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「バルミューダ」のトースターと「ヘルシオ グリエ」を比較! 高級トースター十二番勝負!!

2015年の「バルミューダ ザ トースター」の発売をきっかけに始まり、今も続く「高級トースターブーム」。筆者もブームに乗ってトースターを買いたいけれど、どれもよさそうで決められない! そこで今回は、テレビや雑誌で取り上げられることも多く、高級トースターの中でもとくに注目度が高いバルミューダ「The Toaster K01E」(以下、バルミューダ ザ トースター)と「ヘルシオ グリエ AX-H1」(以下、ヘルシオ グリエ)を比較。3週間使い倒して、どちらを買うか決めることにしました。

比べるのはこのふたつ。2017年6月22日時点の価格.com最安価格は「バルミューダ ザ トースター」(左)が21,680円(税込)、「ヘルシオ グリエ」(右)が25,014円(税込)と、その価格差は3,000円強

<目次>
・「バルミューダ ザ トースター」と「ヘルシオ グリエ」の違いって?
−「バルミューダ ザ トースター」
−「ヘルシオ グリエ」

・まずはやっぱり……、パン五番勝負!
−1.トースト
−2.チーズトースト
−3.ロールパン
−4.クロワッサン
−5.カレーパン

・揚げ物の温め直し四番勝負
−6.天ぷら
−7.クリームコロッケ
−8.フライドポテト
−9.冷凍から揚げ

・米系も試してみたい!
−10.餅
−11.冷凍焼きおにぎり

・12.グラタン
・お手入れについてと、気になるところ
・私が買うことにしたのは、「○○○」です!

水分の膜を作ってヒーターで焼く「バルミューダ ザ トースター」VS水で焼く「ヘルシオ グリエ」

今回比較する「バルミューダ ザ トースター」と「ヘルシオ グリエ」は、どちらも「トーストをおいしく焼き上げる」と評判ですが、加熱の仕組みはまったく違うんです。まずはその違いを簡単におさらいしておきましょう。詳細については、それぞれの製品レビュー記事をチェックしてみてくださいね。

高級トースターブームの火付け役 「バルミューダ ザ トースター」

「バルミューダ ザ トースター」は、2015年に初代モデルが発売された高級トースターブームの火付け役です。本体に少量の水をセットし、加熱時に庫内にスチームを充満させることで、食材の表面にスチームの膜を作って焼く仕組みを採用。水分は気体よりも早く加熱されるため、外はカリカリに、中の水分をキープしたままふっくらと焼き上げるのです。なお、今回使用するのは2017年3月に発売された新モデルになります。

<「バルミューダ ザ トースター」の詳細はこちらでチェック>
やみつきになる美味さ! 噂の「バルミューダ ザ トースター」で焼いた“究極のトースト”

本体サイズは357(幅)×209(高さ)×321(奥行) mm、重量は4.3kg。とにかくデザインが素敵。「これ、家に置きたいな」と思えるかどうかは製品選びの重要ポイントですね

加熱モードは「トースト」「チーズトースト」「フランスパン」「クロワッサン」という4つの自動モードのほか、「クラシックモード」と呼ばれるスチームを使用しない機能(170℃、200℃、230℃)を搭載。加熱時間は、それぞれ1〜15分で調整可能です。

ちなみに、初代「バルミューダ ザ トースター」との違いは、「クラシックモード」と呼ばれるスチームを使用しない機能をワット(W)表示から温度表示に変更したこと。到達温度を170、200、230℃になるよう制御し、より調理がしやすくなったそうです

調理(「クラシックモード」以外)のたびに、給水口から水を入れて使用します。このカップ、小さくてうっかりなくしてしまいそう。たとえば底がマグネットになっていて本体にくっつけておけたらいいなと思います

過熱水蒸気で加熱や調理ができる「ヘルシオ グリエ」

「ヘルシオ グリエ」は、シャープのウォーターオーブン「ヘルシオ」に採用されている過熱水蒸気(100℃を越える温度に加熱された水蒸気)によって加熱する仕組みで、こちらも水を本体にセットしてから調理します。食材の中心からすばやく加熱しながら表面を焼き上げることができ、トースト以外にも、ノンフライ調理や、温度の違う食材を同時に加熱するなど幅広い調理方式に対応しているので、汎用性は「ヘルシオ グリエ」のほうが高いと言えます。

<「ヘルシオ グリエ」の詳細はこちらでチェック>
シャープ「ヘルシオ グリエ」を2週間使って感じた4つのイイところ!

