レビュー

10分で作れる「バーモントカレー」が高タイパ! 定番「辛口」との違いを確かめてみた

ハウス食品から1963年に誕生した国民的カレーブランド「バーモントカレー」は、2024年で61年目を迎えました。60周年の2023年には初のレトルトを発売して話題を集めましたが、今度はプレミアムなシリーズが新しく登場しました。

それが、2024年2月に発売された「バーモントカレーシェフズアレンジ」。味は「果実仕立て」と「クリーム仕立て」がラインアップされており、どちらも「食べログ フレンチ TOKYO 百名店 2023」の選出店「シェ・イノ」の古賀純二シェフの知恵を取り入れた、特別な味わいに仕上がっているそうです。

左が「バーモントカレーシェフズアレンジ <果実仕立て>」で、右が「バーモントカレーシェフズアレンジ <クリーム仕立て>」

左が「バーモントカレーシェフズアレンジ <果実仕立て>」で、右が「バーモントカレーシェフズアレンジ <クリーム仕立て>」

「果実仕立て」はブイヨンの旨味に、リンゴペーストやバナナ、マンゴーの果実ピューレ、チャツネを組み合わせた、ふくよかな甘みを感じる味が魅力。いっぽう、「クリーム仕立て」はブイヨンの旨味に、生クリームやバターを組み合わせた、口当たり滑らかでまろやかなコクが特徴です。

加えて、固形ではなくペーストタイプのルウなので、計10分で調理可能かつ、油脂の融点が低いため、片付けの際にべたつかず洗い物が楽というメリットもあるとか。

「バーモントカレーシェフズアレンジ <果実仕立て>」のパッケージを開けてみると、ペーストルウなので、内部包装はパウチを採用

「バーモントカレーシェフズアレンジ <果実仕立て>」のパッケージを開けてみると、ペーストルウなので、内部包装はパウチを採用

今回は、「バーモントカレーシェフズアレンジ <果実仕立て>」をレビュー。定番の「バーモントカレー」との違いを確かめるべく、それぞれを調理して食べ比べてみました。

「バーモントカレーシェフズアレンジ」の辛味レベルはどちらも「3」。「バーモントカレー」では「辛口」がその辛さに該当します

「バーモントカレーシェフズアレンジ」の辛味レベルはどちらも「3」。「バーモントカレー」では「辛口」がその辛さに該当します

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2023/12/14 11:00

10分で作れる新作は煮込み工程がほぼ不要

「バーモントカレーシェフズアレンジ」は、薄切り肉と玉ネギだけで作るレシピが推奨されており、それが10分で調理が完了する理由のひとつでしょう。

いっぽう、従来の「バーモントカレー」は、ジャガイモやニンジンも使い、煮込む工程もあるので完成まで約40分というのが目安時間ですが、今回は素材による味の差が出ないように具は同じものを使い、調理工程や時間は各商品に従いました。

それぞれのパッケージ裏面。今回の具材はともに、薄切り肉と玉ネギだけで作ります

それぞれのパッケージ裏面。今回の具材はともに、薄切り肉と玉ネギだけで作ります

ということで、完成までの時間が長い「バーモントカレー <辛口>」から調理開始。まずは鍋に具材を入れ、玉ネギがしんなりするまでソテー。その後、水を入れてあくを取りながら煮込んでいきます。

沸騰後、約15分が煮込む目安時間。具材がやわらかくなったら火を止め、ルウを入れてとろみがつくまでさらに10分程度煮込みます

沸騰後、約15分が煮込む目安時間。具材がやわらかくなったら火を止め、ルウを入れてとろみがつくまでさらに10分程度煮込みます

「バーモントカレー <辛口>」の完成まで残り10分のところで、「果実仕立て」も調理開始。こちらは玉ネギがしんなりするまでフライパンで約2分ソテーし、次に肉を入れて火が通るまで約4分炒めます。

目安として、具材を炒める時間は計6分。その後、火を止め、水を入れてペーストルウを混ぜる工程へ

目安として、具材を炒める時間は計6分。その後、火を止め、水を入れてペーストルウを混ぜる工程へ

なお、ペーストタイプのルウと言えば、ハウス食品では「きわだちカレー」や「お肉を焼くだけでおいしいカレーの素」などがこれまで販売されてきました。ペーストルウが固形ルウより秀でているポイントは、水分量の多い材料を使用できること。それでいて、レトルトソースより低温で殺菌できるため、風味の変化を最低限に抑え、素材の味わいを引き立てられることなどがあげられます。

ペーストを投入したら再度点火し、沸騰後約2分加熱して完成。この時点で、固形ルウにはない香りのボリュームを感じます

ペーストを投入したら再度点火し、沸騰後約2分加熱して完成。この時点で、固形ルウにはない香りのボリュームを感じます

こうして、「バーモントカレー <辛口>」と「果実仕立て」がともにしっかりととろみが付いて完成。調理工程や時間は多少違うものの、具材は同じなので各商品の味の違いがわかるはず。気になります!

