カニ料理って、ついつい黙り込んでしまうという沈黙メーカーです。そうなってしまう理由はカニの身が殻から取りにくくて、ついつい一生懸命になってカニに集中してしまうからなわけです。ということは、カニの身がスルッと取れてしまえば、そんなレッテルを剥がしてしまえるってことですね。
カニの身を取り出す機器として、カニスプーンや調理バサミなどがありますが、イマイチ沈黙を打破するほどの機能はなかったりします。カニスプーンは意外とほじくり出しにくいですし、調理バサミもカニの殻を切るには角度が合わなかったり、何回もハサミを入れないと広範囲に切り取れなかったりするので、イマイチ使い勝手が悪いです。
カニの殻をむく専用のピーラーです
そこでカニピーラーです。ピーラーといえばじゃがいもや果物など、比較的薄くて柔らかい皮をむく調理器具ですよね。カニの厚くて硬い殻をむくことはできるのか、ちょっと疑問ですが…。
フォルムはシンプルです。しっかり握れるので力が入れられます
普通のピーラーと違い、刃が波打っています。この波刃がカニの硬い殻をむいてくれます
実際、使ってみると愚問であったことがわかります。カニ自体が動かないようにしっかりと押さえる必要があるのと、最初に切れ込みを入れるときにちょっと力が要りますが、それ以外は果物並みに殻をむくことができます。しかも、カニスプーンでほじくり返してカニの身がボロボロになるのではなく、まるでカニカマのようにまるっとキレイに身が取り出せます。カニ自体の説明をするのにカニカマを例に出すのはなんですが、実際そんな感じです。
ズワイガニです。カニの中では柔らかい部類ですが、それでも調理バサミを使うと、力が要ります
根元をしっかりと押さえ、カニが動かないようにしてから、カニの殻をむき始めます。基本的にほかのピーラーと使い方は一緒です
殻のむき始めに一番力がかかりますが、それでも思ったよりすんなり削れます
あとはそのままスーッとピーラーを引っ張っていけば、軽く殻がむけていきます
角度を変えてみるとこんな感じです。このままほじくり出せますが、より簡単に身を取り出すには裏面も同様にピーラーでむいてしまいましょう
裏と表の両方をピーラーでむいて、つながっている殻をハサミで切れば、カニ料理店で出てくるカニしゃぶのような形にもできると思います。今回は予算の関係上、生のカニは用意できなかったので、その姿を写真にすることはできませんでしたが、きっと大丈夫だと思います。
あと、今回はズワイガニで試しました。トゲトゲがあり、殻が分厚いタラバガニや、毛で覆われている毛ガニでもできるかはちょっと未知数ですが、とりあえずズワイガニ系(松葉ガニ、越前ガニなど)では使えます。
むいたカニは、スタッフがおいしくいただきました
まあなんにせよ、カニを食べるには画期的な商品です。これでカニ鍋などが出ても、いつもの明るい食卓が戻ってくること請け合いです。
ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランス・ライターに。現在は、デジタル機器を中心にWebや雑誌、Mookなどで活躍中。近著に『INGRESSを一生遊ぶ!』(宝島社刊)。