本体サイズは、412(幅)×218(高さ)×315(奥行)mm、重量は約6.3kg。「バルミューダ ザ トースター」よりもひと回り大きい印象です。赤い家電は好みが分かれそうですが、数量限定でホワイト系やブラック系のベーシックカラーも発売中

水の入ったタンクを本体にセットすることで電源が入る仕組み。1回で約20ccの水を使用します

水の入ったタンクを本体にセットすることで電源が入る仕組み。1回で約20ccの水を使用します

調理温度は「弱(180℃)」「中(200℃)」「強(250℃)」の3段階。中央の「過熱切替」ボタンで調節します

調理温度は「弱(180℃)」「中(200℃)」「強(250℃)」の3段階。中央の「過熱切替」ボタンで調節します

まずはやっぱり……、パン五番勝負!

「バルミューダ ザ トースター」も「ヘルシオ グリエ」もメインの用途はトースターなので、やはり気になるのはパンの焼き上がり。今回は、食パンのトースト、ロールパン、クロワッサン、カレーパンの焼き上がりを比較してみたいと思います。

1.トーストのインパクトが強いのは「バルミューダ ザ トースター」

まずは、両製品ともその焼き上がりが評判の食パンのトースト。食べ慣れているだけに違いが明確にわかりそうな気がしますが、どうでしょうか?

「バルミューダ ザ トースター」
「トーストモード」で4分加熱しただけなのに、普段食べているトーストとは別物に。まず驚くのはそのカリカリ感で、クラムも期待通りしっとりふんわり。トースターのおいしいところをぎゅっとまとめたような仕上がりです。「バルミューダ ザ トースターを買ってからパンの消費量が増えた」という声をよく聞きますが、たしかにこれは毎日でも食べたくなりますね。

トースト全体に膜ができているような均等なカリカリ感で、バターをつけるのがもったいないくらい。加熱直後の中の温度を計ってみたところ約93℃で、割るとほわぁっと湯気が立ち上ります。クラムも甘い!

「ヘルシオ グリエ」
「強」で4分加熱。「バルミューダ ザ トースター」で焼いたトーストが「外カリカリ中しっとり」なのに対し、「ヘルシオ グリエ」で焼いたものは「外サクサク中しっとり」という感じ。どちらも十分おいしいですし、どちらが好きかは人それぞれですが、インパクトという意味では、バルミューダに及ばないかも。

加熱直後の中の温度は約68℃。バルミューダほどではないものの、十分あたたかいです。「バルミューダ ザ トースター」より軽い仕上がりに感じます

勝者:「バルミューダ ザ トースター」
トーストに“カリカリ感”を求めるのであれば、「バルミューダ ザ トースター」の勝ち。

2. 「バルミューダ ザ トースター」のチーズトーストは感動の味!

「バルミューダ ザ トースター」は、とにかくチーズトーストがウマイ!! と評判です。確かに、トースターに「チーズトースト」モードがあるなんて、相当気合入ってますよね。「バルミューダ ザ トースター」にかなり有利な戦いではありますが、やってみましょう。

「バルミューダ ザ トースター」
「チーズトーストモード」で4分焼くだけで、感動のチーズトーストのできあがり! もう、「バルミューダ ザ トースター」はこれだけのために買っても損はないと思うくらいおいしい。パンはもちろん、チーズの水分も保ったままカリっと焼けるのがすばらしいところ。