それぞれを皿に盛り付けて、いよいよ食べ比べ

それぞれを皿に盛り付けて、いよいよ食べ比べ

新作の味はよりフルーティーで香りがフレッシュ

盛り付けてみると、若干ソースの色が異なり、「果実仕立て」のほうが褐色で濃いような気がします。そして、香りにはよりはっきりと差が出ていることを実感。「果実仕立て」のほうが、素材やスパイス感が複雑に交差しつつ、鮮やかで強い印象です。

「果実仕立て」(左)は、スパイスカレーのようなフレッシュな香りがしました

「果実仕立て」(左)は、スパイスカレーのようなフレッシュな香りがしました

続いて「果実仕立て」のほうからひと口食べてみました。

なるほど、これは「バーモントカレー」ならではのフルーティーな甘味がダイナミックに感じられ、その後にスパイスの豊かな香りが広がります。

欧風カレーの表情を持ちつつ、スパイスカレーのフレッシュな香りをまとった進化系とも言えそうなおいしさ

欧風カレーの表情を持ちつつ、スパイスカレーのフレッシュな香りをまとった進化系とも言えそうなおいしさ

また、煮込んだと言えるほど調理していないのに、どっしりとした深いコクもあるのが驚き。加えて、甘味、塩味、辛味といった各レイヤーのグラデーションが明瞭で、上品かつリッチなおいしさも感じます。

辛さはレベル「3」なので穏やかですが、スパイス感とともに段々とボルテージが上がる、さりげない刺激が楽しめます

辛さはレベル「3」なので穏やかですが、スパイス感とともに段々とボルテージが上がる、さりげない刺激が楽しめます

そして次は、おなじみの「バーモントカレー <辛口>」をテイスティング。やはり、こちらは実に落ち着いた、オーセンティックで安定感のある味わい。「果実仕立て」と特に異なるのは、果実味よりも前に塩味とコクが前面で感じられること。

果実感は隠し味と言えるレベルですが、ふくよかなコクと旨味は抜群。辛さは「果実仕立て」同様にやさしく、じんわりと響きます

果実感は隠し味と言えるレベルですが、ふくよかなコクと旨味は抜群。辛さは「果実仕立て」同様にやさしく、じんわりと響きます

「果実仕立て」よりも長時間煮込んでいるからか、まろやかな深みがどっしりと安定しており、玉ネギのとろとろ感もしっかり。果実味やスパイス感は中盤からじんわり広がり、それでいて全体的にマイルドなカレーに仕上がっていました。

「これだよ、これ!」的な味わい。ダシや旨味とも調和しやすそうな味で、カレーうどんにはこちらのほうがおすすめかと思います

「これだよ、これ!」的な味わい。ダシや旨味とも調和しやすそうな味で、カレーうどんにはこちらのほうがおすすめかと思います

【まとめ】味わいもレシピも現代にマッチしたルウ

「バーモントカレーシェフズアレンジ <果実仕立て>」を食べて改めて感じたのは、現代のライフスタイルにマッチしているということ。10分で簡単に作れる「タイパ(タイムパフォーマンス)」にすぐれた設計で、フレッシュな果実やスパイスの要素を感じる新奇性豊かな欧風カレーのルウだということがわかりました。これを「バーモントカレー」ブランドでリリースしてきた点からは、ハウス食品の自信も感じます。

最近のカレートレンドは、シンプルなカレーライスへの回帰。その点での新しさもあります

最近のカレートレンドは、シンプルなカレーライスへの回帰。その点での新しさもあります

今回は2つのラインアップの中から、「バーモントカレーシェフズアレンジ <果実仕立て>」を食べてみましたが、きっと「バーモントカレーシェフズアレンジ <クリーム仕立て>」も驚きを感じるおいしさがあるはず。「バーモントカレー」ファンはもちろん、すべてのカレー好きにおすすめです!

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2023/12/14 11:00
中山秀明
Writer
中山秀明
グルメ、ファッション、カルチャー、ライフスタイルを得意とする編集プロダクションを経て独立し、フードアナリストの資格を取得。内食・外食のトレンドやカルチャーに詳しく、深掘りレビューやインタビューなどを得意とし、さまざまな雑誌やウェブメディアをメインに、編集と撮影を伴う取材執筆を行っている。酒類や調理家電、タバコ関連にも強い。時折、テレビ番組や大手企業サイトに食の有識者として企画協力することも。
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牧野裕幸(編集部)
Editor
牧野裕幸(編集部)
アイテム情報誌「GetNavi」や映像エンタメ情報誌「DVD&Blu-rayでーた」(当時)の編集者を経て「価格.comマガジン」へ。スティック&ロボット掃除機、コーヒーメーカー、扇風機、電動歯ブラシ、電気ケトルなどの白物家電のほか、AV機器や加熱式タバコを担当しています。LOVE, LINKIN PARK.
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