そば好きが度肝を抜かれた! 画期的すぎるそば打ち機

「そば楽プラス」ならど素人でも「十割そば」が作れるという、ウソのような本当の話

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筆者は麺類の中で、日本そばが一番好きだ。そば屋に行く機会も多い。清冽(せいれつ)な香りとキリッとした硬めののど越し、そばの味とともにおいしい湧き水のような風味があるのが、おいしいそばの条件だと思っている。そば職人をリスペクトするあまり、自分でそばを打とうなんて、恐れ多くてできないという心境だった。そう、今日まで。というのも、今回紹介する「そば楽プラス」(ソニック)を使用すれば、素人でも簡単にそばが作れるという。ただ作れるだけでも十分驚きなのだが、さらに驚くのは、つなぎの小麦粉を使用しない「十割そば」も簡単にできるということだ。そんなうまい話はないだろうと思いつつも、一縷の望みを抱いて挑戦だ!

職人技の「水回し」「こね」「切る」が簡単にできる

「そば楽プラス」は、いずれも初心者には難易度が高いそば打ちの工程である「水回し」「こね」「切る」を手軽に行えるそば打ち機だ。

製品は、本体とシリンダー、水回し器、麺を押し出す「ダイス」がセットになっている。それぞれの用途は順に説明していく

まず、水回し器を用いてそば粉を混ぜ、生地の基礎を作る。この水回し、そば打ちの最大の難関とも言われている。水が多過ぎれば細かくちぎれてしまうし、少なすぎると生地がまとまらないのだ。水を少量ずつ均等に混ぜ合わせる技術こそがそば職人の肝だが、それをこの道具で可能にしてしまうのだ。

水回し器は爪のような部分でそば粉を細かく混ぜると同時に、筒の下部に水を滴下する仕組みが備わっており、そこから適量の水を一定の割合で出すことができる

水回しが終わったら、本体に生地を入れて、ハンドルを回して内部のステンレスのこね棒を動かし、生地をこねる。ここでも職人が苦労して身につける「こねる」技術を不要にしている。あとはそのまま押し出すだけだ。ダイスと呼ばれるパーツを使用することで、そばを均一の太さに仕上げる。

こねと押し出しを行う本体とシリンダーは、合体させて使用する。ハンドルについている白いネジは、生地をこねたり押し出したりする際に使用する

「こね」と「押し出す」の切り替えは、切り替えレバーでワンタッチで行える

「こね」と「押し出す」の切り替えは、切り替えレバーでワンタッチで行える

「そば楽プラス」に付属するダイスは3種類で、左から細麺、標準サイズ、太麺だ。シリンダーの先端に付けて使用する。なお、細麺、太麺用のダイスが付属しない姉妹製品の「そば楽」もある

こね終わったら、白い押し出しローターが筒の中の生地を網目状円板のダイスから麺状にして押し出すという仕組みらしい

とはいえ、製品は組み立てていない状態で届くため、箱を開けても何が何やらわからない。取扱説明書を見ても、正直ちんぷんかんぷんだった。多分そうした思いになるのは筆者だけではないと思ったのか、親切な説明DVDがついている。これがとてもわかりやすい。組み立て方からそばの作り方までていねいに説明されているので、よほどの手練れでない限り、絶対に見たほうがいい。

筆者の場合、まずは通して2回見て、全貌を把握。そして実際に作る際も、DVDを見ながら作るのが一番いい

筆者の場合、まずは通して2回見て、全貌を把握。そして実際に作る際も、DVDを見ながら作るのが一番いい

いざ挑戦! そして失敗……

それではやってみよう。その名のとおり、「そば」を「楽」に作れるのだろうか。今回用意したそば粉は1kg。1人前100gと考えると10人前になる。そば粉は1kg2,000円程度で手に入るので、十割そばを1人前200円で楽しめるなら、コスパは悪くない。