チーズはこんがり焼けているのにやわらかく、夢のようにトロトロ。「焼きたてのベストな状態で食べきりたい」という思いから、このチーズトーストを食べる時はいつもにまして早食いになってしまいます

「ヘルシオ グリエ」
「強」で5分加熱。トーストはさっくり、チーズにもほどよい焦げ色が付いて十分おいしいのですが、「バルミューダ ザ トースター」のチーズトーストと食べた後では、やはり物足りなく感じてしまいます。

「バルミューダ ザ トースター」のチーズトーストに比べると、チーズの水分が少ない様子

「バルミューダ ザ トースター」のチーズトーストに比べると、チーズの水分が少ない様子

勝者:「バルミューダ ザ トースター」
ちょっとフェアな戦いではなかった気がするものの、チーズトーストに関しては「バルミューダ ザ トースター」の右に出るものはいない気がします。

3.ロールパンがこんなにパリッと焼けるとは

次は、外側はこんがり中はふっくら、焼きたてのように仕上げたいロールパン。正直、個人的にパンの中でもロールパンは存在感が薄く、めったに食べないパンですが……。

「バルミューダ ザ トースター」
「フランスパンモード」で4分加熱したところ、外側がパリサクに仕上がってびっくり。筆者にとって「ただふんわりしているだけ」というイメージだったロールパンでこの食感を楽しめるとは思いませんでした。通常、表面を焦がすことなくここまでパリッと仕上げるのは難しいですが、「表面に焼き色をつけずに中までしっかり温める」という「フランスパンモード」の成せるワザということでしょう。

繰り返しますが、外側がパリサク! 割る時「パリパリッ」と音がします。なのにクラムは硬くなることなく中のマーガリンはトロ〜リ。間違いなくベストな焼き上がりでしょう

「ヘルシオ グリエ」
「弱」で4分加熱しました。外側はパリパリではありませんが、中のマーガリンもとろりと溶けてふっくら仕上がっています。磐石な仕上がりと言うのでしょうか。十分おいしいです!

ふっくらとした食感で、バランスのいい焼き上がりでした

ふっくらとした食感で、バランスのいい焼き上がりでした

勝者:「バルミューダ ザ トースター」
「ロールパン」の新しい表情を見せてくれた「バルミューダ ザ トースター」に1票。

4.クロワッサンは、かなりハイレベルな互角の戦い

続いては、パリパリサクサクの歯ざわりが命のクロワッサン。しなしなの「前日買ったクロワッサン」をリベイクしてみました。

「バルミューダ ザ トースター」
「クロワッサンモード」で4分加熱したところ、まさに焼きたてのようにパリパリになりました。中もむっちり弾力を感じるような伸び具合で花丸!

「ヘルシオ グリエ」で焼いたものより若干焼き色が強い気がしましたが、味にはほぼ影響なし

「ヘルシオ グリエ」で焼いたものより若干焼き色が強い気がしましたが、味にはほぼ影響なし

「ヘルシオ グリエ」
「弱」で4分加熱。こちらも文句なしのパリパリ感です。「バルミューダ ザ トースター」で焼いたものと大きな差は感じられませんでした。

こちらもクラム(クロワッサンでもそう呼ぶのでしょうか)は粘りがあり伸びるようなやわらかさ

こちらもクラム(クロワッサンでもそう呼ぶのでしょうか)は粘りがあり伸びるようなやわらかさ

結果:引き分け
どちらも、外側はパリサクの中しっとり。端の部分なんて、パイを食べているかと思うくらいの歯ごたえでした。加熱直後の中の温度にも差がなかった(ともに約52℃)ので、引き分け!

5. カレーパンは衣のカリカリ感が勝負の決め手!

