スイスやフランス、イタリアにまたがるアルプスの地方料理の1つとして、溶かしたチーズに具材を絡めて食べるチーズフォンデュが有名ですが、同じようなチーズ料理で“ラクレット”というのをご存じでしょうか? スイスやフランスのスイスとの国境に近い地方の郷土料理で、専用のコンロで溶かしたチーズをジャガイモなどの具材にかけて食べる料理です。
実は、フランスの地方都市に留学経験のある筆者は、冬になると鍋を囲むように友人たちとこの料理を楽しんでいました。そのまま食べるよりもずっと風味が増した、アツアツに溶かしたチーズと絡めた具材の絶妙な味わいが忘れられず、日本でも専用オーブンが販売されているのを見つけてさっそく購入しました!
ラクレットの本場・スイスNOUVEL(ヌーベル)社の2人用のラクレットオーブン。電熱式のグリルで、上段のプレートで具材をグリルでき、下段にチーズパンをセットして、チーズを溶かすことができます。
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実際の使用例。本場では茹でたジャガイモとピクルスが定番だが、それ以外はお好みで |
電源を入れると中央のヒーターが過熱し、鉄板の上の具材が10分程度で焼き色が付きます。同じようにチーズパンの上で溶けたチーズを具材の上にかければ完成!
ちなみに、ラクレットとはフランス語で“削るもの”の意。ラクレットチーズと呼ばれるハードタイプのチーズ、またはグリュイエールチーズが使われるのが一般的。しかし、日本ではラクレットチーズもグリュイエールもチーズ専門店や高級スーパーでなければ手に入らず、お値段も少々お高い代物です。
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ラクレットチーズ。表面をナイフで削ぎ落としてチーズパンで溶かして使う。100グラムあたり1000円〜1200円程度が相場 |
そこで手っ取り早く、自宅にあったプロセスチーズとカマンベールチーズで代用。プロセスチーズは表面が固まってしまい、液状に溶ける前に焦げてしまうので、ラクレットの様相とは少々異なりますが、それなりに問題なし。カマンベールは溶け具合も塩味の程度もラクレットチーズにより近く、手軽に手に入るチーズでラクレットを楽しむのであればプロセスチーズよりもベターでした。他にもいろいろなチーズで試してみたら、意外にイケる新感覚のラクレットが発見できるかもしれません。
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プロセスチーズで代用。ラクレットのように全体が溶ける前に表面が焦げてしまったが、これはこれでおいしかった |
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カマンベールチーズでラクレット。表面の皮の部分以外はしっかり溶け、塩味もラクレットチーズに近い |