そば粉は打ち粉としても使うので、1kgでも実際そばに使えるのは9人前程度か? ちなみに、打ち粉は小麦粉でも代用可能

まずは粉を計り、カニ爪的な先端でダマを崩す

まずは粉を計り、カニ爪的な先端でダマを崩す

水の量もきっちり計る必要がある

水の量もきっちり計る必要がある

水回し器に水を入れ、すぐに粉をかき回していく

水回し器に水を入れ、すぐに粉をかき回していく

かき回すたびにがんがん側面にぶつかり、水が飛び出る。これはまいった。これでは水がムラに入ってしまう。どうやらボウルが小さすぎたようだ

案の定仕上がりはベチャベチャに

案の定仕上がりはベチャベチャに

無理やりシリンダーに入るよう円柱形にはしたが、明らかに失敗だと思った

無理やりシリンダーに入るよう円柱形にはしたが、明らかに失敗だと思った

仕切り直しで再チャレンジ。今度はうまくできた

改めて説明書を読むと、ボウルは直径25cm以上のものを使用しなければならないらしい。また、DVDを見直すと、さらっと手に粉をつけて生地を触っていることに気づく。それを打ち粉というらしい。作業前にDVDを2回も観たというのに……早くもつまずいてしまった。ここまでの作業はナシにして、先ほどより大きめのボウルを用意し、改めて挑戦。過去は振り返らない。まだそば粉はたくさんあるし。

今度こその思いを込めて、計量した水を入れる

今度こその思いを込めて、計量した水を入れる

ボウルが大きいと楽々だ

ボウルが大きいと楽々だ

あっという間に粉が目安となるそぼろ状になる

あっという間に粉が目安となるそぼろ状になる

水量を計らせておいて、そぼろ状になったらその時点で水は捨てるとのこと。釈然としないが捨てる

水量を計らせておいて、そぼろ状になったらその時点で水は捨てるとのこと。釈然としないが捨てる

今度はしっかり打ち粉を皿に用意したのでくっつきそうになったらすかさずパフパフ。しかも、ボウルの端にまず寄せてから整形すればいいという技も独自に編み出した

ちなみに、そば生地が硬いと、こねやレバーの切り替え、押し出しがうまくできないため、水の量は通常のそば打ちに比べ3割ほど多く、ややべた付くくらいのやわらかさにする必要があるという。なので、通常のそば打ち経験がある方は、その時の感覚をいったん頭の隅に追いやっておいたほうがよさそうだ。

多少入りにくかったが、強引に生地をシリンダーの中に入れる。粉をつけすぎたぶん、表面が乾いてしまっている気もするが、強引に先に行くことにした

生地ができたら、次は「こね」だ。こねると言っても技術はかけらも不要。ただハンドルをくるくる回し、止まったところから戻していく。これを2〜3回繰り返すだけだ。これだけで、やわらかかったそば生地がコシのある切れない生地に変わるという。

シリンダーと本体を合体させ、切り替えレバーを「こねる」に合わせる

シリンダーと本体を合体させ、切り替えレバーを「こねる」に合わせる

ハンドルをくるくる回して、白いネジを上下に移動させる。回数が増すほどコシが強くなるようだが、メーカーによれば、2〜3往復が推奨されている

「こね」が終わったら、いよいよ麺を押し出していく。ここからが「そば楽プラス」の真骨頂。あらかじめたっぷりの湯を沸かした鍋に向けて、ひねり出していくのだ。

今度はレバーを「押し出す」に切り替える

今度はレバーを「押し出す」に切り替える

下部のフタを外して、ダイスをセット。まずは標準でやってみる

下部のフタを外して、ダイスをセット。まずは標準でやってみる

ハンドルを回すが、そんなに重くはない。簡単にくるくる回り、そば状の生地が湯面へ。ニョロニョロと、その昔流行ったエポック社の玩具「ゆかいなとこやさん」を彷彿とする人も多いだろう見た目で、そばがひねり出される。沸騰した鍋の湯の中へ直接そばを押し出すことによって、それぞれの麺がくっつかずにゆでられるのだという。通常の生そばは互いがくっつかないように打ち粉(そば粉や小麦粉などをまぶすこと)をするのだが、その作業前に直接ゆでてしまうという大胆な省略だ。

なかなかに楽しい作業

なかなかに楽しい作業

麺を出しきったら出口部を湯面に少し沈め、2〜3 秒したら左右に10 pぐらい素早く数回振り、湯の抵抗で麺を切り離す。あっという間に鍋の中ではそばが泳ぎだす

生麺なので、ゆで時間は50秒程度と短め。ゆだったら水洗いでぬめりを取り、氷水で締める。スピード命なので、氷水はあらかじめ用意していたほうがいい。水を切れば完成だ

はい、この通り。なお、天ぷらはスーパーの惣菜売り場で買ってきたもの

はい、この通り。なお、天ぷらはスーパーの惣菜売り場で買ってきたもの

見た目は何の問題もない。全然ちぎれていないので、とても初挑戦の素人が作ったとは思えない

見た目は何の問題もない。全然ちぎれていないので、とても初挑戦の素人が作ったとは思えない

いよいよ試食。問題は味だが、これが文句なしにうまい! お店で出てくるレベルのおいしさだ。そば粉の香りも鮮烈だし、おいしい湧き水のような味わいもあるような気すらしてしまうレベルだ(使ったのは水道水だが)。これには心の底から驚いた。熟練の職人にしか出せないと思っていた味が、自分で作れてしまった。これに関しては、同じくそば好きの妻も同意見。