最後はカレーパンです。こちらも前日購入したものをリベイクしました。揚げたてのカリカリの衣と熱々のカレーこそ、理想のカレーパン! どっちが理想に近づけるでしょうか。

「バルミューダ ザ トースター」
推奨レシピどおり、「クロワッサンモード」で5分加熱しました。外側は期待通りカリカリ、クラムふんわり、中のカレーはほどよい温かさです。

加熱直後の中の温度は約55℃。食べやすい温度ではありますが、もうちょっと熱々になるとうれしい

加熱直後の中の温度は約55℃。食べやすい温度ではありますが、もうちょっと熱々になるとうれしい

「ヘルシオ グリエ」
「弱」で5分加熱しました。外はかりっと仕上がっていますが、「バルミューダ ザ トースター」でリベイクしたものには及ばない印象。

加熱直後の中の温度は約64℃。カレーは「バルミューダ ザ トースター」で加熱したものより温かいですが、体感ではそこまで差はないかも

勝者:「バルミューダ ザ トースター」
中のカレーは「ヘルシオ グリエ」のほうが温かくなりましたが、それでも熱々というわけではなかったので、衣がよりカリカリになったバルミューダに軍配を上げます。カレーを熱々にしたいので、次に試す時は1分長めに加熱してみようと思います。

「ヘルシオ グリエ」での油落ちがすごい! 揚げ物の温め直し四番勝負

家庭によっては、こちらの用途で使用することのほうが多いかも? 惣菜(揚げ物)の温め直しの仕上がりを比べてみます。こちらは「ヘルシオ グリエ」がだいぶ有利な予感ですが、実際のところはどうでしょうか?

1. 「ヘルシオ グリエ」での油落ちがハンパない天ぷら

「今日は簡単におそばやうどんで済ませようかな」という日に重宝するスーパーの天ぷら。余分な油を落としつつ、サクサクなのが理想です。今回はえびとナスの天ぷらを温め直します。

「バルミューダ ザ トースター」
「クラシックモード」の170℃で3分間加熱しました。期待していたよりもカリっとした仕上がりで、これはこれで十分おいしい。

えび、ナスともに油はあまり落ちていません

えび、ナスともに油はあまり落ちていません

えび、なすともに具の水分はしっかりキープし、ぷりぷり&みずみずしいまま。加熱直後の中の温度は両方とも60℃ほどでした

「ヘルシオ グリエ」
「中」で5分加熱したところ、えびもなすも油がダクダク落ちました。予想はしていたけれど、期待以上の油落ち、そしてサックサク! これは、かなり揚げたてに近いと言えそうです。

調理が終了して扉を開けると、「ジョワー」と音が。自分から出た油でまた揚がってる!!

調理が終了して扉を開けると、「ジョワー」と音が。自分から出た油でまた揚がってる!!

加熱時に下になって油が付いていた部分も、油っぽさは気になりません。加熱直後の中の温度はえび、なす共に80℃弱で、「バルミューダ ザ トースター」で加熱したものより熱々

勝者:「ヘルシオ グリエ」
どちらもえびの尻尾までおいしい満足の仕上がりでした。油落ちのよさ、中まで熱々になったということで「ヘルシオ グリエ」の勝ち。

2.「ヘルシオ グリエ」で、人生で一番おいしいクリームコロッケに出会う?

クリームコロッケは自宅で作ることがほぼないので、食べるのはほとんどスーパーで買ったもの。衣サクサクはもちろん、中のクリームをよりとろんと熱々にできるのはどっちだ!?

「バルミューダ ザ トースター」
「クラシックモード」の200℃で7分加熱すると、いい感じのサクサク感が復活。「バルミューダ ザ トースター」でも十分じゃない! と思ったのですが……

普通においしいクリームコロッケに。加熱直後の中の温度は約77℃でした

普通においしいクリームコロッケに。加熱直後の中の温度は約77℃でした

「ヘルシオ グリエ」
「中」で7分加熱したところ、「バルミューダ ザ トースター」で温め直したものを軽く越えて来るという結果に。油が落ちてサクサクなのはもちろん、クリームも「バルミューダ ザ トースター」で温めたものよりとろっとしていて超なめらか! 全然違う。

