4つの加熱方法で多様な調理が楽しめるコンベクションオーブン

室内で燻製が作れる「スモークトースター」と「けむらん亭」、どちらが買い?

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2015年に発売されるやいなや大ヒットとなった、部屋の中で燻製作りができるパナソニック「けむらん亭」。発売から1年半以上経つ現在でも、価格.comのフィッシュロースター 人気売れ筋ランキング1位に君臨しているほどの人気です(2017年4月7日時点)。実際に使ったことがありますが、手軽さも仕上がりも上々でした。ただ、けむらん亭はフィッシュロースターを進化させたものなので、本体幅が広め。そこで目をつけたのが、燻製も作れて本体幅が小さい、コイズミ「スモークトースター KCG-1201」(以下、スモークトースター)。両機の差をチェックするとともに、スモークトースターの実力を調査してみました。

「スモークトースター」ってどんな調理家電?

「スモークトースター」と「けむらん亭」はどちらも燻製が作れるものの、根本的な仕様が違います。けむらん亭はフィッシュロースターに燻製作りの機能を搭載したもので、上下のヒーターで焼き上げる調理となります。いっぽうのスモークトースターは、基本的にはコンベクションオーブン。しかも、ファンで熱風を対流させて加熱する「コンベクション調理」のほかに、上下に配置されたヒーターによる加熱もできるようになっており、上下ヒーターを両方利用する「オーブン」、上ヒーターのみの「グリル」、下ヒーターだけを使う「スロークッキング」というように4種類の調理モードを備えています。用意されている20種類の自動メニューの中には、コンベクション調理後にグリル調理に切り替えるメニューも! 熱風で中まで加熱してから上ヒーターで表面に焦げ目を付けるなど、仕上げにもこだわった調理が行えます。

魚をカットせずに入れられる450(幅)×185(高さ)×355(奥行)mmのけむらん亭に対し、スモークトースターは一般的なオーブントースターに近い形状をした360(幅)×235(高さ)×435(奥行)mm

スモークトースターは、上下に2本ずつヒーターを搭載。下ヒーターは網目のパーツの中に、上ヒーターと同じものが入っています。コンベクション調理の際には、上下ヒーターで熱した空気を庫内奥にあるファンで対流させて加熱

加熱方法や時間をおまかせできる自動メニューは20種類搭載(けむらん亭は6種類)。それぞれを任意で設定できる手動調理も用意されています

上下のファンとヒーターの組み合わせを変えることで4種類の異なる調理が可能

ファンと上下のヒーターの組み合わせを変えることで、4種類の異なる調理が可能

調理には、角皿と焼き網を使用。メニューにあわせ、どちらか片方、または両方を利用します

調理には、角皿と焼き網を使用。メニューにあわせ、どちらか片方、または両方を利用します

燻製を作ってみよう!

まず、もっとも気になる燻製作りから試してみましょう。燻製は、下ヒーターだけを利用する「スロークッキング」での調理。下からスモークチップを加熱することで煙を起こし、食材を燻します。そのため、スモークチップと煙を囲い込むアルミホイルが必要となります。スモークチップにはいろいろな種類があり、使い分けることでいろいろな風味を楽しむことができますが、何を買ったらいいかわからない時は癖が少ないサクラチップから試してみるとうまくいくはず。なお、調理中のニオイと煙は独自の庫内循環機能とメタルフィルターなどにより、軽減される構造となっているそう。

角皿の中央に13×13cm程度にスモークチップ(15g)を置きます。最初は定規を使ってサイズを測っていましたが、慣れれば角皿にある凹凸を目安に判断できるようになるのでさほどめんどうさは感じません

スモークチップの上に、22×15cmにカットしたアルミホイルにシワを作ってからかぶせます。シワを作る理由は、熱や煙を効率よく循環させるためだそう。一度、シワのない状態で燻製作りを行ったところ、食材から出た汁が角皿にめいっぱい広がってしまったので、液垂れ低減にも役立っていそうな気がします

焼き網に食材を並べ、角皿の上に置きます。チーズのようなとろける可能性のあるものは、アルミホイルを敷くほうがいいそう

全体をアルミホイルで覆い、煙が漏れないようにします。一応、取扱説明書にアルミホイルのサイズは25×45cmを2枚とあり、指定されたサイズにアルミホイルをカットする準備が少々大変でした

アルミホイルで覆った角皿を庫内にセットしたら、準備完了です

アルミホイルで覆った角皿を庫内にセットしたら、準備完了です

燻製は自動メニュー「20 くんせい」で調理しますが、チーズやちくわは「1-20」、ささみや塩鮭は「2-20」、豚バラや鶏もも肉は「3-20」、ゆで卵やそら豆は「4-20」というように4つに細分化されています。今回はチーズなので、「1-20」でスタート!

