レビュー
家庭用では最上位クラスの圧力140kPaで食材をよりやわらかく仕上げる

ワンダーシェフ「あなたとわたしの圧力魔法鍋」は“より高圧”な調理を求める人にぴったり!

料理の腕は初級の家電ライターが、直火式圧力鍋の人気機種を試す企画の第3弾! 今回は、ワンダーシェフ「あなたとわたしの圧力魔法鍋 家庭用 両手圧力鍋 5.5L」を使ってみます。「あなたとわたしの圧力魔法鍋」の魅力は何と言ってもその圧力。140kPaという超高圧タイプで、調理温度は126℃。より短時間で食材をやわらかく調理できるほか、乾物の豆類も、簡単にふっくら煮上げることができます。

鍋の内径は約22cmで、深さは約15cm。高さは約22cmで、取っ手を含む最大幅は約35cmと比較的コンパクトです。重さは約2.7kg(家のスケールで計量したら2675gでした)。IH調理器対応です

本製品には、専用の「蒸しす」も付属。今回は使いませんでしたが、蒸し野菜やプリンなどのスイーツも作れます。また、豆を煮る際も、蒸しすを落としぶた代わりに使うと、豆の皮がノズルなどに詰まるのを防げるそう

取扱説明書のほか、豪華なレシピ集も同梱。全96ページで、100種類のレシピが掲載されています

取扱説明書のほか、豪華なレシピ集も同梱。全96ページで、100種類のレシピが掲載されています

140kPaの超高圧が最大の魅力だが、フロートの見やすさや 安全性への配慮もうれしい

「あなたとわたしの圧力魔法鍋」の鍋底は、「ステンレス/アルミ/ステンレス」の3層構造。熱が鍋全体に均等に伝わりやすく、かつ焦げつきにくくなっているそうです。また、安全装置も、圧力調整装置(おもり)、見やすいフロート式安全装置、ステンレス製大口径安全弁、取っ手内部のスライド式安全装置の4つを装備し、初心者にも安心な設計です。

おもりはねじ式で、反時計回り(おもりの矢印の方向)に回すと外れ、時計回り(矢印と反対方向)に回すと装着できます。脱着はややめんどうですが確実に取り付けられ、蒸気の勢いで外れたりしないのは安心

フロート式安全装置は鮮やかなピンク色。取っ手部分から飛び出すので、少し離れた場所からでもフロートが上がったのがわかりやすいです

スライド式安全装置は、ふたを開ける際に鍋の中に残っている余分な圧力を逃します。フロートが上がると取っ手にロックがかかり、ふたが開かない構造になっています

圧力鍋の使い勝手の重要要素である、ふたの開け閉めのしやすさをチェック。本製品には本体の取っ手部分とふたに「△」マークがついていて、これを合わせてからふたを閉めます。「△」マークが合うあたりで、ふたが「ふかっ」と鍋に沈み込むポイントがあるので、そこからふた側の取っ手をスライドさせて本体側の取っ手と合わせます。

「△」マークがぴったり合う位置と、ふたが鍋に噛み合う位置は微妙にずれている印象ですが、噛み合うポイントは比較的簡単に見つけられました

本製品の圧力調理の工程は以下の通り。鍋に材料と調味料、水を入れたらふたをセットし、中央のノズルにおもりを取り付けます。おもりは時計回り(矢印と反対方向)にしばらく回すとストンと落ちます。

おもりは斜めにならず、まっすぐ立って指で押すとユラユラと動く状態になるのが正解です

おもりは斜めにならず、まっすぐ立って指で押すとユラユラと動く状態になるのが正解です

コンロの火を付けて、鍋底から炎がはみ出さない程度の中火〜強火にかけます。しばらくして内部の圧力が上がってくるとフロートが上がり、ノズルから蒸気が出て、おもりが揺れはじめます。ここで火を弱火にしたところから「圧力調理」開始です。

圧力が最大になると、おもりの下から蒸気(泡)がかなりの勢いで噴出します

圧力が最大になると、おもりの下から蒸気(泡)がかなりの勢いで噴出します

圧力調理時間が終了したら火を止めて、蒸らし(自然冷却)工程に。フロートが下がったらおもりを傾けて鍋内に残った蒸気を排出し、その後おもりを外してふたを開けます。

圧力ふたの構造はシンプル。裏側の凹凸も多くないのでスムーズに洗えますが、使用前には毎回、おもりを装着するノズルに詰まりがないか、フロートはスムーズに動くか、安全弁がスムーズに上下するかのチェックが必要です。

例えば圧力調整装置(おもり)を乗せるノズルに詰まりがないかを、付属の掃除ピンでチェックし(A)、裏面のノズルナットからノズルフィルターを外して(B)、これらも詰まりがないかを確認します(C、D)

さらに、フロート式安全装置のフロートがスムーズに動くか(E)、大口径安全弁のバルブ部分がスムーズに上下するか(F)などもチェックします

圧力140kPaの実力はすごい! 豚の角煮は合計16分の加圧で箸がスッと入るやわらかさに!!