天ぷら同様、調理終了直後は「ぷしゅぷしゅ」と音がします。加熱直後の中の温度は約93℃で、やけどしそうに熱い。でもそれがおいしい

勝者:「ヘルシオ グリエ」
「ヘルシオ グリエ」の圧勝。お店で食べた揚げたてを含め、今まで食べたクリームコロッケの中で一番おいしかったかも。

3.フライドポテト

こちらも揚げたて命! 大好きなフライドポテト(ファストフード店のもの)も試してみました。外はサクサク、中はほくっとした仕上がりが理想です。

「バルミューダ ザ トースター」
「クラシックモード」の200℃で5分加熱。こんがりきつね色になり、スナックのようにカリカリになりました。

外側の歯ごたえは悪くないなのですが、加熱しすぎて水分がなくなったのか、中がスカッとしてほくほく感がなくなってしまいました。もっと時間を短くすればいいのかも

「ヘルシオ グリエ」
「中」で5分加熱したところ、「ファストフードにて、揚げたてではないけれど提供されたて」くらいに復活。中のホクホク感もキープできています。

加熱後3分ほど置いたところ、よりサクサク感がよみがえりました。加熱後にほんの少し水分を飛ばす時間を作ると、よりおいしく食べられるのかもしれません

勝者:「ヘルシオ グリエ」
お店で食べるフライドポテトにより近づけた「ヘルシオ グリエ」の勝ち!

4.冷凍から揚げも「ヘルシオ グリエ」ならジューシーに

衣のサクサク感はもちろん、鶏肉のジューシーさも重要です。

「バルミューダ ザ トースター」
まず「クラシックモード」200℃で6分で加熱してみたところ、中心まで解凍しきれないという結果に。追加で3分加熱したところ、中心まで温かく(温度は50℃くらい)なりました。

衣はカリカリ感がありますが、中の肉はあまりジューシーではない気がしました

衣はカリカリ感がありますが、中の肉はあまりジューシーではない気がしました

「ヘルシオ グリエ」
「中」で6分加熱すると、衣はカリカリで中はジューシーに仕上がりました。加熱直後の中の温度は約60℃。

天ぷらやコロッケと比べ、油がダクダクということはないですが、その代わりに中に肉汁が閉じ込められている感じ。切ると肉汁がじゅわ〜とあふれます

勝者:「ヘルシオ グリエ」
カリカリの衣とじゅわっとあふれ出る肉汁がおいしい「ヘルシオ グリエ」を推したいと思います。

米系も試してみたい!

ここまで散々パンを食べてきましたが、実は筆者はパンよりも白米が好きな“ごはん党”。米系の食品へのインパクトも気になります。

1.餅の焼け具合に個性が出る

特別餅好きというわけではないですが、「0.2秒発熱トースター」の記事を読み、トースターで焼いた餅があまりにおいしそうだったので、試してみることに。

「バルミューダ ザ トースター」
「クラシックモード」の230℃で5分加熱したところ、ぷーっとふくれて焦げが付くという「いかにも餅」な仕上がりに。

いい感じの焦げ。「これ以上いったら焦げすぎ」という絶妙さで、「これぞ焼き餅!」という香ばしさと、もちもちの食感にたまに加わるおこげ部分の「さくっ」という歯ごたえがたまりません

「ヘルシオ グリエ」
「強」で5分加熱したところ、「バルミューダ ザ トースター」とはまったく違う焼き上がりに。食材の中心から加熱しながら表面を焼き上げているというのがよくわかります。焼き色はやや物足りないですが、海苔を巻いたりといったアレンジは、こちらのほうがしやすいかもしれませんね。

「バルミューダ ザ トースター」で焼いたものと比べると、「ちゃんと焼けてる?」と心配になるかもしれませんが、加熱直後の中の温度は約92℃。しっかり焼けていて伸びもよいです。「バルミューダ ザ トースター」で焼いたものより、心なしか中がみずみずしい気もしました

勝者:「バルミューダ ザ トースター」
焼き上がり方が違いすぎて甲乙つけがたいですが、シンプルな「焼き餅」としての味は、香ばしさを感じる「バルミューダ」がおいしいと個人的には感じました。

2.冷凍焼きおにぎりは時間がかかるけど絶対トースターがおいしい!

