時代を越えて脈々と続く人気アイテムがあります。今回ご紹介するアイテムもその1つ、少年時代に一度は体験し、そして大人になってまたもう一度手にとってみたくなる永遠の男心を揺さぶるホビー、それが「ミニ四駆」です。プラモデルのキットを組み立てて、モーターで走らせるレース体感ホビーですが、パーツを追加したり、キットを改造したりすることによって自分だけの“走り”やスピードを体験することができるという男児にはたまらないホビーですよね。
そんなミニ四駆ですが、2015年になってまたまたブームが再燃しつつあるということで、最新のキットを購入してみました。筆者も約20年ぶりに手に取りましたが、懐かしさと新しさが入り混じってなんともいえない思いがこみ上げてきましたよ。では、さっそく見ていきましょう、今回紹介するのはミニ四駆の中でも初心者向けのフルカウルタイプのモデル。人気コミックに登場する主人公機の「グレート ブラストソニック (ARシャーシ)」です。
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中身はプラモデルのキットと付属のモーター、ギアなど。今回は改造パーツも同時購入しました(写真右下) |
まずは車本体の製作です。プラモデルといってもパーツを切り離して組み立てる作業はほとんどありません。シャーシにモーターやギアを組み込み、フルカウルのボディを乗せるだけです。そのあとパーツを加えたり、ボディを改造したりしていくのですが、まずは説明書にそって忠実に組み上げていきましょう。ローラーなどの組み立てにはネジが必要となり、細かいプラスドライバーが必須ですよ。
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ボディにエアロパーツを組み込み、付属のシールでデコレーション |
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シャーシにギアとシャフトなどを取り付けます。付属のモーターを組み込み準備完了。単3電池2本で可動します |
さっそく電池を入れてモーターチェック。勢いよく車輪が回ります
シャーシ部分にギアとシャフト、そしてモーターを取り付けていきますが、最新のキットならではの工夫がされており、単3電池を入れたあとのカバーや、モーターON、OFFのスイッチの仕組みなどがとても簡単に、そして機能的になっていました。金具パーツなどを使うことと、タイヤにシャフトを入れるのに力がいるので、お子さんが作る時にはお父さんがここらを手伝ってあげるといいですね。電池を入れてモーターがちゃんと動いて、車輪が回ればOKです。ボディをかぶせて完成です。
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完成です。やはりフルカウルだと格好いいですね |
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素組でこの完成度です |
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前輪とボディの位置がちょっと甘い感じもしますので、改造の余地がありそうです。前輪の前、後輪のうしろにはローラーがついており、コースを走らせる時に安定した走りができるようになっています。特に後輪は上下2つのローラー付きです |
さて、ミニ四駆の醍醐味は、素組から一歩進んで改造するということにあると思います。筆者が少年時代に試したのは本体ボディパーツの肉抜きと称して、デザインナイフなどで本体を削り、軽量化を図ったり、コースを安定して走れるようにローラー部分の高さを調節したり、金属パーツを追加するなど、さまざまな改造をしていました。今回はこのグレートブラストソニック用(ARシャーシ用)に発売されている、パーツセットを組み込んでみたいと思います。
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別売りの「グレードアップ ARシャーシ ファーストトライパーツセット」を購入 |
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ウリの1つ、金属のマスダンパーをリアに追加します |
一度シャーシに取り付けたローラーを外して、追加パーツのローラーに変更します。このローラーは摩擦抵抗の少ないプラローラーで、コーナリングのスピードアップに繋がります。スペーサーとスタビヘッドをつけて安定度もアップします。さらにFRPのワイドステーを前後に追加することによりシャーシの安定度と耐久度もアップ。リアには高低2段差のローラーで車体の傾きや転倒を防止し、金属のマスダンパーを組み込むことで、車体の跳ね上がりも防ぎます。これだけで素組だったマシンがとても安定して走行ができるマシンに生まれ変わりました!
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前輪前にワイドステーを追加し、そこに摩擦抵抗の少ないプラローラーを設置 |
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前、後輪のローラーに高さが出たことで走行の安定度もアップ。この改造だけでかなり本格的なマシンになった感がありますよね |
この改造は序の口です、さらに走りを極めるにはモーターを変更したり、ギア比を変えるなど、本格的な改造もできますし、素組だけでも十分に走らせられたりと、間口の広い楽しみ方が子供から大人に大人気の秘訣だと思います。
特に大人になるとなかなかお店などのコースに持って行って走らせる機会もなく、自宅の廊下なんかで走らせたり、自前の段ボール製コースなんかで走らせたり、あまつさえ深夜のオフィスの廊下でストレート勝負をしたり(覚えていますか? いいモノ調査隊ライターであり、元同志のわたるさん!)、だんだんと変な方向に楽しみを見出したりしてしまいますが、集まってワイワイやりながら改造したり、走らせたりするだけで十分に楽しめるホビーです。お子さんのいらっしゃる方はぜひ一緒に走りをきわめてみてはどうですか?