約18分で燻製終了。チーズは見事な飴色に変身しました

約18分で燻製終了。チーズは見事な飴色に変身しました

ちなみに、けむらん亭で作ったチーズの燻製のほうが飴色は濃いですが、少しチーズの縁が溶けました(スモークチップ15g、加熱時間13分)。スモークトースターよりもけむらん亭のほうが庫内温度が高いのかもしれません

燻製の自動メニュー「20 くんせい」にある4つのメニュー(1-20/2-20/3-20/4-20)についての詳細は取扱説明書にも記されておらず、それぞれに該当する食材も4種類ずつしか紹介されていません。しかし、そのラインアップから魚介なら「2-20」、肉類は「3-20」かな、と予想できるので、食材の分類が属しそうなメニュー番号を選べば問題ないでしょう。ちなみに、各メニューを試してみたところ、「1-20」は加熱時間が約18分、「2-20」は約20分、「3-20」は約29分、「4-20」は約19分でした。このことから、たとえば肉類が該当するであろう「3-20」は“比較的低めの温度で長めに燻す”のではないかと考えられます。このような感じで、取扱説明書に載っていない食材で燻製作りをしましたが、すべて成功(以下、参照)。あまり難しく考えずに実行しても、大きく失敗はしなそうです。

ちくわは取扱説明書には4本と記されていましたが、5本でトライ! 色づきも問題なく完成しました

ちくわは取扱説明書には4本と記されていましたが、5本でトライ! 色づきも問題なく完成しました

ちくわとは逆に、取扱説明書の表記よりも枚数を1枚減らした塩鮭を燻製にしてみました。分量が少なくても、焦げることはなさそうです。普通に焼くよりも、風味が増して断然おいしい!

ホタテは取扱説明書にはありませんでしたが、参考例に魚介が多かった「2-20」で調理。香りと色はしっかり付きつつも、身はやわらかいまま!

同じく、「2-20」でししゃもをスモーク。生の状態から調理しましたが、約20分で焼きも燻しもバッチリな出来栄えです

取扱説明書にあったのは普通サイズのゆで卵ですが、うずらの卵で挑戦。燻製は手動では行えないので、ゆで卵と同じ「4-20」で約19分加熱しましたが、何も不満のない仕上がりとなりました

鶏もも肉の燻製を作る「3-20」で調理してみたところ(加熱時間約29分)、少々長かったようで焦げてしまいました。生肉ではないので、ウインナーは「2-20」(加熱時間約20分)でいいかもしれません。でも、これでも焦げた苦さはなく、スモークの香りを楽しめました

いろいろな食材をスモークしてきた結果、味がしっかり付いており、脂もたっぷりあるもののほうが燻製になるとおいしいと感じました。今回試した中では、ちくわは劇的においしいというわけではなかったので、ちくわの穴に明太子など、何か味がしっかりしたものを詰めて燻製にするといいかもしれません。また、完成した燻製はお酒の肴としてそのまま食べるだけでなく、サンドイッチにしたり、パスタやサラダにトッピングするのもあり! いつも食べている料理がひと味違うものに変身するので、おいしいだけでなく楽しさも得られます。

買ってきたサラダにスモークしたチーズを乗せれば、風味がアップ! 燻製は作った翌日でもおいしく食べられるので、家で作って次の日の朝食や昼食に利用することもできます

燻製にすると水分がなくなり、そのぶん旨味が凝縮されるのでサンドイッチにうってつけ

燻製にすると水分がなくなり、そのぶん旨味が凝縮されるのでサンドイッチにうってつけ

燻製した魚はお茶漬けにしていただきたい! 最後まで燻製の香りが残り、とても味わい深いお茶漬けが楽しめます

さて、以上のように、スモークトースターで燻製作りをしてきましたが、スモークトースターとけむらん亭ではどちらのほうが準備はラクなのでしょうか。アルミホイルを巻くなどの作業は両機ともに発生するので、手間という部分では大差は感じませんでした。大きく違うところは3つ。1つめは、自動メニューで燻製するスモークトースターに対し、けむらん亭の操作は手動に近いことです。食材にあわせてチップの量や加熱時間を自分で調節しなければなりませんが(目安はあるので難しくはない)、燻し加減を微調整しやすいので、こだわり派はけむらん亭のほうがいいかもしれません。そして2つめは、燻製作りの専用容器があるか否か。けむらん亭にはその容器があるため、普通の調理でも利用する角皿にスモークチップを乗せなくていいのは魅力(汚れが気になるため)。しかし、専用容器が小さめということもあり、一度に燻製できる量はスモークトースターよりも少なくなります。最後の大きな相違は、魚や肉(一部除く)を事前に焼かなければならないけむらん亭に対し、スモークトースターは生のままから燻製できる点。燻製は食材をしっかり乾燥させていないと、酸味を感じる仕上がりになるそうですが、今回、スモークトースターで作ったもので感じる程度であればまったく問題なし! 魚も肉も生の状態から燻製できるのは、スモークトースターのメリットだと思います。