レンジの「あたため」モードだと、いまいち香ばしさに欠ける冷凍の焼きおにぎり。トースターなら香ばしく仕上げてくれるかも? トースターでも温められるタイプの冷凍焼きおにぎりで試してみました。

「バルミューダ ザ トースター」
表面のカリカリ感を出したかったので、上火の強い「チーズトーストモード」で15分加熱してみました。ちなみに「チーズトーストモード」は焦げすぎないようにヒーターの制御が行われるため、長時間の加熱でも焦げすぎてしまうことはないのです。

おこげっぽいカリカリ具合! でも中はふっくらして、お米にもツヤがあります。これはハマる……

おこげっぽいカリカリ具合! でも中はふっくらして、お米にもツヤがあります。これはハマる……

「ヘルシオ グリエ」
「弱」で15分加熱しました。「バルミューダ ザ トースター」で焼いたものほどカリカリ感はありませんが、「おこげが多すぎると歯にくっついていやだ」という人にはむしろこちらがいいかも。

熱々の時はところどころかりっとしてる感じ。フライドポテトと同様、加熱後に数分時間を置くとカリカリ度がちょっとアップします

勝者:「バルミューダ ザ トースター」
よりおこげがおいしい「バルミューダ ザ トースター」に軍配。それにしても、冷凍の焼きおにぎりは、トースターで焼くとレンジで温めるより何倍もおいしい。その分時間はかかりますが、ぜひ試していただきたいです。

番外編 チーズを乗せたグラタンの焼きあがりが気になった

パンでも揚げ物でも米でもありませんが、「チーズトーストモード」でグラタンを作ったら絶対おいしいはず。と、気になったので試してみました。チーズトーストがあんなにおいしいんだから、おいしくないはずがない。

「バルミューダ ザ トースター」
チーズをたっぷり乗せて「チーズトースト」モードで15分加熱したところ、チーズはかりっともちもちで中は熱々という思わく通りの焼き上がりに。

チーズは表面はカリカリですが水分は飛んでおらず、もっちりとした食感。加熱直後の中の温度は約90℃と熱々!

「ヘルシオ グリエ」
「弱」で15分加熱。十分おいしいのですが、チーズの焼き色は「バルミューダ ザ トースター」で焼いたものに比べて上品な感じです。

もちろん、すごくおいしいですが、加熱直後の中の温度は約70℃と「バルミューダ ザ トースター」で加熱したものほど熱々にはなりませんでした

勝者:「バルミューダ ザ トースター」
「チーズトースト」モードを使えば、オニオングラタンスープやラザニア、ドリアも絶対おいしいですね。先ほどの焼きおにぎりもそうですが、「バルミューダ ザ トースター」の自動モードは、パン以外にも活用できます。「あれにはこのモードがいいかも」と、工夫しながら使っていくのも楽しみのひとつになりそうですね。

お手入れについてと、気になるところ

最後に、それぞれのお手入れの手間と、使っていてちょっと気になった点にも触れておきたいと思います。

「バルミューダ ザ トースター」は手入れの手間と汚れの付きやすさが気になる

「バルミューダ ザ トースター」のお手入れは、焼き網、パンくずトレイ、ボイラーカバー、給水パイプなど取り外せる部分を洗い、ボイラートレイを拭くというもの。取扱説明書によると、この作業を毎回(!)行うということなので、ちょっとめんどうですね。実は筆者はよくサボってしまいます(汗)。

