて復活しました。現在でも早稲田生と地元住民に愛されているわけですが、なかなか西早稲田駅を訪れる機会がないという人のために、お店のそのままの味が楽しめる冷凍カリーが発売されました。「メーヤウ」を食べたことがなく、「そんなに辛いのか? 気になる!」という人もお取り寄せが可能です!
実は「メーヤウ」のお取り寄せは「レトルトカリー」と「冷凍カリー」の2種類。どちらもお店と公式サイトで販売されているのですが、「レトルトカリー」はスーパーなどで販売されていることもあるのだそう。
「メーヤウ」のレトルトカリー。味は「ポーク」と「チキン」の2種類(公式サイトより)
手軽なのは常温で保存できる「レトルトカリー」ですが、お店そのままの味を求める人には「冷凍カリー」をおすすめします。箱入りは常温保存できるようにレトルト殺菌をしているので、お店のレシピとは少しだけ味が変わってしまうからです(辛くておいしいのはもちろんですが)。
いっぽう、冷凍のものはお店と同じレシピを急速冷凍したもの。公式サイトのほか、「楽天」、そしてなんと、東京・新宿区の「ふるさと納税」の返礼品にもなっているんです!
冷凍カリーの紹介ページ(公式サイトより)
今回は「楽天」にて、「チキン」「ポーク」「グリーン」「レッド」の4種類の味が楽しめる「コンプリートセット」を購入してみました。
コンプリートセット
「プリックナンプラー」もこんなにたっぷり付いてきました。これも「メーヤウ」独特の味わいの秘密のひとつなのですが、使い方はのちほど。
付属の調味料「プリックナンプラー」
レトルトと比べると冷凍タイプは調理が面倒そうだな……というのが懸念点だったんですが、最近のレトルトでよく見るパウチに入っていました。
このタイプのパウチは湯煎もレンジもOK
そう、冷凍したままレンジで加熱できるタイプのパウチです!
解凍時間が必要だったり、袋を開封するのに手間取ったり、加熱するのに使ったお鍋を洗ったりする必要がないのはありがたい……!
600Wの電子レンジで約5分間(商品により異なる)加熱するだけ!
湯煎での加熱もOKです。どちらにせよ調理工程で洗い物がひとつも出ないのが最高ですね。
湯煎の場合は沸騰させたお湯で7〜8分間(商品により異なる)加熱
加熱が完了したら開封し、お皿に盛りつければ完成です!
“硬めに炊いたライス”のご用意もお忘れなく! この理由は「シャバシャバのルーの水分を米が吸ってちょうどよくなるから」だそうです。お店では「あきたこまち」を使っているとのことでした。
手も鍋も汚れないので便利
さっそく食べてみましょう。まずは定番で人気の「チキンカリー&ポークカリー」。
「チキンカリー」&「ポークカリー」(添えられている卵とジャガイモについては後述)
「チキンカリー」(辛さ4)にはお店で提供されるものと同様、まるごとチキンが入っています。
「チキンカリー」にはまるごとチキン入り
味は……食べた瞬間、懐かしさが脳内を駆け巡るほど、「そのまんまお店の味」でした。口の中に広がるピリピリとした痛さ、その奥からふわっと追いかけてくるスパイスの複雑な旨味……。
「メーヤウ」を食べたことのない家族(辛いのは実は苦手)は「辛い! でもおいしい! なんだこれ!」と、何かに取り憑かれたようにパクパクと食べています。
「ポークカリー」(辛さ3)も、こんなに大きなポークの塊入りです。
「ポークカリー」にも塊肉入り
「ポークカリー」は「チキンカリー」よりも辛味レベルは若干下がるのですが、うん、それでも辛いことに変わりはない。
少しコクのある旨味と辛さのバランスは絶妙です。口の中はピリピリとし、こめかみから背中にかけてぐっしょりと汗をかきますが、そのおいしさのトリコになってしまうのです。
「すごく興味はあるんだけど、辛いものは本当に苦手で」という人は、「レッドカリー」(辛さ2.5)か「グリーンカリー」(辛さ2)をおすすめします。