スモークトースターのほうは焼き網のどの程度まで食材を並べていいか明確な表記はありませんでしたが、常識的な範囲でセットしてもけむらん亭より多く並べられます

ただ、室内で燻製ができるとはいえ、発生するニオイは結構なもの。ニオイについてはけむらん亭も同様なので、どちらを選ぶにしてもニオイを付着させたくない部屋では調理しないほうがいいかもしれません。

オーブン、コンベクション、グリル調理の実力はどれほど?

スモークトースターは、いろいろな調理が1台で利用できることも魅力です。スロークッキング調理(燻製)以外の調理モードの実力もチェックしておきましょう。

まず試したのは、自動メニューの「鶏のハーブ焼き」。オーブン調理で食材の中まで加熱したあと、グリル調理に切り替えて表面をこんがり焼き上げます。なお、オーブン調理といえば予熱が必要ですが、スモークトースターでは不要。手動の場合も、温度(100〜250℃)と時間(最大60分)を設定して、即調理が始められます。

「鶏のハーブ焼き」では15分間オーブン調理したのち、グリル調理を12分間実行します

「鶏のハーブ焼き」では15分間オーブン調理したのち、グリル調理を12分間実行します

鶏の皮は見るからにおいしそうな焼き色が付き、パリッとしています。ナイフを入れると、中から肉汁があふれてきました

火加減や時間を誤ると、肉に火が通りすぎてじょうずに仕上がらないローストビーフも、自動メニューを利用すればラクラク。事前にフライパンで牛肉の表面を軽く焼いておく手間はありますが、そのあとはスモークトースターにおまかせできるので初めてでも失敗しないはず! なお、ローストビーフはコンベクション調理で行うようです。

フライパンで牛肉のかたまりの表面を焼き、角皿にセット。自動メニュー「ローストビーフ」を選んで加熱します

約17分のコンベクション調理(約250℃)で加熱完了。あまり変化がないように見えた牛肉ですが、ほんのり表面が焼けたような気がします。その後、オーブンから取り出し、アルミホイルで包んで30分放置

ローストビーフ初挑戦でしたが、見事な出来栄え! 生焼けでもなく、絶妙な火の通り具合です。食卓に並ぶと豪華に見える料理が、これほど簡単にできるのはいいですね

熱風による加熱「コンベクション調理」というと、油で揚げないノンフライ料理を思い出される方もいらっしゃるのではないでしょうか。スモークトースターの「コンベクション調理」でも、もちろん作れます。上下ヒーターと熱風で油を使わずサクッとした食感に!

パン粉をつけた豚ロース肉をセットし、自動メニュー「とんかつ」で加熱します

パン粉をつけた豚ロース肉をセットし、自動メニュー「とんかつ」で加熱します

約18分後、調理は完了しましたが、衣の色は白いまま。付属のレシピブックによると色づきをよくしたい場合には、衣に少量の油を塗ってから加熱するとアドバイスがありました。たしかに、脂身の多い部分はキツネ色になっているので、見た目を重視するなら事前にパン粉に油をスプレーするなどしておきましょう

とんかつと同じように、油で揚げないからあげも作ってみました。からあげ粉をまぶして自動メニューで加熱しただけですが、脂分の多い鶏肉だったおかげか、キレイな“揚げ物色”に!

手動調理で使える「脱臭・脱煙機能」がイイ!

ここまで自動メニューでいろいろな調理を試してきましたが、今度は手動でも料理を作ってみましょう。手動といっても、調理モードを選び、コンベクション調理とオーブン調理の場合は温度を100〜250℃で設定し、最後に加熱時間を決めて「スタート」ボタンを押せばいいだけなので、それほど手間ではありません。今回、手動調理で焼いてみたのは塩鮭。スモークトースターに搭載されている魚類の自動メニューは「塩さば焼き」と「ぶりの照焼き」しかなかったので、鮭の切り身は手動での操作となります。

