京都の老舗料亭「下鴨茶寮」をご存じでしょうか? 世界文化遺産「古都京都の文化財」のひとつ、下鴨神社のすぐそばに店を構える、安政3年(1856年)に創業した歴史ある料亭で、日本のおもてなしの心を濃縮したお料理やサービスの数々が受けられるお店です。国内外から多くのファンが訪れるそう。そんなお店に筆者が行けるはずもなく…テレビや百貨店で販売しているおせちなどを、ヨダレを垂らしながら見ているだけでした。しかーし、その料亭の味が家で楽しめるという調味料が売れに売れていると話題になっていたので、ミーハー根性丸出しで購入してみました。
はい? しょうゆが粉? 最近、粉状のドレッシングなどパウダー食品がブームですが、しょうゆをフリーズドライ製法で粉にしちゃったのですか。なんだか想像もつかない世界。しかも、下鴨茶寮という歴史ある料亭がこんな革新的なアイディア商品を出すとは。でも、売れているには理由があるハズ。
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中には小分けにされた粉しょうゆと、陶器の小瓶が |
なんでも、使われているしょうゆは250年の歴史を誇る香川の老舗醤油舗「かめびし屋」の3年醸造もの。う〜ん、ここはやっぱり老舗料亭のこだわりがみられます。なかなか納得いくものにならず、開発から1年半かけて完成した渾身(こんしん)の粉しょうゆは、元々下鴨茶寮で使用するために作られたもの。それをお店で口にしたお客さんからの声が多数寄せられて、商品化につながったとか。そのリクエストに応える形で、2014年7月に「料亭の粉しょうゆ」として京都限定で販売を開始。10月末には、パリで開催されたコンクールにて、ショコラティエの小山進氏がこの粉しょうゆを使ったショコラを含む4種のショコラを出品。そして見事、最高位の「ゴールド・タブレット」を獲得したことで、パウダー食材の逸品として注目を集めることとなりました。その後本格的に販売を開始し、今筆者の目の前にあるのですね(感動)。
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しょうゆの色をした粉。ただしょうゆを乾燥させたのではなく、ほかにも何かいろいろ入ってそう |
原材料は、フリーズドライしょうゆ、食塩、ゆずの皮、唐辛子など。なめてみると、しょうゆの甘さのあとに、ゆずの風味が口に広がり、その後ピリッとした唐辛子独特の風味が。う〜ん、奥深い味わいが高級っぽい。これだけでもご飯にかけて食べたくなります。使い道はというと、ご飯や天ぷら、刺身など多種多様。たまごかけご飯も、これなら高級な味わいとして楽しめそう!
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お刺身にもGOOD! 今回はヒラメをチョイスしました |
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天ぷらにもばっちり合います! 粉末なので衣がサクサクのまま♪ |
しょうゆと違って水分がないので、天ぷらや刺身などにつけすぎることもなく、素材の味をきちんと楽しめます。粉末という性質上、湿気に弱いのですが、小容量のパックや使い切りパックでの販売なのでデメリットはとくになさそう。逆に出張や旅行にも持って行きやすいのもうれしい! 普通、液体のしょうゆは時間とともに劣化して風味が悪くなってしまうもの。でも、コレならしょうゆ本来の風味をずっと味わえます。しかも、料亭の味で♪
少しお値段は張りますが、普段の料理がひと味もふた味も変わったものとして楽しめる「料亭の粉しょうゆ」を試してみませんか?