レビュー
話題の“陶器製ダッチオーブン”は便利なの?

「グリラー」を正直レビュー。熱源いろいろ! 売り切れ店続出の陶器製調理皿


突然ですが、「グリラー」(イブキクラフト)という調理器をご存じでしょうか。魚焼きグリル、オーブン、電子レンジ、直火などあらゆる熱源に使用できる陶器製のおしゃれな調理皿で、「簡単に調理ができ、そのまま食卓に出せば見栄えがする」と、ライフスタイル誌やSNSを中心に評判を呼んでいます。そんな「グリラー」を1週間ほど自宅で使ってみましたので、その使い勝手などをレポートしたいと思います

使い方いろいろ! 「グリラー」ってなに?

「グリラー」は、ふた付きの陶器製調理皿。ふたをすることで、加熱された陶器から放出される遠赤外線が全体から食材をじっくりと加熱し、おいしい蒸し焼き調理ができるそう。この原理がダッチオーブンと似ていることから、“陶器製ダッチオーブン”と表現している販売店もあります。さまざまな熱源に対応するのが特徴で、グリル(ガス・IHともに可)はもちろん、オーブン、電子レンジ、直火もOKという懐の深さ。ただし、IHヒーターは対応不可となっています。ふたなしで使用すれば、オーブン皿としても使用できます。

調理してそのまま食卓に出すと、小洒落たひと皿に。洗い物も少なくて済みます。画像はイブキクラフトの公式インスタグラムより

グリラーには、「ブラック」「カカオ」「ネイビー」「ベージュ」などのカラーバリエーションが用意されているのですが、今回購入したのはベージュ。グリラーは人気商品ということで在庫が薄い店舗が多いのですが、ベージュは比較的在庫に余裕があることが多く、色によって価格差がある場合も、ベージュは1番低価格なことが多いです。なぜかというと、「汚れが目立ちやすいから」。1週間使ってみて、どのくらい汚れが目立ってくるのかもチェックしたいと思います。

グリラーのサイズは、ふたをした状態で約185(幅)×255(奥行)×50(高さ)mm。薄型なので、魚焼きグリルにも入れやすいです

ふたの裏の突起がポイント。食材から出た水分がグリラー内で対流。うまみを含んだ水滴になり、この突起を伝いながら食材に降り注ぐことで、よりおいしさがUPするそうです

付属のレシピブックには、8種のレシピとグリラーの使用方法が掲載されています

付属のレシピブックには、8種のレシピとグリラーの使用方法が掲載されています

焼き魚からフレンチトーストまで。いろいろな熱源で調理してみた

ここでは、魚焼きグリルを中心に、電子レンジ、直火を使用して調理をしてみました。ただし、今回使用した魚焼きグリルは片面焼き(上側にのみ熱源が付いている)で、両面焼きタイプよりも火が通りにくいです。そのため、グリラーを入れる前に庫内を2分程度予熱したり、火を切った後に余熱で火を通す時間を長めに取るなど工夫が必要ということで、そのように使用しました。なお、ふたをした容器の中は、熱源を切ったあとも15分程度は熱々の状態を保てるそう。

グリラーを使用する際に必ず用意しなければならないのが、鍋敷きと鍋つかみ。グリラーは加熱すると非常に高温になるため、これらがないと始まりません

「焼き魚」は冷めても身がしっとり

まずは、魚(サバ)を焼いてみます。グリラーでは魚をふっくら焼くことができるだけでなく、ふたをして焼くためグリル内を汚す心配がなく、ニオイも付きにくいようです。

食材を入れる前にグリラーに薄く油を塗っておくと、焦げ付きが抑えられます

食材を入れる前にグリラーに薄く油を塗っておくと、焦げ付きが抑えられます

サバの切り身がちょうどよく入るサイズなので、焼き魚にも無理なく使えます。サバの場合、切り身を2枚並べて置くこともできました

ふたをして、3分予熱した魚焼きグリルに入れます。火力は最強にしました

ふたをして、3分予熱した魚焼きグリルに入れます。火力は最強にしました

10分加熱すると、こんな感じ。「遠赤外線によって全体から加熱される」ということだったので途中で裏返す手間もないのではと期待したのですが、裏側はほぼ生。途中で裏返したほうがよさそうです