西のほうでは「ゆで汁を飲むなんて!」とディスられがちな「そば湯」もしっかり堪能。おいしい

西のほうでは「ゆで汁を飲むなんて!」とディスられがちな「そば湯」もしっかり堪能。おいしい

調子に乗って、太麺、柚子切り(細麺)にチャレンジ!

これはおもしろい。もともと細いそばも好きだが、太めの田舎そばも同様に好きな筆者は、今度は太麺に挑戦! と言っても工程は同じで、押し出す際に使用するダイスを変えるだけだ。

仕上がりの太さ調整にも、何の技術も必要ない

仕上がりの太さ調整にも、何の技術も必要ない

当然と言えば当然だが、こちらも大成功

当然と言えば当然だが、こちらも大成功

こうなるともう、そばファンとしては試さずにはいられないことがある。それは「柚子切りそば」。知らない人のために説明すると、季節の果物などを練りこんで作るのが「○○切りそば」というものだ。中でも柚子の皮を仕込んだ柚子切りそばは格別なのだが、お店でも季節限定メニューであることがほとんどで、しかも事実上のもりそばでありながら、店で食べるとなると1,000円はくだらないという、コスパ最悪(笑)のおいしいそばだ。

柚子の皮をすりおろし、筒に入れる前の段階で投入。あとは同じ工程を踏む

柚子の皮をすりおろし、筒に入れる前の段階で投入。あとは同じ工程を踏む

生地をまとめる際に柚子の皮をすりおろして入れるだけなのだが、驚いたことに、これも成功してしまった。細麺でチャレンジしたところ、切れている部分は散見したが、そもそもそば店で提供される細麺の柚子切りそばもよく切れているので同点程度。これなら、店で出されても気づかないレベルと言えるはず。

そばの中に見える黄色い粒が柚子のかけら。まさかの大成功だ。柚子の香りとそばの香りのハーモニーにうっとりするレアなメニューが自宅でできるとは……

そっとそば屋の奥で使っていてもバレないレベルのそばが、素人でもできる画期的すぎるそば打ち機

おいしいそば屋を探して放浪した、今までの自分は何だったのだろうと考えさせられるくらい、この「そば楽プラス」はすごい製品だと思った。そばにはちょっとうるさい筆者が度肝を抜かれるくらいのハイレベルなそばが、まさか自分で作れるとは……。

もちろん不満点もないわけではない。一番は、1人前ずつしか作れないということ。生地は余分に作っておけばよいが、「こね」と「押し出し」の作業が一体化しているので時間がかかるし、ゆで時間は倍になり、1食ごとにタイムラグも生じてしまう。作ったそばを誰かと共に楽しむのも大事なよろこびだと思うので、せめて2人前は1度に作れるようにしてもらいたい。

あとは製品の見た目、特に色だ。正直雰囲気がそがれる。そばを作って食べるというのは、やはりそれなりに作る工程の見た目も大切なのではないか。このグリーンにもう少し重厚感が出ればいいのだが。

とはいえ、ど素人がチャレンジしても失敗しないというのはすごい。というのも冒頭で「これは失敗」と諦めたベチャベチャの生地も、念のため最後まで作ってみたら、普通に美味しかったのだ。いい意味で「何でもいいのかよ!?」である。見た目はアレだが、なかなかにとんでもない素晴らしい製品だった。

そば粉は思ったよりベタつくので、洗剤でもなかなか溶かせない。使用後はお湯に2〜3時間つけておくと落ちやすくなる。なお、上の本体部分は洗わない

→価格.comで「そば楽」(細麺・太麺用ダイスが付属しない)をチェック!

<関連記事>信州発の手作りキット「そば楽」で作ったそばがめちゃめちゃおいしい!

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清水りょういち

清水りょういち

元「月刊歌謡曲(ゲッカヨ)」編集長。今はめおと編集ユニット「ゲッカヨ編集室」として活動。家電や雑貨など使って楽しい商品のレビューに命がけ!

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2017.10.23 更新
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