パンくずトレイは引き出し式

パンくずトレイは引き出し式

本来は、給水パイプやボイラー(スチームが溜まる部分)カバーも毎回外して洗うべし……とのこと

本来は、給水パイプやボイラー(スチームが溜まる部分)カバーも毎回外して洗うべし……とのこと

ボイラートレイは水拭きします

ボイラートレイは水拭きします

また、「バルミューダ ザ トースター」は本体に手の跡が残りやすいことと、食品の出し入れがしづらい点がちょっと気になりました。

せっかく素敵なデザインなのに、手で触れる部分に汚れが付きやすいのが残念。そして、汚れが拭いても落ちにくい……

焼き網が前後に動かないので、サイズの合った耐熱トレイなどを用意しておくと食材の出し入れに便利かもしれません

「ヘルシオ グリエ」はお手入れは楽だけど、トレイに汚れが付きやすい

「ヘルシオ グリエ」のお手入れはというと、焼き網、トレイ、パンくずトレイ、水タンクを洗うだけ。給水部は「水抜き」という作業が必要ですが、とても簡単で頻度も1〜2週に1度。「バルミューダ ザ トースター」に比べて負担はかなり少ないです。

こちらもパンくずトレイは引き出し式

こちらもパンくずトレイは引き出し式

「水抜き」は、庫内を空にした状態で加熱モードを「水抜き」に合わせて運転させるだけ。5分ほどで完了します

お手入れも楽な「ヘルシオ グリエ」ですが、ただ1点気になるのが、「トレイに汚れつきやすすぎじゃない?」ということ、実はこの「ヘルシオ グリエ」は編集長が夏のボーナスで買った私物(しかも未使用)なので、使用する際はアルミ箔を敷いていたうえ、汚れが付いたらすぐに洗うようにしていたのですが、気をつけていてもどんどん汚れがたまっていく一方で、どうしても落ちない!

見た目以外に問題はないのですが、気になる場合は「ヘルシオグリエ トレイ YX-H1TR」が1,000円(税別)で購入できるほか、油汚れに強い(きっと汚れも付きにくい)「ヘルシオグリエ コーティングトレイ YX-H1CT」も2,000円(税別)で販売されているので、気になる場合は別途購入するとよいと思います。

こびりついているというより、焼き付いている? お湯でも洗剤でも落ちない……

こびりついているというより、焼き付いている? お湯でも洗剤でも落ちない……

私が買うことにしたのは、「バルミューダ ザ トースター」です! が……

「バルミューダ ザ トースター」と「ヘルシオ グリエ」を3週間使い倒した筆者なりの結論は、「炭水化物好きならバルミューダ、そうでなければヘルシオ グリエ」です。

今回、筆者が最終的に「バルミューダ ザ トースター」を選んだのも、自身が無類の炭水化物好きだから。パンや餅、おにぎりは全般的に、ヒーターで加熱する「バルミューダ」のほうが食感がサクサクしていたり、より香ばしいなど、エモーショナルな仕上がり。「お、おいしい……!」と感じた回数が多かったように思います。番外編として作ったチーズグラタンのおいしさも決め手のひとつでした。

いっぽう、「ヘルシオグリエ」はその加熱方式ゆえ、焦げや焼き色が薄いので、炭水化物については、よく言えば「バルミューダ ザ トースター」に比べて全体的に上品な仕上がりだと感じました。しかし、揚げ物の温め機能は「さすが」のひと言! 揚げ物の温め直しでは、「バルミューダも意外とやるなぁ」と思った直後に、「ヘルシオ グリエ」がその1、2歩上をいく仕上がりで感動を塗り替えていくということの繰り返しでした。「ヘルシオ グリエ」はノンフライ調理などもできるため、惣菜の温め直しも含め、おかずの調理を重視したい場合は、「ヘルシオ グリエ」のほうがいいかと思います。ちなみに、お手入れを含む使い勝手も正直「ヘルシオ グリエ」がだんぜん上だとは思います。

とはいえ、2台を3週間使い倒している中で常に感じていたのは、「どちらもとってもよい製品」ということ。今回は筆者の個人的な嗜好を絡めた結果として、「バルミューダ ザ トースターを買う」という判断となりましたが、どちらを購入しても、高い満足度で活用し続けられると思います。

大泉瑠梨(編集部)

大泉瑠梨(編集部)

美容・健康家電を中心に新製品レポートやレビュー記事を担当。時には体を張って製品の実力をチェックします。

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