裏返して約10分加熱したところ、皮の面にも焼き色がつきました。グリルが片面焼ということもあり、ここまで20分弱。普通に筆者の自宅のグリルで焼いた場合は7分弱なので、あまり効率的とは言えないかもしれません

焼き魚は、グリラー(片面焼きグリルの場合)を使用した場合、そのまま魚焼きグリルで焼くのに比べて倍ほどの時間がかかりました。また、加熱中は中の状態がまったく見えないので、具合を確認する度に鍋つかみをはめてふたを外し、そのふたを鍋敷きに置く…ということになり、「すごく手間かかるな」というのが正直な印象です。ただ、魚がふっくら焼けるというのは事実のようで、グリラーで焼いた魚は焼き上がってから時間が経っても身がしっとりとしてパサつきがなく、冷めても身がやわらかくおいしいのです。

左がグリラーで焼いたサバ、右が魚焼きグリルで焼いたサバ。グリラーで焼いたサバのほうが身がやわらかく、しっとりして脂のジューシーさもたっぷり残っていました。しっかり焦げ目を付けたいという人は、魚焼きグリルで焼いたほうが好みに合うかもしれません

魚焼きグリル・直火をフル活用した「チーズハンバーグ」

続いて、ハンバーグを作ってみました。付け合わせの野菜も一緒に入れて、蒸し焼き野菜に。15分加熱したあと、余熱で5分火を通します。

予熱した魚焼きグリルにふたをした状態でセットして加熱します

予熱した魚焼きグリルにふたをした状態でセットして加熱します

ふたに触れていた部分にはおいしそうな焦げ目が付いています。野菜はだいぶかさが減ったので、もっとたっぷり詰めてもいいかもしれませんが、そうするとグリラーのふたが閉まらなくなるかも。レシピブックの写真のように、まわりに焼き野菜がモリモリの状態に仕上げたい場合は、加熱しても縮みにくい根菜などを多く取り入れるといいかもしれません

ふたに一部の野菜が焦げ付いています。以降の調理ではふたの裏にも薄く油を塗るようにしたところ、焦げ付くことはなくなりました

ハンバーグを割ってみたところ、まだ中、特に下のほうがだいぶ赤い。やはり片面焼きグリルの場合、直接熱の届かない下の部分は火が通りにくいようです

下から直接加熱したほうが早そうだったので、3分ほど直火にかけ、さらに5分余熱で火を通してみました

下から直接加熱したほうが早そうだったので、3分ほど直火にかけ、さらに5分余熱で火を通してみました

今度は中までしっかり火が通りました。割れ目から流れ落ちた肉汁がハンバーグの下に溜まっています。が、食卓に並べる前にハンバーグは真っ二つ。これではあまりにも見た目が残念です

そこで、ハンバーグの切り口を覆うようにとろけるチーズをのせ、グリラーのふたをせずにグリルにイン。溶けたチーズのおかげで、ハンバーグの割れ目も気になりません。さまざまな加熱方法に対応するというグリラーの特性を生かした、我ながら完璧すぎる着地

レンジと魚焼きグリル、直火で「チーズダッカルビ」

肉と野菜にしっかり火が通りつつ、チーズは加熱すぎずトロトロ! という絶妙な状態に仕上げたいチーズダッカルビ。じゃがいもやにんじんなど、火が通りにくい野菜を先に電子レンジで加熱しておけるのが、グリラーならではです。

ごま油をからめたじゃがいもとにんじんをレンジで4分加熱。写真では庫内フラットのレンジを使用していますが、ターンテーブル式のレンジ(庫内幅30p)でも、回転時に庫内で引っかかることなく使用できました

下味を付けた鶏肉とタマネギ、チーズを入れて魚焼きグリルで5分加熱したところ、上のチーズに焦げ目が付いても、鶏肉は生焼け。最後は直火で仕上げることに。直火で3分ほど加熱すると、鶏肉にも十分火が通りました

加熱中のグリラーは全体が熱くなるので、直火にかけながらかき混ぜたり、裏返したりがしづらいです。直火を使用するのは、加熱中に材料をかき混ぜたりする必要がないレシピのほうがよさそう

