1番おいしいビールとは何か――。
ビールの醸造家いわく、それは“作りたてのビール”だそう。鮮度がよいビールとは、「芳醇なホップの香り」、「雑味のないフレッシュでやわらかな麦の味わい」というビール本来のおいしさが最大限楽しめる“ポテンシャル100%ビール”のことを指し、それこそが最高のビールだと言うのだ。ビール党の人は「そんなビールどこで飲めるの? 高級なバー? ビール工場?」と気になるだろう。実はこのたび、自宅で“ポテンシャル100%ビール”が飲めるようになったのである。それを実現したのが、キリンビールが提供するサービス「KIRIN Home Tap」(以下、ホームタップ)だ!
ビール配送サービス「ホームタップ」でレンタルできるビールサーバー。デザインは元・無印良品のプロダクトデザイナー、角田陽太氏が手がけただけあって、どんなインテリアにもなじみやすいシンプルさがウリだ。ハンドルが木製なのもかわいい。サーバーのサイズは、230(幅)×283(奥行)×355(高さ)mmで、重量は4.6kg
「ホームタップ」は、毎月2回、工場から直接ユーザーの自宅に新鮮なビールが届けられる会員制サービス。ビールは、同サービスオリジナルの製品「Home Tap01 一番搾りプレミアム」で、それが特殊ペットボトルに詰められて鮮度が保たれたまま届けられる。会員はそのペットボトルをレンタルした専用ビールサーバーにセットするだけで、本格生ビールがいつでも自宅で飲めるのだ。
毎回2本届く「Home Tap01 一番搾りプレミアム」の1Lペットボトル。詳しくは後述するが、ペットボトルにはビールの品質を保つコーティングが施されている
準備は、「Home Tap01 一番搾りプレミアム」に専用の「ビアラインキャップ」を付けて、ビールサーバーに入れるだけ
ビールサーバーは保冷機能付き。ただし、「Home Tap01 一番搾りプレミアム」のペットボトルは使用直前まで冷蔵庫内で冷やしておく必要がある
サービスの利用料金は、月額制で月6,900円(税別/以下同)。内訳は基本料金の2,900円とビール分(1L×2本セット×2回)の4,000円となる。わかりやすくいうと、配送1回当たり1Lのペットボトル2本を毎月2回、指定の日にち・時間帯に届けてくれるので、1か月6,900円で4Lの生ビールが楽しめるというわけだ。ビールサーバーはレンタルとなるが費用は不要。ビールサーバーの使用に必要な「ビアライン」と「炭酸ガスカートリッジ」は、注文量に応じて無償で届けられる。さらに、1セット2,000円(1セットは1L×2本)で追加注文も可能だ。なお、長期の不在でビールが余ってしまう時は、回数は限定されるが配送をスキップすることもできる。
まず、中身の「Home Tap01 一番搾りプレミアム」について触れておきたい。これは、ビールのおいしいところを凝縮した「一番搾り麦汁」のみを使い、ホップは東北産ホップ「かいこがね」の第一等品を厳選したキリンビールのギフト限定プレミアムビール「一番搾りプレミアム」がベース。そのレシピを、専用ミニブルワリーでていねいに仕込むことで、こだわり抜いた豊かな麦の旨みと深く華やかな香りが楽しめる。
容器にもこだわりが満載だ。そもそも、ビールの劣化の大きな原因となるのは、「酸素」「光」「熱」「時間」。そこで、「Home Tap01 一番搾りプレミアム」のペットボトルには、酸素の透過を防ぐ特殊コーディングが施されている。さらに、工場から家庭まで箱に入れられて冷蔵配送。極めつけは、作ってからなるべく早く発送することが約束されているということ。だからこそ同サービスでは、ビール工場のビールタンクから自宅のグラスに直接注いだように、作りたてのビールの鮮度とおいしさが体験できるわけだ。
以上ゴタクをたくさん並べ終えたところで、実際の試飲に移ろう。
居酒屋の業務用ビールサーバーのように、レバーを手前に引けばビールが出てくる
そして、レバーを奥に押すと泡が作れる
できた! めちゃくちゃおいしそう!
飲んで2回びっくりした。
1回目は、泡のクリーミーさ。口当たりがすごくまろやかで心地よく、高級感さえ感じられる。そして、ビールが口に流れ込んでくると、またびっくり。まったく雑味がない。それでいて、芳醇なホップの香りが口いっぱいに広がりつつ、舌やのどにはフレッシュでやわらかな麦のおいしさが染みわたる……。これ、めちゃくちゃウマい。正直、普通の居酒屋ではこのレベルのビールは飲めないだろう。ビールにこだわるバーで出される1杯といっても過言ではない、というか、中身がフレッシュな分、バーで出されるものよりもウマい! と断言したいほどだ。
実はこのあと、会社の先輩に缶ビールとの飲み比べをしてもらったのだが、両者のレベルが違いすぎてコメントをのせづらいので、ここでは割愛する。
会社の先輩がブラインドテストをしたが、ひと口飲んだだけで「Home Tap01 一番搾りプレミアム」を当ててしまった……
ビールサーバーで気になるのはお手入れだが、その手間もほとんどかからない。ペットボトルが1本終わった際に、ビールを吸い上げて外に注出するチューブ付き「ビアラインキャップ」を洗えばいいだけなのだ。
飲み終わったら、ペットボトルを取り出して……(写真のペットボトルはサンプル)
チューブ付き「ビアラインキャップ」をペットボトルから取り外して洗うだけ! キャップの下に取り付けていた細いストローは外して捨てて新しいもの(無償)と交換するだけ!
お手入れで「ビアラインキャップ」の洗浄以外にすることと言えば、「炭酸ガスカートリッジ」を交換することくらい。これも誰でも簡単にできる。「炭酸ガスカートリッジ」は1本で約2Lのビールの注出が可能
ビールのおいしさやサーバーの使いやすさは、文句のつけようがないものだった。特に、いつも飲むのは「キリン一番搾り生ビール」という“キリン派”の人は、ぜひ試してほしい。筆者と同じように、2度びっくりする体験が待っているはずだ。
気になるのはそのコスパ。6,900円で4Lだと、1杯350ml換算で11杯飲めるとして、1杯あたり627円。「キリン一番搾り生ビール」の350ml缶がだいたい210円くらいだから、3倍近くの価格だ。とはいえ、ビール工場の見学ツアーでしか飲めないような新鮮でおいしいビール(それも超クリーミーな泡付き!)を、それも自宅で飲めると考えたら、それだけの価値が十分あるように思う。ビール党の夫婦にとったら、週末の“プチハレ(小さな幸せ)”としてピッタリだ。またビール党夫婦であれば、もう1セット(2L)を追加注文すれば、さらに1杯の単価は下がることも念頭に置いておきたい。
ここまで読んで察しがいい人は気づいていると思うが、現在、「ホームタップ」は会員申し込みが殺到している。実は、本稿を掲載した6月20日の0:00より8月スタート分の申し込みが開始されたが、ものの数分で定員に達して締め切られてしまった。9月スタート分は、7月中旬に開始される予定。「ホームタップ」の公式HPでメールアドレスを登録すると、申し込み開始などの最新情報がもらえるのでチェックしてほしい。
現在は、2017年夏季限定醸造品として「Original Tap 01 ゴールデンエール」もラインアップ。同品は、「ブラボーホップ」がもたらす華やかでフルーティな味わいと、発酵由来の豊かな香り立ちが特徴。小麦麦芽がもたらすやわらかな口当たりが、料理とのペアリングも楽しくする特別感のある仕上がりになっているそう。う〜、こっちも飲みたい!