こちらは「レッドカリー」
「レッドカリー」はいくぶんか常識的な(?)辛さです。こちらにも大きめの鶏肉が入っています。
大きめの鶏肉入り
辛さを楽しみつつも、そこまで体調に影響を及ぼさないレベルです。比較的多くの人が「辛い! でもウマい!」を楽しめると思います。
「メーヤウ」の現在のラインアップの中で最も辛くない(とはいっても多少は辛さがあります)のは「グリーンカリー」です。
「グリーンカリー」はさほど辛くない
ナスとタケノコが入っています! まさに王道グリーンカレーのおいしさがありつつも、やはりそこは「メーヤウ」。この奥深い味には、食べている途中に「また食べたい」と感想を漏らしてしまうほどの中毒性があります。
具だくさんです
以上のように、普通に食べてもお店の味そのままで十分においしいのですが、最後までおいしく楽しむためにはいくつかのコツがあります。
少し手間はかかりますが、お店の味に近づける&さらにおいしく食べるために用意してほしいのが、ゆで卵と素揚げジャガイモです。すでに上の写真にも登場していましたね。
ゆで卵はほんの少し半熟気味が美味。できれば、終盤に辛さが強くなってきたころに食べることをおすすめします。口の中をマイルドにしてくれます。
ゆで卵はオアシス
ジャガイモは半分にカットしてレンジで加熱したのちに少量の油で素揚げしました。お店では「メークイン」を使用しているそうなので、できれば合わせたいですね。
ジャガイモはルーに浸して少し潰してから、ライスの上にのせて食べる方法が人気です
カレーの食べ方は人それぞれだと思いますが、「メーヤウ」のカレーはルーをスプーンですくい、1度に食べる分ずつライスにかけて食べ進める方法が推奨されています。
ルーは1度に食べる分ずつライスにかけましょう
なかには、ルーだけを飲む(!)慣れた人もいるようですが、辛さがあるので少量ずつライスと一緒に食べるほうがダメージは減らせます。本当に辛いので、ライスの量は普段食べるカレーよりも1.5倍くらい用意したほうがいいと思います。
チキンやポークはライスの上でほぐしつつ、ルーと肉に旨味を染み込ませるようにするとよい!
「メーヤウ」のカレーを初めて食べるという人は、ラッシー(はあまり売っていないので飲むヨーグルト)を絶対に用意するべきです!
もちろん、途中で飲むためです。辛いものを食べる際はつい途中で水を飲みたくなるものですが、「メーヤウ」のカレーを食べる際には絶対に途中で水を飲んではいけません。
山椒や唐辛子などの辛味成分は水に溶けにくいため、途中で水を口に含むと逆に辛さだけが残って広がり、辛さがさらに増してしまうのだそう。水ではなく、ラッシーや飲むヨーグルトを一緒に飲むと辛さがやわらぐのです。牛乳でもOK。
このことを知らずに初めて「メーヤウ」を訪れた人が、カレーを食べる→水を飲む→辛い→水を飲む→辛い……のループでもだえているのを店で何度か見かけたことがあります……。
ちなみに、「ポークカリー」に生卵を入れると辛さが多少マイルドになるうえに、不思議とスパイスの風味とマッチするのでおすすめです。
後半では、先述した付属の「プリックナンプラー」を味変に使用します。
「プリックナンプラー」は、別皿にスプーンと一緒に添えて
これを加えると妖艶な塩味と深さが加わり、違った味わいに変わり、最後まで飽きずに食べ切れます。
少しずつ混ぜてみましょう
・「チキン」と「レッド」を混ぜる
・「グリーン」と「ポーク」を混ぜる
という方法があるのだそう。試してみたのですが、それぞれの辛さとウマさが不思議な相乗効果を生み出す気がしました。
以上、「メーヤウ」のお取り寄せは、お店で食べたことがある人でも初めての人でも、唯一無二のカレーが自宅で気軽に楽しめることがわかりました! ただ、初めて食べる人はあまりの刺激に体調に変化がある場合がありますので、まずは休日や予定がない日などに楽しむようにしてみてくださいね。