先に入れていたチーズが硬くなってしまったので、チーズを追加して完成。今回、レシピにならって早い段階でチーズを投入しましたが、チーズは鶏肉に火が通ったことを確認してから入れるといいと思います

「フレンチトースト」は、卵液がプリンみたいになって美味

グリラーのよいところのひとつが、食材のにおいが付きにくいということ。チーズダッカルビを作った後にフレンチトーストを作っても、まったくにおいは気になりませんでした。余熱した魚焼きグリルにふたをした状態で入れ、10分加熱しました。

牛乳や砂糖を混ぜた卵液をグリラーに入れ、バゲットを浸します。冷蔵庫でそのまま保存してそのままグリルに入れればよいだけなので、余分な洗い物が出ません

ふたに接していた部分がいい具合にこんがりで大成功! ですが、あと30秒でも長く加熱していたら焦げすぎていたなと思います。何度使っても初めてのレシピは加熱時間の案配が難しい……

できあがりは、クラムの部分がプルプル! とくに余った卵液がプリンのようになっていて美味。フレンチトーストはフライパンで焼くと卵焼き風になってしまうので、これはグリラーならではの仕上がりと言えそうです

焦げ付き汚れは重曹でそこそこ落とせる

さて、さまざまな調理に使用したグリラー(ベージュ)ですが、どのくらい汚れているでしょうか。本記事で紹介しているレシピ以外の調理もしており、使用回数は10回ほどですが、特にふたの裏側の汚れが激しい。ベージュは前評判通り汚れやすいので、これから購入する方には、ブラックかブラウンをおすすめしたいです。グリラーは陶器なので、土鍋の焦げを取る時と同じ方法で汚れを落としてみました。

本体の汚れが1番ひどかった時がコレ。ワンタンを焼こうとしたところ、皮が焦げ付いてしまいました(鉄鍋餃子みたいにできるかなと思ったのですが、できませんでした)。肉や魚を焼いているだけでは、このような汚れにはならないと思います

水を張ったグリラーに重曹を入れて沸騰させ、火を止めてひと晩放置します

水を張ったグリラーに重曹を入れて沸騰させ、火を止めてひと晩放置します

翌朝、食器洗い用のスポンジでこすると、完全にきれいにはならないものの、「いい感じに使い込んだ調理器」と思える程度には回復しました

ふたは調理前にオイルを塗るようにしていたので焦げ付くことはありませんでしたが、油が焼けたような色が染みついてしまいました。皿の部分と同様に、重曹入りの湯に浸ける方法を試したかったのですが、ふたがすっぽり収まるような大きな鍋がないため断念

まとめ

ということで、1週間にわたりグリラーでさまざまな調理をしてみましたが、「意外と使いこなすのが難しい」というのが正直なところ。個人的には、ふたをすると加熱具合が確認できないのがネックと感じました。レシピ通りに調理をしても火の通りが甘いこともあったので、ある程度の料理経験はもちろん、グリラーでの調理に関する経験則も必要だと思います。今回熱源としてメインで使用したのが片面焼きグリルなので、両面焼きグリルを使用していれば、印象は違ったかもしれません。

ただ、その扱いの難しさは対応熱源の豊富さでカバーできるのではないか、とも思います。たとえば、魚焼きグリルだけでは火の通りが甘い場合は、直火や電子レンジでの加熱に切り替えるなど、対応策を考えながら使用を重ねることで、自分に合った方法をパターン化できれば、便利に使用できるかもしれません。

とはいえグリラーはやはり、利便性に加えてそのデザイン性も楽しむアイテム。使用時に鍋つかみと鍋敷きが必須なことをめんどうに思ったり、「調理器のまま食卓に運べて洗い物が減るっていうけど、グリラー自体がフライパンより明らかに洗うのが大変なんだが……」と思ってしまう筆者のようなタイプには正直おすすめできない気もしますが、おしゃれな食卓の演出にこだわりを持っていたり、使用法を試行錯誤したりしながら料理を楽しめる人に向いていると思います。

大泉瑠梨(編集部)

大泉瑠梨(編集部)

美容・健康家電を中心に新製品レポートやレビュー記事を担当。時には体を張って製品の実力をチェックします。

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