それではいよいよ料理作りへ。今回も「豚の角煮」「いわしの梅干煮」「豚汁」「白米炊飯」の4品を作り、調理のしやすさと料理の仕上がりをチェックしてゆきます。

豚の角煮

まずは圧力鍋調理の定番、「豚の角煮」です。同梱のレシピ集に掲載のレシピに従い、4等分に切った豚バラかたまり肉としょうが、長ねぎを水に入れ、8分圧力をかけて下茹で。豚肉を取り出したらしょうゆを塗り、一度フライパンで焼いて焼き目を付けます。その後豚肉と下茹でした時の煮汁、調味料を入れ、さらに8分間圧力調理。「蒸らし」が済んだらふたを外して強火にかけ、水溶き片栗粉でとろみをつけました。下茹でで火を付けてから完成までは約1時間20分かかりました。途中でフライパンで肉を焼いたりしているので、かなり短時間で調理できたと思います。

下茹で終了の時点で豚肉がかなりやわらかくなっているのが見た目にもわかります。8分間の圧力調理でここまでやわらかくなるのが「超高圧140kPa」の魅力

下茹でした豚ばら肉にしょうゆを塗り、フライパンでしっかり焼き目をつけ、再び鍋に戻して二度目の圧力調理。しっかり味がしみて煮汁もある程度煮詰まっていました。最後に片栗粉でとろみづけして完成です

一度しょうゆを付けて焼いただけあって、角煮の色と照りは抜群。脂身はホロホロで肉の部分にも箸がさっくり入って簡単に切れます。食べてみると脂身も肉も驚くほどやわらかく、十分お店レベルの仕上がりでした。

箸を入れると肉の繊維がほどけ、中から肉汁があふれてきました。甘辛の味の中にしょうがの風味が感じられ、焼き目を付けた時の香ばしさも口の中に広がります。圧力調理時間8分+8分でこのやわらかさはすごい!

いわしの梅干煮

次に作ってみたのはいわしの梅干煮。レシピ集に載っていた「いわしの梅しょうが煮」のレシピに従って調理しました。工程は、鍋に頭と内臓を取ったいわし。調味料、しょうが、梅干を入れ、9分間圧力調理。フロートが下がったらふたを開け、強火にかけて煮汁を煮詰めて完成。煮汁がかなり多くて煮詰めるのに時間がかかったこともあり、調理時間は40分近くかかりましたが、火を付けてからフロートが降りるまでにかかった時間は約30分でした。

火を消してからフロートが降りるまで約14分かかりました。かなり煮汁が多くて薄めだったので、水の量はもう少し少なくてもよかったかもしれません。いわしは取り出すときに身が崩れないよう注意する必要があるほど、やわらかい仕上がりでした

食べてみると、身はふっくらやわらかく、小骨もまったく気になりません。調味料もしっかりしみて、上品な味になりました。

箸で身が簡単にほぐれるやわらかさ。小骨を気にせず食べられるのがうれしいです。中骨は小骨よりは存在感がありますが、筆者は気にせずバリバリと食べられました

豚汁

続いては、寒い季節に身体も心も温まる豚汁を作ってみましょう。

レシピ集には豚汁のレシピがなかったので、一番火が通りやすいじゃがいも(メイクイーン)を使う肉じゃがのレシピを参考に、圧力時間30秒で調理をしてみました。素材と調味料を入れて一度の加圧調理を行いましたが、加圧調理・蒸らしを終え、味噌を溶いてひと煮立ちさせるまで約35分かかりました。火を付けておもりが揺れ始めるまで約12分、火を止めてからフロートが下りるまで21分かかったのがやや予想外でしたが、水分の多いつゆものは圧力がかかるまでと下がるまでの時間が長くなる、ということかもしれません。

鍋にだし汁と豚のこま肉、玉ねぎ、じゃがいも(メイクイーン)、にんじん、大根、こんにゃくを入れて加熱。だし汁には豚の角煮で出た茹で汁に顆粒だしを加えました。玉ねぎにも大根にも透明感が出て、だしもしっかり浸透しています

試食すると、じゃがいも(メイクイーン)は崩れる直前ながら形がちゃんと残っていて、にんじんにも大根もとてもやわらかく、かつしっかりだしがしみていました。特に大根の味のしみ具合は特筆もの。21分間の蒸らし工程でしっかり大根にだしがしみこんだという
ことでしょうか。