手動で調理モードや時間を選択、設定する際は、左側のダイヤルと「決定」ボタンを利用します。鮭の切り身は、コンベクション調理で250℃、16分の加熱時間でスタート

調理を始めてから「脱臭・脱煙」ボタンがあることに気付きました。焼き魚にはうってつけっぽいので、とりあえず押してみると……

本体背面にある排気口のほうから、何かが稼動する音が聞こえました。「脱臭・脱煙機能」をオンにすると、熱でニオイを焼き切るといった作動が始まるそう。その半面、ニオイに対して熱を与えるため、食材に焼きムラが生じることもあるとのこと

焼きムラが出るかもと取扱説明書にはありましたが、2切れとも炭化している部分もなく、ほどよい焼き上がりとなりました

身はホクホクで、皮はパリッとしていて上々です。調理中も魚のニオイはほとんどしなかったので、「脱臭・脱煙機能」はかなり優秀かも!

これは便利!「ワンタッチ加熱」でサッと焼き

自動調理も手動調理も、ダイヤルを回してボタンを押すだけと手順は簡単ですが、もっと素早く操作できる「ワンタッチ加熱」がかなり便利なので紹介させてください。ワンタッチ加熱は、調理モードを選んでいない状態で「スタート」ボタンを押すとオーブン調理が5分間始まるというもの。加熱時間の延長もできるので、温め直しなどには最適なのではないでしょうか。

冷蔵庫に1晩入れておいた、衣がフニャフニャになったコロッケの温め直しに「ワンタッチ加熱」を利用します

冷蔵庫に1晩入れておいた、衣がフニャフニャになったコロッケの温め直しに「ワンタッチ加熱」を利用します

「スタート」ボタンを押したら、調理モードがオーブンになり、5分の加熱が始まりました

「スタート」ボタンを押したら、調理モードがオーブンになり、5分の加熱が始まりました

加熱不足と感じたら、調理中に「モード/温度/タイマー」ダイヤルを回して加熱時間を延長しましょう

加熱不足と感じたら、調理中に「モード/温度/タイマー」ダイヤルを回して加熱時間を延長しましょう

5分の加熱で、衣はサクサクに復活! 勢いよく焦げてしまう感じではないので、少々長めに加熱しても炭化はしなそう

まとめ

スモークトースターに搭載されている数ある機能の中で、もっとも注目していた燻製作りの機能は大満足なレベルでした。燻製専用の角皿が別途用意されていればよりパーフェクトですが、同じように燻製が作れるけむらん亭と比較しても、劣っている点は感じず。魚や肉を生のままでスモークできることを考えると、手軽さではスモークトースターのほうが勝っているかもしれません。それでいて価格は、けむらん亭より10,000円も安い!(スモークトースター:約13,000円、けむらん亭:約23,000円/2017年4月7日時点の価格.com最安価格) 4つの調理モードが搭載されているので、食材に焦げ色を付けて焼き上げるグリル調理やお菓子作りに役立つ余熱いらずのオーブン調理など、普段使いから凝った料理作りまで幅広く使えるでしょう。多様性を求めるなら、スモークトースターは理想的かもしれません。

ただ、自動メニューの中には、ちょっと焼きが甘いと感じるものもありました。焦げてしまうよりも対応しやすいですし、手動で加熱を追加することも簡単なのでそれほど問題ではありませんが、「トースト」は指定どおりのやり方では理想的な焼き加減にはならず(手前側と奥で焼き色にムラあり。下の写真参照)。自動メニューの「トースト」では2枚焼きか4枚焼きしかできないのも、残念なポイントです。しかし、搭載されている機能、性能と価格を考えるとお買い得だと思います。

2枚の食パンを自動メニューで焼いてみたところ、手前側の焼きが少々足りない印象。なお、この並べ方は取扱説明書の記載どおりです

試しに2枚焼く自動メニューで食パン1枚をトーストしてみても、焼き上がりは2枚の時とほぼ同じでした

試しに2枚焼く自動メニューで食パン1枚をトーストしてみても、焼き上がりは2枚の時とほぼ同じでした

手前側の焼き色が薄かったので、焼き網の中央に置いてみました。手動で「コンベクション調理/250℃」を選択し、4分30秒加熱してみると……

表面がまんべんなく焼き上がりました! 手動でも操作には数十秒ほどしか時間はかかりません。多機能ながら、オーブントースター感覚で使えるわかりやすさは気に入っています

お詫びと訂正:「けむらん亭」の2017年4月7日時点の価格.com最安価格に誤りがあったため、正しい情報に訂正いたしました。お詫び申し上げます。(2017年4月8日)

中村 真由美(編集部)

中村 真由美(編集部)

モノ雑誌の白物家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいマス。

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2017.5.30 更新
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