加圧調理後ふたを開けたときはじゃがいもの形がしっかり残っていましたが、味噌を溶いてかき混ぜているうちに、じゃがいもの表面が少し溶け出し始めました。ただ、そのぶんホクホクした食感は絶妙でした

炊飯(白米)

続いて白米を圧力鍋で炊いてみました。新潟産コシヒカリの29年度産を3合使用。同梱のレシピ集に従い、米を研いだあとは浸し時間を取らずすぐに炊飯を開始しました。加圧時間は2分で、今回は火をつけてから弱火にする(圧力調理開始)まで約6分40秒、蒸らしに15分で、合計23分40秒かかりました(レシピ集に「15分蒸らす」とありましたが、フロートが落ちたのは火を消してほぼ15分後でした)。

ご飯が炊きあがった直後。米ひと粒ひと粒がつやつやしていて、おいしく炊けたごはんの目印である「カニの穴」(水蒸気の泡の通り道)もしっかりできています

食感はすごくもちもちしながら、米粒がほどける食感も感じられます。噛めば噛むほど甘みが増すタイプのごはんで、さっぱりした和食にも、パンチのある肉料理にも合う味だと思います。

水分をたっぷりまとったみずみずしさが、写真からも伝わってきます。一見やわらかそうですが、しっかりした弾力がありました。食べ盛りの子どもたちも大満足の味と食感だと思います

こびりつき汚れは比較的落としやすいほうだが、毎回の安全装置の点検がややめんどう……

お手入れのしやすさに関しては、同じステンレス製ながら、これまでチェックした「クリプソミニットイージー」や「クイックエコ」より、こびりつき汚れがいくらか落ちやすく感じました。豚の角煮を作ったときの肉のアクは亀の子たわしでゴシゴシ洗わないと落ちませんでしたが、ほかの2製品がたわしを使ってもなかなかアクが落ちなかったのに比べると、多少落としやすかった印象です。ただ、いわしの梅干煮を作ったあとには、パッキンなどにニオイが残ってしまいました。いっぽうごはんのこびりつきは、鍋にお湯を張って浸けておくことで比較的ラクに落とせました。ちなみにメーカー側では、鍋の内側に全面フッ素樹脂加工を施し、焦げ付きにくく汚れも落としやすい「魔法のクイック料理 AQシリーズ」という製品も用意しているそうです。

豚の角煮を作ったあと。豚肉のアクの落ちにくさは相変わらずでしたが、量が思ったより少なかったのが印象的でした

圧力ふたに関しては、比較的凹凸が少なく洗いやすいかったです。いっぽう、前述のとおり、鍋を使用する前にチェックするパーツは全部で5個。この数は圧力鍋としては「標準的」ですが、これを毎回点検するのはややめんどうです。とはいえ、圧力鍋を安全に使うために、ここだけは我慢するしかないのですが。

収納に関しては、圧力ふたを裏返してすっきり収納できるのが地味に便利。カレーや煮魚などを作ったあとにふたを閉めて収納すると、ゴムパッキンに付いたニオイが鍋の中にこもってしまいますが、ふたを裏返しておくと、この「こもり」が解消できます。

圧力ふたを裏返して収納。ニオイのこもりを防げるほか、おもりが鍋の中に隠れるので、収納するときや取り出すときにぶつけて変形する心配がないのもメリットです

超高圧設計に加えレシピ集が充実していて、初心者も使い方のコツがつかみやすい!

140kPaの超高圧で調理できる「あなたとわたしの圧力魔法鍋」は、圧力鍋の中でも食材をやわらかく仕上げる能力が特に強いアイテム。調理時間に関しては、圧力がかかるまでの時間と火を消してからフロートが落ちるまでの時間がかなりあるので、正直そこまで「時短できた」という印象はないですが、それでも豚の角煮など圧力調理でもかなり時間のかかるメニューは、140kPaの高圧を生かしてかなり調理時間を短縮できました。

超高圧タイプなので煮崩れもしやすく、加圧時間によりシビアになる必要があるので、中級者向きといえなくもないですが、使い込むうちにコツもつかめてくると思います。

また、この製品はレシピ集も充実。100種類のレシピが掲載されているほか、食材別の加圧時間の早見表も付いています。実売価格も9,000円前後と手頃で、初心者でもまずはレシピ通りに作ってみて、それから早見表を見ながら別の食材を使った料理に挑戦していけば、圧力調理の腕はどんどん上がるはずです。

平島憲一郎

平島憲一郎

雑誌やWEB媒体において、生活家電の紹介記事やお試し記事を執筆。家電ジャンルは調理家電から掃除機、美容・健康家電など幅広くこなす。夫婦共働きのため、調理など家事も応分に担当(ただしあくまでダンナ目線)。立食いそばも好き。

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